作品の「売り」をはっきりさせよう

記事
コラム
売れる作品というのは、実は「ここがいい!」
という「売り」がはっきりしています。

編集者は通常、その「売り」を全面的に押し出して作品作りをします。
これは「絶対に泣ける切ない恋愛」が売りだと思ったら、
帯にもあらすじにもデザインにもそれっぽさを出していくということです。
「今までにない異質なキャラクター」が売りなら、
それをクローズアップした作りにします。

出版社が一番重視するのは、独自性!>の項目でお話しした、
「独自性」にも通じることですが、
この「売り」がぼんやりしていると、
読者が買う決め手が弱くなってしまうと言えるでしょう。

小説を書く時に、その作品の「売り」は何か?──
と問い返してみることは、とても重要なことです。

ライトノベルのプロ作家の場合は、まず作品を作る前に、
「今回はどんなネタ(=売り)でいきますか?」
と相談します。

今までにないくらいダークで執着心の強い
キャラクターでいきます」

「ゴージャスかつアラビアンな世界で、
読者の夢をこれでもかと詰め込みます

プロ作家の書きたいものと、読者の求めているものを
ここでまずすり合わせます。
いくら売りがはっきりしていても、売りにならないものでは、
困りますよね。

売りにならないというのは、読者の求めているものからずれているもの、
誰もそんなの読みたくないよ!というもの……ですが、
さすがにプロ作家となりますと、あまりそういった間違いは犯さないものです。

が、たまに「どーしてもこれが書きたいんだよね」
「大好きなんだよね、ハマっちゃったんだよね」
と言われて作家が出してきたレアなネタを編集部で検討してみるけど、
やはりあまりニーズはなさそうだ……となり、没になるケースもあります。

プロ作家の場合は、まず最初に売り=ネタをはっきり決める、
と書きましたが、投稿作や素人の方は、最初に売りをはっきりと
決めるのは難しいかもしれません。

素人の方でも、何作も書いたベテランであれば、
「今回はこのネタ、テーマでいこうかな♪」
と決められるかもしれませんが、慣れていない方は、
「売りと言っても、何が売りになるのかわからないし……」
と思うかもしれません。

それに、最初に売りを決めなくては!
と思うと、それに縛られて自由な創作ができなくなる恐れもあります。

投稿作、新人の方は、まずは自由に書きたいものを
プロットに起こしてみましょう。
その上で、プロットを読んでから、
「この部分を売りにしてみようかな」と、
個性的に思える部分を強調する作りにしてみるといいと思います。

そうです、「売り」とは「他との差異」です。
「他よりも抜きんでたところ」「個性」「独自性」のことです。

そこを強調すると、作品の「売り」「面白い部分」「個性」が
際立ってくるので、読者に選ばれやすくなりますし、
編集者もまさに、「売り」やすくなります。

「そんなこと言われても、やはり「売り」はわからん……」
プロでないと、そういう方もいらっしゃるかもしれません。
それでもOKです。

プロットを書いたら、それをもとに小説を書いてみましょう。
そして、書きあがってから、自分の「売り」を見つけるのでもいいのです。

小説は書いたら書きっぱなし、では、小説の腕は上がりません。
改稿、そして推敲をしていってください。
その段階で、自分の売りを見つけて、強調した作りにすることも可能です。
または、他の誰かに読んでもらって、「自分が他の人と違って優位なところ」
を教えてもらうのでもいいかもしれません。

そうして「自分自身の売り」を見つけるとともに、
作品の「売り」も見出して、小説を構築しなおすと、
「売り」のはっきりした、より面白い小説になると思います。



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