デフォルメとは造形美術などで、対象・素材の形態を意識的に変形すること。
一重に言っても多岐に渡りますね。
イラストレーションに特に馴染み深い『デフォルメ』であれば、今は等身大の人物や対象物をミニ化することであると認識しています。
私が描いてきたミニキャラは、等身大に比べてそれほど多くありません。というか、最近になってこの技法に熱が入り始めている感じです。
数ヶ月前にYouTubeでshorts動画を流し見していて、たまたま目にしたバレリーナのダンス動画に、私は釘付けになりました。
スヴェトラーナ・ザハロワさんというバレエダンサーの、18歳当時の踊りの様子を映した20秒ほどの動画です。
27年前のものですので画質、音質はあまり良いとは言えません。
でもそんなの関係なく、ザハロワさんの踊りはバレエを全く知らない私の目を介しても、心が震える美しさでした。
粗い画質もガラガラのクラシックも、古くに作られてなおいつまでも褪せない奥ゆかしい映画のワンシーンのようなんです。
私は夢中になって、彼女が出演しているバレエの動画を見漁りました。
バレエそのものに興味が湧き、他のバレエダンサーの動画も探しました。
優美なクラシックに軽やかなステップを踏み、美しく舞うバレリーナたちに、すっかり虜にされてしまいました。
こんなの、描かずにいられない!
そんな衝動描きで生まれたのが、この子でした。
骨と筋肉の曲線をやや強調した体のライン、涼しげに目を伏せてポワント(バレエにおいてつま先で立った状態のこと)で佇む踊り子。
動きを連想させるように靡くスカート、影が固まったように真っ黒な体。
そして垂れ幕のような髪の内側は銀河のように煌めいています。
描きたいままに描いた、私の初めての踊り子。
18歳のザハロワさんを目にした時の衝撃は、謂わば未知との感動的な遭遇です。
宇宙を切り取ったようなこの姿には、あの日の感動が詰まっているような気がします。
これからもたくさん描いていきたいな。
この子達はこちらの出品のサンプル画像にも使用しています。
もしも私の描くミニキャラを手元に欲していただけたら、喜ばしい限りです。