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英文を早く読むためのヒント 「①大事な部分とそうでない部分を分ける②完璧な日本語訳を目指さない!」 速読英単語を使って

英文を速く正確に読む練習の題材として、「速読英単語 必修編」(Z会)は超おすすめです。短い英文で、サクサク読んでいく練習ができます。各単元に速読のスピード目安があります。単元1では60秒。単元1→早く読むためのヒント①Wolves have an interesting way of raising their young.のような文章は、大事な部分(Wolves have an interesting way )とそうでない部分(of raising their young)を切り離して読む!②完璧な日本語訳を目指さない!誰が何したか、が分かれば良い!直訳でもイメージができればOKof raising their youngの部分は、「若いを育てる」→これでOK、「子供を育てる」って訳せていなくても、小さいオオカミを育てる というイメージが分かればOKですほんの一部ですが、英文を読む際のヒントになれば幸いです。お読みいただきありがとうございます。#速読#速読英単語 #長文 #英文読解 #リーディング #高校英語
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【高校生の教科書を用いて解説】どうやって英文を速く正確に読むのか?!

英文解釈についてある程度のワンポイント英会話をマスターしたいなら、定番フレーズを覚えるだけで、簡単な意思疎通はとれるようになるとおもいます。が、それ以上、複雑な内容の読み書き、やりとりとなると、やや複雑な英文の正確な読み取りが必要と考えます以下の英文は、高校3年生用の「クラウン」と言う教材です“In 1999 a survey of the mother tongue of 850,000 children in London schools found over 300 languages in use.”と言う文章があります。大学受験やTOEIC・TOEFL・IELTSなどの資格試験においても、長文の内容を素早く理解する能力が必要です。半年、一年以上の期間をもって少しずつ身につきます。前提として英単語力、基礎文法力(主語動詞を理解する力、名詞や前置詞など判断する力など)が必要です。今回は上記の文章を例に、いかに正確に速く読むかを実演したいと思います。①SVを理解英文で大事な要素はS(主語)V(動詞)ですので、そこをまず掴みます。この場合はS=a survey , V = found ですね。なぜこれがわかったかというと、他の部分は飾り(修飾語)だからです。In 1999=前置詞+名詞 なので、(   )にします。of the mt(mother tongue)の部分も同様、前置詞+名詞 なので、(   )にします。of 850,000 children in London schoolsも同じですね。基本前置詞+名詞 は、(   )にします。SやVになりません。そして残った
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ミニ単語&英文テスト⑮「英語は他の言語の影響を受けている??」”First of all, many words that we use in English today were originally words in other languages. ”から考える☆

昨日の答え→First of all, many words that we use in English today were originally words in other languages. (速単:単元17)→まず初めに、今日私たちが英語で使うたくさんの単語はもともと、ほかの言語の言葉でした。※英語はそもそもイギリスの言葉ですね。そのイギリスは大昔から、様々な民族に支配されたり・攻め込まれたりした歴史があり、その中で、様々な言語は入っていき、現代の英語にもその影響が多く残っていますね。単語→ターゲット→1232 survive→生き残る本日の問題(日本語に訳してください)速単(単元18)→Finally,to add to the difficulties of counting words, we need to consider new words that are being created all the time.ターゲット→1246 destroy
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第46連句

【C.H.Sisson英訳】 Then he moved forward, and I kept behind him. 【Mark Musa英訳】 Then he moved on, and I moved close behind him. 【野上素一和訳】 そこで彼は歩きはじめ、私はそのあとに従った。 【平川祐弘和訳】 すると彼は歩きだした、そして私は彼の後に従った。 【語句】 move forward=前進する。 move on=どんどん進む。 close=~に接して、すぐそばに、ぴったりと。 【解説】  いよいよ「地獄」から始まる霊界旅行の出発です。ちなみに「地獄」の構造は次のようになっています。 地獄の門:「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」 地獄前域:無為に生きて善も悪もなさなかった亡者は天国にも地獄にも入ることが許されず、ここで蜂や虻に刺されます。 アケローン川:冥府の渡し守カロンが亡者を櫂で追いやり、舟に乗せて地獄へと連行していきます。 第1圏:「辺獄」(リンボ)。洗礼を受けなかった者が、呵責こそないが希望もないまま、永遠に時を過ごします。 地獄の入口:冥府の裁判官ミーノスが死者の行くべき地獄を割り当てています。 第2圏:愛欲者の地獄。肉欲に溺れた者が荒れ狂う暴風に吹き流されます。 第3圏:貪食者の地獄。大食の罪を犯した者がケルベロスに引き裂かれて、泥濘にのたうち回ります。 第4圏:貪欲者の地獄。吝嗇と浪費の悪徳を積んだ者が重い金貨の袋を転がしつつ、互いに罵ります。 第5圏:憤怒者の地獄。怒りに我を忘れた者が血の色をした「スティージュの沼」で互いに
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第45連句

【C.H.Sisson英訳】 Lead me now, as you have promised to do, So that I come to see St Peter’s Gate And those whom you represent as being so sad.’ 【Mark Musa英訳】 lead me there to the place you spoke about  that I may see the gate Saint Peter guards  and those whose anguish you have told me of.” 【野上素一和訳】 のがれるためあなたのいう場所へつれていってください。 聖ピエトロの門とあなたの話された場所にいる まことに悲惨な者たちを見ることができるように」 【平川祐弘和訳】 いまいわれた場所へ私をお連れください、  どうかサン・ピエトロの門や  あなたが話されたいとも悲惨な者どもをお見せください」 【語句】 lead=(人を)導く、案内する。先に立って、人を連れて行く。 guide=人に付きっきりで案内する。 direct=道順・方向などを人に教える。 conduct=人をある場所に連れて行く。 so that=(目的の副詞節を導いて)~するために。 come to do=~するようになる、~するに至る。 St. Peter=聖ペテロ。キリストの「第1弟子」にして、「12使徒」の1人です。イエスが大祭司カヤパの中庭で死刑を宣告された時、ペテロは3度イエスを否定してその場を逃れたため、復活したイエスがペテ
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第44連句

【C.H.Sisson英訳】 I said to him: ‘Poet, now by that God, Who is unknown to you, I ask your assistance: Help me to escape both this evil, and worse; 【Mark Musa英訳】 And I to him: “Poet, I beg of you,  in the name of God, that God you never knew,  save me from this evil place and worse, 【野上素一和訳】 それで私は彼にいった、「詩人よ、あなたの ご存じなかった神の御名にかけてお願いします。 この悪い場所とさらにもっと悪い場所とを 【平川祐弘和訳】 そこで私がいった、「詩人よ、お願いでございます、  あなたが生前御存知でなかった神の御名により、  どうかこの悪やこれ以上の悪を私が免れますよう 【語句】 Poet=無冠詞なのは「呼びかけ」で用いられているからです。イチローも盗塁でアウトになった時、塁審に対して、’Oh, man!’とやっていました。 assistance=手伝い、助力、援助。 escape=(追跡・危険・災難などを未然に)逃れる、免れる、うまく避ける。自動詞のescape fromが「自分を現実的に捕らえて(追って)いるものから逃れる」という意に用いられるのに対して、他動詞用法ではそういうものから「未然に逃れる」ことの意味が主となります。  avoid=意識的・積極的に危険・不快などの恐れのあるも
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第43連句

【C.H.Sisson英訳】 He commands everywhere, and there he rules, There is his city, there he has his throne: Happy are those he chooses for that place!’ 【Mark Musa英訳】 Everywhere He reigns, and there He rules;  there is His City, there is His high throne.  Oh, happy the one He makes His citizen!” 【野上素一和訳】 主権者は全地域を統括し、治めており、 そこにはその者の都市と高い座があるのだ。 そこに選ばれて住むものは幸福である」 【平川祐弘和訳】 皇帝(かみ)はあらゆる場所に君臨し統治し給う。  そこには皇城があり玉座がある。  皇帝(かみ)に選ばれてその国に行く人はさいわい(さいわい)なるかな」 【語句】 command=命令する。指揮権を持つ。 throne=王座、玉座。 He=宗教に関する文脈ではGodを指します。 【解説】  「天国」のイメージが「市民権を持つ者が住む場所」Cityで語られ、「選ばれた者」が「市民権を持つ者」citizenで表現されている所が日本人に理解しにくい所でしょう。この「市民権」に相当する部分が「神の法」Lawを守ることに他なりません。  ちなみにダンテは1313年に3巻からなる『帝政論』をラテン語で執筆していますが、第1巻の内容を要約すると次のようになます。 「市民
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第42連句

【C.H.Sisson英訳】 Because the Emperor, who reigns up there, Since I was one of the rebels against his law, Does not wish me to enter into his city. 【Mark Musa英訳】 because that Emperor dwelling on high  will not let me lead any to His city,  since I in life rebelled against His Law. 【野上素一和訳】 というのはその国を治めている主権者は 私がその国の法律にそむいたからといって その国に入るのを許さないからだ。 【平川祐弘和訳】 というのも天上におわします皇帝(かみ)は  私にその掟に背いた前歴がある以上、  人が私ごとき者の案内で王国に入るのを御希望にならぬ。 【語句】 Emperor=皇帝、天皇。 reign=主権を握る、君臨する。 up=(終結・完成・充満などを表わす強意語として動詞と結合)全く、すっかり、~し尽くす。 since=(理由)~だから、~の故に。becauseのような直接的因果関係を示さないので、becauseと書き換えが出来ない場合があります。 rebel=反逆者、反抗者。(政府・権力・慣習などに)反対する、反抗する、反逆する(against)。  rebellion=(政府・権威者に対する)反乱、暴動(against)。不成功に終わった謀反を指す場合が多いです。rebelの名詞形です。
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第41連句

【C.H.Sisson英訳】 Among whom you may climb, but if you do, It will be with a spirit more worthy than I am; With her I will leave you, when I depart: 【Mark Musa英訳】 to whom, if you too wish to make the climb,  a spirit, worthier than I, must take you;  I shall go back, leaving you in her care, 【野上素一和訳】 きみがそこからさらに高い所へ行くことを望み 私よりもいっそう高貴な霊さえ来てくれるなら、 私はその霊にきみを托して立ち去るとしよう。 【平川祐弘和訳】 また幸ある人の住む(天)国にも昇りたいのなら  それには私よりも立派な方がおられるから  別れ際におまえをその方にお任せするとしよう。 【語句】 worthy=価値のある、尊敬すべき、立派な。worthier(比較級)、worthiest(最上級)ですが、2音節語の大多数は-er, -est形とmore, mostの両方を取ることが出来ます。両方取る場合、-erの方が形式ばらない形になりますが、判断に迷う場合はmoreを用いる方が無難でしょう。 leave A with~=(物・子供などを人・場所に)預ける、(人に物を)残す、(伝言などを人に)伝えて行く。 depart=(人・列車などが)出発する。leave, startより形式ばった語です
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第40連句

【C.H.Sisson英訳】 And then you will see those who, though in the fire, Are happy because they hope that they will come, Whenever it may be, to join the blessed; 【Mark Musa英訳】 And later you will see those who rejoice  while they are burning, for they have hope of coming,  whenever it may be, to join the blessed― 【野上素一和訳】 また火中にあって満足している者も見るであろう。 それはいつのことかわからぬが至福の人の群に 入る希望をもっているからなのだ。 【平川祐弘和訳】 火の中にあって満足している人々も見るだろう、 いつかわからないが、幸(さち)ある人の群に 入れてもらえるという望みをつないでいるのだ。 【語句】 come to do=~するようになる、~するに至る。 whenever=(譲歩節を導いて)いつ~しようとも。 the blessed (ones)=天国の諸聖人。Musaの英訳ではthe blessedの最後のeの所にアクサングラーヴ(フランス語。イタリア語では「アッチェント・グラーヴェ」と言います)が打ってあります。これは各行10音節で統一しているため(原文は11音節)、blessedをそのまま/blesid/と2音節で発音(形容詞)すると11音節になってしまうの
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第39連句

【C.H.Sisson英訳】 Where you will hear the shrieks of men without hope, And will see the ancient spirits in such pain That every one of them calls out for a second death; 【Mark Musa英訳】 where you will hear desperate cries, and see  tormented shades, some old as Hell itself,  and know what second death is, from their screams. 【野上素一和訳】 そこではきみは絶望の叫びをきくだろうし、 悲歎にくれる昔の霊を見るであろう、 彼らはみな第二の死を歎き悲しんでいるのだ。 【平川祐弘和訳】 そこでおまえは絶望の叫びを聞くだろう、  呵責に悩む古代の人々の亡霊を見るだろう、  みな第二の死を叫び求めているのだ。また(煉獄の) 【語句】 shriek=悲鳴、金切り声、かん高い声。 ancient=昔の、往古の、古代の。  ancient history=古代史(476年の西ローマ帝国滅亡までのヨーロッパ史)。 call out=大声で呼ぶ。 desperate=絶望的な、自暴自棄の。  Desperate diseases (must) have desperate remedies.(重病には思い切った療法が必要だ。) cry=叫び声。 torment=(人を肉体的・精神的に)苦
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第38連句

【C.H.Sisson英訳】 The course I think would be the best for you, Is to follow me, and I will act as your guide, And show a way out of here, by a place in eternity, 【Mark Musa英訳】 And so, I think it best you follow me  for your own good, and I shall be your guide  and lead you out through an eternal place 【野上素一和訳】 私はきみのために策をねり解決の手段を見つけたから 従(つ)いてき給え、私が案内者になってあげよう。 きみをここから永劫の場所へつれていくことにしよう。 【平川祐弘和訳】 おまえについてはいろいろと考えた、一案がある、  私について来い、おまえを案内してやる、  ここからおまえを永劫の場所(地獄)へ連れて行く、 【語句】 course=進路、(行動の)方針・方向、一定の教育課程。 act as=~の役を務める。 by=~を経由して。 eternity=永遠、永久、(死後に始まる)永遠の世界、来世。 I think it best you follow me=itは形式目的語、you以下は真目的語であるthat節です(thatは省略)。 good=利益、ため、幸福、福利。 永劫の場所=地獄界などの霊界を指します。 【解説】  かくしてダンテは案内者にしたがって地獄から天国ま
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第37連句

【C.H.Sisson英訳】 He will pursue that wolf in every city And put her back in Hell where she belongs, And from which envy first let her out. 【Mark Musa英訳】 And he will hunt for her through every city  until he drives her back to Hell once more,  whence Envy first unleashed her on mankind. 【野上素一和訳】 ヴェルトロはまた狼をあらゆる町から狩りだし それをふたたび地獄へ追いこむであろう。 嫉妬が初めてそれを誘いだしたその場所へ。 【平川祐弘和訳】 ヴェルトロがあの獣を町々から駆逐して  ついには元通り奴を地獄へ追いこむだろう、  羨望が狼を地獄の外へ引き出したのだ。 【語句】 pursue=(獲物・犯人などをつかまえたり、殺したりする目的で)追う、追跡する。  pursuit=追跡、追求。 hell=地獄(⇔heaven)。 envy=嫉妬、うらやみ。他人の持っているものを自分も持ちたいとうらやむ気持ち。悪魔が人間に嫉妬を教え、それによって地獄から狼が出て来たとしています。  jealousy=envyより個人的感情で、優越者をねたみ、憎悪する感情。 hunt=狩りをする。~を捜し求める。 unleash=(犬の)革ひもを外す(解く)、~の束縛を解く、~を解放する、~を自由にする。 whence=(非制
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第36連句

【C.H.Sisson英訳】 What he will save is that unassuming Italy For which the girl Camila died, Euryalus, Turnus and Nisus, all of whom died wounds; 【Mark Musa英訳】 He comes to save that fallen Italy  for which the maid Camila gave her life  and Turnus, Nisus, Euryalus died of wounds. 【野上素一和訳】 そして、そのため処女カミルラは死に、 エウリアロ、トゥルノ、ニーソが傷ついた 屈辱のイタリアはついに救われるであろう。 【平川祐弘和訳】 イタリアの雪辱はこうして行なわれる、  エウリュアルス、トゥルヌス、ニススが傷つき、  処女カミラが命を捨てたイタリアだ。 【語句】 unassuming=でしゃばらない、気取らない、高ぶらない、謙遜な。  assume=~を事実だとする、当然のことと思う。(権利などを)我が物とする、横領する。  assumption=(証拠もなく)事実だと考えること、仮定、臆説。(権利・権力などを)我が物にすること。でしゃばり、僭越。 assuming=でしゃばる、僭越な。 die+補語=(~の状態で)死ぬ。dieは「死ぬ」の意の最も一般的な語です。  die of=病気・飢え・老齢などによる死を示します。  die from=外傷・不注意に起因する死を示すが、ofを用いることも多いです。
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第35連句

【C.H.Sisson英訳】 He will not feed on land nor yet on money, But upon wisdom, love, and upon courage; His nation will be between Feltro and Feltro. 【Mark Musa英訳】 He will not feed on either land or money:  his wisdom, love, and virtue shall sustain him;  he will be born between Feltro and Feltro. 【野上素一和訳】 ヴェルトロは土地も金銭(ペルトロ)も食べず 知恵と愛と徳を糧とし、その人民は フェルトロとフェルトロのあいだに栄えるであろう。 【平川祐弘和訳】 ヴェルトロは大地の産物は食わず金銭は受け取らず、  智恵と愛と徳とを糧とするだろう、ヴェルトロの国は  フェルトロとフェルトロの間に位するはずだ、 【語句】 feed on=(動物が)~をえさとする。 courage=(危険・苦難・不幸にあっても恐れず、不安を抑えることが出来る)勇気、度胸(精神を強調)。  bravery=勇敢(行動を強調)。 virtue=徳、美徳(⇔vice)。  Virtue is its own reward.(徳はそれ自体が報いである。)  the seven cardinal (principal) virtues=七元徳、七主徳。「古代哲学の道徳」(cardinal virtues)に「キリスト教の神学徳」(
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第34連句

【C.H.Sisson英訳】 Many are the animals she makes herself a wife to, And there will be more of them, until the Greyhound Comes, who will make her die a painful death. 【Mark Musa英訳】 She mates with many creatures, and will go on  mating with more until the greyhound comes  and tracks her down to make her die in anguish. 【野上素一和訳】 その獣は多くの獣と交尾して種族をふやし ついにはヴェルトロが現われてそれを苦しめて 殺してしまうまで繁殖をつづけるだろう。 【平川祐弘和訳】 あいつがつるむ獣の数は多いから、  将来はもっとふえるだろうが、結局は猟犬(ヴェルトロ)が現われて  あいつをなぶり殺すだろう、 【語句】 greyhound=グレーハウンド(快足の猟犬)。 die=(同族目的語のdeathが修飾語を伴って)~の死に方をする。 painful=痛い、苦しい、つらい。 mate with=(鳥・動物が)~とつがう、交尾する。 creature=生き物、(特に)動物。 go on doing=~し続ける。 track A down=Aを(痕跡・証拠などをたどって)突き止める、探知する。 make=無理やりさせる。  let=少々特別にさせてあげる、することを許す、すること
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第33連句

【C.H.Sisson英訳】 And is by nature so wayward and perverted That she never satisfies her willful desires, But, after a meal, is hungrier than before. 【Mark Musa英訳】 She is by nature so perverse and vicious,  her craving belly is never satisfied,  still hungering for food the more she eats. 【野上素一和訳】 また性質も非常に邪悪で罪深く飽くことのない 貪欲を満足させたことはかつてなく、 ものを食べると前よりいっそう飢餓を感じるのだ。 【平川祐弘和訳】 生まれつき凶悪無残  血に飢えて飽くことを知らない、  食った後の方が食う前よりもなおひもじいという奴だ。 【語句】 by nature=生来、本来。  Nature is the best physician.(自然は最良の医師。)  Habit is second nature.(習慣は第二の天性。) wayward=(人・性質・態度など)言うことをきかない、強情な、わがままな。 perverted=邪道に陥った、誤った、歪んだ。  pervert=(人を)邪道に導く、(判断を)誤らせる。  perverse=正道を踏み外した、誤っている、邪悪な。 satisfy=欲望・希望・必要などを十分に満足させる、意を満たす。  content=それ以上は望ま
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第32連句

【C.H.Sisson英訳】 For that beast, which has made you so call out, Does not allow others to pass her way, But holds them up, and in the end destroys them; 【Mark Musa英訳】 this beast, the one you cry about in fear,  allows no soul to succeed along her path,  she blocks his way and puts an end to him. 【野上素一和訳】 というのは、君に思わず叫び声をたてさせた あの獣は他人がその道を通るのを許さず、 それを妨げて殺してしまうからだ。 【平川祐弘和訳】 「おまえが恐がって泣きわめいているあの獣は  よそ者が自分の道を通るのを放っておきはすまい、  必ずやこっぴどくいじめて挙句に喰い殺すだろう。 【語句】 call out=大声で叫ぶ、(人に)~を求めて叫ぶ。 hold up=~の進行をさえぎる、遅らす、~を妨げる、~を引き止める。 in the end=ついに、とうとう、結局は。 destroy=破壊する、築き上げたものを破壊してだめにする意の最も一般的な語。(敵などを)滅ぼす、全滅させる。  ruin=修復が不可能なほどに破壊する。  wreck=乱暴で手荒い手段によって壊す。 succeed=続く、成功する、うまくいく。 path=人や動物が歩いて出来た小道、細道。 block=道路などをふさぐ
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第31連句

【C.H.Sisson英訳】 ‘You will have to go another way than this,’ He answered, when he saw that I was weeping, ‘If you want to get away from this wild place: 【Mark Musa英訳】 “But you must journey down another road,”  he answered, when he saw me lost in tears,  “if ever you hope to leave this wilderness; 【野上素一和訳】 「きみは別の道をとらねばいけないね」 私が涙ぐむのを見て彼は答えた、「もしきみが この恐ろしい場所からのがれようと思うなら。 【平川祐弘和訳】 「この荒地から脱けだしたいのなら  別の道を行く方がおまえにはいいらしいな」  と私の泣き顔を見て先生が答えた。 【語句】 than=(other, otherwise, else, anotherなどの後で)~より他の(に)、~以外に。 weep=涙を流す、泣く。「声をあげずに泣く」で、特に涙を流すと示す文語的な語です。  cry=声をあげて泣く。  sob=声をつまらせたり、しゃくりあげたりしてすすり泣く。 get away=~から立ち去る、離れる。 wild=(土地など)荒れ果てた、人の住まない。 lost=道に迷った、当惑した、放心したような。 in tears=涙を浮かべて、泣きぬれて。 if ever=もし~だとしたら、~だ
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第30連句

【C.H.Sisson英訳】 Look at the animal which made me turn back; Help me to handle her; you are famous for wisdom, For she makes my veins and pulse shudder.’ 【Mark Musa英訳】 You see the beast that forced me to retreat;  save me from her, I beg you, famous sage,  she makes me tremble, the blood throbs in my veins.” 【野上素一和訳】 私が思わず背を向けたあの野獣を見てください。 有名な賢者よ、私をあの獣から救ってください。 あいつは私の血管と脈を震えあがらせますから」 【平川祐弘和訳】 見てください獣を、あれに追われて戻ってきたのです、  先生、狼から私をお助けください、  あいつがいると、脈も血管もふるえが止まらないのです」 【語句】 handle=(人・動物などを)扱う、統御する。 wisdom=賢明、知恵、分別、知識、博識。  wise=賢明な。知識・経験が豊かで、物事を正しく判断し、対処する能力がある。  clever=賢い、才気のある、如才ない。「頭の回転は早いが(しばしば)深さに欠ける」ことも意味し、「ずる賢い」という意味を伴うこともあります。  bright=子供などが頭がいい。 vein=静脈(⇔artery)、血管。 pulse=脈拍、鼓動。 shudder=(恐れ・
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第29連句

【C.H.Sisson英訳】 You are my master, and indeed my author; It is from you alone that I have taken The exact style for which I have been honoured. 【Mark Musa英訳】 You are my teacher, the first of all my authors,  and you alone the one from whom I took  the noble style that was to bring me honor. 【野上素一和訳】 あなたは私の先生で、また私の愛好する作家です。 私の名前を有名にした美しい文体は、 あなただけから学びとったものです。 【平川祐弘和訳】 あなたは私の師です、私の詩人です。  私がほまれとする美しい文体は  余人ならぬあなたから学ばせていただきました。 【語句】 master=特殊な技芸の師匠。 author=作家。 style=文体。 exact=的確な、正確な、精密な。事実・真理・規準に完全に合致している。  correct=規準に合って間違いのない、一般的に認められた慣習に合った。  accurate=注意・努力を払った結果として正確である。  precise=細かい点に至るまで正確である。 hono(u)r=名誉・栄光を与える。 noble=高潔な、気高い、崇高な、立派な、堂々とした、壮大な、見事な、素晴らしい。 be to do=予定、義務、可能(to be doneを従える)、
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第28連句

【C.H.Sisson英訳】 ‘You are the honour and light of other poets; My long study and great love give me strength Now, as they made me pore over your book. 【Mark Musa英訳】 “O light and honor of the other poets, may my long years of study, and that deep love that made me search your verses, help me now! 【野上素一和訳】 「おお、あなたは他の詩人たちの名誉と 栄光なのです。ご著述をながらく研究し 深い尊敬を払っている私を助けてください。 【平川祐弘和訳】 「おお、あらゆる詩人の名誉であり光であるあなた、  長い間ひたすら深い愛情をかたむけて  あなたの詩集をひもといた私に情けをおかけ下さい、 【語句】 hono(u)r=名誉。 pore over=(本などを)熟読する、じっくり研究する。 may=(祈願・願望・呪いを表わして)願わくは~ならんことを、~させたまえ。mayは必ず主語の前に置きます。 verse=詩句。 search=探す。調べる。  research=研究する、調査する。新しい事実・科学的法則などを発見する目的で、特に高度な知識をもって綿密周到な調査を行なう。  examine=厳密に観察し、試験して、調査・吟味する。  investigate=組織的調査によって事実を見出す。 【解説
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第27連句

【C.H.Sisson英訳】 ‘Are you indeed that Virgil, are you the spring Which spreads abroad that wide water of speech?’ When I had spoken, I bowed my head for shame. 【Mark Musa英訳】 “Are you then Virgil, are you then that fount from which pours forth so rich a stream of words?” I said to him, bowing my head modestly. 【野上素一和訳】 「それでは、あなたは末は豊かな言葉の河を ひろげている水源ともいうべきヴィルジリオですか」 と私は面はゆい気持で答えた。 【平川祐弘和訳】 「ではあなたがあのウェルギリウス、  あの言葉の大河の源流となられた方ですか?」  と私ははずかしさに面(おもて)を赤らめて答えた。 【語句】 indeed=(強調に用いて)実に、実際に、全く。 spring=泉。 abroad=広く。 speech=話し言葉、話すこと。  Speech is silver, silence is golden.(雄弁は銀、沈黙は金。) bow=(頭・首を)下げる、垂れる。(ひざ・腰を)かがめる。 shame=恥ずかしい思い、恥ずかしさ。 fount=(詩語)泉、源泉。 pour=(液体などが)流れ出る。(言葉などが)早口に出る、どっと口をついて出る。 forth=前へ、外へ。 st
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第26連句

【C.H.Sisson英訳】 But you, why do you come back to such disturbance? Why do you not climb the delightful mountain Which is the beginning and reason of all joy?’ 【Mark Musa英訳】 But why retreat to so much misery?  Why not climb up this blissful mountain here,  the beginning and the source of all man’s joy?” 【野上素一和訳】 だが、きみはなぜふたたび苦悩の場所へ戻るのだ。 どうしてすべての喜悦の源である 歓楽山へ登ろうとはしないのだ」 【平川祐弘和訳】 だがおまえ、なぜこの苦悩の谷へ引き返すのか?  なぜ喜びの山に登らないのか、  あらゆる歓喜の始めであり、本(もと)である、あの喜びの山に?」 【語句】 disturbance=騒ぎ、妨害、騒動、傷害。動揺、不安、心配。 reason=理由、根拠。 joy=有頂天になるような大きな喜び・幸福感。  pleasure=楽しい気持ち・満足感・幸福感を含む、喜びを表わす、最も一般的な語です。  delight=pleasureよりも強い喜びを表わし、身振り・言葉などによってはっきりと外面的に表わされます。  enjoyment=一時的な満足からかなりの期間にわたる深い幸福感まで表わし、満足感を静かに味わうことを示します。 retreat=余儀な
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第25連句

【C.H.Sisson英訳】 I was a poet, and I sang of the just Son of Anchises, the man who came from Troy, After the proud Ilion had been burnt down. 【Mark Musa英訳】 I was a poet and sang of that just man,  son of Anchises, who sailed off from Troy  after the burning of proud Ilium. 【野上素一和訳】 私は詩人だったが、驕る城イリオンの 落城の後でトロイアからやってきたアンキーセの 嫡子のことをうたったこともある。 【平川祐弘和訳】 私は詩人だった、だからトロイアから来たアンキセスの  正義感の強い息子(アエネアス)のことを歌った、  誇り高いトロイアの城は焼け落ちてしまったからだ。 【語句】 poet=詩人。 sing of=~を詩(歌)に作る。 proud=高慢な、尊大な、うぬぼれた、思い上がった(⇔humble, polite)。  haughty=傲慢な、高慢な、横柄な(very proud)。 burn down=全焼する、焼け落ちる。 Ilion=イリオン、トロイアのギリシア語名。 Ilium=イリウム、トロイアのラテン語名。 sail=船で行く、出帆する、出港する。 トロイア=小アジアの海岸にあった都市で、トロイア戦争で知られています。トロイア戦争とは、トロイア王プリアモスの子パリスがスパルタ王メネラオスの下に
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第24連句

【C.H.Sisson英訳】 I was born sub Julio, although it was late And I lived in Rome under the good Augustus In the time of the gods who were false and told lies. 【Mark Musa英訳】 I was born, though somewhere late, sub Julio,  and lived in Rome when good Augustus reigned,  when still the false and lying gods were worshipped. 【野上素一和訳】 私はユリオの晩年に生まれて 善良なアウグストの御代に 虚偽と虚言者の時代にローマに住まった。 【平川祐弘和訳】 生まれたのはユリウス・カエサルの時代、それも後期だ、  そして良きアウグストゥス帝の御代にローマで暮した、  嘘偽りの異教の神々の時代だった。 【語句】 false=間違った、誤った、虚偽の(⇔true)。 lie=(故意に人をだまそうとしてつく)うそ、偽り、虚偽(⇔truth)。強い非難の感情が含まれた語です。  fib=実害のない軽いうそ。ささいな(罪のない)うそ。  falsehood=わざと言ううそだが、止むを得ない場合のうそ。 lie=うそをつく。lied(過去形・過去分詞)、lying(現在分詞)。 somewhere=(数量・時刻・年齢など)おおよそ、大体。 reign=主権を握る、君臨する。帝王としての位置を占め
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第23連句

【C.H.Sisson英訳】 And he replied: ‘Not a man, though I was one, And my parents were people of Lombardy, Mantuans, both of them, they were born and bred there. 【Mark Musa英訳】 “No longer living man, though once I was,”  he said, “and my parents were from Lombardy,  both of them were Mantuans by birth. 【野上素一和訳】 彼は答えた、「人間ではない人間だったものだ。 両親はロンバルディアの者だったし、ふたりとも生れはマントヴァだった。 【平川祐弘和訳】 彼が答えた、「いまは人ではないがかつては人だった、  両親はロンバルディーアの者で  国は二人ともマントヴァだ。 【語句】 reply=質問・要求などに対して考慮を払った上で答える、返事をする、応答する。  answer=質問・命令・呼びかけ・要求などに応じる答えを意味する、最も一般的な語です。  respond=問いかけ・訴えなどに対する反応として即座に応答する。 breed=(人を)養育する。bred(過去形・過去分詞)。  What is bred in the bone will not (go) out of the flesh.(生来の性分は骨肉に徹している、隠しおおせない。) no longer=not~any longer、もはや
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第22連句

【C.H.Sisson英訳】 When I saw that fellow in the great desert, I cried out to him: ‘Have pity on me, Whatever you are, shadow or definite man.’ 【Mark Musa英訳】 And when I saw him standing in this wasteland,  “Have pity on my soul,” I cried to him,  “Whichever you are, shade or living man!” 【野上素一和訳】 私がその者をひろい人気のない場所にみつけると 大声で叫んだ、「私に憐れみをかけてください あなたは影か真実の人間かどちらですか」 【平川祐弘和訳】 この人気のない場所でこの人を見かけた私は  大声で叫んだ、「お助けください、  人であれ影であれ、この私をお助けください」 【語句】 fellow=(漠然と)人。  A fellow must eat.(人は食わねばならない。) pity=哀れみ、同情(on, for)。自分より劣っていたり、弱い立場にある人に対する哀れみの気持ちを表わすことが多いです。  have pity on=~を気の毒がる。  Pity is akin to love.(かわいそうだと思う心は愛情に近い。)  sympathy=相手の悲しみ・苦しみを理解し、共に悲しんだり、苦しんだりする気持ちを表わします。  compassion=通例、積極的に相手を助けようとする気持ちを含みます
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第21連句

【C.H.Sisson英訳】 While I rushed headlong to the lower slopes, Before my eyes a man offered himself, One who, for long silence, seemed to be hoarse. 【Mark Musa英訳】 While I was rushing down to that low place,  my eyes made out a figure coming toward me  of one grown faint, perhaps from too much silence. 【野上素一和訳】 私がまさに低い場所へ落ちこもうとしたとき、 長い沈黙のために声が細くなっていると 思われる者が、目の前に姿を現わした。 【平川祐弘和訳】 私が谷底に逃げる途中、  目の前に一人の人が現われた、  長いこと口を利いたことがないらしく声がかすれている。 【語句】 headlong=まっさかさまに。 offer oneself=(チャンスなどが)現われる、生じる、起こる。 hoarse=声がかすれた、かれた(風邪などでのどの表面がざらざらするためにしゃがれ声になる)。  gruff=(しばしば不機嫌で)声がしわがれた、どら声の。 make out=~をようやく見分ける(判読する、聞き分ける)。 figure=姿、容姿、風采、外観。 grown=自動詞の過去分詞が名詞の後に置かれて修飾しています。この場合、a fallen leave(落ち葉)のように「完了的な意味」を表わします
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第20連句

【C.H.Sisson英訳】 So I was transformed by that restless animal Who came against me, and gradually drove me down, Back to the region where the sun is silent. 【Mark Musa英訳】 so she made me do, that relentless beast;  coming toward me, slowly, step by step,  she forced me back to where the sun is mute. 【野上素一和訳】 安息を人に与えない この獣に会った時の私の気持ちも同様であった。 牝狼はだんだん私に迫ってきて 私を太陽の沈黙するところのほうへおし戻した。 【平川祐弘和訳】 仮借ない獣が私の望みを断ったさまもそれと似ていた。  獣は私をさして歩一歩と迫ってくる、  私はじりじりと退いた、太陽の黙する方へと退いた。 【語句】 transform=(外見・様子)を一変させる、変形(変容、変態)させる。(性質・機能・用途などを)すっかり変える。外形と同時にしばしば性格や機能もすっかり変える。  change=一部分、または全体を本質的に変える。  vary=同じものからの離脱を意味し、徐々に、または断続的に変化させる。  alter=部分的・外面的に変化を加える。  modify=修正のための変更をする。 restless=落ち着かない、そわそわした、せかせかした。 gradually=徐々に、次
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第19連句

【C.H.Sisson英訳】 And, like a man whose mind is on his winnings, When the time comes for him to lose, And all his thoughts turn into sorrow and tears; 【Mark Musa英訳】 As a man who, rejoicing in his gains,  suddenly seeing his gain turn into loss,  will grieve as he compares his then and now, 【野上素一和訳】 望んでいたものを手に入れた貪欲者が 得たものを失う時になると、思いのすべてを こめて悲しむものだが、 【平川祐弘和訳】 望みの品を手に入れた者が  時が経ちその品を手放さざるを得なくなると  愛惜の念に胸が裂け涙して悲しむが、 【語句】 winning=獲得物。 thought=(理性に訴えて心に浮かんだ)考え、思いつき。  idea=(心に描く)考え。  notion=ideaと同じ意味に使われることも多いが、漠然とした、または不明確な意図・考えを意味することもあります。 tears=涙。 rejoice=~を喜ぶ、うれしがる、祝賀する。 gains=収益(金)、利益、報酬、得点。  No gains without pains.(骨折りなければ利益なし。) turn into=~に変じる、転化する。 grieve=深く悲しむ。be sorryやbe sadよりも文語的で、意味が強いです。 c
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第18連句

【C.H.Sisson英訳】 She weighed down so heavily upon me With that fear, which issued from her image, That I lost hope of reaching the top of the hill. 【Mark Musa英訳】 This last beast brought my spirit down so low  with fear that seized me at the sight of her,  I lost all hope of going up the hill. 【野上素一和訳】 その獣が見る者に与える恐怖のために 私ははなはだ思い悩んだあげく ついに丘の頂上をきわめる望みを捨てた。 【平川祐弘和訳】 それを見た時恐怖のあまり  度を失い、  私は丘にのぼる望みを捨てた。 【語句】 weigh=(人・心の上に)重荷となってかかる、圧迫する。 issue=(血・煙などを)出す、発する。 seize=(~を突然ぎゅっと)つかむ、握る、捕まえる。いきなり力づくでつかむ。  seize the day=carpe diem(カルペ・ディエム、この日をつかめ。)  take=「ものを取る」の最も一般的な語。  grasp=しっかりと握る。 at the sight of=~を見て。 【解説】  ダンテに先立つ「霊界物語」として、ギリシア文学にはホメロスの『オデュッセイア』第11歌にギリシアの英雄オデュッセウスが自分の未来の運命を知ろうとして、妖女キルケーの勧めで冥府に下る話
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第17連句

【C.H.Sisson英訳】 And a she-wolf, who seemed, in her thinness, To have nothing but excessive appetites, And she has already made many miserable. 【Mark Musa英訳】 And now a she-wolf came, that in her leanness  seemed racked with every kind of greediness (how many people she has brought to grief!) 【野上素一和訳】 すると一匹の牝狼が現われたが、 それは貪欲を痩せこけたからだにこめ 多くの人の暮しを苦しめているようだった。 【平川祐弘和訳】 しかも続いて牝狼が現われた、  痩せ細り血に飢えた狼は  前にも大勢の人を悲嘆の淵に沈めたが、 【語句】 a she-wolf=牝狼。  a wolf in sheep’s clothing=偽善者(温順を装った危険人物、聖書「マタイ伝」より)。 thin=「やせた」の意も最も一般的な語だが、不健康にやせたということを表わす場合もあります。thinness(thinの名詞形)。  slim=良い意味でやせている。(見た目に優美で)ほっそりした、きゃしゃな。  slender=良い意味でやせている。ほっそりした、すらっとした。  lean=脂肪がついていなくて、引き締まった。leanness(leanの名詞形)。  slight=やせて弱々しい。細い、やせ型の、ほっ
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第16連句

【C.H.Sisson英訳】 When he came, he made his way towards me With head high, and seemed ravenously hungry, So that the air itself was frightened of him: 【Mark Musa英訳】 and he was coming straight toward me, it seemed,  with head raised high, and furious with hunger―  the air around him seemed to fear his presence. 【野上素一和訳】 獅子は私に向かってくるように見えた。 そして頭を高くあげ、猛々しい飢餓のため 大気まで恐れさせているように見えた。 【平川祐弘和訳】 獅子は私をさして進んでくるらしい。  頭をもたげ餓えに怒りたけるから  大気まで恐れにおののいている。 【語句】 make one’s way=進む、行く。 ravenously=がつがつしたように、貪欲に。 frightened=~におびえた、ぎょっとした、怖がった(at, of)。  afraid=~を怖れて、怖がって。気の弱さ・臆病を暗示し、一般に行動・発言などが出来なくなることを示します。  fearful=性質的に臆病で、不安の心が強いことを示します。 furious=怒り狂った。 presence=存在。 【解説】  「獅子」は例えば、旧約時代の4大預言者(イザヤ、エレミヤ、エゼキエル、ダニエル。『旧約聖書』に
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第15連句

【C.H.Sisson英訳】 Of that wild animal with the brilliant skin; But not so that I found myself without fear When a lion appeared before me, as it did. 【Mark Musa英訳】 that gaudy beast, wild in its spotted pelt,  but then good hope gave way and fear returned  when the figure of a lion loomed up before me, 【野上素一和訳】 目もあやな毛皮をまとった獣が現われたとて 希望をすてなかったのは自然なことだった、 だが恐怖を感じなかったのも一匹の獅子が 出現するまでのことであった。 【平川祐弘和訳】 恐れる道理はないといっているかに思われた。  だが、ほっとしたのも束の間、今度は一頭の獅子が  目の前に現われた。 【語句】 brilliant=(宝石・日光など)光り輝く、さんさんと輝く、目もあやな。 gaudy=(服装・装飾など)下品なほどけばけばしい、派手で俗っぽい。 give way=崩れる、折れる、破れる、落ちる。 figure=形、姿。内部構造と外形との両方を表わします。  outline=線や輪郭によって表わされた外形。  form=中身や色と区別した物の外形・形。  shape=figureと同様に外形を表わすが、内部がつまっているという意味合いを強く表わします。 loom=ぼんやりと現
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第14連句

【C.H.Sisson英訳】 First set those lovely things in motion; and this, With the hour it was, and the delightful season, Gave me reason to entertain good hope 【Mark Musa英訳】 the day Divine Love set their beauty turning;  so the hour and sweet season of creation  encouraged me to think I could get past 【野上素一和訳】 その美しいものを動かしはじめた時すでに いっしょだった星を伴って昇っていた。 だが時刻もよく季節もよかったので 【平川祐弘和訳】 太陽とともにあったあの星々であった。  この朝という時刻もこのさわやかな季節も、  毛並鮮やかなこの豹を 【語句】 lovely=(目も心も惹きつけるような)美しい、可愛らしい、快い。愛情を誘うような「愛らしい」。  beautiful=「美しい」を意味する、最も一般的な語。  handsome=通例、「顔立ちのよい」男性に用い、女性に用いた場合には「立派な体つきでりりしい」。  pretty=(子供・女性・小さなものなどの)見た目などの「かわいい」、可憐な。「美しい」というより、見たり、聞いたりして魅力的なものに言います。  good-looking=男女共に用いられ、handsome, prettyとほぼ同義。 set~in motion=(機械な
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第13連句

【C.H.Sisson英訳】 The time was the beginning of the morning; And the sun was climbing in company with those stars Which were with him when the divine love 【Mark Musa英訳】 The hour was early in the morning then,  the sun was climbing up with those same stars  that had accompanied it on the world’s first day, 【野上素一和訳】 時刻はまだ早朝だったので 太陽はあの聖なる愛がはじめて 【平川祐弘和訳】 時は折しも朝明けの時刻で  太陽は星々をしたがえて昇ってきた、  神の愛がはじめて天地の美しい事物を動かした時にも 【語句】 in company (with a person)=(人と)一緒に。 divine=神の、神性の。  The Divine Comedy=「神曲」。  human=人の、人間の。ちなみにダンテの同時代人にして、ダンテに深く傾倒し、最初の崇拝者となったボッカッチョは『デカメロン』(十日物語)を書きましたが、これは『神曲』に対して、『人曲』と呼ばれています。 accompany=(人が別の人に)同行する、ついていく。(事物が~に、同時に)伴う。 太陽=天地創造の時、太陽は白羊宮と共に春に創られたと考えられていました。 美しい事物=被造物。ここでは天体を指します。 【解説
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第12連句

【C.H.Sisson英訳】 And somehow it managed to stay in front of me In such a manner that it blocked my way so much That I was often forced to turn back the road I had come. 【Mark Musa英訳】 And, everywhere I looked, the beast was there  blocking my way, so time and time again  I was about to turn and go back down. 【野上素一和訳】 私の面前に現われ、立ち去ろうとせず 立ちふさがって私の前進をひどくじゃました。 そこで私は引き返そうとして幾度もふり向いた。 【平川祐弘和訳】 面と向かいあったが立ち去りもせず、  逆に行手をさえぎろうとするから、  引き返そうかと私は幾度も後ろを振り返った。 【語句】 somehow=どういうわけか、なぜか。 manage to do=どうにかして~する、うまく~する。 force=(人に)強いて~させる。(人に~させることを)余儀なくさせる。compelより意味が強く、人の意志に反して、または抵抗を排除して、人に無理にあることをさせる。  compel=権威とから抵抗しがたい力によって、あることを無理にさせる。  impel=強い欲望・動機・感情などによって、ある行動に駆り立てる。  oblige=止むを得ず、人にあることをさせる。(人に~する)義務を負
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第11連句

【C.H.Sisson英訳】 And, almost at the point where the slope began, I saw a leopard, extremely light and active, The skin of which was mottled. 【Mark Musa英訳】 Beyond the point the slope begins to rise  sprang up a leopard, trim and very swift!  It was covered by a pelt of many spots. 【野上素一和訳】 だが、ようやく急坂にさしかかったとき 一匹の軽快で、すばらしく敏捷な豹が 斑紋のある毛皮でおおわれて 【平川祐弘和訳】 すると、山の斜面にさしかかるやいなや、そこに  軽快で敏捷な豹が一頭あらわれた、  皮に斑目(まだらめ)のある豹だった。 【語句】 leopard=ヒョウ。  A leopard never changes (cannot change) its spots.(性格は直らない。聖書「エレミヤ書」より)  panther=ヒョウ(特に黒ヒョウ)、ピューマ(米語)。 light=(足取りなど)軽快な。 mottled=ぶちの、まだらの。 spring=(ばねのようにすばやく)跳ぶ、はねる。(座っていたり、寝ている状態から)ぱっと起き上がる。sprang(過去形)、sprung(過去分詞)。 trim=(服装・格好など)きちんとした、手入れのよい。すらっとした、ほっそりした。 swift=速い、迅速な
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第10連句

【C.H.Sisson英訳】 When I had rested my weary body a little, I took up my journey again on that stretch of desert, Walking so that my firm foot was always the lower. 【Mark Musa英訳】 I rested my tired body there awhile  and then began to climb the barren slope  (I dragged my stronger foot and limped along). 【野上素一和訳】 疲れたからだをしばらく休めたあとで 私は人気のない丘の斜面を歩きだしたが、 確かな足は常に低いほうの足であった。 【平川祐弘和訳】 疲れた体を少し休めた後、  私は人気のない浜辺を歩きだした、  前へ踏みだす足取りは確かではなかったが。 【語句】 rest=休養させる、休ませる、安らかにさせる。 weary=疲れた、疲労した。 take up=(仕事・趣味などを)始める、従事する。 stretch=(距離・時間の)長さ、一続き。(陸地・海などの)広がり。 desert=砂漠(wasteと違って、水が無く、不毛であることを強調)。(何か好ましい性質が)欠けた(不在の)場所(主題・時代など)。 firm=ぐらつかない、しっかりした。 awhile=しばらく。 barren=(土地が)不毛の、作物の出来ない。 slope=坂、斜面。 drag=(重いものを)引く、引っ張る。
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第9連句

【C.H.Sisson英訳】 So my mind, which still felt as if it was in flight, Turned back to take another look at the defile No living person had ever passed before. 【Mark Musa英訳】 So I, although my mind was turned to flee,  turned round to gaze once more upon the pass  that never let a living soul escape. 【野上素一和訳】 まだ逃走を願っている私の心は 生きたままでは何人をも通さない あの森のほうをふり返ってみていた。 【平川祐弘和訳】 私の魂も、まだまだ逃げのびようとしていたが、  後ろを振り向いて過ぎこし方を見つめた、  そこからかつて生きて出られたためしのない森を見つめた。 【語句】 mind=身体と区別して、思考・意志などの働きをする心。  heart=感情・情緒を意味する心。  feeling=(喜怒哀楽などの様々な)感情、気持ち。主観的な感覚や感情を表わす最も一般的な語。  emotion=怒り・愛・憎しみなどを強く表わす感情。(理性・意志に対しての)感情。  sentiment=理性的な思考に基づく感情。religious sentiment「宗教心」、patriotic sentiment「愛国心」  passion=理性的判断を圧倒してしまうような強烈な感情。熱情、激情、欲情。
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第8連句

【C.H.Sisson英訳】 And, as a man who, practically winded, Staggers out of the sea and up the beach, Turns back to the dangerous water, and looks at it, 【Mark Musa英訳】 Just as a swimmer, still with panting breath,  now safe upon the shore, out of the deep,  might turn for one last look at the dangerous waters, 【野上素一和訳】 だが息もたえだえに大海をのがれて 岸にたどりついた人が危険な水をふり返り じっと眺めるときのように、 【平川祐弘和訳】 そして、辛うじて難破から逃れて浜辺に辿りついた男が  苦しそうに肩で息をつきながら  振り向いて荒海を見やるように、 【語句】 practically=ほとんど(almost)、~も同然、やや誇張して言うと。 winded=息切れのした。 stagger=よろめく、よろよろする、よろよろ歩く。 pant=あえぐ、息切れする。 breath=息、呼吸。  lose one’s breath=息を切らす、息切れする。  out of breath=息を切らして。 shore=海上・水上から見た岸で、海・湖・川の岸を言う。  coast=海岸についてだけ用いられ、普通、陸の方から見た海岸を指す。  beach=海・湖・川の波に洗われる砂、または小石
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第7連句

【C.H.Sisson英訳】 Then my fear was a little put at rest, Although it had lain in the pool of my heart throughout The night which I had passed in that pitiful state. 【Mark Musa英訳】 And then only did terror start subsiding  in my heart’s lake, which rose to heights of fear  that night I spent in deepest desperation. 【野上素一和訳】 そのとき私の恐怖はややすこししずまった。 それは夜の間じゅう心の洞にとどまって 私をたいそう苦しめていたものだった。 【平川祐弘和訳】 するとあわれなさまで過ごした夜を通し  私の心の奥にわだかまっていた不安も  少しはしずまってきた。 【語句】 at rest=安らいで、安静となって、安心して。  set a person’s mind (fear) at rest=人の心(不安)を静める。 lie=(自動詞)横たわる、ある。lay(過去形)、lain(過去分詞)。  lay=(他動詞)横たえる、置く。laid(過去形、過去分詞)。 pool=(意識、静けさなどの)深み、たまり。 pitiful=かわいそうな、哀れな。  pity=哀れみ、同情。自分より劣っていたり、弱い立場にある人に対する哀れみの気持ちを表わすことが多いです。  sympath
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第6連句

【C.H.Sisson英訳】 I looked up, and saw the edges of its outline Already glowing with the rays of the planet Which shows us the right way on any road. 【Mark Musa英訳】 I raised my head and saw the hilltop shawled  in morning rays of light sent from the planet  that leads men straight ahead on every road. 【野上素一和訳】 私は目をあげて丘の肩をながめたが、 そこはすでに他の人の道案内をする 太陽の光をうけて輝いていた。 【平川祐弘和訳】 目をあげると、丘の稜線が  もう暁光に明るく包まれているのが見えた、  あらゆる道を通して萬人(もろびと)を正しく導く太陽の光であった。 【語句】 glow with=(場所が、色彩で)燃えるようである、照り輝く。 ray=光線。 raise=(物を、高く)持ち上げる。特に一方の端を持ち、直立または高い位置に上げる。  lift=物を持ち上げる。  hoist=重い物を、特に機械などの力を借りて持ち上げる。 shawl=~にショールを掛ける、~をショールに包む。 太陽の光=原文では「Pianeta」(遊星)という言葉が使われています。当時はまだコペルニクスの「地動説」が提唱される前であったので、太陽も他の惑星同様に捉えられていたことに注意しなければなりません
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第5連句

【C.H.Sisson英訳】 But when I had arrived at the foot of a hill Which formed the far end of that menacing valley Where fear had already entered into my heart, 【Mark Musa英訳】 but when I found myself at the foot of a hill,  at the edge of the wood’s beginning, down in the valley,  where I first felt my heart plunged deep in fear, 【野上素一和訳】 そのうちに私はとある一つの丘のふもとへついた。 その丘は私の心を恐怖でくるしめた あの渓谷の終点をなしていたのである。 【平川祐弘和訳】 森の中で私の心は怖れおののいていたが、  しかしその谷が尽きたところで  私はとある丘の麓にたどりついた。 【語句】 menacing=脅かすような、威嚇的な。  menace=(~で・・・を)威嚇する、脅す。脅す人の加害の可能性を強調します。  threaten=「脅す」の意の最も意味の広い語。  intimidate=脅すことによって、相手の言動を束縛する。 plunge=(人・物・事)を(ある状態に)陥れる、追い込む(into, in)  be plunged=(ある状態に)なる(into, in)  She was plunged into the depths of despa
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第4連句

【C.H.Sisson英訳】 I cannot tell exactly how I got there, I was so full of sleep at the point of my journey When, somehow, I left the proper way. 【Mark Musa英訳】 How I entered there I cannot truly say,  I had become so sleepy at the moment  when I first strayed, leaving the path of truth; 【野上素一和訳】 いかにしてそこへ迷いこんだかうまくいえないが、 ただ、正しい道を捨てたその頃の私が 深い眠りにおちいっていたことは確かである。 【平川祐弘和訳】 どうしてそこにはいりこんだかうまくいえない。  当時私はただもう夢中だったから  それで正道を捨てたのだ。 【語句】 somehow=どういうわけか、なぜか。 proper=適切な、ふさわしい、ちゃんとした。 stray=(一時的に)正道から踏み出る。  a stray sheep=迷える羊。 path=(人に踏まれて出来た)小道、(人の歩くべき)道、(文明・思想・行動などの)方向、進路、方針。  lane=生垣・家などにはさまれた小道。  footpath=人が歩くための小道。  alley=建物の間の狭い道。  the path of civilization=文明の進む道。  a path to success=成功への道。 深い眠り=「霊魂の眠り」は中
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第3連句

【C.H.Sisson英訳】 So bitter it is, death itself is hardly more so; Yet there was good there, and to make it clear I will speak of other things that I perceived. 【Mark Musa英訳】 a bitter place! Death could scarce be bitterer.  But if I would show the good that came of it  I must talk about things other than good. 【野上素一和訳】 その森の難渋なことはほとんど死にも近い。 だが私は彼地で享けた幸運を述べるため、 そこで見た他のことをも話すことにしよう。 【平川祐弘和訳】 その苦しさにもう死なんばかりであった。  しかしそこでめぐりあった幸せを語るためには、  そこで目撃した二、三の事をまず話そうと思う。 【語句】 bitter=つらい、苦痛な。 hardly=ほとんど~ない。余裕が全くないことを表わし、ほとんど否定の意味に近いです。  scarcely=hardlyと大体同じ意味だが、hardlyの方が普通に用いられます。  barely=hardly, scarcelyより否定的な意味は弱いです。 good=利益、幸福、福利。  the greatest good of the greatest number=「最大多数の最大幸福」。 perceive=知覚する、気づく、理解する
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第2連句

【C.H.Sisson英訳】 It is hard to say just what the forest was like, How wild and rough it was, how overpowering; Even to remember it makes me afraid. 【Mark Musa英訳】 How hard it is to tell what it was like,  this wood of wilderness, savage and stubborn  (the thought of it brings back all my old fears), 【野上素一和訳】 ああ、それを話すのはなんとむずかしいことか 人手が入ったことのないひどく荒れた森のさまは 思い出すだに恐怖が胸に蘇えってくるようだ。 【平川祐弘和訳】 その苛烈で荒涼とした峻厳な森が  いかなるものであったか、口にするのも辛い、  思いかえしただけでもぞっとする、 【語句】 rough=(海・空・天候など)荒れた、荒天の。 overpowering=(感情など)圧倒的な、抵抗しがたい、強烈な。 afraid=~を恐れて、恐がって。  afraid=気の弱さ・臆病を暗示。  fearful=性質的に臆病で、不安の心が強いことを示します。 savage=(米)(土地・場所など)(自然のままに)荒れた、荒涼とした。 stubborn=(問題など)扱いにくい、手に負えない。(石・木材など)硬い。  stubborn=頑固な、強情な。強情で自分の考え方を変えない。  obstinate
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ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第1連句

【C.H.Sisson英訳】 Half way along the road we have to go, I found myself obscured in a great forest, Bewildered, and I knew I had lost the way. 【Mark Musa英訳】 Midway along the journey of our life  I woke to find myself in a dark wood,  for I had wandered off from the straight path. 【野上素一和訳】 私たちの人生行路のなかば頃 正しい道をふみはずした私は 一つの暗闇の森のなかにいた。 【平川祐弘和訳】 人生の道半ばで  正道を踏みはずした私が  目をさました時は暗い森の中にいた。 【語句】 obscure=~を覆い隠す、暗くする、曇らせる。(人の)光輝を奪う、(人を)顔色なからしめる。  vague=(言葉・観念・感情など)漠然とした、あいまいな、はっきりしない(⇔distinct)  ambiguous=不適切な表現のために2つ以上の解釈が成り立ち、あいまいである。  obscure=表現が不的確で、またはあるものが隠されていて不明瞭な。 bewilder=当惑させる、うろたえさせる。通例受身で用い、「当惑する」「まごつく」の意になります。  be embarrassed=恥ずかしさ・不安な気持ちで当惑する。  be baffled=まごついたために適切な行動が取れない。 wander=迷う、迷い込む。本道か
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英文の「構造-機能分析」(単文における述部類型)

 「動詞の分類」を中心に、文の基本構造に関して「理念型」として包括的に分類してみましょう。ほとんどの「文」が構造分類上、次のどれかのパターンに入ります(「構造―機能分析」)。パターン1 名詞句+be動詞句 現在ではGod is.のような特別な文でしか用いられません。詩や格調高い表現にかろうじて残っていると言うべきでしょう。 パターン2 名詞句+be動詞句+名詞句 My name is Tom Brown.やSeeing is believing.のように、いわゆる「A=B」の文がここに入ります。 パターン3 名詞句+be動詞句+形容詞句 Mary is kind.などですね。これをMary is a kind girl (woman).と言い換えられるように、パターン2・3は従来「第2文型」に分類されてきました。また、be covered with~やbe interested in~といった「受動態」から生まれたイディオムも、これに入れていいかもしれません。ただ、この場合、be coveredやbe interestedといった助動詞be+過去分詞が動詞句であるとすればパターン13の「名詞句+状態動詞句+副詞句」となり、これらが一種の「状態動詞」として機能し、その後に名詞句を取ると見ればパターン7の「名詞句+状態動詞句+名詞句」のパターンとなるでしょう。これはcoveredやinterestedが「形容詞」として意識されているか、あるいは「受動態」が強く意識されているか、「イディオム」としての意識が強いか、といった認知論的意識的問題であると言えるでしょう。 パターン4 名詞句
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統語的機能による動詞の分類②(目的語の次に要請する語句の種類)

 英語は日本語に比べて、「他動詞の力」(目的語に対する影響力)が強く、それがさらに次なるパターンを生み出します。すなわち、「名詞句(S)+動詞句(V)+名詞句(O)」の後に目的語に関連した語句を要請するという現象が起きてきます(「5文型理論」ではここに着目して、「第4文型SVOO」「第5文型SVOC」を創出しましたが、「第1文型SV」「第2文型SVC」「第3文型SVO」と明らかに異質なこの2パターンに対して、同列に扱っていいものかどうか十分な説明を与えることができませんでした)。ここから「名詞句(S)+動詞句(V)+名詞句(O)」の後に要請される語句として、「φ」「名詞句」「形容詞句」「副詞句」「動詞句」の5つのパターンが理論的に想定されます。したがって、be動詞の5パターン(be動詞には「他動性」が無いため、基本5パターンのみとなります)、状態動詞の9パターン、動作動詞の9パターンの合計23パターンが文法的理論的に要請される「理論値」で、あとはこれが文例的に「現実値」としてどこまで認定されるかを見ていけばいいわけです。
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統語的機能による動詞の分類①(動詞句の次に要請する語句の種類)

 英語の単文における基本構造は「主語+述語動詞」であり、具体的には「名詞句+動詞句」という語順になっています。この後に何が来るかで「文型」を分けてきたわけですが、厳密に言えば、これば「文型」(sentence pattern)というより、「動詞による述部類型」ということになるでしょう(しかも、あくまで「単文」のケースです)。「5文型理論」の原点たるオニオンズも元々「文」(sentence)の「型」ではなく、「述部」(predicate)の「型」として、V, VO, VC, VOO, VOCの5つを挙げたのでした(Advanced English Syntax ,1904年)。日本にこのオニオンズ理論を導入した細江逸記も、「文型分類」は文全体の構造というよりも、むしろ「述部の構造」を分類するものとして提案しており、動詞が5種類であるから、結果として文型も5種類であるという考え方を示しています(『英文法汎論』1917年)。  ここで文を構成する「内容語」と「機能語」という「品詞」概念に立ち返ってみると、文の内容を決定する要素を持つ「内容語」には「名詞」「動詞」「形容詞」「副詞」があり、それ以外は「内容語」のつながりを示す「機能語」とに分類されるわけで、「5文型理論」は「名詞」「動詞」「形容詞」の3つだけが「文の主要素」(主語S、述語動詞V、目的語O、補語C)として考察され、それを補完しようと試みたクァークの「7文型理論」では、「副詞」の中には「文の主要素」たり得ない「修飾語M」以外に文の構成上不可欠な「付加語A」があると見て、「内容語」の4つ全てを「文型理論」に組み入れたことに特徴
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語法・意味内容による動詞の分類

●語法における分類  be動詞と一般動詞の語法に大きな違いがあることは、疑問文の作り方などに確認することができます。 【be動詞】「be動詞+主語」の語順になります。 【一般動詞】文頭にdo(does, did)を置き、「do+主語+動詞の原形」の語順となります。 ●意味内容における分類 【be動詞】元々「存在」を表わす代表的な動詞ですが、やがて、単に「~である」という意味を表わす「連結動詞」として機能するようになりました。be動詞の後には主語と全く「等価」なものが来る場合と、主語の性質・職業など「属性」を表わすものが来る場合とがあります。 【状態動詞】一般動詞はさらに「状態動詞」(stative verb)と「動作(動態)動詞」(dynamic verb、あるいは「非状態動詞non-stative verb」)に分類されます。この2つは意味的にも統語的にも異なっており、「状態動詞」は主語の「状態」に力点を置き、「動作動詞」は主語の「非状態性」「動き」に重点を置いていると考えられます(もちろん、haveのように両方の意味を持つ動詞もあります)。また、「状態動詞」と「動作動詞」の大きな違いとして、「状態動詞」は「状態」を表わしているので通例「進行形」にすることができないこと(「一時的状態」なら可能です)、「意志」ではどうすることもできないから命令文を作ることができないことなどが挙げられます(もちろん、例外はあります)。ちなみに従来、「状態動詞」として一括して扱われてきたbe動詞は、We are being flooded with inquiries.(目下、問い合わせが殺到し
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「修正5文型理論」

 「補語の概念の拡大・転換、状態語の概念の創出」「動詞から動詞句への概念の拡張」「前置詞から後置詞も含めた連結詞・付置詞・付加詞の概念創出」「受動態の状態語による位置付け」等の視点より、「7文型理論」を新たに立てるよりも、従来の「5文型理論」をより整合的に解釈した「修正5文型理論」に再構成する方が、はるかに妥当性があると思われます。 ①S+V(状態動詞)+C(状態語) ②S+V(動作動詞・自動用法) ③S+V(動作動詞・他動用法)+O(目的語) ④S+V(動作動詞・他動用法)+O+O(二重目的語) ⑤S+V(動作動詞・他動用法)+O+C(目的語+状況語=SV目的語)  「動作動詞」は基本的に「目的語」を要請しますが、いわゆる「空間的イメージ」(英語は「空間的イメージを強く持つ言語」とされます。例えば、前置詞でもatは「点」のイメージ、onは「線」または「平面」のイメージ、inは「平面」または「立体」のイメージを持ちます)で言えば、「無」の「目的語」要請が②の動詞(すなわち「自動用法」)、「点(0次元)」の「目的語」要請が③の動詞、「線(1次元)」(「~に」「~を」や「~から」「~を」といった動作は線的移動のイメージがあります)の「目的語」要請が④の動詞、「平面(2次元)」「空間(3次元)」(目的語を主語とする状況、すなわちSV目的語。call A Bやname A BのようにA=Bの時は「SV平面」で、see him enter into the roomのような場合は「SV空間」と言えばいいかもしれません)の「目的語」要請が⑤の動詞であると整理できます。こうした観点に立つと、
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「受動態」の位置付けについて

 「動作動詞」のうち、「他動詞」は「受動態」にすることができます(もちろん、「他動性」が弱い動詞の場合、「受動態」が成立しないことがあります)。これは「他動詞」は「主語」と「目的語」をつなぐ役目があるからで、「主語」中心に動作表現をすれば「能動態」となり、「目的語」中心に動作表現をすれば「受動態」となるわけです。ここで注意しなければならないのは、元々「動作動詞」であっても、「受動態」になった途端、「状態動詞」に変化することです。これは「ある動作を受けている、されている」ということ自体が1つの「状態」を示しているためと思われます。したがって、be covered with~、be filled with~などは「状態動詞+状態語」あるいは「be動詞+状態語」であると思われ、第2文型SVCとなります。同様にbe interested in~、be surprised at~、be disappointed in~なども「感情形容詞」ではありますが、「後置詞」以下の語句を必要としており、「状態動詞+状態語」「be動詞+状態語」として第2文型SVCと理解すべきでしょう。
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「述語動詞」の概念拡張について

 Vは「述語動詞」を指すとされます。 He looked at her. He looked up to her. He looked down on her.  以上は「5文型理論」では第1文型として分類されます。しかし、in the kitchenなどと違い、この場合の「前置詞」は後に来る「名詞(句)」を目的語として規定するというよりも、明らかに前の動詞と連結して、動詞の意味を規定していると思われます。したがって、「動詞」がVなのではなく、「述語」「動詞(相当)句」がVであると見るべきで、この場合、look自体は「自動詞」であっても、明らかに前置詞や副詞と「他動詞句」を形成していると見る方が妥当なので、いずれも第3文型SVOと考えるべきでしょう。take it offなどもtake offが「他動詞句」として機能し、itが目的語になっていると思われ、stand upやget upといった「自動詞+副詞」句も「自動詞句」として見るべきとなります。  さらに「修飾語」として「形容詞句」「副詞句」を形成する「前置詞」と、「動詞」に連結して「動詞句」を形成する「前置詞」(これはむしろ「後置詞」と呼ぶべきです)を区別する必要があり、両者を一括した概念として「連結詞」「付置詞」「付加詞」を創出し、その中に「名詞」を目的語として持ち、「修飾語」を形成する「前置詞」と「動詞」に連結する「後置詞」があると見た方が分かりやすいと言えるでしょう。  この「動詞句」の観点に立つと、provide A with Bやtell A to B(=tell B A)なども「直接目的語」「間接目的語」(「直
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「動詞」の分類について

 ここで改めて問われるのが、「自動詞」「他動詞」の定義です。これは本来、動詞の分類ではなく、「動詞の用法」の分類であり、自動詞は動詞の「自動詞用法」、他動詞は動詞の「他動詞用法」と分類するのが正しいとされます(さらに正確に言うと、「自動用法」「他動用法」と言った方がいいかもしれません)。例えば、openという1つの動詞の中に自動詞用法と他動使用法が含まれていますが、このように両方の用法を持っている動詞は「能格動詞」(ergative verb)と呼ばれており、数百語あると見られていますが、主要動詞は大体120~140個ぐらいなので、ほぼほとんど全ての動詞に当てはまると言ってもよいでしょう(極端なことを言えば、makeのように、5文型の全ての文例を作ることができる動詞も無いわけではありません)。  この観点に立つと、動詞には意味的に「動作動詞」と「状態動詞」に区分され、「動作動詞」には「自動用法」と「他動用法」の2つがあって、厳密に言えば「自動用法のみのもの」「他動用法のみのもの」「自動用法も他動用法も両方共持つもの」の3種類があることになり、現実的にはほとんどが「自動用法も他動用法も両方共持つもの」となります。 したがって、「状態動詞」はいわゆる「自動詞」ではないと結論づけられるわけですが、ここで言う「状態動詞」とは、通例「命令形にできない」「進行形にできない」といった特徴を持つ狭義の「状態動詞」ではなく、いわゆる第2文型を形成する「状態を表わす動詞」「状態の変化を表わす動詞」「外見を表わす動詞」「知覚動詞」の4つを指します。広義の「状態動詞」と言ってもいいでしょう。 ①状態を
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「補語」の概念の拡張・変換について

 元々、「自動詞」と「他動詞」の区別から始まり、動作対象たる「目的語」を必要とする「他動詞」とそれ自体で動作が完結する「自動詞」が分けられましたが、いわゆる第2文型のように自動詞だけでは文の意味が成立しないものが存在するので、第1文型を形成する動詞を「完全自動詞」、第2文型を形成する動詞を「不完全自動詞」とし、不完全自動詞を補う語として「補語」の概念が導入されました。この「補語」になり得る品詞としては「名詞」「代名詞」「形容詞」とされます。  ところが、She acted strangely.やMother is out.のような文を見ると、actは自動詞であるものの、やはり「どのようにふるまったのか」といった語が必要であると思われ、あるいはoutは副詞であるから補語ではないと見なされるものの、「Mother=outの状態にある」と考えられるので、「主格補語」と同じに見ることができてしまうのです。そこでbe動詞と結合した場合は「形容詞」とも見られるという解釈や、「副詞」を新たな要素として取り込み、文型を拡大するという展開も成り立ちますが、むしろ、「補語」の概念を拡大した方が説明しやすいと思われます。  すなわち、動詞にはまず意味的に「状態動詞」と「動作動詞」があり、「状態動詞」は必ず「状態を表わす語」「状態の内容を示す語」を必要とするので、これを「状態語」(Condition)と名付ける方が実態に沿うと思われます(「補語」だと仕方なく補う語であって、必然的に要請される感じが薄いと言えます)。そして、「動作動詞」には動作がそれ自体で完結する「自動詞」と動作対象を必要とする「他動詞
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従来の「文型理論」のメリット・デメリット

 まず、世界中でほとんど日本でだけ、「5文型理論」が100年以上も採用され続け、「英文法の中心」の如き位置を占め続けてきたのは、それなりの理由があります。1つには、このパターン分類が「恣意的」(したがって、いくらでも他の理論が構築できてしまいます)であるにせよ、ある程度の整合性を持った理論に基づいて頻度が高いものを抽出しており(といっても筆頭に来る第1文型はむしろ頻度はきわめて低く、細かく分類すれば、5文型の典型パターンよりももっと頻度が高いパターンが出て来ます)、英語学習者にとっての「実用性」があるということです。したがって、「初学者」はたいていこの「文型理論」を徹底的に学ぶことから始めて、英語の基本構造を理解するというプロセスと通ってきたのです。これはこれで学習効果がある方法であったと言えます。  ところが、学習が進んでいくと必ずぶつかる疑問が、「例外が多すぎる」「整合性が貫徹されているとは言えない」といった点です。ここで「研究者」は「整合性」や「文型の根源的意味」を求めて再構成を図ろうとするのですが、なかなか成功しません。「学者」達が苦労して作り上げた「7文型理論」や「8文型理論」も「5文型理論」を補完することに目的があり、より整合性のある説明をするために「文型」を増やしていったと言えます。ここで従来の文型理論の限界をも指摘しておく必要があるでしょう。 ①従来の「文型」理論は厳密に言えば、「単文における述部構造の分類」を基本としています。実際には様々な「構文」があり、「複文」へと複雑化していき、一般的「文法」よりも個別的「語法」の方が影響が大きかったりするので、従来の「文
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ホーンビーの「25動詞型理論」について

 ホーンビーは日本における初期の英語教育にも助言者として関わった人物で、日本ではよく知られていますが、A guide to Patterns and Usage in English(1954)で「25動詞型理論」を提唱し、さらに53~69の下位区分を提示しています(「動詞型」の概念は元々パーマー〔Palmer〕が唱導したと言われます)。これはThe Longman Dictionary of Contemporary English(1977)でも採用され、後の改訂版では統合・簡略化が進められている分類区分です。 動詞型1 動詞+単一直接目的語  I know your name. 動詞型2 動詞+(not+)to不定詞など  Please try to do better next. 動詞型3 動詞+(代)名詞+(not+)to不定詞など I do not want anyone to know. 動詞型4 動詞+(代)名詞など+(not+)(to be+)叙述語  Most people supposed him (to be) innocent. 動詞型5 動詞+(代)名詞+原形不定詞など  Watch that boy jump! 動詞型6 動詞+(代)名詞+現在分詞  I saw the thief running away. 動詞型7 動詞+(代)名詞+形容詞  Can you push the door open? 動詞型8 動詞+(代)名詞+名詞など  They made Newton President of the Royal Society. 動詞型9 
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