「小説の技法」Lesson34「追試課題」の補習!

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コラム
 皆様、順調にシナリオの方は書かれたでしょうか?
 多くの方が。このシナリオの実作課題に取り組んで下さることを願っています。

 下手でも、できても、できなくても、やってみた方は、着実に伸びられると思います。模試の解答を眺めるだけで、わかったつもりになっていた私。法律の論文を読んで、簡単じゃんと思っていながら、文献、伏せられると手も足も出なくなった私。バカにしていた舞台の台本すら、ホテルの部屋に帰ると書けなかった私。見てきた物なのに書けない。人って、そういう愚かしいものだと自覚して下さい。

 目で理解した情報と、脳の指令で再構成した能動的な情報とでは、自分の物として使えるか否かに、雲泥の差があります。走れると思う、と、実際に走った、は全く違います。

 ストーリーも決まっていて、書き方もお書きしました。それでも、御自分のメモ帳なり、ワードなり開かれなかった方は、上達する意思がないのだろうと思うことにしました。

 ストレスがかかるので、これ以上、スピードを落とすのはやめにします。終活に戻ります。

 前回のコメント欄に、ほぼほぼシナリオとしては成立していると書かれましたが、その通りです。ただ、細かい動作に触れていません。ゴローが一曲のクリスマスソングで犯行から手を引くシーン、台詞では「クリスマスか」の一言しかありません。心情台詞にしろ、脳内独白にしろ、シナリオの場合は、使えないんです。それならば、あなたは、ゴローの悔悛の瞬間をどう描きますか? どんな動作? あるいは、ゴローに見えるものは何ですか?

 正解はないんです。おひとり、おひとり、違います。それが、goodかbetterかbestかはわかりません。が、そのあなたの書かれたト書きが、小説でいう所の「描写」というものです。 第二課題で、フラッシュバックや台詞を極端に制限しましたが、これだけストーリーの出来上がったシナリオのト書きにまで落とさなければ、「描写」ができなかったのだということを反省して下さい。そういう意味で、第三課題は追試であり、補習でした。

 この描写が無限に書けるという書き手の方たちがいます。シナリオライターには絶対になれません。予算の枠も、人件費もありますから。放送枠の時間もあるんです。200字で1分のシーンと言われています。コンビニ強盗は3分のシーンです。ね。アイスクリームのシーンでロシアとウクライナの戦争を語る時間などないでしょう?

 小説とシナリオは違う!と反論される方がいるかもしれません。私は、商品としてのエンターテイメント小説の作り方をお教えしているだけです。いろいろな小説があります。いろんな書き方があってよいでしょう。ただ、私は、私が学んできた創作論をお書きしているだけです。ご自分の創作論がある方は、ご自分の道を進まれるとよいと思います。

 描写が無限に伸ばせる方たち、小説には、常識的なページ制限があります。その中で、起承転結に沿って自分が割り付けた何ページという制限があります。物凄く窮屈だと感じられる方がいらっしゃるかもしれませんが、短歌は31文字という制限の中で詠むから、あれほど、多彩で美しいんです。と、発想の転換をしてみて下さい。余分なものを捨象して、核心をむき出しにすること。 
 質問なき限り、補習は終了します。           以上

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