熊の立場

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熊はヒグマにしろツキノワグマにしろ日本最大の猛獣だ。
山野を歩いていて間違っても出会いたくない相手だ。
本来なら熊が先に気付いて人を避けてくれるはず。
でも絶対とはいえない。
私は熊が怖い が嫌っているわけではない。

熊って母子が一緒にいる以外は大抵一人でいる。
友達とか仲間とかそういう考えは どんな熊にもない。
いつもひとりぼっちだ。
ひとりぼっちの熊は夜はどうしているのだろうか?
眠っているのだろうか? 眠れない夜はどうしているのだろう?
星を見ているのだろうか?
きっと山の中で天の川とか綺麗に見えるのだろうな。
熊にとって星ってなんだろう?
それとも遠くに見える街の明かりを見ているのだろうか?
「あそこに行けば何か美味しいご馳走とかないかなあ?」なんて
考えたりしないのかな?
人間は悩みや苦しみがあると 人に相談したり 支えてもらったり
励ましてもらうとかあるけど 熊にはない。
熊はひとりぼっちだ。 自分で自分を励まし、支え、慰め、鼓舞するしかない。
熊は半年冬眠する。寝ているとはいえほぼ絶食だ。
充分食べて脂肪をつけなければ冬を越せない。
でも食べ物が少ないと不安だろう。怖いだろう。自分の身は自分で救わなければと思うだろう。星空を眺めてそう決意するはずだ。
やはり山で熊にだけは会いたくない。


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