ツラい思いを言葉にするメリット
前回は、悲しいことやツラいことが起こったときにおける人間の心を守るシステムについて書きました。ぜひ読んでみてください。今回は、その中でも抑圧してしまうよりも言葉にして出してしまうことのメリットについて書きたいと思います。最初に結論を書くと、言葉にして誰かにその思いを伝えた方が、健康的であるということです。言葉にすること人の心は、そんなに強くありません。ネガティブなこと、感情を1人で抱えるには、あまりに重く永遠と頭の中でぐるぐると考えてしまうものです。そんなネガティブな思いを他人に話すシステムは、色々な場所に存在しています。例えば、キリスト教では、苦悩や懺悔の気持ちを神に告白することを良いことだとされています。映画などでそのシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。現代においても心理療法やグループディスカッションが行われています。恋愛においても男性より女性の方が、失恋したときのショックを受ける期間が短いと言われるのは、男性より女性の方が、友人などにより多く言葉にして自分の気持ちを伝えているからです。最近の研究においても、ネガティブな思いを言葉にすることへの効果が認められてきています。例えば、告白という形で心のうちにある外傷体験を言葉にして伝えた人は、抑制した人よりも健康的であるという結果が出ています(Pennebaker,1989)人の脳ではなぜ言葉にした方が良い効果があるのかというと、そのメカニズムはまだ分かっていません。しかし自分の中でその悩みを何度も考えてしまうことが、脳にとっては同じ体験を何度もしていることと同じような効果をもたらしているのではないかと言われてい
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