自分って誰?哲学の視点から「私」と<私>を探す旅
「どうして私が、この私という身体の中にいるんだろう?」って、考えたことありますか?この疑問は、素朴な好奇心ではなく、実は人類最大の謎のひとつなんです。たとえば、「私」って何でしょう?これは意識、つまりあなたが自分であると感じることです。自分で自分を見つめる能力、俯瞰して見ているのが「私」です。一方で、<私>って何かというと、意識の中でも特に「これが確かに自分だ」と感じる部分を指しています。つまり、「私」が意識全体なら、<私>はその中の核の部分みたいなもの、意識の中心です。わかりにくいですね。もう少しわかりやすくするために、ちょっと不思議なお話をします。 想像してみてください。もし誰かがあなたをそのまま丸ごとコピーして、あなたと完全に同じ見た目や記憶や性格を持つ「2号機」を作ったとしたらどうなると思いますか? 2号機は、きっとこう言うでしょう。「<私>が本物です」と。しかし、本物のあなたからすれば、「いやいや、君は私じゃないよ」と感じるはずです。 これが<私>だけが感じられる独特な感覚であり不思議な部分で、「自分」としての感覚はただ一つしかなく、他人には渡せません。さらに、深掘りして考えてみましょう。この世界には、過去も未来も無数の人間がいるのに、どうして<私>だけが、今この他の誰でも過去でも未来でもない、今の自分の中にいるのでしょう。1,000年前でも隣の家の誰かでもなく、どうして「この私」が「この身体」に宿っているのでしょう?考えれば考えるほど、自分という存在そのものが不思議に感じてきませんか?結局、「私」と<私>の関係を解明するには、脳や意識がどう働いているのかを知る必要が
0