【C.H.Sisson英訳】
Lead me now, as you have promised to do,
So that I come to see St Peter’s Gate
And those whom you represent as being so sad.’
【Mark Musa英訳】
lead me there to the place you spoke about
that I may see the gate Saint Peter guards
and those whose anguish you have told me of.”
【野上素一和訳】
のがれるためあなたのいう場所へつれていってください。
聖ピエトロの門とあなたの話された場所にいる
まことに悲惨な者たちを見ることができるように」
【平川祐弘和訳】
いまいわれた場所へ私をお連れください、
どうかサン・ピエトロの門や
あなたが話されたいとも悲惨な者どもをお見せください」
【語句】
lead=(人を)導く、案内する。先に立って、人を連れて行く。
guide=人に付きっきりで案内する。
direct=道順・方向などを人に教える。
conduct=人をある場所に連れて行く。
so that=(目的の副詞節を導いて)~するために。
come to do=~するようになる、~するに至る。
St. Peter=聖ペテロ。キリストの「第1弟子」にして、「12使徒」の1人です。イエスが大祭司カヤパの中庭で死刑を宣告された時、ペテロは3度イエスを否定してその場を逃れたため、復活したイエスがペテロを訪ねた時、「お前は私を愛するか」と3度尋ねています。また、迫害の激しいローマから逃れていく途上で、霊的イエスと出会い、「Quo vadis, Domine?(クォ・ヴァディス・ドミネ)」(ラテン語。Where do you go, my Lord? 主よ、どこへ行かれるのですか)と聞いた話は有名ですね(新約聖書外典『ペテロ行伝』)。シェンキェヴィチはこのせりふを踏まえて、小説『クォ・ヴァディス:ネロの時代の物語』を書き、映画化されて大変な反響を呼びました。それによれば、イエスは「ペテロよ。私は苦しむためにもう1度ローマに行くのだ。ローマから逃げていくあなたに代わって、あなたの十字架を負うために」と答えたので、それを聞いたペテロはローマへ戻って殉教しました。最後は主イエスと同じ十字架にかかるのは申し訳ないと、逆さはりつけを希望してその如くになったと言います。
represent=~を言葉で表わす、表現する、~だとして描く(as)。
guard=(門・入り口などの)番をする。
anguish=(心身の)激しい苦痛、苦悶、苦悩。
聖ピエトロ(ペテロ)の門=「煉獄(浄罪界)の門」を指します。その門の鍵はキリストがペテロに渡し、またさらにペテロはそれを天使に預けて保管させているとされます(煉獄篇第9歌)。
【解説】
「あなたはペテロです。私はこの岩の上に私の教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。私はあなたに天の御国の鍵をあげます。何でもあなたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたが地上で解くなら、それは天においても解かれています。」(「マタイによる福音書」16章18~19節)