「小説の技法」Lesson19 伏線を使いこなせ!!!

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 「伏線」とは、なんでしょう?  Wikipediaの説明にありますように、あの通りなんですが、書けませんよね。いきなり、因果律とは関係なく、などと説明されても…。

 簡単に言えば、のちの重大な出来事の前振りなんですね。ちょっと、暗示しておきます。
「怪談」の例でいえば、「起」で、アパートに引っ越してきた時に、ちょっと不吉な感じを出して下さいと言いましたが、あれも一種の伏線ですね。提出作品の中に、不気味な音の描写が出てくるものもありましたが、ラスト、殺された男の子の遊んでいた玩具の音だとわかります。一気に悲哀の感情が出ますね。物語に奥行きが出ます。

 というふうに、「伏線」、そのシーンでは、唐突なんですよ、フラッシュフォワードですね。Wikipediaさんでは、はっきり、予知の場合もあると書いています。皆さんには、平気なのかなぁ。予知だって…。予知使わなくてもいいんだけどなぁ? (やばい、青龍予知した)

 何か気になる描写、台詞だけど、そこまでの部分では、全くなぜ唐突に出てきたのかわからない文章です。これを無駄にせずに、クライマックスでパーンと解くと、読み手は解放感、わからなかったもやもやが解決し、心理的に⤴んです。感情が高まります。まぁ、伏線とわからせない伏線というものもありますが…

 例えば、怪談の例でいえば、承の部分ですべての水が腐る。主人公の喉が渇いて仕方がない。そんなことが書かれていて、転で、水を飲まされずに死んだ女の霊だとわかるとか。
 赤いマニキュアの破片に肉が付いているものを拾う。転の場面で生爪はがれていたことがわかる。結で、女も同じ色のネイルを塗るとか。ね、説明描写も台詞も使わなくても、女のとりつかれた感じっていうのは出ます。

 今回の課題は「怪談」ですから、承の怪異現象の中に、転で思いっきり種明かしをする事件の予告編を流すんです。それが、伏線です。これが、ぴたりと決まっていれば、爽快だし、解けないまま、伏線だけ残ると、物凄―く出来の悪い、もやもやした小説を読まされた感になります。ですから、伏線張ったら、忘れずに、必ず解くこと! 忘れる伏線は張らないことです! ただ、面白くするために、エンターテイメント系では必須ですね。

 はい、ここに挙げている作品の中で、私が使った伏線の例で、暇なら確認して欲しいですが、剝製屋ですね。ちゃんと、前半に出して、フランジェリカが初めて客を取る日に、なぜ、その男は現れなかったのか? 葉が疑問に思い始め、考えますが、深夜営業だって、クライマックスで気づいて行きますね。あれが、伏線です。葉が、初日にフランジェリカを買って、翌日に予約が入っているという挿話が「伏線」にあたります。

 オープニング、フランジェリカの口にするチョコレートボンボン、伯爵が客だっていうことへの伏線ですね。Rossoの女もチョコレートボンボンを食べていて、翌朝、殺されている。

 こういう小技を利かせていると、小説って緻密で面白くなります。「怪談」メソッドでも、割り付けの出来た方は、「承」の部分を「転」で生かす「伏線の使い方」を少し考えてみて下さい。本当に、一行の余裕もないから。1000字って。不要部分=今は筋に関係ないと覚えておきましょう。は削ること!                  
                             以上

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