小説家とお金の話

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コラム
さてきましたよ、避けては通れないお金の話。
小説家。立派な職業の一つのようですが、
これほど曖昧でかつ、収入に天と地ほど差があって、
広すぎる職業もないかもしれません。

小説家で食べていくのは並大抵のことではありません。
どこかの会社に勤めて毎月お給料をもらうのとはわけが違います。

「でも、あいこさんは、プロ作家をたくさん抱えているんですよね?」
そうですね、出版社時代も、フリーランス時代の今も、
それなりにたくさんのプロ作家さんとお付き合いしてきました。
やはりサラリーマンとは違って、
お金に苦労している小説家は多い印象でした。

小説家とお金にまつわるけっこう衝撃的な話もあったりなんかして、
「小説家とお金」と聞いただけで、昔のトラウマ的な何か
発動してしまいそうです。

印税って、なんかふわふわしていて、
不確かだと思いませんか?

「何百万部、突破!」
なんて本の帯に書いてあったりして、
えー、すごーーーい!なんて思ってる人、いませんか?

確かにその通り、何百万部も売れてる本もあるでしょう。
でも、すべて本当だと思わないほうがいいですよ。
かなり「盛ってる」部分もあります……正直に言うと。

まぁ、出版社の黒い話はおいといて、
元々お金のあてがある方は、優雅に作品を書けるので、
その方がいいかもしれませんね。
小説って、現実とは違う、夢を売る仕事でもありますからね。

浮世離れしていて、「お嬢様」な作家さんたち
何人かいらっしゃいました。
もともとお金持ち、という方たちですね。

また、小説家の傍ら、医者である、という人も。
医者をやりつつ小説家をしている人って、
実は意外といたりするんですよね。
医者の小説家さんたちは、わりと緻密な小説を書きます。
文章もしっかりしているので、もともと頭がいいんだな、と感心します。

それから、旦那さんがサラリーマンでちゃんと稼いでくれるから、
奥様は小説家をやっている、という方も多いですよね。

こういうパターンの方たちは、それほど印税やお金に
うるさくないので、出版社とも平和に付き合っていけます。
つまり、副業としての小説家、みたいな感じですね。
本業が別にあると、お金のことを考えず、安心して
好きな小説が書ける、ということです。

一方で、「小説家で食ってる」方たちはというと……。
今まで、たくさんのもめごとを見てきました。
作家さんの前借り問題で苦労した思い出もあります。
電話で怒鳴られたこともあります。
お金が原因で離れていった作家さんもたくさんいます。

出版社でのお金のもめごとって、
実は、日常茶飯事なんです。

作家にとって、印税は命です。
そしてその印税は何によって変わるかというと、部数です。
その部数が、年々減ってるとなると……。
(昨今の出版不況と照らし合わせてくださいね)

あとは、わかりますよね?
「部数をもっと上げてほしい」
「売れてないから部数は上げられない」
「印税率を下げられた」
「売上を確保するために、今までの印税率をキープできない」
……などなど、リアルに厳しい現実が、
日常、繰り広げられているわけです。

すみません、もうこれ以上書けません。
涙が……(ウソ

プロ作家としての生活は、今後は多様化していく一方で、
さらに「まっとうな印税」は減っていく傾向にあるとみて
間違いはないので、その対策は各々取っていったほうがいいでしょう。

大丈夫ですよ、「小説家で食っていこう」と思わなければ
……と、爆弾発言かもしれませんが、出版業界の現状を
見ていれば、そういうセリフが出てもおかしくはありません。

一方で、人気作家の階段を登りつめて、
1冊の本が何十万、何百万と売れて、
時の人になり、お金持ちになる……
そういうドリームがそのへんに転がっているのも事実です。

一握りの人だけですけどね。
私はどちらかというと夢見がちな方なので、
お金の話はできれば避けたいところです。
が、それでも避けては通れない……
ということで、ちょっとリアルな小説家のお金の現状を書いてみました。





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