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寂しいと死んじゃうウサギ

寂しいと死んじゃうよ。ウサギは小動物なんだ 大切にしてみっちり世話してやらないとすぐに死んじゃう。あの「ウシジマくん」もウサギ達を大事に世話していたじゃないか。小鳥もそう。ウサギより繊細だ。夏目漱石の「文鳥」という小品が高校生だった時の模試に出た。文鳥の首から肩が芸者のなんとかに似ていてとか、餌をやり忘れたら死んだ。とか書いてあって 設問に「著者の動物への愛情を表しているところはどこでしょう」とあったから「飢え殺しておいて愛情とは笑止」と書いたら❌だった。へんだな。寂しいと死んじゃう。 ウサギでも小鳥でも金魚でも牛でも馬でも子供でも。だから がんばって世話して 寄り添って大切にするんだ。そうしていたら 寂しくはない。心が満たされる。明日も頑張ろうと思える。寂しいと死ぬのは うさぎだけじゃない。
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熊の立場

熊はヒグマにしろツキノワグマにしろ日本最大の猛獣だ。山野を歩いていて間違っても出会いたくない相手だ。本来なら熊が先に気付いて人を避けてくれるはず。でも絶対とはいえない。私は熊が怖い が嫌っているわけではない。熊って母子が一緒にいる以外は大抵一人でいる。友達とか仲間とかそういう考えは どんな熊にもない。いつもひとりぼっちだ。ひとりぼっちの熊は夜はどうしているのだろうか?眠っているのだろうか? 眠れない夜はどうしているのだろう?星を見ているのだろうか?きっと山の中で天の川とか綺麗に見えるのだろうな。熊にとって星ってなんだろう?それとも遠くに見える街の明かりを見ているのだろうか?「あそこに行けば何か美味しいご馳走とかないかなあ?」なんて考えたりしないのかな?人間は悩みや苦しみがあると 人に相談したり 支えてもらったり励ましてもらうとかあるけど 熊にはない。熊はひとりぼっちだ。 自分で自分を励まし、支え、慰め、鼓舞するしかない。熊は半年冬眠する。寝ているとはいえほぼ絶食だ。充分食べて脂肪をつけなければ冬を越せない。でも食べ物が少ないと不安だろう。怖いだろう。自分の身は自分で救わなければと思うだろう。星空を眺めてそう決意するはずだ。やはり山で熊にだけは会いたくない。
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ラベンダーの香り

お隣の大後さんちに回覧板をもって行ったら 80歳の大後(だいご)のおばあちゃんが種まきをしようとしていた。その中にラベンダーがあった。「おばあちゃん ラベンダーの種を蒔くの? この種の袋には『花が咲くのには2~3年かかる』と書いてあるよ」と言うと「えぇ そんなにかかるのかえ? それじゃ花が咲くまでに死んじまう」「いや いや いや!そんな事言わないでよ。あのさ、この種私に頂戴。代わりに私のイングリッシュラベンダーの苗あげるから。」というわけで 交換したラベンダーの種。実際に撒いたら10日後やっと発芽した。ラベンダーの成長はゆっくりなのね。あの素晴らしい香りはじっくり時間をかけて生成されるものなのかもしれない。ラベンダー大好きのお友達とラベンダースティックを沢山作った思い出がある。 二人の大好きなサザンの曲を聴きながら。ただそれだけなのに 「凄く良い時間を過ごした」感が半端ない。私は花が好きだ。特に山吹とマーガレットとコスモスが好き。なぜなら子供の頃にそばに咲いていた花だからだ。愛してやまない祖母が育てていた。思い出があるのだ。時は移り 人は去っていき 街は変わる。遠い失った日々と今でも変わらないのは花の姿と香りだけだ。あの日もあの人ももう戻らないのに。花の向こうに 私の人生の時間がみえる。ラベンダーを種から育てるのは なかなか大変だ。時間もかかる。いつかこの花が咲くまでいえいえ それ以降もずっと元気でいて 大後のおばあちゃん。
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クリスマスのプレゼント

ラジオの英会話入門のテキストでサンタと男の子が出てくる場面があった。サンタが「プレゼントは何がいい?」と尋ねると 男の子が「世界平和」と答える。サンタは予想外の答えに困って「おもちゃじゃ だめかい?」と問いかける。その狼狽ぶりが面白かった。「世界平和」なんて望みが大きすぎるだろう。(悲しいことに)以前 私はある事業所に勤めていたが 採算の面から閉鎖になることが決まってしまった。リストラにはならないだろうが 新年度からどこに飛ばされるのか不安だった。ちょうどクリスマスの時期だった。その日 山城君と営業回り 東京昭和通りの多慶屋からワムの「ラストクリスマス」が流れていた。つい浮かれて「山ちゃんだったら サンタさんに何をお願いする?」と聞いたら「安定していて 雰囲気の良い職場」とニコリともせず、冷ややかに答えた。「ああ 山ちゃん今の私たちに その言葉は辛いわ」一気に浮かれた気分が覚めてしまった。サンタさん お願いです。もし、いらっしゃるのなら 英会話入門の男の子には「世界平和」を山ちゃんには「安定して雰囲気の良い職場」を私はあなたの「空飛ぶ橇」に乗ってみたいです!
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きのこの山

近所に「きのこの山」と名付けた林がある。倒木が多く 色々なきのこが仲良く生えている。 きのこは争わない平和な生き物だ(と思う)。競合もせずそれぞれの場所で 控えめに生きている(ような気がする)。みんな仲良しだ。きのこは名前がちゃんとついているのは 日本で約3千種 世界には約2万種いるというが(どうやって数えたんだろ?)それらはなんでも きのこの総種数の一割にも満たない。9割は名無しのゴンベ君なのだそうだ。私の好きなきのこは「オニフスベ」という白くてまんまるでバレーボールのようなきのこ。小学校の時見つけて先生の所へ持って行ったら、先生は図鑑で調べて名前を教えてくれた。男子がやってきて「オニフスベ」君を蹴ったり投げたりしてボロボロにしてしまった。すごく悲しかった。きのこは動物でも植物でもない。静かでおとなしい生き物だ。今度「きのこの山」は整地されてソーラーパネルが設置されるそうだ。きのこはみんないなくなってしまうのかな?それとも 条件さえ合えば パネルの足元や 転がった丸太のかけらの隅にひっそりと息を吹き返すのだろうか?
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トロッコワッシー号

わたらせ渓谷鐵道のワッシーくんに乗った。20年くらい前 私の父と母が見ていたテレビの旅行番組でこの電車を特集していた。俳優さんが 綺麗な紅葉を車窓から見ていた。その時「こんな所行ってみたいね」と父と母が二人で話しているのを聞いて、「いつか連れていってあげたいなーっ」てずっと思っていた。残念ながら 父は故人となってしまったが、母をつれて乗ることが出来て嬉しい。あの時のテレビで映っていたのと同じ 綺麗な紅葉が見えた。「お母さん 前にお父さんとここに来たいって言っていたでしょ」「あっちは どこ? 福島?」????なんか87歳の母とはあまり話が通じないのだが 母はニコニコしているので喜んでいるのがわかった。間藤駅(まとえき)から大間々駅までおよそ40分穏やかな午後の光に包まれた美しい渓谷を堪能出来た。一緒に食べた 山椒餅も美味しかった。心地よかった。お父さんも連れてきてあげたかったな。親孝行は期限があるのね。
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牛の牧場

畜産系の学校を卒業後に 牧場で肥育牛の育成を担当した。お給料は安かったが頑張った。3年頑張って 一牛舎240頭を任せてもらった。私の仕事は生後半年200~300kgの牛を10ヶ月かけて出荷体重800kg以上にすることと、病気、けがで死んだり、正規の出荷ができないという事故率をいかに下げるかということだ。10ヶ月の命だができるだけ快適に過ごしてもらおうと、努力は惜しまなかった。そのせいか、大変良い成績を残した。仕事柄、飼料を積んだトラックを運転したり、重機(シャベルカー)を扱ったりする。私が重機を運転して 牛舎掃除をしているところが畜産系の雑誌に載った。しかも表紙だ。最悪だった。当時は女性がそういう事をするのがめずらしかった。だから周囲の人々は私を「男まさりの女」と誤解する。これには閉口した。私は餌や水の衛生を気づかったり いじめられている弱い牛を違う柵に移したり、どちかというとコマコマした性格なんだ。そんな豪快でガサツな奴ではない。理解者はいなかった。もしいたとすれば牛だけだ。
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