虫は考えるのか?

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コラム
蜘蛛の巣に捕らえられた蝶は恐怖を感じるのだろうか?
夏の早朝 成虫になり飛び立っていく蝉は希望を感じるのか?

ある暑い日、蜂が獲物を運んでいた。大きい獲物なのでとても運べそうもない。蟻も寄ってくる。私は興味が湧いて 洗濯物干しを中断して
どうするのだろう?と観察していたら、結局運ぶのを諦めて 蜂はどこかへ飛んでいってしまった。
蜂はこんな時「残念だ」とか「悔しい」とか「今度はもっと小さい獲物にしよう」とか考えるのだろうか?

「虫は本能や習性で生きている生物で 感情とか思考とかはない」という意見もあるが 実はひっそりと 虫だって感じるし考えるのではないか と思っている。

牛舎小屋にのコンクリの壁に何匹もの蝿が止まっていた。
日光でコンクリートが温まるので きっと蠅たちは居心地が
良かったのだろう。
しかし ハエトリグモはそれを見逃さない。
ハエトリグモに襲われて 1匹が犠牲になった。
ハエトリグモは獲物を抱え込んで 食事にしようとしていた。
とその時
別の蠅がフッと飛んだ。そしてそのハエトリグモに体当たりをしたのだ。
ハエトリグモは獲物をポトっと落とした。獲物はもう死んでいたが
それにしても なぜ今 別の蠅が体当たりしたのだろうか?

牛小屋掃除をしていた私はスコップを手にしたまま 考え込んだ。
「もしかして 今 仲間を助けようとした? そんなはずはない。
だって君ら蠅じゃないか」
あの日以来 もしかして虫にも心があるのではないかと思っている。

その話を職場の同僚にした。彼は50歳を過ぎた独身男性だ。
「俺は虫にも心はあると思うな。昨日も俺の部屋にダンゴムシがいた。
俺は無傷で外に逃してやった」
なかなか優しい男である。(部屋にダンゴムシなんか出るんだ!)
「だからそのうち夜遅くに すごい美女が戸口に現れ『私はあの時命を助けられたダンゴムシです どうかあなたのお嫁さんにしてください』って言われるかもしれない。そしたらどうしようかな?」

いやいやいや それは無い。たぶん。


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