ダンテ『神曲』地獄篇第1歌でボキャブラ・アップ:第42連句

記事
学び
【C.H.Sisson英訳】
Because the Emperor, who reigns up there,
Since I was one of the rebels against his law,
Does not wish me to enter into his city.
【Mark Musa英訳】
because that Emperor dwelling on high
 will not let me lead any to His city,
 since I in life rebelled against His Law.
【野上素一和訳】
というのはその国を治めている主権者は
私がその国の法律にそむいたからといって
その国に入るのを許さないからだ。
【平川祐弘和訳】
というのも天上におわします皇帝(かみ)は
 私にその掟に背いた前歴がある以上、
 人が私ごとき者の案内で王国に入るのを御希望にならぬ。

【語句】
Emperor=皇帝、天皇。
reign=主権を握る、君臨する。
up=(終結・完成・充満などを表わす強意語として動詞と結合)全く、すっかり、~し尽くす。
since=(理由)~だから、~の故に。becauseのような直接的因果関係を示さないので、becauseと書き換えが出来ない場合があります。
rebel=反逆者、反抗者。(政府・権力・慣習などに)反対する、反抗する、反逆する(against)。
 rebellion=(政府・権威者に対する)反乱、暴動(against)。不成功に終わった謀反を指す場合が多いです。rebelの名詞形です。
 revolution=革命または思想・社会の変革で成功したものを表わします。
 revolt=権威あるものに対する公然たる反抗(比較的小規模)。
law=宗教上の掟、戒律、律法。
 the laws of God=神の法。
 the old law=(聖書)旧約。
 the new law=(聖書)新約。
 the Law (of Moses)=モーセの律法。
the City of God=神の都、天国。
dwell=(文語)住む、居住する。liveの方が一般的です。
on high=高い所に、天に。

【解説】
 こうした「法的概念・イメージ」の背景には「教会法」の存在があります。「教会法」とは、広義においては「国家のような世俗的な権力が定めたキリスト教会に関する法」と「キリスト教会が定めた法」を包括した概念ですが、狭義においては「キリスト教会が定めた法」のことを言い、「世俗法」と対比される概念です。最狭義においては「カトリック教会が定めた法」のことを言い、「カノン法」とも言います。キリスト教会の中でも、国家による法に比するほどの法体系を有するようになったのはカトリック教会だけです。狭義の「教会法」は信仰生活の領域だけでなく、教会行政の規範、聖職者・信者の権利義務を定める「一般法」としての役割を持っており、成文の教会法典を「カノン」と言います。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す