『小説の技法』休日企画☆読書から学ぶ☆

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コラム
 今日は、皆さん、御承知の休日でございます。
 まぁ、何を書こうかと思えば、村上龍さんの話だったりします。
 私、過去には、時代にべったりくっついて、情報を発信し続けるビジネス誌の編集長をしておりましたので(本職の1つ)、現代も見慣れてくると気になってきます。

 それで、今の人は異世界転移転生を読むのか? 娯楽なら、村上龍で十分すぎたじゃないか、思いました。文体、及び、文章、小説、それ自体を指す意味で、日本で最も学ばせてもらった小説家だと思っております。いつか、再会してお礼を言いたいです。
 村上龍さんを読んだことのある方、ハートマークを押して帰ってみて下さい。ついでに、何を読んだのかも知りたいですが…。
 彼の優れていた点ですか? やはり、文化の牽引力。ジャーナリスト志望だったそうで、メルマガで(JMMだっけ?)、常に情報発信を続けられていました。龍さんのおかげで、SMもVONTAGEも日本で市民権を得ていた時代だってあるんですよ。おしゃれだったの。

 まぁ、その点、眉をしかめる向きもありそうなのでやめますが、この人から、私が何を学んだかと言えば、文章です。文体の基本は「音」と「リズム」と書きましたが、龍さんは凄いです。本当に、天才だね。って、誰も認めなくても、私は擁護します。

 小説のストーリー、あまりにも、彼が流行作家だったがゆえに、書き過ぎて、書き過ぎて、一度でも、作家やっていた身としたら、あの生産量で上質なものを提供できなくなるのは当たり前だよ!と言うしかないです。だから、正直、すべてが高い水準にはありません。

 でもね、凄いのは、私、一度も、「金、損した」と思ったことがないんです。全作買っていましたが…。なぜ? つまらなくても、金を損したと思わないか? 
「最後の一文を決める!」というプロの気迫ですよ!物凄いテクニックと美感。
 見習いました。頭が下がります。ラスト一行のために、1800円、払っていいもんって思わせます。決まらなかったラストがないんです。かっこいいでしょう? 美学でしょう?

 皆さん、ラストの一行、どのくらい、考えて書きますか? 王様と王妃様は仲良く暮らしましたと、さ。ですか? 私、ラストの一行、降るまで待ちます。天啓ですね。最後の一行、小説の読後感を決めますから。あと一行で終わりだ、と流す方の気持ちもわかりますが、まだ、終わってない。ここに、9割の比重がかかっているくらいの気迫で書いてみて下さい。

 出だしの一行、そして、究極、ラストの一行!

 本当に、大変なものです。ガツーンと自分の作品の最初と最後くらい決めましょう!
 というわけで、村上龍さんの推薦本は、本棚に入れておきます。全著作物が電子書籍化されています。勉強になりますよ。ラスト!

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