編集者のつぶやき その1 ~担当する編集者によって作風は変わる!?~

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コラム
長年、編集者をやっていると気づくことがあります。
同じ作家を担当しているのに、なんで作品の傾向が
違うのだろうか?

そうです、担当する編集者によって、
作家さんの作風、作品の傾向が変わってしまうのです。

と言っても、がらりと、別人のように変わってしまう、
というわけではありません。
その作家さんの引き出される能力、良さ、雰囲気が
変わってくる……という感じでしょうか。

なので、編集者によって、得意分野と不得意分野は
どうしても出てきてしまいます。

この作家さんとは相性がいいな~というのと、
どうも相性がよくない、というのがあります。

もちろん、性格的に合う合わないは人間なのでありますが、
そういう観点ではなく、一生懸命やっているのに、
人間的相性は悪くはないはずなのに、
いまいち作家さんの個性を引き出しにくいタイプと、
めっちゃ引き出せるタイプと分かれてくるのです。

上手に個性が引き出せると、その作品は読者にも受けて、人気が出ます。
今まで、いっぱい書いていたけどいまいちだった人が、
ここで大ブレイクする、ということもあります。
一方で、人気作家だった人が、別の編集者と組んで
出した本は、あまりぱっとせず、売れない……
なんてこともあります。

これはどうしてなんだろう……、
と一時期、悩んだことがあります。

そこで至った結論は、編集者が「面白い」と思うポイント、
大事にしたい部分、好きな傾向、というのは
どうしても人によって違いますよね。

厳密に細かく、そこが作家さんと合うか合わないか
なのだろうな、と思いました。

考えてみると、担当編集者というのは、
プロ作家にとって、「一番初めに読む読者」なわけです。

読者のことを想定して書いているつもりでも、
まず初めに読む読者=編集者に気に入ってもらえるように、
書いてしまうのは、仕方のないことかもしれません。

そうすると、その一番初めの読者(編集者)が、
大事にしている部分、面白いと思うところ、
をついつい、意識してしまうことになります。

そういった部分が、作品の出来上がりに
影響してくるんだろうな~と思います。

本屋さんに並んでいるプロ作家の作品、
それは各作家さんの個性の結晶ですが、
そこには、担当編集者の影響が少なからずある
ということを考えて読んでみると、また違った
風景が見えてくるかもしれません。



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