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プロを目指す小説講座 その2.自分の個性を知り、弱みを克服する

第一回目は「自分の強みを見つける」ということで、記事を書きました。 最初はこちらから読んでいただいたほうが、 理解が深まるかと思います。 第二回目は「自分の個性を知り、弱みを克服する」です。「弱みを知る」ことは、実は自分自身の個性を知ることでもあります。 第一回目の最後にもちょっと書きましたが、 「強み」の裏には、「弱み」があります。 実は、「強み」と「弱み」はセットなんです。 「強み」を知り、自分自身の「よいところ」を 最大限に活かしていく、ということは、もちろん 大事なことなのですが、実はそれ以上に、 弱みを知り克服する、ということは大切だったりします。 特にプロを目指す方、投稿でなんとか賞を獲りたい方にとっては必須です。 長年、投稿しているけど芽が出ないとか、 同人誌を発行していても読者が増えない、 なんて人は、自分自身の「弱み」に着目してみる必要があります。 「長所だけ着目して、伸ばせばいい」とか、 「よいところだけ見るようにしよう」とか、口当たりのよいことを言いたい気持ちはあるのですが、投稿作を読んでいると、実際はほとんどの原稿が、「短所をどうにかすれば、ブレイクスルーしそうだな」 というところがあります。 つまり弱みを知っている人と、知らない人とでは、 書き方に雲泥の差が出る、ということです。 そしてそれは、投稿作でなくても、よりよい小説、 面白い小説、読者の心に残る小説を書くためにも、大切なことです。 あなたは、自分の作品の弱点、弱みを知っていますか? ひいては、自分自身の作品の「個性」を明確にわかっていますか? 知った上で書いているのなら、ぐんぐん上達していける
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弱みを克服する――構成力

今回は、「構成力がない」「小説の構成って難しい」 という方向けのお話です。 いま、プロを目指す小説講座の第二回目、 【その2.自分の個性を知り、弱みを克服する】 を書いています。 「弱点を克服する」方法について、 「自分の小説の弱い部分を見つけ、プラスに転じていくやり方」について記事にしているのですが、けっこうなボリュームになっております。 今回はその中から、ちょっと抜粋して、 お届けしようと思います。 弱点は構成力。 構成に問題がある――という場合。 構成って難しいですよね。 特にミステリやホラーでは、構成って めちゃくちゃ大事になってきます。 構成とは、物語の展開を効果的に作っていくことです。 物語の構成は、起承転結、序破急、なんて言いますが、 大きな流れはそれに沿ったほうがまとまった話になります。 しかし、ある程度小説を書いている方なら、 起承転結はできているものと思います。 物語には山場がないといけない、ということも、 長編を書いている方ならわかっていると思います。 構成が苦手な方は、たぶんそこに問題があるわけではなく、 「どこを書いて、どこを書かないか」つまり、 「どのエピソードをどこに入れるか」という部分が、 効果的にできていない、ということなんだと思います。 ミステリなどでは、あえて構成をぐちゃぐちゃにして、 過去と未来を入り組んだ形で、つまり時系列を無視して 書く場合もありますね。 そういった形で見事にラストで裏切られた時には、 「すごい構成力だ!」と唸ることもありますが、 そんなすごいところを目指さなくても、 とにかくわかりやすく、読者が没入できて、 感動でき
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官能シーンを上手に書くには?

今回は、「ボーイズラブ(BL)」「ティーンズラブ(TL)」に必須の「官能シーン」について書きます。 関係のある方だけ読んでいただければ、と思います。 さて、官能シーン。 通常、我々は「官能シーン」なんて 言わないですけどね。 なんて言うかというと、普通に「エッチシーン」です。 これは「ラブシーン」とは違うものです。 ラブシーンは、恋愛小説なら、そしてラノベなら、 結構な頻度で出てくるものですよね。 いわゆる、「告白シーン」「キスシーン」などが それに当たるかと思います。 「官能シーン」はそれではなくて、 いわゆる「行為」の「シーン」になります。 BLは男同士、TLは男女という違いはありますが、 この「官能シーン」、商業では必ずと言っていいほど、 入れなくてはなりません。 プロ作家さんも、得意不得意が分かれる分野でもあります。 「うまいなぁ」という方と、「苦手そう」という方と。 上手な「官能シーン」は、やはり「官能」を とても刺激するように描かれています。 臨場感があるというか、五感を刺激するというか。 男性と女性で違うなと思うのは、 ただただ官能を刺激して、気持ちよければ それでいい、というわけではなくて、 女性の場合は、ちゃんと「心の気持ちよさ」を しっかり描かなければならない、ということです。 つまり、そこに「愛」がないとダメなところが、 男女の一番の違いかな、と思います。 余談ですが、男性はどっちかというと、 「性癖」のほうに重きが置かれがちですね。 女性は性癖というほど、細かくは分かれていませんが、 それでも、BLなんかでは「官能シーン」にも 趣味嗜好が強く出たりはしま
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小説類型リドル・ストーリーの扱い方についてー伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』書評

 小説を書く際のコツは何か。――様々な意見があるが、その一つとして「武器を多く持っておく」ことだと個人的には思う。 それは様々な小説・映画作品等から吸収していくものだとされている。 今回は小説の類型のひとつ「リドル・ストーリー」と呼ばれるジャンルについて考察しようと思う。 これは、ラストで結末が明らかにされていないタイプの小説のことである。 その際、伊坂幸太郎『バイバイ・ブラックバード』を例として取り上げる。 なぜなら、この作品がリドル・ストーリーを語る上で、かなり良いお手本となると考えるからだ。 ただし、リドル・ストーリーという類型の特質上、ラストシーンへの言及は免れない。必然的にこの作品の結滅部分について説明してしまうため、これから読もうと思っている方は、先にチェックしておくことをお勧めする。 『バイバイ、ブラックバード』は、伊坂作品特有の、あたたかみのある文章や、鮮やかな伏線回収、構成の遊び心に溢れた小説だった 以下、この小説の概要やすばらしい点について言及してから、後段では、その結末について考えたことを述べたいと思う。目次1.あらすじ 2.登場人物とその魅力 3.結末(※重大なネタバレ) 4.本論:虎でも女でも、どっちだってよかったんだ(※重大なネタバレ) 1.あらすじ  主人公の星野は、5人の女性と付き合っている。彼は「ある組織」への借金が返せなくなり、<あのバス>に乗せられてどこかへ連れていかれる予定らしい。彼が逃げ出さないよう、組織から派遣された監視・繭美とともに、5人の女性に別れを告げに行く。  この小説は、6章構成の連作短編集となっている。1~5章は、それぞれ
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小説に一番大事な「オリジナリティ」とは?

小説にはオリジナリティが大事。それはもう、わかっていることです。 では、その「オリジナリティ」って何? という話なんですが、「オリジナリティ」とは、 「その人独自のもの」「その人にしか書けなさそうなもの」 という、「オンリーワン」のような意味合いです。 何も考えず書いてみたら、 なんか知らんけど、めちゃくちゃ独特で個性豊かで オリジナリティあふれるものになっちゃいました。 という人は、特に何も考える必要はなく、 「オリジナリティ」をわざわざ作る必要はありません。 でも、書いてみたらなんかフツー。 「どこかで見たような話ですね」なんて言われちゃいました。 という人は、あえて自分の「オリジナリティ」を 模索してみる必要があるかもしれません。 普通じゃダメってことでしょ? オリジナリティって、どうやって出したらいいの? はい、もっともな質問ですね。 「オリジナリティ」を探るには、まず、 「自分の個性」「自分の強み」を知ることが大前提です。 それはこちらの記事で詳しく解説しています↓ まずは客観的に、自分自身を知る。 自分の書き方、そして作品の個性を知る。 その上で、どういったものを磨いていくか、 自分の「売り」をどのように出していくか、 そこを考えて、伸ばして、盛り込んでいく…… という作業が、「オリジナリティ」を作るということになります。 投稿作を読んでいると(プロの作品もそうですが)、 「オリジナリティ」というのは、わりと冒頭の段階でわかります。 というか、すでにあらすじの時点で異質なものは異質な雰囲気がありますね。 出版社側としては、編集者としては、 どんな「オリジナリティ」を
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「小説の技法」Lesson40 第二課題の解説「想像するすること」

 しばらく、描写と構成の関係を解くために「プロット」という基礎にまで下りていましたが、課題に復帰します。まず、第三課題の方は、シナリオ化に成功しましたか? ここ最近の状況は存じませんが、シナリオライター出身の小説家が輩出していた時期があります。いい悪いをここで論議することが目的ではありません。ただ、どの方も、一様に、筋運びが負担なく上手いという特徴が上げられました。ストーリーが面白く進みます。  自分の書く小説がぎこちなかったり、なんだか盛り上がりに欠けたり、上手く話しとして成立しないという方、2.3本、シナリオを実作することをお勧めします。前にも説明した通り、200文字原稿用紙、1枚で1分です。60分物を2本程度書いてみるのは、いい勉強になります。それ以上、深入りするもしないも自由です。ただ、自分の短所の確実な解決にはなりますし、一様に、小説を書くことが楽になるとは思います。ご検討ください。  以上のように、第三課題が完成出来た方は、晴れて、第二課題に戻りましょう。  懐かしの「やけぼっくい」課題です。これ、恋愛経験の有無が物を言うという気もしますが、作家になりたい以上、避けては通れない問題です。一度、禊を済ませておいた方がいいです。何日か前、WEB小説全体として、性描写についてのレイティングが厳しくなっているというコメントを頂きました。私は、パソコンをしているというと、嫌らしいと直結された時代も知っていますので、現在、安全できれいになったと思うのですが、書くべきか、書かざるべきかという線引きの面で新たに難しい問題が起きているのかもしれません。  第二課題は、第三課題より、ず
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「小説の技法」Lesson39 プロット問題を解決する!

 前回から、一晩、廊下で考えていた琴音です。 問題は、プロットでは有効に動いているように見えた仕掛けが、作品になると歪んで、上手く働かないように感じられるという話でした。問題は解決策でした。  前回、プロットミスだと指摘しました。他の人とも話してみましたが同じ結論でした。  プロット段階では、登場人物は感情と思考を時の流れとして与えられていません。多くの人が箇条書き、もしくは短文のテキストの状態だと思います。これを作品のエピソードとして書くとどうなるか? 点であった登場人物の思考・感情が行動の原因として働くようになります。そして、次々に、刺激を受けては思考・感情を生み、行動を続けます。線です。  プロットの仕掛けがうまく働かないということは、この人々の思考・感情と行動の間に乖離が生じている点にも留意して下さい。ここ、作者当人なら、表現力で補いがちです。  やってみ過ぎるくらいに、やってみた方だと思います。私、この質問者の方の作品、読んだことがあります。二本、短編を読みました。一編、凄く良くて、もう一編、違うんです。その時も、かなり悩みました。同じ人だろうって。時期も近接していたので、不思議でした。だから、全く知らない人の質問より、少しだけヒントが多いです、私。  今はどうか知りませんが、当時は構成の弱い方に見えました。ページ数配分の関係です。ノリで場を発展させがちになります。だから、あなたの場合は、もっと緻密にプロットを立てるべきです。やり過ぎます。例えば、ホラーなら、怖いよでいいのに、怖い、怖い、まだ怖い、と、あとがきまで追いかけられそうなくらい怖い。トラウマになるほど、怖い
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「小説の技法」Lesson38 「プロット」について悩んでいます。

 思い付いたストーリーの断片を走り書きしたもの、メモしたもの、曲でも写真でも、イラストでも、それがプロットの主軸になるものです。ここの段階で、全登場人物ができていない、全出来事が出ていない、ラストが決まっていない、始まりが決まっていない、よくあることです。気にせずにどんどん作業を続けて下さい。 何をするかと言えば、起承転結でできる筋の起伏に、イベントを配置して行く作業です。  ばらばらに浮かんだ出来事を、小説の構成に合わせて、順序良く並べ替えできればそれでいいです。小説の構成は、起承転結、あるいは、序破急です。この起承転結の割合については先に飽きるほどお書きしました。皆様、覚えていらっしゃると思います。  琴音武道派流では、クライマックスの始まりが中盤より前に来ます。全体のページ数が仮に400であれば、既に、200より前から山場に入っていなければならない計算です。  最初の山になる所にこの出来事、二番目の山になるここにメインの出来事という感じで、イベントを配置します。非常に、知的で頭の疲れる作業です。この出来事には、登場人物の誰と誰が必要で、何が起こるか、書きます。欲しい起伏に反して、出来事が足りない場合は空白にしておきます。もう一つ、盛り上げたいけれど、思い付かない。後で考える空白です。  そして、各エピソードにページ数の割り付けをします。恋愛小説なら、この初デートのシーンに何ページ。出来事の大きさ、その場で必要とされる読者の感情の高まりを考えて、ページ数は配分します。山場作りです。ここ、プロット段階では面白くても、実際に書いてみると思ったほど効果が出ないという話を聞きます。
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「小説の技法」Lesson37 おいおい、「プロット」入るよ!

 描写の量は、プロットに沿って自分で割り付けたページ数に制限されます、という些か身も蓋もないことを前回は書かせてもらいました。私もカクヨムさんのサイトの作品をちらちら読ませて頂くようになりましたが、皆様、一様に構成が弱いです。 坂を上り始め頂上から、一転、急降下して、ぐるんぐるん回り、そして、すっと止まる。ジェットコースター式の小説の構成を備えているものがありません。起が弱い。いたずらに承が長い。そして、また、一様に、結も長い。平板な転。極端に言えば、そういう形になっています。起承転結と言う形式は弁えられています。でも、各部分の割合が本当におかしいです。意識的に盛り上げようという意志も気迫も感じられません。抑制すべきどころで、筆が走ります。一般的にきつい言葉で申し上げればそうなります。限りなく、惜しいです。  発想点、着眼点、非常に面白いのですが、構成が作られていません。私は、とにかく、この方たちは、起承転結の言葉は知っていても、意味が分からないのだろう、と結論付けるしかありませんでした。第一課題「怪談」で取り上げた問題ですね。  教えていた経験では、第一課題の時に、プロのライター相手でも、大喧嘩になるほど、直しづらく揉める難しい問題でした。怪談くらい客観的に出来不出来が説明してわかりやすいものでなければ、書き手が受容できない問題です。誰が恋心の転が弱いでわかりますか? 女に何がわかるだの、俺はこうだ、私はこうです、書きたくない、と反駁されて終わりです。  なぜ、また、第一課題に戻っているか、と言えば、私のところに来た質問が、描写に関するものと、プロット、構成に関するものに偏っ
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「投稿作」と「商業作」に求めるものは、実は違う!?

投稿作の指導では、とにかく、オリジナリティが大事ですよー、 個性的でないと入賞できませんよ、 と言っています。 これはたぶん、どこの編集に聞いても、 そう言うと思います。 以前書いた記事、 でもお伝えした通りです。ですが、「商業作品を読むと、とてもオリジナリティ優先、 とは思えません。みんな同じような設定で同じような内容で、 独特で個性的な作品は少ないように思います」 とコメントをいただきました。 確かにその通り。 特にラノベの商業作品は、似たような内容の作品が 多いな~と思うかもしれません。 出版社や編集者が求めているのは「オリジナリティ」で あることは変わりません。 もちろんプロ作家にも、そして出版する作品にも「オリジナリティ」を 求めたいところではあります。 ですが、出版する小説を評価するのは読者であって、 売れないと商売が成り立ちません。 そういう意味で、「オリジナリティ」よりも、 「読者が求めるもの」「読者が好みそうなもの」を優先する形になって しまうのは仕方がないことです。 編集者もね、奇抜で独特で個性的なものを出したいと思ってるんですよ。 でもね、そういうものって、大概売れなかったりするんですよ……。 そうなると、「安定的」に売れるあの設定でいこう、ということになります。 プロ作家にも、「これだと売れないから」と言って、 王道に寄せるよう、お願いしたりします。 一方で、「投稿作」を評価するのは編集者です。 読者ではありません。 それでも、ある程度、「売れそう」なものを選ぶので、 多少、王道に寄せる必要はありますが、 ここでは「作家としてのオリジナリティ」が一番大切
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「小説の技法」Lesson35 描写の問題は、〇〇の問題です!

 前回の補習で描写の「核」とすべき部分について解説しました。そして、ページ数に縛られた、起承転結構成に従って、割り付けたプロットの範囲内で描写する以上、無限描写はありえないというお話に進みました。無限に描写できる方たちは、描写が弱いのではありません。構成です。プロットに従って、文章に抑制をかける力が未発達です。あるいは、抑制というものの美しさに対して、感性が開かれていません。 プロの方たちなら、皆さん、幾らでも文章は続けられるものです。それが、普通です。文章が苦手で作家になっている方たちはいません。皆、書くこと、得意なんです。あるいは、巧みなんです。夏の夜のアイスクリーム食べるシーンだけで10巻でも20巻でも続けられるでしょう。でも、誰もそんなことはしないんです。読者が付いてきません。  小説を書く上で、師から教えられることの一つは、抑制ということです。私だって、いくらでも書けます。でも、自分で作ったプロットで許されるページ数に描写を凝縮します。勿論、プロットの計算のほうが間違いということも、自分一人の作業ですから、大いにありえます。自分の理性でどちらが正しいのか常に考えながら進行させます。  小説ちっとも楽しくない、と思われる方がいるかもしれません。そう、仕事にしようとするなら、楽しいものではないです。物凄く真剣で理性的で冷静であることが必要とされます。このひとつの単語を書いていいのか、悪いのか、極端な話し、そこまで突き詰めて悩むんです。慣れで打っているように見えても、頭の中では、常に、この単語を書くべきか、この位置でいいのか、この単語でいいのか、考え続ける仕事だということを
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「小説の技法」Lesson34「追試課題」の補習!

 皆様、順調にシナリオの方は書かれたでしょうか? 多くの方が。このシナリオの実作課題に取り組んで下さることを願っています。  下手でも、できても、できなくても、やってみた方は、着実に伸びられると思います。模試の解答を眺めるだけで、わかったつもりになっていた私。法律の論文を読んで、簡単じゃんと思っていながら、文献、伏せられると手も足も出なくなった私。バカにしていた舞台の台本すら、ホテルの部屋に帰ると書けなかった私。見てきた物なのに書けない。人って、そういう愚かしいものだと自覚して下さい。  目で理解した情報と、脳の指令で再構成した能動的な情報とでは、自分の物として使えるか否かに、雲泥の差があります。走れると思う、と、実際に走った、は全く違います。  ストーリーも決まっていて、書き方もお書きしました。それでも、御自分のメモ帳なり、ワードなり開かれなかった方は、上達する意思がないのだろうと思うことにしました。  ストレスがかかるので、これ以上、スピードを落とすのはやめにします。終活に戻ります。  前回のコメント欄に、ほぼほぼシナリオとしては成立していると書かれましたが、その通りです。ただ、細かい動作に触れていません。ゴローが一曲のクリスマスソングで犯行から手を引くシーン、台詞では「クリスマスか」の一言しかありません。心情台詞にしろ、脳内独白にしろ、シナリオの場合は、使えないんです。それならば、あなたは、ゴローの悔悛の瞬間をどう描きますか? どんな動作? あるいは、ゴローに見えるものは何ですか?  正解はないんです。おひとり、おひとり、違います。それが、goodかbetterかbest
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「小説の技法」Lesson34 第三課題の書き方のルール説明

 前回、追試課題を発表させて頂きましたが、第三課題、どうですか? シナリオの場合、視点は、皆様、映画やドラマで経験済みのように、くるんくるん変わります。もう、神というか、視聴者というか、監督の意のままです。そこで、見せたいものが映しだされます。あ、俺、これのほうが楽、と思われた方は、早々にシナリオの方に転向して、勉強されたほうが良いです。「小説の技法」は読んで欲しいですが、適性があるかもしれません。小説とは、また、違った表現の仕方があります。たいてい、どこの局も大きなシナリオコンテストを持っていますので、頑張ってみて下さい。  で、小説の世界に残る方、自分の書いた物が、そのまま、画面に映し出されることを想像しながら、書いて行きましょう。  まず、シーンナンバー、場所(内か、外か、今回は、コンビニ内ですね)、時間帯を打ちます。柱といいます。撮影隊への指示だと考えて下さい。  で、ト書き:誰が何した、とかの部分。これ、コンクールでは細かくするのが好まれないようですが、今回は、「小説の技法」という特殊媒体向けですから、「レモンのアップ」みたいな記述も可能とします。皆様、ドラマや映画を見慣れているからできるでしょう?   ドラマなどでは、細かく定めずに、現場に任せるのが普通ですが、今回は「ゴロー、拳銃を握る手に力を入れる」など、600字以内なら、細かい動作も書けることにします。  ト書きは、行頭から3文字下げです。短文で。短文!って言ったら短文! 指示です。  そして、台詞は、行頭一文字目から書きます。名前を書いて(原則、男性は名字、女性は名前なのですが、ゴローと店員でいいです。技法の
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プロットを書く上で一番大切なこととは?

「ココナラ」で「プロットの書き方」をご指導したところ、いろいろ目から鱗のことがあったので、 ここでちょっとシェアしたいと思います。 プロットは道筋、カーナビみたいなものであって、 完璧で詳細でなくてもいいけど、 ないと小説の完成度が低くなったり、 ちぐはぐな部分が出てきたりと、 ちょっと困ったことになる可能性がある、ということを以前書きました。↓ですので、小説を書く前には、プロットを作るのが望ましいのですが、 まず初めに何をするか。 それは 自分が一番書きたいことを決める。 です。 当たり前のことと思い、特に言語化したことは ないのですが、基本中の基本ですよね。 いわゆる、「小説のテーマ」というやつです。 「テーマ」というほど重々しくなくてもいいのですが、 「この小説で自分は何を一番書きたいのか」 というのを、明確にすることです。 「主人公の心の成長をこういう方向で書きたい」 という、まさにテーマっぽいものから、 「主人公とヒーローの後ろめたい恋愛を、焦れ焦れと書きたい」という恋愛に特化したものから、 「とにかく印象に残る強烈なヒロインを書きたい」 というラノベっぽいものまで、 とにかく、「自分が書きたいのはこれ」 というものを、はっきりさせることが第一歩です。 それから、その「自分が一番書きたいもの」を どうやったら一番活かせるか、 その「書きたいもの」を中心に、話作りをしていきます。 大切なのは、小説の「軸」を決めることです。 「軸」がないと、「この小説は、なんだか盛りだくさんなんだけど、 結局は何が言いたいのかわからない」となってしまいがちです。 小説は、なんだか素敵なこ
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「小説の技法」Lesson32 第二課題解説③ 「推敲」の相棒って?

 「推敲」をかけて下さい。と、私は、つい、書いてしまうのですが、皆さん、推敲、どうしていますか? これも、人それぞれ、個人差のある問題です。 私は主に削る方向で「推敲」をかけます。ある基準というか、理想があるんです。文章のあるべき姿っていうものを持っています。それに近づける形で直していきます。師の教えというものはありますが、同じ路線を行っても仕方がありません。それは、真似、です。真似で本家に勝つことは永遠にできません。そこで、オリジナリティが必要になってきます。今まで、修行したり、見て頂いたり(読者含む)したもので、評判のいい部分は自分の長所として記憶に貯めておきますね。最初は納得いかなくても、長期的には正しいものです。  でも、デビューしていないと、人の客観的な意見が知りたくても、全文を真剣に読んで頂くのって、非常に難しいじゃないですか? いくら頭を下げても、忙しい!却下されますからね。プロだった時には、金払って読んでたろうが! と、正直、何度も思いました。  今は、こうして読んで頂けるので、自信もつきますし、反省もさせられます。ありがとうございます。いっぱい、気付かせて頂いています。ご恩返しに、ちょこちょこ、こうしたほうがいいです!ってきつく書いてしまいますが、本当に、そうしたほうがいいです(笑)。  例えば、書き過ぎと書き足らずの点で面白いことをお教えしましょう。  男性と女性で、書き過ぎと感じるか、書き足りない部分と感じるか、違うんです。  男性は理詰めで説明しようとします。何が原因で、どうしてそうなったか、合理的に説明が付かないと嫌がりますね。で、花が綺麗だとか饅頭食
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「小説の技法」Lesson31「無駄な描写」はするな!ってば…。

 前回は、書き過ぎと書き足らずについて、きつい修行を勧めました。永遠にやれとは言いません。ただ、それくらいの覚悟がなければ、描写量の見当など付かないでしょう。 ここ、勿論、あなたの作風との兼ね合いもあります。緻密に心理や意識の変化を追っていく小説もあれば、日本の文豪が、ふら~と知識開陳してくれるのも面白い。でも、皆さん、それは、既に、神にも、周囲にも、読者にも、認められている方たちのすることです。  少なくとも、最初は、自分の知識の範囲内で(資料を使うなら、勉強して、自分の知識としてからです)、筋に関係のあることだけを書く訓練を積んで下さい。ここ、「筋に関係がある」が人によってはわかりづらかったりしますね。  例えば、短編恋愛小説で、夏の夜道に、アイスクリームを買って食べるシーンがあったとします。アイスクリームを食べて、彼女に謝る気になるんです。さぁ、何を書きますか。 「コンビニで、アイスクリームを買った。舌に残る冷たい甘さが、彼女を思い出させる。愛情も、いつかは溶けて消える。僕はポケットからスマホを取り出した」  例文ですからね。ベストではないですよ。最低量の目安です。ここでは、コンビニの店員とのやり取りも、その態度も、アイスの銘柄も値段もアイスクリームの舌触りも、のど越しも切ってあります。今日の琴音武道派流では、この程度でいいです。(機嫌が悪い)  えーーーーーー!!!でしょ? 書きたいなら書きなさい、と打ちますが、筋と何の関係があるの? 勿論、大展開できますよ。でも、短編でしょう? 自分が書いていて楽しいから、乗るから、アイスクリームにまつわる家族や同級生との楽しい思い出
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「小説の技法」Lesson30「書きすぎ描写の書き足らず」の矯正法①!

 小説には描写が必要です。が、描写が書き過ぎか、書き足らずか、で悩むという話、何人かに昨日聞きました。確かに、くどい!のに、書いていなくて、わかんねー!ものあります。 作家で飯食いたかったら、致命傷です。誰も助けられない大問題です。どうするか? 解決策行きますよ! 書くしかないです。飽きるほど、書いて下さい。但し、そのシーンを書く前にです。第一稿、第二稿と、同じシーン飽きるほど書いてみて下さい。本当に飽きます!  飽きたら、一日、二日、一生でも、遊んでいて下さい。で、あの飽きるものを、どうしても書いてみたくなったら、再開です。ここ、注意は、「どうしても書きたくなったら」の「どうしても」が、まさか、カクヨムの更新予定じゃないだろうな?って疑惑です。  更新頻度高いと、たぶん人気も出ます。でも、連載の更新日に合わせて、上達させよう。はっきり言って、無理です。絶対、無理!まず、構成。起承転結のお約束、ぶっ壊れます。人気に負けて、延ばしたり、エピソード変えたりするでしょう? で、プレッシャーDOWN。  毎日更新できるのは、ある程度以上に書ける人と割り切りましょう。セミプロレベル。  カクヨムはSNSですから楽しいですよね。だから、そこを切れとは言いません。ただ、プロ志向なら、手元に、真剣な作品を用意して下さい。その公募用の原稿を打つ話をしましょう。練習用でもいいです。連載とは別の非公開原稿を持って下さい。私も持っています。それを書く時の方法です。モチベ思いっきり高まったら、飽きた話を書き始めてみて下さい。  ここで、注意することは、今日新しく打つシーンから始めないこと。  最初から推
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「小説の技法」Lesson29「メッセージ性」について

 「描写」の問題は、一回、お休み。皆さん、小さい作業ばかりで疲れるでしょう。小説が商品であるとか、商業的に成功するためにはって話ばかりでは…。 表現って、食っていく手段ではありますが、食っていくなら、ほかにも仕事はあるんです。なぜ、表現にこだわるか? 私は内面の渇きのようなものだと思います。現実と折り合いをつけるのが下手で、痛む傷に自分の心の泉から湧き出るものを必死に注ぎ続けている、と。   そんな私は、最初、カクヨムの異世界ファンタジー、転生転移物、全く理解不能でした。最近、読ませて頂くようになり、作者の方のお話をお聞きして、やっと、表現として全く変わらない、と思うようになりました。ひと時、現実を忘れられる夢。それすら、今、現実を舞台にしては作品として成立させられず、結果、異世界転生まで行ったのかと考え始めました。恐ろしいほど殺伐とした、空疎な現実なんでしょう。戦争にコロナですものね。  と、物凄く初学な私ですが、それ以外の物を書かれる方もいらっしゃいますね。やはり、カクヨムなら、文字を通した作品です。前回、メッセージなんてものは、商品を作れるようになるまで、公園で叫んでいろと書きましたが、撤回はしません。急がば、回れ。商品の形になっていないと、多くの人に、あなたの思いは届きません。だから、まず、商品として、より上質なものを作る努力をしましょう。(第二課題も必要な技術の訓練です)  だらだらだらだら、自分の主張を書いても、プロとして金をとるなら、ほとんどの人が飛ばすか、二度とあなたの本は買いません。苦情メールは知りませんが。第一に公開作品は読み手を楽しませることです。ここ、自
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「小説の技法」Lesson28「描写」を極めよ!(中級編)

 描写について、書けないったら書けないっていう人いらっしゃいますよね。逆に、どこまででも書けて、どこまで書いたらいいのかわからないって方もいます。 書けない人には、自意識過剰。自分を振り返ってそう思います。パソコンに向かって解決する問題ではありません。意識改革の問題です。人に小説を公開するということが、自分の中でどういう意味を持っているのか考え直してみるべきだと思います。なぜ、不特定多数人に公開したいのか、自分に問うことです。  逆に書けて書けての人には、小説は商品なんだということを強く強く主張したいです。  私を含めて、どちらのタイプの方も、小説を客観視していません。突き放していない。放したくない人がいるなら、私は一緒に作家で飯を食えるようにはできません。文章が自分の感情のはけ口として許容されるのは中学生までだと思います。少なくとも、プロになりたいと思ったら、感情のはけ口はNGです。商品だとわかったら、商品として扱いましょう。  編集や審査員が最も嫌うものの一つが、自己没入型の作品です。主人公と作者の分離を完全にした上で、主人公が見聞きしたり、感じたり、考えたりすることによって、ストーリーを進めていくのが商品としての小説です。反対の意見の方は、御自分の意見で進んで下さい。  そんなことがわかっても、フロントからエレベーターに歩くまでの描写はできませんか? 翌朝、ホテルを出た時、感覚器の何が一番反応しますか? 空気ですか? 空ですか? 自動車の騒音? それとも、風ですか?   後のメッセージ性の話とも絡みますが、私は商品だから読者や出版社に媚びろとは言いません。ただ、商業として
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「小説の技法」Lesson27 第二課題解説「描写」を極めよ!(初級編)

 皆さんは、描写とは何かわかりますか? はい、「物の状態や形状、心に感じたことなどを言葉・音楽・絵画などで写し取ること」だそうですよ。定義がわかっても、小説は書けません。小説を書く上で悩むのは、いわゆる情景描写・心理描写です。第二課題が、あれだけ長文なのは、描写の訓練だからです。   最近、私が勝手に、心情台詞と呼んでいるもの増えていますね。例えば、下の例です。  やってやる!  俺はこぶしを握り締めた。  これは、口に出さない独り言です。これを書きたい方に、私の解説は意味を成しません。ここでは、小説一般の技法についてお話させて頂いております。  第二課題は、会話、フラッシュバックを制限した状態での描写訓練です。出題意図を的確に捉えて下さっている方もいらっしゃいますね。この課題の目的は描写力を付け、なおかつ、描写によって自分のみならず、相手の感情までも表現するという小説の奥義①の訓練です。  そして、当講座では、小説とは、売り物=商品です。プロの輩出を謳っている以上、自分と主人公をきっぱり切り離し、上質な商品の作り方を学んで下さい。メッセージ、伝えたいことがある。それは、商品を作れるようになってからのことです。後に解説します。それまでは、公園で叫んでいて下さい。上質な商品を提供する代わりに、対価として、お金をもらうのがプロです。少なくとも、エンター、一般文芸のプロの仕事です。  第二課題は、①フロントからエレベーターまで、です。現実に体験すると結構ボリュームのある数分ですが、描写では、一行でスルー出来ます。そして、②ホテルから出るシーンです。作品では、飛ばせます。綿密に書き込む
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「小説の技法」Lesson26 第二課題解説① 「キャラぶれ」はみっともないからね!

 第二課題「やけぼっくい」シチュエーション。いかがお進みでしょうか?  Lesson 25では、一人称主人公と作者自身の分離について書きましたが、自分の過去の経験を作品に生かすことを禁止するものではありません。そんなことを言ってしまえば、私は、ただ、無意味に65の職業を書けない女に過ぎなくなります。ただ、自分べったりの感情、特に、恋などという柔らかな心の内を「自分」だと思いながら、写していくことは、絶対に、やめましょう! こんなことを書いているのは世界初かもしれませんが、書いたあなたが後で傷付きます。や・め・な・さ・い・と経験者は語ります。まじ、充電するぞ…。  で、主人公は自分と近い境遇・思考であってもかまわないのは当然ですが、絶対、自分ではありませんから、ここの距離感をきちんと明確に区別すること! 笑えませんよ。  とすると、出てくるのが、「キャラぶれ」の問題です。主人公に限ったことでも、一人称に限ったことでも全然ありません。どういう現象かと言えば、登場人物の「人格=キャラクター」が揺れるという話です。あぁ、それ、最初のうち、なりますね、じゃないから。読者はあっさりとわけわかんねーで、本を閉じます。  注意しなければならないのは、「人格」です。「気分」ではありません。読者は、語り手に感情移入して読み始めます。読者が追いつかないほど、主人公、何、考えているのかわからない作品があります。考えているけど、え、さっきと、違うじゃん、え、なに? どうして? あ、わかるけど、うーん、誰だっけ、あんたって思いながら読書した経験ありませんか?  当然、登場人物の人格が出来上がらないうちに書
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「小説の技法」Lesson25 第二課題に取り組む方々に

 書けない~の声がすでに上がっている第二課題ですが、本当に、これ、書けません。ここまで、細かく書くことが決まっているのに、書けない人が本当に多いと思います。 同性一人称の行きずり描写の前と後です。行きずり描写はいらないの、皆さん、大人なら割と平気で流せるはずです。その前後の自分の行動を正当化しようとしつつ、相手に惹かれつつ、相手は既婚者か、家庭持ちか、遊んでやろうか、そんなのいけない、ダメだって、うだうだ考えながら、表面上、普通で、でも、ホテルマンから見れば、ばればーれの行動を取っている主人公っていうものが書けないんです。  描写を書こうとしても、その時、自分は何やっているんだ? どこ見てるんだろう?って、ロボット状態にかちんこちんになる人もいるはずです。そして、小説の奥義①で、相手の感情もわかるように書こうとすれば書けますよねって解説もしました。えー、です。  上級者の人は相手にまで目を配って場面仕上げてみて下さい。でも、まず、自意識との葛藤で多くの方は悩まれると思います。いえ、こういう行動を過去に取ったことがある方なら、露悪的になれば書けることです。でも、露悪的になる必要はありません。過去の彼女、彼との美しい思い出を汚すようで嫌だと思われた方、はい、そこで、STOP。小説です。ルポでも体験談でもありません。ここの分離をしっかりと、済ませて下さい。  小説の中に出てくる「私、俺、僕」と自分自身の区別、ここ、しっかりしないと、飯は食えても、薬に頼る羽目になります。プロになれば、主人公=小説家で、ガンガン、叩かれる覚悟はして下さい。運営の注意書きなどない世界です。アカ停止もブロッ
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「小説の技法」Lesson23「秘奥義①」開陳か?

  神の視点を取らずとも、登場人物の気持ちが手に取るようにわかる書き方がある、と昨日、乗りで予告してしまったので、いやー、書くの? 書けるの? と自問自答しております。 でも、人称と視点の説明がわかりやすかったとコメントがありましたので、少し、落ち着こう。本当に、人称と視点の説明って面白いものでもないし、難しいです。  で、この人称に縛られると、相手のことが動作でしか書けない=感情、心理が書けないという問題を生じることはお話しました。それで、BLばっかりやり玉に挙げてしまいますが(若い頃は、私も嵌ったから許して)、恋愛及び性愛の描写において、片側の感情しか書けないあたりから、視点の問題がコミケで無茶苦茶になった過去があります。801の頃。  それね、冷静になって下さい。両側書こうとするあなたが神様。自分の恋愛においても、自分の思いすらわからないんだなぁ、恋愛って。 では、視点を自分に固定した状態で、相手の感情・心理をどう書くか? 書けます? まぁ、簡単なのは、「」の中で語ってもらうでしょ? 相手の台詞でわかるっていう形。  そう、そんなの当たり前なの。言葉なんて嘘かもしれないし。そう、嘘かもしれないの。  だから、例えば、こんな描写が思い浮かびますね。 「好きだ!」  あいつは吐き捨てるように言って、私から目を逸らした。  まず、この地の文の「比喩で受ける」という方法が考えられます、「吐き捨てるように」。「夢見るように情熱的に」などなど。どんな様子で言ったのかは書けるんです。そこで、この「好きだ!」という台詞がどんな感情をもって言われているかは、読者に印象付けられます。そして、
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「小説の技法」Lesson21 「エスパー作者」は今もいる!

 小説の代表的な人称。一人称と三人称ですね。一人称は、勿論、「私、僕、俺」など、小説の主人公自らが語り手となります。視点は自分。主人公が見たり、聞いたり、体験したり、思ったり、感じたりしたことを綴ることで小説は進みます。主人公は異能者でない限り、自分のことしかわかりません。「博美」が思っていることや考えていることはわかりません。だから、書いてはなりません。書いていいのは、「とでも思っているようだった」という推測までです。ここ、しっかり、心に焼き付けましょうね。相手の感情をぽろっと書いてしまう「エスパー作者」います。あなたは人の考えがわかるか? 厳禁なのは常識です。 次に、三人称というものがあります。三人称は、実は二つに分かれます。知っていました?  小説で飯食いたい人、真剣に読んで下さいよ。結構、難しい話です。  一つ目は「彼、彼女、名前」など、主人公を客観的に書きだして進めていく小説ですね。「隆史は誰より早く走った。叫びたいほど嬉しかった」って形式です。皆さん、一般的に、よく使われるでしょう? 隆史の行動、感情、思考を追っていくことで小説は成立します。  三人称の二つ目は、通称「神の視点」と呼ばれます。エラリー・クイーンとか、過去の推理小説などで使われています。この「神の視点」に限り、全員の思考、感情が書きだせます。「アガサは普通のことだと思った。ジュディも同感だということを示すため、アガサにウィンクして見せた。ジャックは、そのやり取りを見逃さなかった」。最近、あんまり使われませんよね? ミステリーでくらいしか利点がないです。難しいし。作者=神ですから、何もかにも書けるんです
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「小説の技法」Lesson20 「野郎系女性」撲滅運動!!

 課題の「怪談」は、無目的に、女性主人公の一人称であるわけではありません。 この課題で出すと、心に野郎系女性を抱えている方は、絶対に、野郎系女性を晒します。男女の書き分け以前に、この野郎系女性主人公ってものを、早期に禁止させて頂きます。野郎系女性? そう、スカート履いて化粧しているただの男です。心が野郎で、かつ、台詞が異常になよかったりします。皆さんの課題怪談、特に男性で野郎系女性の出ない方、いない。  私、女がわからないっていう賞獲り希望さんに、女性用のパンティとミニスカートで夜中外に出ろと命じたことがあります。「凄く怖かった」って言っていました。別に、男なのにスカート履いてる~ってばれるのが怖いのではなく、足の間がすかすかして、おっかないって言うんですね。何かあったらどうしよう、と。とても不安になったそうです。  勇気があれば、スカート履いて、コンビニに夜中行ってみましょう。服装一枚で、それほど、違いがわかります。で、ハイヒール履いてみましょう。女って大変だなって思うから。  何か、男にばっかり冷たいって言う方います? 日本には、女ばっかりで男性を演じるメジャー劇団がありますね。その男性を演じる方たち、やはりズボンの下、果物詰めて真似をして歩いたりするそうですよ。やっぱり歩き方が違う、と言います。プロはやるの!  というわけで、女を知ってもらおうと、二冊、ブクログに本を入れておきました。どちらも、過去の女の人ですよ。現代の女性は、もっと自由で、明るくて、地位も上がっているし、と反撃される女性がいるかもしれませんが、まず、本質の話です。器質的に弱いのは否定できません。野郎系女
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「小説の技法」Lesson19 伏線を使いこなせ!!!

 「伏線」とは、なんでしょう?  Wikipediaの説明にありますように、あの通りなんですが、書けませんよね。いきなり、因果律とは関係なく、などと説明されても…。 簡単に言えば、のちの重大な出来事の前振りなんですね。ちょっと、暗示しておきます。 「怪談」の例でいえば、「起」で、アパートに引っ越してきた時に、ちょっと不吉な感じを出して下さいと言いましたが、あれも一種の伏線ですね。提出作品の中に、不気味な音の描写が出てくるものもありましたが、ラスト、殺された男の子の遊んでいた玩具の音だとわかります。一気に悲哀の感情が出ますね。物語に奥行きが出ます。  というふうに、「伏線」、そのシーンでは、唐突なんですよ、フラッシュフォワードですね。Wikipediaさんでは、はっきり、予知の場合もあると書いています。皆さんには、平気なのかなぁ。予知だって…。予知使わなくてもいいんだけどなぁ? (やばい、青龍予知した)  何か気になる描写、台詞だけど、そこまでの部分では、全くなぜ唐突に出てきたのかわからない文章です。これを無駄にせずに、クライマックスでパーンと解くと、読み手は解放感、わからなかったもやもやが解決し、心理的に⤴んです。感情が高まります。まぁ、伏線とわからせない伏線というものもありますが…  例えば、怪談の例でいえば、承の部分ですべての水が腐る。主人公の喉が渇いて仕方がない。そんなことが書かれていて、転で、水を飲まされずに死んだ女の霊だとわかるとか。  赤いマニキュアの破片に肉が付いているものを拾う。転の場面で生爪はがれていたことがわかる。結で、女も同じ色のネイルを塗るとか。ね、説明
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「小説の技法」L18休日ですね。。。

 恒例の休日企画ということで、私は大事なこと書いちゃうもん。全員、知らなくてもいいもん。今日は説教です! 私が、「小説の技法」を始めて、考えてしまったのは、全く皆さんが見えないということです。提出課題は拝読しましたが、一様に観念的で内向的です。物書きっていうのは、表現をする仕事。表現というのは、趣味でいいにしろ、仕事にしたいにしろ、外の世界に、自分の言いたいことを伝えるという作業だということです。  提出者全員、そこの意識が弱いです。提出物を持って来て、去って行く。一応、◎付けして欲しいのかい? ということで、付けていましたが、何志望なのか、褒めるところだけ褒めて欲しいのか? どん底に落とすまで指摘していいのか? わかりませんでした。  感じられたのは、皆様、内向的、観念的です。読書量不足の人、実は物凄く多いです。  読書してるもん。でしょ? していると思いますよ。小説投稿サイトで。ここで、お付き合いのある人の小説を全部、読んで、コメント書いてってしていたら、時間なんてすぐになくなります。しかも、自分の作品も書くんでしょう? 本当に自分をコントロールしないと、それで終わります。そんなことを考えていたら、ちょっと悲しくなりました。で、ある方と話したら、書籍化、コミカライズ、アニメ化がGOALだと。本当ですか? 私はよくわかりません。全員に訊いたわけじゃないし…。多くの場合、書籍化=プロではないと思いますよ。私は応募要項を読んで、そう受け取りました。この後の内情は省略。  じゃあ、どうすればいいか? 本当は、様々な芸術に触れる必要がありますよ。いろんな知識を積まなきゃならない、経験
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「小説の技法」Lesson17 あなたは主人公を知っているか?

 皆様は「怪談」の実作などされているのでしょうか? コンテストも多く、も祭りのようなので、そのような時間はないのかな? 今日は、あなたは、どこまで主人公のことを知っているか? 作り込むかって話です。私は、ご存じの方はご存じのように、文系なんです。だから、出てくる人? たいてい、文系なんです。知識的には社会のことが入って来るので、学生のように文理文理と喚きませんが。  でね、ちょっと面白い人と知り合ったのがきっかけなんです。理系の人なんです。ちゃんと理系の中でも、実によしとされる国家資格を取って働いている方。で、趣味が物理と数学。私は笑いました。最近は、気象学だって言うのね。あんまり楽しそうに語るんで、私の中にキャラが生まれました。だって、バリバリ理系の男の人? あんまり知らないんですよ、私。  俄然、書きたくなったんです。この気象オタクというものを。主人公の趣味を気象学と数学に設定しました。ちゃんと許可はもらいましたよ。最初、怒ったけど…。でも、私が真面目に気象学の勉強を始めるのを見て、この人の態度は協力的になりました。一年間、ずーっと、私、気象学やったんです。わからない時には、教えてもらいました。一年半かな。気象予報士試験の勉強。向こうは受かって、私は受けてもいませんが…。  で、要するに何が言いたいかというと、見える世界が違うってことです。私には、青空に刷いたような白い雲が見えるんですが、まず、その人には、巻雲に見えるんだってことがわかりました。白い綿菓子のような雲じゃなく、積雲なのね。高度も気圧もね。空気の成層性が気になるとか言い出すのね。ここまで言われたら、勉強するでし
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「小説の技法」Lesson16 第一課題の解説⑧ 遂に、「結」!

 今日は、起承転結の締め「結」の解説をさせて頂きます。皆さん、一度くらいは実作しましたか? 題材が魅力的じゃないので、書く気も起きないかもしれませんが、上手くなるには、最初に、これなんです。一番、説明もしやすいし、理解もしやすいです。試して下さい。 で、昨夜、起承転結は意識していても割合を考えたことがなかったとコメントされ、ふうむ。1:1:1:1説と1:4:4:1説があるお話はしましたよね。実作をした皆さんなら、ちょっと、やばくない? この比率って考え直しませんか? 読み飛ばした過去より、じっくり考えたりしません? 余裕あって書きやすいと考える方もいるでしょう。  でも、まず、1:1:1:1、これ、やばくない? クライマックスが1です。250字。で、アパートに来たよって話が1.同じ割合なんです。もう、私は好きにしろ!です。  1:4:4:1。数字見ただけで、飽きない? 電気点いたり、消えたり、ふっと見えたり、消えたりで4。起と合わせると、事件もなーんも起きないのに、たらたらと4。好み。  時代は、0:0:10:0も受け容れちゃったんです。今なら、これ、斬新でもなんでもない。  という理由で、私の理想形は、いつも申し上げている数字ですが、あれ、琴音武道派流免許皆伝なので、1:2:3:1くらいでも十分です。ただ、これだけ娯楽の発達した現代を考えると、やや古く見えますってだけです。書きやすさか、一発賞でも獲るかって時に、考えてみて下さい。長編なら、0.5の割合でも、かなり書けます。怪談メソッド、あれだけかっちりしている話なのに、大家から聞いたという話を70字以上、書く余裕はないです。
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「小説の技法」Lesson15 第一課題の解説⑦ 「転」は大切なの!

 「起承転結」に入ってから⤵な方、散見されます。 もう、国語の授業になっていますか? 算数の比の勉強ですか?  違います! 小説の技法です! そんなの湧き出てくるのを自然に書いていくんだもん! それで満足な方は、それでいいです。上手くなりたい方、そして、その先に、受賞(辞退はするな!笑・経験者談)、プロ、ベストセラー、と続く道を考えている方々には、絶対に避けられない問題です。将棋で言えば、「定石」です! 定番の勝ち方!  使う、使わない、は別にして、知らないと、勝てません。 「学ぶに謙虚に」です。一生、「起承転結」に縛る気もありません。ただ、一つの昔から決まった「型」「メソッド」として、覚えて使えないと洒落にならんよって話です、常識。  エンタメの小説は(一般文芸もそうですが、わかりやすいので)、え? って思って、だんだん惹き込まれて行って、なんだか事件だとかなんだとかで目が離せない展開になって、うわーっと思って夢中に読んでいるうちに、終わっちゃった、泣けた~!。・゚・(ノД`)・゚・。 っていうのを理想形にしますね? しません? 私は、エンタメの小説ってジェットコースターだと思いますよ。承のところまで、どうなるんだろ? どうなるの? ってページめくって山場(転)に行ったら、回るは、振り回されるは、ぐるんぐるん宙返りするは、落とされるかと思ってヒヤッとするはで、夢中にさせて、ストーンと切りよく終わる。  転=クライマックス。ジェットコースターの宙返りが始まったら、本領発揮です。3~4。文字数にして、500~600文字、余ってますね。半分より、やや前から技が開始です。場面、でかい
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「小説の技法」Lesson13 第一課題の解説⑤「起」とは?

 今日は、起承転結のイメージ作りから始めてみたいと思います。起承転結、起承転結、うるさいなぁと思われる方、小説を書く上で、すーーーーーごく、重要なことなんです。しっかり理解して下さい。この創作論につきまして、いろいろ論議がありました。折衷案として、私、もうちょっと、わかりやすく説明するように心がけます。よろしくお願い致します。 まず、「起」、ことの発端ですね。怪談話の場合、主人公の女性がアパートに来る場面です。例えば、大学に入るため、学生街にアパートを借りた。築二十年だという。程度のことがわかればいいのです。一行で終わる記述です。  でも、私は、持論として、エンターテイメントでは場面(シーン)性を重視します。  読者を掴むためには、場面で始めるべきだと思います。怪談です。薄気味の悪いエピソードを「起」から盛ってみて下さい。場面として、1しか割合はありません。ただ、救急車が一瞬霊柩車に見えるとか、カラスの大群が飛び立つとか、不吉なイメージです。その方が、ただ、引っ越したよりも、効果的であると思います。昔のホラー映画でも、そういう不気味なシーンってあるじゃないですか。電話が鳴って切れるとか、鏡に何か映る気がするとか、さわっとしたシーンです。文字数にして、100字とちょっとですね。  私は、今、ここで、思い付いたことを打っているだけなので、エピソードとして最適だと推しているわけではありません。ご自分のカラーに合った、怪談にふさわしいオープニングを書いてみて下さい。ここ、フラッシュバック的なシーンで開始しようとする人がいますが。1000字しかないんです。時間軸を移動するより、私なら、一
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小説の技法 Lesson12 大騒ぎの第一課題の解説④

(他小説サイトの転載であることを御承知下さい) 第一課題のことや私の投稿常識(文芸賞用)の説明のせいで、何やら、内輪もめをしておりました(過去の掲載時)ので、とにかく揉め事の発端である「怪談」という課題の解説からご理解願います。ご理解していらっしゃる方は本当に申し訳ございません。  エンタメのプロ作家の基本資質の一つが、原稿用紙400枚、首尾一貫したストーリーで書けることと言われています。最低基準一段階目です。起承転結に則り、伏線をすべて処理しきった形で、同一視点の矛盾しない一話の話を書けるかということだと思います。途中で、手紙とか挟まって、Kになっちゃったりしているのはどうするのですか? はい、まず、あれは、素質測定の物ではなく、「表現作品」なのです。私たちが取り組まなければならない基本ドリルではありません。夏目先生、新聞記者出身です。できないわけがないでしょう!私たちは、「怪談」1000字で揉めているレベルなのだということをわかりましょう。漢字ドリル、算数の計算ドリルの世界です。でも、ドリル、役に立つんです。やってみて下さい。  物凄く難しいです。1000字。女主人公の一人称。話の筋も説明した通り決まっています。でも、正確に問題を理解して提出して来られた方、カクヨムでは1名なんです。それで、取り敢えず、怪談1000字が起承転結で書けていて、基本のテクニックに問題がなければ、◎付けに行きました、ライターの方やジャーナリストの方にお教えした時、ここを間違えた方、過去には一人もおりませんでした。さすがに、金もらって書いていた人たちだと思います。 ストーリーは、女がアパートに引っ越
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小説における魅力的な主人公の書き方 - タイプ別アプローチ

小説の主人公は、物語の魅力を決定づける中心的存在です。彼らが読者にどのように映るかは、その物語が心に残るか忘れられるかの分かれ道となります。主人公は、大きく分けて三つのタイプに分類できるでしょう。 共感型主人公 まず、共感型主人公は、読者が自分自身の一部を見るような存在です。彼らは、『ドラえもん』の、のび太君のように、日常的な失敗や弱さを持っており、それが読者に安心感を与え、物語への没入を深めます。共感型のメリットは、読者が物語の流れに自然と同調しやすくなる点です。しかし、その共感ゆえに、主人公が予期せぬ選択をすると、読者は強い違和感や反感を感じるリスクがあります。共感型主人公は、読者の鏡とも言える存在で、その微妙なバランスを取ることが重要です。 超人型主人公 次に、超人型主人公は、常人離れした能力で困難を乗り越えるタイプです。マンガ『蒼天航路』の主人公・曹操のようなキャラクターがその典型で、彼らの行動は華麗で、読者に爽快感を与えます。 超人型のメリットは、彼らの活躍を通じて読者に強烈なカタルシスを提供する点にあります。 一方でデメリットとしては、主人公があまりにも強大すぎると、読者との距離を感じさせてしまうことがあります。また、作者の独りよがりな展開は、物語に一層の距離感を生んでしまう可能性もあります。 悪人型主人公 最後に、悪人型主人公は、従来のヒーロー像から逸脱し、時に反社会的な行動をとることで物語を牽引します。 小説『果てしなき渇き』のような作品では、主人公は元刑事でありながら、強大な敵に立ち向かうため、時として犯罪行為に手を染めますが、読者には背徳的な魅力を感じさせる
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『小説の技法』Lesson11 第一課題の解説④~同人の陥りがちな罠

 今日は、エピソードについて解説しようと思っていたのですが、昨夜一名、実作を提出して下さった強者がいらっしゃいます!!! 拍手です! 助かりました。皆様に、より実感して頂ける解説ができると思います。下手な方じゃないです。御作も読んだことがあります。 書ける方、皆様、落ちる落とし穴にずぶずぶハマって下さったので、記憶が甦りました。  私がちびの頃は、プロの作家の方々から、絶対に同人活動(要はアマチュアで集まって批評し合ったり、雑誌を作って売ったりと言う同好会活動です)をしてはならないと言われていました。今、どうか? どうなんでしょうね?  これだけ小説投稿サイトの規模が大きくなると、商業と大差ないですが、私が注意を受けていたのは、「同人やると、同人臭くなって、プロにはなれないからね」という点でした。同人臭? あるんです。今でも、あるなぁ、と納得しました。  真面目に商業誌狙っている方、教えたくないけど、教えます。知っているかな? 「う~む」とか「むひゃひゃ、どっひゃー」「ひっ」とか、文芸誌の台詞で書いちゃいけませんからね。だって、そうしゃべるし、書いている人もいますって反論もあるかもしれませんので、言い直します。ないほうがいいです。口語文と言っても、話し言葉をそのまま書けと言っているわけではないんです。口語体という文章の型です。まず、見た目がものすごく幼稚で、バカな素人っぽく見える、と言われています。  後、三点リーダーを控えましょう。…。です。私も少女の頃、これがないと書けないくらい使っていました。ダメです。余韻じゃないんです。私は自分の文章がキマってない時に誤魔化していただけ
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『小説の技法』第一課題解説③ 感覚器について

 あなたは、小説を書く上で、どの感覚器を使いますか? 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。どの感覚も大切ですが、小説の場合、心理に深入りしすぎて、主人公の容姿も年齢も服装も何もかにもわからないことはよくあります。別に、わからせろとは言いません。ポールの第二作「幽霊たち」では、登場人物に、レッドだのブルーだのピンクだのと言う色の名前を付けるほかは、何の描写もありません。狙いならば、OKです。ただ、怪談は、エンターテイメントです。文学ではありません。  五感フル活動! OKですが、1000字なのです。すべては書けません。取捨選択。  そこで、横道に逸れますが、私は「愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ」を着想してから完成するまでに7年、お蔵にしてあります。70ページ程度から先、書けなくなりました。語り手が恋愛における「嫉妬」と言うものを感じる場面(葉が浮気をしたかと思います)、私は嫉妬をしたことがなかったので、描写がお手上げになりました。主人公は感情がないところからスタートします。経験の中で感情を回復していきます。  さぁ、嫉妬を回復しました。 どこの感覚器から感じるでしょうか??????  大難問ではないですか? 私は、Lesson2でも書きましたが、9歳上の恋人がいました。彼、言ったんです。「僕といたら、一生、嫉妬は書けないよ。僕、目移りしないもん。いいよ、7年、別れてあげる。好きに恋愛をしなさい。ただし、プラトニックオンリー。実際に嫉妬をしてきなさい!」怖い人でしょ? スーッと離れて消えました。純粋な日本人ではないので、帰国したんです。私は、言われたとおり、3人ほど、恋愛しました。嫉
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『小説の技法』Lesson9 第一課題の解説② あなたの「怪談」は怖いのか?

 究極の問いから、スタートです。 怖いですか?  私は、あなたの作品を読んでいないので、怖いか怖くないかわかりません。どうして、怖いか、どうして、怖くないのか? 質問にも答えられません。(私でもいいから答えて欲しいと思った方は、サービスのご購入をお願い致します。<(_ _)>)  今まで、教えていた経験から言うと、書けると思っている人ほど、大抵、怖くないんです。でも、ここのサイトには、異世界キングも、異世界クイーンもいらっしゃるので、怖い人もいるかもしれません。自分で泣くほど怖い人、もっと、怖くしましょう。  怖くない理由① 自分が怖くないから! これ、男の人に圧倒的に多いです。あの程度の怪談、怖くない(主に)男性って世の中にいっぱいいます。だから! 女主人公って言っているでしょう! と言っても、外見だけスカート履かせて、感性が男だったりする人がいます。女言葉だけど、精神的に野郎な奴です。考えてみて下さい。主人公、「怪談にふさわしい」女性になっていますか? 「恐怖」が目的です。度胸の据わった女とゴーストとのバトルを要求しているわけではありません。怖くて、怖くて、助けて~の主人公なんです。  異性主人公論は、そのうち書きましょう。これ、ある種のファンタジーです。異性を書くって、結構、かなり経験値が必要なんです。例えば、あなたは、異性の友人に飲み物のペットボトルを手渡したことがありますか? 私は女です。友人の男! 凄いですね。普通に渡しているんでしょうが、腕が折れるってくらい、叩き付けてきます。重い。私、落としたこともあります。向こうも、びっくりするんです。え? そんな
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『小説の技法』休日企画☆読書から学ぶ☆

 今日は、皆さん、御承知の休日でございます。 まぁ、何を書こうかと思えば、村上龍さんの話だったりします。  私、過去には、時代にべったりくっついて、情報を発信し続けるビジネス誌の編集長をしておりましたので(本職の1つ)、現代も見慣れてくると気になってきます。  それで、今の人は異世界転移転生を読むのか? 娯楽なら、村上龍で十分すぎたじゃないか、思いました。文体、及び、文章、小説、それ自体を指す意味で、日本で最も学ばせてもらった小説家だと思っております。いつか、再会してお礼を言いたいです。  村上龍さんを読んだことのある方、ハートマークを押して帰ってみて下さい。ついでに、何を読んだのかも知りたいですが…。 彼の優れていた点ですか? やはり、文化の牽引力。ジャーナリスト志望だったそうで、メルマガで(JMMだっけ?)、常に情報発信を続けられていました。龍さんのおかげで、SMもVONTAGEも日本で市民権を得ていた時代だってあるんですよ。おしゃれだったの。  まぁ、その点、眉をしかめる向きもありそうなのでやめますが、この人から、私が何を学んだかと言えば、文章です。文体の基本は「音」と「リズム」と書きましたが、龍さんは凄いです。本当に、天才だね。って、誰も認めなくても、私は擁護します。  小説のストーリー、あまりにも、彼が流行作家だったがゆえに、書き過ぎて、書き過ぎて、一度でも、作家やっていた身としたら、あの生産量で上質なものを提供できなくなるのは当たり前だよ!と言うしかないです。だから、正直、すべてが高い水準にはありません。  でもね、凄いのは、私、一度も、「金、損した」と思ったことが
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『小説の技法』~母音の話

 前々回、母音と感動の話をすると大盤振る舞いの予告をしましたが、確認で調べてみると、難しい。いきなり、音韻説の解説から始まり、私は逃げました。予定変更。 まぁ、休日なので、私のいい加減な知識を舐めてやろう程度で、ラフにお願いします。  私は、実は、舞台作家・演出志望です。でした、と書くのも癪なので、「です!」。  そういうわけで、舞台も結構、書いていないわけではなく、学生の頃は、自分の作品に主演などしておりました(笑)。フィッツジェラルドの「夜はやさし」を舞台化して、主役の二コルを演じました。と自慢!になるかなぁ…ちなみに、「アゴラ劇場」です。  大人になると、女の身で劇団もなく商業演劇(ミュージカル)志望。世に出る手立てが全くありませんでした。で、代作だったりしたわけです。あまり詳しく書けません。<(_ _)> 琴音でデビューし、三本ほど、お話を頂いていましたので、充電した後は、劇作家だもん!って、こっそり思っていましたが、見ての通り、大病で15年ふいにしております。 そういう事情で、私、舞台に通い詰め、山ほどビデオテープの時代から観ておりました。  で、開音と閉音の話をしようと思ったら、合音はあるし、二重母音だの、長母音がどうしたのこうしたのって、難しい話になったわけです。なので、今回は、私が戯曲と言うか、自分のミュージカルの脚本を書く時、見る時に気を付けていたことをちらっと書きます。  これは、某劇団と仕事をした時の話ですが、脚本上、「シリアスで知的な男」なんですが、板に乗せると「軽い多弁な男」に見えるという現象に参ったことがあります。で、この役の台詞の末尾の
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『小説の技法』Lesson8 第一課題解説 ①起承転結、かかってこい!

 皆様、第一課題の作成、お疲れ様です。実作された方、本当に、ありがとうございます。 解説を書かせて頂きますが、例文になってくれてもいい強者の方はいらっしゃいませんでしたので、皆様は、自己採点代わりに、毎日、手直ししてみて下さい(パソコン前提)。  では、第一回、ほら、来た、「起承転結」です。用語に説明の必要はないでしょう。  私は、もっとLessonが進んだら、自白しますが、起承転結で書きません。   が、です。が!  テクニックというものは、学べるだけ学んで、使いこなせるに越したことはありません。  私も、今、「カクヨム」の作者さんにご協力願い、異世界転生物の書き方というものを勉強させて頂いております。ありがとうございます。なるほど勉強になります。でも、それで、私の小説理論が変わるかと言えば、別に変わりません。新しいメソッドの習得です。  今日は、まず、「起承転結」メソッドの再構築について、説明します。起承転結。意味は、皆さん、学校で習っていると思います。では、具体的なページ比率はわかりますか?  私には、私の確立した「理論」があります。が、一般的に、何対何対何対何ですか?  これ、私も確認しました。二つの説があるそうです。一つ目は、1:1:1:1説。 ちゃんと、小説講座っぽいサイトで確認しました。二つ目が、1:4:4:1説だそうです。  でも、皆さん、よーく、考えてみて下さい。自分の構成ノートも見て下さい。  250字:250字:250字:250字?  それとも、100字:400字:400字:100字?  皆様は、少なくとも、実作の経験がおありだと思います。面白いですか?こ
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『小説の技法』Lesson6 文体に悩む頃

 あなたは、自分の「文体」について悩んだことがありますか? 「文体」について、私が初めて考えたのは、小6の時。新聞の日曜版のちょっとした娯楽のコラムに、文体模倣というものが載っていました。  そう、例えば、漱石の「猫」の文体で、トイレシーンを書くとか。すごく猥雑なものでした。谷崎とか、永井荷風とか、川端氏、勿論、芥川龍之介風などもありました。  大人たちは、笑うのです。私には、何が何やら???でした。どこが面白いのかわかりません。で、聴くと、人は、文章を読んだだけで誰が書いたかわかるのだというのです。びっくりしました。文章の「個性」だと説明されました。  その日から、私は小説を読む時にも、その文章の「個性」を気にするようになりました。  で、何が個性かと言えば、まず、「字面」。ひらがなと漢字の割合、文章の長い、短い、ぱっと見です。勿論、文法的な特徴もあります。「だ、ある」「です、ます」が一番、わかりやすい例ですよね。そして、接続詞のある、なし。句読点の打ち方などなど。この文法上の好みっていうものも、自分で認識するか否かで温度差はありますが大きいものです。  でも、作家になろうという人々が気にかけるのは、多く、言葉の選択の感覚だと思います。「綺麗な首飾りが映える」のか「美しいネックレスが似合う」のかという話です。これは、もう、各人の素養の問題です。どれだけ学び、捨て、自分のものとしたか。好みでしょう。  そして、なんだか理由はわからないけれど、自分の文章が嫌で、嫌でたまらない病の人。それが、「文体」の最も大きな個性である「リズム」と「音」の問題だと思います。大嫌いな歌。声が嫌も勿
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『小説の技法』Lesson5 文豪に学べ!

 今回は、「学びとしての読書」から「書く」ことを実践して欲しいという、お話を書かせて頂きます。真面目にやれば、効果は保証します。私もやりました。考えてみて下さい。 これを書けば、小説が上達する? そんな文章あるんですか?  答え:あるんです。  小説以外に、練習すれば、小説が劇的にうまくなる文章ってあります。  記事等の客観文もそうなんです。論文とかね。でも、勧めません。共通項が少ないです。  やはり、あげるなら、具体的には「シナリオ」「脚本」「戯曲」。  まず、あなたは、読まれますか? 読まないなら、大反省です。  自分は、作家志望だから、小説を読みます、かもしれません。そういう意味では、私は最終的に舞台志望でしたし、シナリオも書いていたことがありますので、Luckyだったと思います。シナリオ、役に立ちますか? そう訊かれたら、大きく、うん、と頷きます。  皆さん、ご承知のように、映画の脚本であるシナリオには、台詞とト書きがあるだけです。技術的な指示やイメージが書き込まれている場合もありますが、それは、業務通達のようなものです。そして、舞台の脚本である「戯曲」。こちらも台詞とト書きで成り立っています。  シーンナンバーがあり、時刻、場所、登場人物、台詞、そして、ト書きにある動き。書かれているものはそれだけです。「鬱蒼とした森の中から闇にこだまするように、空気を切り裂く鵺《ぬえ》の鳴き声」は聞こえてきません。「鵺の鳴き声」。指示はそれだけです。  自分の得意とする雰囲気作りの描写力も、きめ細やかな心理描写も書けないんです。  ただ、動く。そして、台詞。それだけです。風景はありま
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『小説の技法』Lesson4 能動的読書の勧め

 今日のメソッドは、小説を書こうとしている皆さんなら、習慣として身についていることかもしれません。でも、習慣として漫然と行うのと、明確な目的意識を持ち結果が伴うものだとわかった上で行うのでは、その大切な結果に明らかな差が出ます。 そう、小説の上達には、まず、読書が必要です。  すごいでしょう? 誰でもご存じのことでしょう? 実践してらっしゃるでしょう?  でも、小説の上達のための読書には、①何を読むか、②どう読むか、という二つの上達ルールがあります。  まず、問題なのは、何を読むか?   なんでも、と答える方もいれば、売れている作品、文豪の小説、さまざま、答えはあるでしょう。  でも、答え:下手な小説です。  最初は、あまりピンと来ないかもしれません。下手な小説を読んでうまくなるわけがないでしょう? 言い返されたら、私は、はい、そうです、当たり前です。と答えます。  ページも短いことですので、すっきり書きます。超一流の方の小説と、下手な小説、どちらも嫌がらずに読んで下さい。え? 例えば、誰の何ですか?と思われた方、あなたは、まだ、作家になるための読書ができていません。  小説の上手い、下手、がわからないということです。反省して下さい。  そして、とにかく、文豪でもいいです、一流の方でいいです、読んで貶すのではなく、ただ、謙虚に読み、その後、素人の小説を読んで下さい。最初は、たいして、変わらないと思うでしょう。私も、あんまり、ピンと来ませんでした。子供の頃。  でも、繰り返していくうちに、歴然と実力の差も、才能というものの差も見えるようになります。そして、自分の書いた作品、世界で
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『小説の技法』Lesson3 チョモランマ作戦

 今日の「小説の技法」は、作家を含む表現者になろうとする方が、真実、本気なら、絶対考えて欲しい表現者という者の魂の問題です。表現者の心構え、本質を知るメソッドです。 これができない人? 別に、私は「あぁ、そうですか」というと思います。  やり遂げたら、「あなた、凄いね、本物だ」というでしょう。  かくいう私も、誰にやれと言われたのだったか思い出せませんが、今、パッと頭に浮かんだのは、蓮實重彦先生。「終活」兼「就活」ですから、お会いしたいですと素直に書きます。最後のお弟子は、皆さん、ご承知の東浩紀さんでした。定員一人のゼミだったんです。 「きみは、進みたい分野が違うでしょう? 東君には必須ですよ」  蓮實教授からは、そう笑って落選理由を伺いました。  こんな昔話をお書きしたのは、昨日、お伝えした「チョモランマ作戦」を知って頂きたかったからです。表現者はクリア必須の「チョモランマ作戦」。 なんですか? それ、と訊かれたら、私は答えます。 「自分を一番知られたくない人」に「自分の一番知られたくないこと」を手紙で書き続け、正々堂々、定期的にその人に会うというメソッドです。  勿論、手紙には、その趣旨であることを書き、同意を得て下さい。でなければ、単なるストーカーです。  自分の弱さ、自分の脆さ、自分の夢、秘めておきたい思い、自分のコンプレックスも、心の傷も、すべて、素直に書きましょう。そして、定期的に、公衆の面前で会って下さい。  どうして、そんなわけのわからないことをするんですか? そうお思いになられる人もいるかもしれません。でも、表現って、そういうことではないですか? 表現を売り物
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『小説の技法』Lesson2 苦手なシーンの克服法

 まえがき、Lesson1と、技法と呼ぶには、少し精神性に傾いた話が続きましたので、今日は、あなた、家で自習してみて下さい、という文章力向上練習について書こうと思います。というより、小説そのものの、あるいは、思考そのものの改変に繋がるかもしれません。 あなたは、俗にいう筆が逃げるという経験をしたことはありませんか?  平たく言えば、書きたい場面があるのだけど、思うように書けない。考えていたより、描写が長くなってしまった、回りくどくなってしまった、あるいは、書かない、少ししか書かない選択にした、そんな経験です。自分の中では、正当化されていて気づきづらいかもしれません。でも、苦手なもの、誰にでもある物です。カエル、蛇、蜘蛛とかね…。それなのに、書くのが苦手なシーンがないわけがないです。  十代だった私には、それは、後々性描写に発展していかざるを得ない恋愛の深まっていく場面でした。硬くなるのです。筆が淀んだり、避けて1シーン追加してしまったり、結局、書くのが億劫になり、お蔵入りにしてしまう原因となっていました。  当時、私には九つ上の社会人の恋人がいました。悩みが重なったのでしょうね。私の創作したものを読む人でしたから、女の子として、恥ずかしいのも大きかったと思います。  恋愛小説で、手をつなぐ場面。キスシーン。あぁ、もう、ダメだ、ドッポーンです。  でも、私は作家を含む表現者という職業に就きたかったので、逃げるわけにはいきません。  で、考えた末、私、朝から晩まで、何か月も、ポルノシーンだけを書き続けました。  恥ずかしい話ですね。本当に、飽きるほど書いたのです。ポルノシーン。  
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『小説の技法』Lesson1 小説の技法

 多くの方は、小説の技法、小説の書き方、椅子に座った私とパソコンの間で完結すると思っているのではないでしょうか? たしかに、小説を書く上での最終形態は、パソコンを通しての自分との対峙だと思います。でも、本当に、それだけでしょうか?   私が作家を目指した頃、現在のような十代の方でも小説を書くのが普通の小説投稿サイトのようなサーヴィスはありませんでした。 「三島由紀夫のデビューって、19なの⁈」  それは、既に、ある種、スキャンダラスな伝説でした。  そのくらい、小説というものは、人生経験を積まないと書けないものとされていたのです。  でも、周囲には、人生は長いけれど、作家じゃない大人はたくさんいます。 「結局、才能じゃん!」  私は、生意気にそう思い込んでいたような気がします。  そんな私の認識を変えたのが「ポール・オースター」です。  彼の小説は、三島由紀夫のような美文で綴る耽美派を城とすれば、段ボールハウス。  ガツン、と来ました。なんなんだろう? これって…。  経歴を読んで、また、ガツン、と来ました。数学者・詩人。さらに調べていくと、貴族です。なのに、作家になるため65の職業を転々とし、結果、潜水艦乗りまで経験しています。  そして、彼は、全米で堂々とデビューしていました。彼からの文章上の影響は後々、書いていくつもりですが、人生にも派手に影響を受けました。  コックをやったことがなければ、コックが何を考えているかわからない。 ポールの物の考え方は、実にシンプル。そして、刺激的でした。  私は、中学生にして、「目指せ、65職!」に納得しました。  受験勉強も継続しつつ、ガ
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『小説の技法』〇まえがき~大好きなガボのために

私は作家です。中学の頃から、文筆で生計を立てていた身としては、書くことは呼吸のように自然です。 書けなくなった時もありました。 何度もあります。 そのたびに、厳しい自己鍛錬とリハビリを自分に課し、乗り越えました。 ここを訪れる人は、小説、あるいは、シナリオ、劇作、何らか文筆に関わるお仕事を志されている方でしょう。そんな方々が、私の「小説の技法」を、もし、読んで下さる方がいたら、光栄です。きっと、あなたとは、何か違う視点があるはずです。 私、子供の頃から、大学受験まで、一度も、国語の全国一位から落ちたことがありませんでした。某社の編集にも、そんな生意気なことを言って、果たして、私の作品を編集できるのか、と高飛車に出た時代もあります。 物凄い自信だったのだと思います。今なら、青くなります。 でも、その苦言の甲斐があってか、拙著「愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ」を編集したのは、編集者ではなく、私の友人であった、ある古典芸能の大家です。 なぜ、こんなことを書き始めたかと言えば、私の世界に二人しかいない作家の友人の一人が死亡していることを今知ったからです。 ポール・オースターとガルシア・マルケス。 私の小説の師は、この二人でした。 ポールは存命ですが、私が15年の禁を破り、オンラインにしても、まだ、連絡が取れません。中学の時に、評論を送った縁で、東京大学のゼミに招聘されたポールは、私を助手に指名してくれました。その後も長い友好の歴史があります。弟子のつもりで、何でも相談して来ました。そして、もう一名。ガルシア・マルケス。言わずと知れたノーベル文学賞受賞者です。 いつも、いつも、テロに
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プロを目指す小説講座 その1.自分の強みを見つける

普段は、「小説の書き方」や「プロ作家や編集者の現状」などの記事を書いていますが、 今回は、「プロになるための小説講座」 「1ランクアップするための小説講座」です。 何回かに分けて書いていくこの「小説講座」は、 より実践的な内容で、有料記事となります。 まずは第一回目。 小説をよりよくするために、 まず初めに取り組むべき、大切なこと。 それは―― 「自分の強みを見つける」 1.前置き小説は自分の楽しみでもありますが、 「人に読んでもらうもの」です。 つまり、「小説を客観視する」ことが とても大切です。 投稿作ならなおさら、「編集者がどう思うか」 を考えて投稿しないといけません。 自分の小説を、「客観視」しないと 見えてこないもの――それが、「自分の強み」です。 強みとは、「得意なもの」「自分には簡単にできること」 「他の作品より抜きん出た違い」という意味です。 とはいえ、厳密には他の人や作品と比較して、 「こちらのほうが秀でている」という「優劣の強み」ではなく、 「唯一」「オンリーワン」「独自性」という、 比較して得られるものではないものを、 ぜひ目指していただきたいと思います。 小説は、人間と一緒で一つ一つ違うものですから、 つまり個性がありますから、何もかもを比較して優劣を競う、 ということはできません。 しかし、これだけたくさんの作品の中から、 投稿作の場合はたくさんの投稿作の中から、 「これは面白い!」「これは素晴らしい!」と 思ってもらう必要があるのです。 そのための「唯一無二」の自分だけの武器。 ――それが強みです。 あなたは、「自分の小説の強み」が何か、 わかってい
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プロットはどれくらい細かく書けばいいの?

ある方から、 「プロットって、どれくらい細かく書いたらいいですか?」 とご質問をいただいたので、今回は「プロットの書き方」 について、詳しく書きたいと思います。 まず、プロの小説家は必ずプロットを 編集者に提出します。 プロットなしで書いちゃいました~という話は あんまり聞いたことがありません。 プロット通りに書けるかどうかはともかく、 (こちらの話はまた後日、「絶対にプロット通りに 書かないとダメ?」というタイトルで書きたいと思います)、 どんな設定でどんなキャラでどんなストーリーになるか、 つまり、「何で勝負するか」ということを決めるために、 プロットは必要です。 アマチュアの方でも、大筋のプロットは 決めて書き始めたほうが、話はまとまりやすいと思います。 さてそのプロットですが、「これほどまでに違うの?」 というくらい、プロ作家でも書き方が違います。 構想書きみたいな、メモ書きみたいな感じで、 ぺらっと提出してくる作家。 (たまに何が書いてあるかわかりません) しっかり起承転結に分けて、きっちり 出してくる作家。 (こういうのはありがたいです) 用紙15枚、ちょっとした短編小説? というほどに細かすぎるほどに長く書いてくる作家。 (あんまり長すぎると、没にしづらいという点もあります…) みんな、自由だね!(笑) まぁ、書きやすいやり方で書くのが 一番ではないかと思いますが。 しかしオーソドックスなのは、ある程度の長さで、 設定とキャラクター、世界観や舞台や時代背景を書き、 物語を起承転結風に、どんな事件やどんな大きな エピソードがあるのかを記載して、エンディングまでを書く
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書けない人の特徴 ~すごいものを書かなきゃ!と思ってませんか?~

今回は、 「書きたいと思ってるんだけど、なかなか書けない」 「スランプになってしまった」 という方向けに書いていきたいと思います。 プロ作家さんでも、「スランプ」や「書けなくなる」 というのは、あったりします。 ただ、アマチュアの方とプロ作家の違いは、 現実的に「人の目=評価」があるかどうか、という大きな違いがあります。 でも、書けなくなる要因は、その根っこの部分は 同じものがあったりするかもしれません。 書けない人の特徴――それは、理想が高すぎて、 現実の自分が追いついていない状態、 と言えると思います。いいものを書くぞ! 完璧にするぞ! と、気合いが入りすぎていませんか? すごいものを書かなきゃ! そう思って背伸びしすぎると、苦しくなります。 それよりも、「書くことを楽しむ」 「自分が書きたいことを、書きたいように書く」 ことに注力してください。 小説って、本来は自由に好きなように書いていいのです。 「これはダメ」なんて小説はありません。 「ダメ」と評価するのは人ですが、書けない人は、 自分で自分自身にダメ出しをしてしまっているのです。 評価したくなるのは、過程よりも 結果に重きを置いているからかもしれません。 人生は過程です。 人生の結果といえば、「死」になりますので、 ある意味、人生の結果は、行きつく先はみんな一緒、と言うこともできるかもしれません。 人生は過程を楽しむもの。 小説も、過程を楽しむものです。 その過程が楽しめなくなっている、 という状態が「書けない」という状態ではないでしょうか? この世は競争社会、比較社会です。 「すごい人」はたくさんいるし、上を目指せ
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編集者のつぶやき その3 ~編集者という生き物~

小説の編集をして20年。 まぁ、長いですね…。 しかし本人はこんなに長く編集をしているなんて、 あんまり自覚せず、時がたってしまいました。 編集者って、わりと批評家が多いんですよ。 辛辣だな~と思う人も結構います。 でもそれも無理ないかな、と思います。 だって、小説を読んで、「欠点」がすぐにわからないと、 編集者って務まりませんもの。 正確に言うと、小説でも漫画でもアニメでも、 「長所と短所」を見抜く癖があるんです。 いいところと悪いところ。 それが見抜けないと、仕事にならない。 どの小説を読んでも、「面白い!」「もう完璧!」 「素晴らしい!」の一点ばりでは、編集者いらないよね…って話です。どこかに穴がないか、ダメなところはないか。 それを探すようにできています(笑)。嫌な癖ですよね…。 だから、投稿作なんか読むと、 「ここがダメ」「あれがダメ」「最初からダメ」 とダメ連発で、大変なものです。 しかし、ダメなところも探さなくてはいけませんが、 一番大切なのは、磨けば光る宝石を見つけることです。 人はそれを「才能」と言います。 編集者とは、きらりと光る才能、他の大多数とは違う何か、 それを見つける仕事、ともいえるかもしれません。 「この才能を絶対に世に広めたい」 そういう純粋な想いが、編集者の原動力の原点かなと思ったりします。 編集者は「これが好きだ」「これが素晴らしい」 と思わないといい仕事ができないので、 かなり感覚的に仕事をしている、かもしれません。 好き嫌いがダイレクトに仕事に出る、というか、 むしろその好き嫌いが仕事になっている、という感じ。 売れている作品でも、「これ
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恋愛小説のセオリーとは?

ある方から、ご質問をいただきました。 「女性向けラノベで、ヒーローに対してヒロインからハグしたり、 キスをしてしまうのはダメでしょうか?」 結論からいきましょう。 「基本的には、よくありません」 うーん、私の気持ちとしては、「なんでもオッケーです!」 って言いたいところなんですけどね。 一応、きちんとしたお答えとしては、 「物語の前半部分で女性からのアプローチがあったり、 女性が積極的ではあっても、最終的には、男性が女性に めちゃくちゃ惚れている、つまり、全体を通してみると、男性のほうが 積極的、と思えるならOK」とお返事しました。 現実では、女性が男性を選んだり、 女性のほうが積極的だったりすることは、 今の時代、当たり前ですよね。 その時代を映して、恋愛小説の中でも、 女性からアプローチしたり、女性が主導権を握る 恋愛があってもいいと思うんですけどね。 もちろん、文学作品としての恋愛小説なら アリなのかもしれませんが、女性向けのラノベ、 ティーンズラブも含めた乙女向けファンタジーという ジャンルにおいては、これはNGなんですよねぇ。 なぜかというと、一昔前に比べると、女性からの積極的なアプローチも 許容が広がっているのは事実なんですが、それでもやはり、 ラノベが目指しているのは結局のところ、「女性の夢」なんですよね。 女性は、「男性からリードされたい」という思いがどうしてもあるので、 ちょっとしたハグやキスが女性からあるのはもちろんOKなのですが、 小説を全体的に見て、「男性のほうが女性に対して積極的」 であってほしい、という願望があるのです。 恋愛のトキメキとは、「私があ
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「制限」が面白さを作る

小説は人生と同じ。「制限」があるほど、燃え上がるんです。 小説における「制限」は、面白さを生み出します。 どういうことかというと、例えば恋愛でいうところの 「ロミジュリ効果」のようなものです。 普通の男女が好き合って、一緒になりました。 二人はとっても仲良し。終わり。 では、つまらないですよね? 惹かれ合う二人なのに、何らかの事情で、 一緒になることが許されない、 逢瀬を重ねることができない……のだとしたら、 そこに「制限」が生まれ、それが「恋愛の盛り上がり」を生み出します。 主人公はサッカーが大好き。 誰よりも練習して、プロサッカー選手になりました。終わり。 ……まぁ、その「練習」という部分に、どんな苦しいものが 入っていたのか、というドラマ性はありますが、 やはりこれでは物語として普通です。 でも、サッカー選手になるべく誰よりも練習を 積み重ねてきたのに、不治の病に犯されていたとしたら、どうでしょうか。 余命1年、それでもサッカー選手を目指していたら? ある時、異世界に飛んで、国を建国しなくてはならなくなった。 大変だったけど、なんとか建国できました。終わり。 今はやりの異世界転生ファンタジーでも、「大変だったけど」 の部分にドラマはあると思いますが、 その建国、30日以内にしないと、自分が死ぬとしたら? 建国すると、異世界で暮らすか、元の世界に戻るか選べるとしたら? ……このように、小説の物語や登場人物に制限を設けることで、 ストーリーに緊張感やリアリティを与えることができます。 その制限を乗り越えるための努力や、 その中での人間関係や感情の描写が、物語に深みを加えてくれ
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【小説】小説が書けなくなる根本の原因

当方プロではありませんが、20年以上も小説を書いてきますと筆が止まる原因がおぼろげながらわかってきます。原因に対する対策を実際に試してみたところ、どんな無茶な設定(12歳のアメリカ人少女が主人公の一人称もの、など)でも最後まで書けるようになりました。もったいつけずに申し上げますと、原因はズバリ知識不足です。本当は、若かりし20代のころからすでに気づいていました。ただ認めたくなかったのです。おれには才能がある、というやつです笑。人一倍鋭い感性でなんとかできる、などと思っていたのですね。知識ゼロでも書きはじめることはできます。○○先生のような小説が書きたい! そうして行き詰まり、才能のなさに思い悩む日々を送る事態になります。おれにはいったいなにが足りないのか?知識です笑。数年前、なんとなくファンタジーを書いてみたくなり、中世ヨーロッパの文献や学術書を片っ端から読み漁りました。書きはじめる手がかりすらなかったところから、城塞都市の情景などが知識として頭に入ると、ようするに書く選択肢が生まれるのですね。行き交う人々、町中の音、木々や鳥の名前と鳴き声。そうして日々知識を得ていくことで「了」にたどり着けるのです。知識が定着したあとも怠らずに勉強するほうがいいようです。だいたい同じようなファンタジー小説になってしまい、自分自身が興味を失ってしまいますので。そうすると、まずはおのれの知識不足を認めなければなりません。これが厄介なのですが、方法はあります。ということでサービスの紹介です笑。わたしのような「才能はないけど最後まで書ける人」より、「才能はあるが行き詰まっている人」のほうが尊いのは当然
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プロ作家になるために、一番大切なこと

プロ作家になるために必要なのは、実は文才ではありません。すごく意外に思うかもしれませんが、文才がなくてもプロになれます。 では、本当に大切なものは何か。 それは………プロ作家でやっていくという、強い気持ちです。いやいや、答えになってないよ、と思うかもしれません。 でも、本当の話です。 プロ作家になるのは「プロになる」という強い気持ちが一番大事です。 それさえあれば、なんとかなります。 何十年も編集をやってきて、やはり大事なのは、 本人の気持ち、強い意志だなぁと感じます。 賞獲得にしろ、持ち込みにしろ、WEB投稿にしろ、 プロになるための方法はいろいろあります。 今だと、一番近道ではないかと思うのは、 「小説家になろう」「カクヨム」などのWEB投稿サイトに 小説を掲載し、ツイッターやnoteなどのSNSやブログ等も駆使して、 とにかく、できるだけたくさんの人に自分の小説を読んでもらうことです。 その上で、実は出版もすぐにできちゃいます。 kindle出版は、ほとんど誰でも電子書籍が出せるシステムです。 小説を書いて、kindleで自分で出版すればいいのです。 あとは、WEBでできるだけそれを拡散します。 そういうシステムが、ツールが、山ほどあるので、 今はそれを使わない手はありません。 プロでもそんなに文章が上手ではない、 そういう作家さんもいます(怒られてしまいそうですけど本当の話です)。 必ずしも文才が必要なわけではないのです。 ですから「作家になるんだ」という強い気持ちがあり、 それに伴った行動をすれば、作家にはなれます。 ただ、ベストセラーを出すとか、映画化するとか、 何
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講評ってどんなもの?

今回は、ココナラに出品しているサービスの「講評」について、具体例を交えて説明したいと思います。 小説の講評サービスは、基本的には、 「全体的な講評」「よい点」「改善点」 「修正アドバイス」に分けて講評しています。 (作品によっては別項目になることがあります。 ジャンルの基本的セオリーなどを解説したり) 具体例として、今回は、「講評」と「よい点」について、 作品のほんの一部だけ抜粋して解説します。 (※購入者の了承済み) <講評、具体例1> お話や設定自体は、とびぬけてユニークではありませんが、 「主人公の成長」と、「忌まわしい過去からの脱却」「人の救済」という深いテーマがしっかりと感じられ、 素晴らしい物語になっていると思います。 文章は大変こなれていて、簡潔で読みやすいです。 キャラクターの心情描写も上手で感情移入しやすいですし、 物語全体が読者の共感を得やすい作りになっていると思いました。 一方で、課題点、改善点もいくつか見受けられました。 一つは視点のばらつきが見られたことです。 (※以下、具体的なアドバイスは省きます) もう一つ、この作品で惜しいなと思った点は、 説明が多すぎる点、キャラクターの大事な背景を描写ではなく、 あらすじのように説明してしまっている箇所が、見受けられたことです。 この設定やプロットは、本来であれば長編小説用、八万字程度は必要になってくる題材かなと思います。 それを中編の長さで詰め込んだせいもあると思いますが、主人公たちの背景をさらっと説明してしまうと、 小説としての情緒がなくなるというか、あまり「生きた」キャラクターではなくなってしまう、という
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伸びる作家・伸びない作家の違い

伸びる作家と伸びない作家の違いは何か――。疑問に思う点であり、編集者としては、 なんとかその「要因」を探りたいと考えるものです。 同時期にデビューして、次々と作品を発表し、 ぐんぐん人気を伸ばしていく作家と、1冊出して鳴かず飛ばず、 その後もぽつりぽつりとしか売れない作家……。 おもしろいほどに、その違いははっきりと出てきます。 その要因は一体何なのか。多くの作家をデビュー時期から見てきた、私が出した結論は……。 ・とにかく、さっさと書く。(書くのが早い) ・周りを気にせず、自分の好きなことを貫いていける自信がある。 ・やる気がある。本気で人気作家になりたいと考えている。 一番重要なのは、こういった本人の意識ではないか、 という、かなり基本的な結論に達しました。 でもこれって、作家に限らず、どの分野においても 言えることですよね。 それこそ、編集者についても、営業マンについても、 どの職業・趣味においても重要なことだと思います。 「作家になりたい」。 それも、 「読者がついてきてくれるような人気作家になりたい」。 どれだけそう強く考えられるか、です。 「私なんてダメかも……」 「こんな設定受けるわけない」 「2週間で1冊なんて、絶対書けない」 そういった意識が、地味な作家、消えていく作家を作っていくのだと思います。 もちろん、反省は大事ですよ。 すごいヘタレな作品を書いておいて「傑作だ!」なんて、 何も考えずそう思ってる人は、伸びないのでダメですけど(笑)。 やはり、作家になるにも、ある程度の自信とやる気は必要かな、と思います。 しかも、学生やサラリーマンのように、誰
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小説は勢いが大事!? ~情熱の衝動を大切に~

「この新人は勢いがある」「この作品は何より勢いがある」なーんて場合によく使われる「勢い」。 これって、一体なんなんでしょう? 「勢いのある」小説ってのは、はっきりいっておもしろいってことです。 まさに勢いで読めてしまうんですね。欠点としては、少し荒削りな部分もある、ってことでしょうか。 かたや、「おとなしすぎる」小説なんてのもあったりします。 「おとなしい」小説ってのは、大体がつまらないものです。 読んでいてこう、「ぐっ」とくるものがないというか……。 これを具体的に説明するのは難しいのですが、 小説のようなエンタテインメントは、 感覚的なものだっていうことは言えると思います。 感覚的におもしろい気がするとか、わくわくするっていうのがありますよね。 映画や歌も、好き嫌いは多分に感覚で判断していると思います。 そういった感覚で感じるのが、「勢い」なんだと思います。 この「勢い」は、作家がどれだけの情熱を持って その作品を書いているか、ということにもつながっていきます。 それで、私は見つけてしまいました。 そう――「勢い」のある作品とない作品の違いを。な~んて、エラそうに言うほどのことでもないのですが。 それは―― 作家が最初の情熱の衝動のままに、書いているか否か ――ということです。 つまり、何度も何度も書き直しつつ進めている作品、 本当はこれが書きたかったけど商業的に無理なので 意思をねじ曲げて書いている作品──などは、だんだん「勢い」がなくなり、つまらなくなっていきます。 たとえるなら、「ねぇねぇ、これすごくおいしい!」 ってある料理を食べた直後に感動を伝えるのと、(ああ、こ
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【あなたの作品の○○は?】作品のオリジナリティを考える冴えた方法

僕の小説感想サービスでは、感想文そのものに負けず劣らず、トークルームでのやり取りを大切にしています。そんなやり取りの中で「作品のオリジナリティってどうやって見つけるんだろう?」という話題になり、僕なりの考えをお伝えしました。今回はそのときの内容をシェアしますね。(お客さまの情報は書けないので、僕がお伝えした内容のみをまとめます!)以下は僕の小説感想サービスです↓あなたの作品を書店に並べるならどんなアオリ文になりますか?結論から言うと、作品にオリジナリティを生みたいならこれがベストだと思います。「この小説が書店に並ぶとして、どんなアオリ文で宣伝するだろう?」この”問い”の優れた点は、以下の2つと思っています。①書店でのアオリ文(宣伝)という縛りにより、少ない文章(多くても数行)で考える必要があり、作品最大のオリジナリティを厳選できる。②ありきたりな長所表現から離れることができる。それぞれ説明していきますね!そして最後には実際に販売されている書籍から、いくつかアオリの例も挙げるので参考にしてみてくださいね。①その作品最大のオリジナリティを厳選できる作家が作品に込める熱量ってスゴいものがありますよね。ある種の執念染みたものだと思います。大半の作家にとって「ぜひともここに注目して欲しい……!」ってポイントは一つや二つではないと思います。「ここの伏線、我ながらスゴい発想だと思うんです! それから、このキャラは難産だったんですよ……! あ、ストーリーに込めたテーマも感じ欲しいんです。それから——」↑こんな感じに、自作を宣伝しようと思ったらいくらでも挙げられるのではないでしょうか?でも、一つ
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【そこが引き際です】「シーンの役割」を意識することのすすめ

小説感想サービスにて「シーンの意図」について指摘させていただきました。拝読した作品は「すごくキャラが起って」いて、「ストーリーにオリジナリティ」があって、なおかつ「シーンの演出が巧い」という魅力的なものでした。なのにどこか惜しいというか、もったいない感じがしたんですよね。この作者さん、もっと面白く書けるよな……と。で、何が不足してるのか考えて、いくつかアドバイスさせていただいたのですが、そのなかで特に「これを変えるだけで作品が化けるな」と思ったのが、今回お話しする「シーンの役割」でした。シーンの演出は最高! ……なのに作品トータルで見ると活きていない拝読した作品ですが、シーン単体ではすごく良い演出だったんですよ。個性的なキャラたちが躍動して、感動的なシーンに仕上がっていました。でも作品全体で考えると、そういったシーンたちがストーリーに活きていない感じがしたんですよね。言い方を変えると、「それぞれのシーンが、一つのストーリーに集約していない」「シーンが独立してしまっている」といった感じです。この問題は、「このシーンの狙いはなにか?」という視点で眺めるとよく分かりました。一見魅力的なシーンですが、シーンの狙いを意図しきれていなかったんです。・新登場のキャラが好き勝手に動いてしまっていて、主人公が絡めていない。・伏線や前フリのなかった(もしくは弱かった)出来事が単発で起きる。キャラが良く、演出も巧い作家さんだったので、上記の状態でもシーンとして成り立ってしまうのですが、そのシーンでストーリーを前に進めることができていませんでした。極端に言えば、そのシーンをカットしてしまっても作品とし
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【持論ありますか?】小説における「ストーリー」「構成」「プロット」の定義と違い

販売中の小説感想サービスにて、作家さんと創作談義するなかで「そもそもストーリーってなんだろう?」という話題になりました。小説家に限らず物語を提供する創作家なら誰もが熟考すべきことですが、なんとなくで済ませてしまっている場合も多いのではないでしょうか?(かくいう僕も明確に定義したことがありませんでした……)とはいえ「ストーリーとは?」という疑問に対する答えは一つではないと思うし、作家の色が出るものだと思うんですよね。今回トークルームでお話しさせてもらうなかで、現時点での僕なりの定義ができたので記録として残しておこう思います。みなさんの参考にもなれば幸いです!小説感想サービスはこちらです↓小説の「ストーリー」「構成」「プロット」とは?トークルーム内でお伝えしたことを転載しますね。(トークルームでは、漫画『五等分の花嫁』を例にしてお伝えしたのですが、未読でネタバレを避けたい人もいるかもしれないので、今回は童話の『桃太郎』を例に書き変えます)なお、「ストーリー」「構成」「プロット」に加えて、「物語」と「シーン」についても定義してみました。【物語】出来上がった作品のこと。例:『桃太郎』という絵本【ストーリー】○○の変遷のこと。○○に入るのは「主人公」が一般的。主人公が成長(絶望でもいいです)する過程全体がストーリーだと思います。他に○○に入るのは「世界」「他のキャラ」など。この場合は、欠点のない主人公が「世界」や「他のキャラ」を変えていきます。1巻で主人公が成長して、2巻から成長した主人公が世界や他のキャラを変えるという手もあります。小説って、大抵は主人公の人生全部じゃなくて特定の期間を
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