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小説(61ページ目)

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ツイノベ 121-125

アメリカンドッグを食べると眠くなる。消化するのに体の機能をすごく使うから。演劇仲間に話したら苦笑いされた。「渋い俳優ばかり追いかけてないで、彼氏でも作ったらどうだ」と。余計なお世話だ。ならば、小道具のがいこつと踊っていた方がマシだと、度が強いだけの酒を飲み込んだ/№121 がいこつと踊る 魔女によっていくつかの色が奪われた異国の地で、彼女は機織り機で色を紡いでいます。ある日、彼女から手紙が届きました。「大丈夫です。大丈夫です。青と橙と、ほんのすこしの肌色があるので安心です。だから心配しないでください」。その国に色が戻るまで、彼女は色を紡ぎます/№122 色売りの少女 彼女が食事をしている風景が好きだ。「あなたの手料理はおいしいね」と彼女が笑う。なんだか、彼女の体と心の一部になれた気がして満足する。彼女にせがまれるたびに僕は手を焼き、包丁で手を切りながらも、彼女がおいしそうに食べている姿を見ると、僕の体が軽くなるのを感じられた/№123 手料理 カップ焼きそばにお湯を注いでからの三分間を、お気に入りの文庫本を読みながら待つ。昔から湯切りが下手な私の代わりに、彼がお湯を流してくれる。「あ」「なに?」「かやく入れるの忘れた」「いいよ。僕は野菜が嫌いだから」なんて笑って。一つのカップ焼きそばを二人で分け合った/№124 三分間の幸せ 彼女と専門店で万華鏡を作った。「見て。この一瞬がとても綺麗なの」と、彼女は万華鏡を回さずに一つの光景ばかり見ていた。目の前では夕日が夜に沈んでいき、橙から群青へ景色が変わっていく。すぐそばに綺麗な光があるのに。彼女は見せかけの美しさを、ただ、ただ、
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ツイノベ 116-120

私の体には秘密があった。小説を書き過ぎると指がタコの足に変わるし、深夜まで小説を書いてると目元に熊がぶら下がる。この体質を小説のネタにしてしまおう。これで大賞は間違いないゲロ。ゲロゲロ。鏡を見ると体がカエルになっていた。あぁ。どうやら私、井の中の蛙だったみたいね/№116 けものブレンド 彼女が花の髪留めを羨ましそうに眺めていた。「プレゼントしてあげるよ」と言ったら、彼女は「私には似合わないから」と拒む。黒くて、とても長い髪の毛が揺れていた。遠い昔の話だ。入院している彼女の元を訪れる。病床に伏せる君には似合わぬ、花の髪留めがバッグの中で泣いていた/№117 花の髪留め バイクで旅をして、写真を撮るのが趣味だ。真夜中、目的もなく道を走るのが時々とても不安になる。しかしそのたびに、前を走る友人のテールランプが光になって導いてくれた。自分もいつか、誰かを照らすあのテールランプになることができたら。そう思い、今は目の前の光を追いかけた/№118 テールランプ 道を歩いていると、女性が腰まで沼にハマっていた。「大丈夫ですか? 今、助けますから」「いえ、このままでいいです」「え?」「好きなキャラの絵を描いたり、好きな作品の小説を書いてたら、いつのまにかここにいたんですけど、なかなか心地良くて」そう言って女性は沈んでいった/№119 沼 姉のイタズラで女装をさせられた。最初は嫌がったけれど、鏡の前に立って姿を確認すると、驚くことによく似合っていた。女顔も理由の一つかもしれない。ふと、妹なら逆に男装が似合うかもと思い男装させてみる。そこで初めて気づく。着替えのとき、妹にはないはずのもの
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ツイノベ 111-115

おかあさんから「たいふうには『め』があるのよ」ってきいた。わたしは、すなあらしがかぜでとんで、たいふうさんの『め』にはいって、いたいよー、いたいよーってなみだがでて、それがあめになってそらからふるんだーってわかりました。たいふうさんにやさしくしようとおもいました/№111 たいふうのめ 入院している妻の代わりに保育園まで息子を迎えに行く。その帰り道、お義母さんからメールが届く。「娘が母からハハになりました」と。最初はなにかの打ち間違いかなと思い、しばらく考え込む。ふと、その意味に気づいて歓喜の声をあげる。息子を肩車して、僕は急いで病院に向かった/№112 母からハハへ 『お掛けになった電話番号は使われていないか、電波の届かない場所にあります。お掛けーー』「もしもし。こっちは思ったよりも良いとこだよ。懐かしい人達にも会えたし、見たことない景色ばかりだし。だから、君は何十年後かに来てね」あぁ、そうなんだ。天国って電波が届かないんだ/№113 届かない電波 彼に対する愛想も尽きていた。言葉にならない感情が粘り気を引く。彼の家から朝帰りするとき、商店街にあるアクアショップのシャッターが開いていった。店の中から淡い光が漏れ出す。なぜか中身はとても見てはいけない気がして、それは、彼から逃げた私の後ろめたさなのかもしれない/№114 夜明けの逃避 朝、起きたらベッドの上で死んでいたいと思った。でも死んでしまったらそれを確認できないから、せめて透明になっていればいいなと思った。そうしたらみんなに忘れられて、みんなに気がつかれなくて、みんなに取り残されるのだろう。そう考えるとき、心が透明
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ツイノベ 106-110

飴細工で作られた金魚が、時間を経てどんどろりんと溶けていきます。ポタリ、ポタリと流れる赤や橙の色が混ざり合います。私は飴を掬って、口の中に含みます。まるで金魚が肺で泳いでいるかのように、心臓はズクズクと高鳴ります。涙が溢れてきます。飴は少しだけ、苦い味がしました/№106 飴細工 「明日は中秋の名月なんだって。でも満月の日と重なるのは五年後なんだ」「その話、前にも聞いたよ」「そうだっけ?」「そうだよ。色んな女に話してるから忘れちゃったんじゃないの」「そんなこと」「あれ。この話、あなたから聞いたっけ?」「君こそ、違う男から聞いたんじゃない」/№107 すれ違い話 会社を休んだ。最寄駅にあるフードコートの席に座り、文庫本を読む。何度目のことだろうか。窓の外を覗くと、通勤や通学で行き交う人の光景が波のように見える。引いて、寄せて、色褪せて。電話が鳴るのを無視して、窓の外を眺める。暗い顔の女性が歩いていた。いってらっしゃい、私/№108 身代わり 彼の口から吐かれる、煙草の煙を吸うのが好きだ。苦くて臭い。けれど、同じ空気を吸っている。その事実が私達の関係を強く結ばせているのだと錯覚できる。ゆっくり、ゆっくり、害のある副流煙を吸いながら。ゆっくり、ゆっくり、私達は病葉のように、色褪せては輝きを失っていくのだ/№109 病葉 彼女が僕に「だす!」と言ってくる。「なんなの?」と聞くと「息抜き」とだけ答える。その後も彼女は「だす!」と言いながら笑顔を向けてくる。そんなことで息抜きになるのかなと思って、しばらく考え込んでいると息抜きの意味に気付く。「だす!」と言われる度に顔が真っ赤になっ
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ツイノベ 101-105

私と似てる人を見かけた。なんだか気になり、後を追うと工場に行き着く。そこには沢山の私が保管されていた。「私製造機を見てしまったのですね」と、私そっくりな人から話しかけられる。途端に意識がぐにゃりとした。女性の声が最後に聞こえる。「私73号。生活の準備をしなさい」/№101 私製造工場 「本日は左利きの日です。日付が変わるまで、全ての道具や機械は左利き用になります」とアナウンスが流れる。ハサミ。改札口。受話器。蛍光ペン。大勢の人々が戸惑う。「いつもと逆だと大変だね」と、右側にいる彼氏が困った顔で笑う。少しは左利きの苦労もわかったかと、私も笑った/№102 左利きの日 昔、亀を助けたことがある。十年ほど経った今日、女性が「助けていただいた亀です」とやってきた。「絶対に襖を開けないでください」と部屋に消えていく。ガタガタとする音が気になり、思わず襖を開けてしまう。すると、女性が裏返しになって動けずにいた。「あの、助けてください」/№103 亀の恩返し 夏休みが始まると、従妹のちーちゃんが私の家に遊びにくる。そうしたら縁側の柱で背くらべをしたり、底の深い川で遊ぶのが恒例だった。私が大人になった今、柱に記された、低いままのちーちゃんの身長を眺める。ごめんね、ちーちゃん。あのとき、大きい方のスイカを渡せばよかったね/№104 ちーちゃん 深夜の道を歩いているとすごく不安になる。誰かに付き纏われている感じがして後ろを振り向く。すると、自分の影だった。馬鹿だなと落胆すると、電柱の添えられている花束が目に入った。そこで思い出す。あぁ、私、車に轢かれて死んじゃったんだ。そっか。幽霊にも足や
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ツイノベ 096-100

「白詰草って、すごく綺麗な花だと思ったの。だって白が詰まってる草だよ? すごくまっしろで雪みたいなんだろうなって。そしたらクローバーのことだって知って、なんだかがっかりしちゃった。え、落花生? 落花生くらいは知ってるよ。落ちる、花、生きる。言葉は綺麗なのになぁ」/№096 落花生 白くて大きな満月だった。海に潜りそうなほどの近さで。「海に月が沈んだら、クラゲになってふよふよ泳ぐんだよ」と、彼女がけらけら笑っていた。透き通るような肌の白さは、どこか月の光にも似ていて。「私も海に沈んで、クラゲになって、行方不明になりたいなぁ」と。笑っていた/№097 少女海月 去年の手帳を参照しながら、新しい手帳に友人達の誕生日を書き込む。ふと、彼女だった女の子の名前を見つけた。××さんと他人行儀に。昔は僕しか呼ばない特別な名前があった気がする。大切な人だったのに、忘れたくない人だったのに、いつしか、君の名前を思い出せなくなっていた/№098 君の名前 楽器店に行くと、猫ギターなるものが売られていた。なんでも、弦が猫のヒゲで作られているのだそうだ。試しに弾いてみると、にゃにゃーん! と音色が響いた。野外ライブにオススメだと言うので理由を聞くと、この音色を聴くと猫が寄ってくるらしい。なるほど、可愛いお客さん達だ/№099 ネコライブ 「もうすぐ夏が終わりを告げます」とニュースが流れる。昔、彼女が「憂鬱に名前を付けて、それを水風船に書いて割りたいね」と言っていたことを思い出す。来年になったら。再来年になったら。そう言っている内に夏が終わってしまう。「深刻な寒波が続き、日本の四季は春秋冬にーー
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ツイノベ 091-095

祝福の種なるものが売られていた。この種を植えると願いが叶うが、その代わり、花が咲く前に枯らすと不幸になるそうだ。この種の恩恵なのか、私は意中の人と付き合えることになった。枯れたら別れてしまうと不安になり、花にだけ神経を注ぐ。いつしか、彼に対しての興味は失っていた/№091 祝福の種 公園のベンチに笹舟が置かれていた。そういえば、別れた彼女は笹舟を作るのが上手だった。笹舟を作っては噴水式の蛇口から水を出して、少し窪んだ水皿の中でどこにも行けない笹舟を揺らす。あの日の記憶も君との思い出も、笹舟と同じでどこにも流れないまま、僕も公園で揺らいでいた/№092 笹舟 家にお邪魔すると、彼女は決まって花の世話をする。「そんなに大切な花なの?」と聞くと「祝福の種って言うんだって。この花を枯らすと不幸になるの」と答える。取り憑かれたように花の世話をする様子は、愛でるというより病的に見えた。とっくに花が枯れていることにも気付かないで/№093 種の祝福 『私の声は届いていますか?』で始まる小説があった気がする。電車の中ではみんな携帯に夢中になって。スクランブル交差点ではみんな忙しなく歩いて。私のことなんて見向きもしない。この惑星でひとりぼっちになった気分だ。存在をなぞるように、呟く。「私の声は届いていますか?」/№094 ひとりぼっち惑星 「迷子の言葉を探しています」と張り紙が貼られていた。特徴は優しくて、尖っていて、ふんわりとして、冷たくて、綺麗で、触れられなくて、幸せで、哀しくて。ずっと側にいたはずなのに、気付くと消えていたそうだ。なぜだか僕はこの言葉を昔、心のどこかで知っているよう
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ツイノベ 086-090

その街では雨の代わりに花が降ります。種類や色、大きさなどはそのときによって違いますが、大抵は季節に合った花が降ってきます。しかし冬も山場を迎える今日、季節外れにも桜の花びらが、やわらかく空を舞い始めました。みんな、みんな、春の訪れが待ち遠しかったのかもしれません/№086 花降りの街 「どっかの国ではさ、男女で生まれた双子は前世で結ばれなかった恋人同士で、『来世は必ず一緒になりましょう』という祈りを込めて、双子で生まれてくるんだって。だから擬似的な結婚式を挙げるんだってさ」と双子の妹が笑う。「いつか私達もその国に行ってみたいね」と、泣いていた/№087 エウロパの双子 音漏れ。割り込み。転がる空き缶。しゃべり声。押し退けて、突き出して、抜け出そうとして。足組み。席の占領。背中のバッグ。どれもが、みんな。全部、みんな。電車の中に閉じ込められたのは、乗客だけじゃないんだなって。笑う。笑いごとじゃないよって。哀しくなる。哀しくなる/№088 満員電車 私の住む街に仲の良い女友達が遊びにきた。「まだ公衆電話があるよ」「田舎はどこにでもあるって」と。彼女が公衆電話から私の携帯に電話をかける。「私の声は届いていますか?」なんておどけて笑って。「私の思いは届いていますか?」なんて、おどけて打ち明けてしまえたら良かった/№089 公衆電波 私の背中には、嘘をつくと大きくなる羽が生えていた。あなたの事が好きです。大きくなる。みんな幸せならいいのに。大きくなる。歩道を青で渡った。大きくなる。会社を風邪で休んだ。大きくなる。こんな嘘しかつけない私は、消えて失ってしまいたいと思った。羽は大きく
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(14)再会を心から願い…

貴女様を見つけるために、星空高く舞い上がりました。数々の光が私を包み、その先への道標(みちしるべ)を示してくれました。
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(13)それが…貴女様とのお別れの砌でございました。

月を見上げて貴女様をお待ち申し上げた、3日目の夜…私は夢を見ました。
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ツイノベ 081-085

ここは水族館。ウミガメが視界をキョロキョロとさせています。男の子に女の子。お父さんにお母さん。お兄さんにお姉さん。おじいさんにおばあさん。色んな人達がやってきます。ウミガメはヒマそうに一言「わざわざお金を払って僕達に見られに来るなんて、人間達も変わってるなぁ」/№081 ウミガメの世界 誰もがみんな、言葉を育てています。大切な言葉は、胸の内で暖めて。誰かを傷つけないように、棘は丁寧に取り除いて。誰かに気付いてもらえるように、綺麗に飾り付けて。どんな色にしようか。どんな形にしようか。誰かを思って、考えています。誰もがみんな、言葉を育てています/№082 言葉の花 「この街は水槽に沈んだんだよ」と、隣の家のお兄さんが言う。窓を開けると部屋に大量の水が流れ込む。ふわりと浮かんだ体で水没した街を泳ぐ。花も、鳥も、風も、月も。その全てが水の底だった。遠くに目を向ければ透明なアクリル板が見える。空を仰ぐと、太陽の光が揺らいでいた/№083 水槽都市 二年前のことだ。小雨が降る中、僕と彼女は傘を差しながら夜桜を眺めていた。なんとなく別れの予感はあったのかもしれない。言葉は交わさず、ただ散りゆく桜の軌道を追いかける。あの日と同じく小雨が降る今日、適当に傘を取り出して頭上へ広げる。桜の花びらが数枚、地面へと落ちた/№084 春の風 ヒヨコは産まれてから最初に見たものを親だと思い、後ろをトコトコと付いていきます。やがて二匹のヒヨコが産まれ、同時に相手の姿を見ました。するとお互いの背中を必死に追いかけて、その場でぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
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ツイノベ 076-080

「『メ〜』これが羊の鳴き声です」「はい」「『メェ〜』これがヤギの鳴き声です」「はい」「わかりましたか?」「なんとなく」「では、次は上級問題です。『ンメェ〜』これはなんの声でしょうか?」「……ヤギ、ですか?」「いいえ。これは美味しい物を食べたおばあちゃんの声です」/№076 鳴き声クイズ あの日のまま、荷物が散乱した部屋に入る。何年ぶりだろうか。棚から崩れた本達。猫のぬいぐるみ。もらった手紙や便箋。割れてしまった写真立てを元に戻す。写真には歳上の彼氏の誕生日を祝う私達の姿が映っていた。あぁ、そうか私。いつの間にか、あなたより歳上になっちゃったんだ/№077 年下の彼氏 月の明かりを頼りに、暗がりを歩く。あなたの少し後ろ側。伸ばした手が彷徨っては、ポケットの中の携帯を握り締める。たまに振り返っては、私がいることに安心する表情が嫌いだった。子どもじゃないのよ。もう、子どもじゃないのよ。なんて思いながら、私は夜道で泣きじゃくっていた/№078 少女疾走 祖母の家にお邪魔した。何年ぶりだろうか。私の好きな優しい笑顔。私の好きなお菓子。私の好きなテレビ番組。私の好きなお味噌汁の味。 こんなにも私の好みを覚えてくれているのに。「しかし、初めて会った子なのに懐かしい感じがするねぇ」なんて。どうして私のこと忘れちゃったの/№079 おばあちゃん 「今日はどのようなご相談でしょうか?」「厄介な女に付きまとわれているんです」「というのは?」「ストーカーや盗聴を繰り返したり、人の携帯を勝手に見たり、何度も電話をかけたり、とにかく気味の悪」「それは、もしや」「え?」「後ろにずっと立っている女性の
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ツイノベ 071-075

「今日の天気は晴れのちひよこです」と天気予報が告げる。ふと、頭の上にひよこが落ちてぶつかった。「ぴよ!」とひよこが元気良く鳴くと、嵐のようにひよこ達が降り注ぐ。街は一瞬にして黄色く染まり、足の踏み場がなくなった。ぴよぴよぴよぴよ。まるで、ヒヨコノクニだなと思った/№071 ヒヨコノクニ 古書店の裏通りにいる、金魚屋さんが好きだった。ライラックの香り。漁り火の光。セルリアンブルーの髪飾り。淡い初恋だったのかもしれない。十年経った今でも、何度か裏通りを訪れる。びいどろ風鈴と絵羽模様の猫だけが笑っていた。金魚屋さん。あなたはどこかで元気にしていますか/№072 金魚屋 電車の中で空き缶が転がる。カラカラと音を立てる光景が騒々しくて、みんながこっちにはくるなと邪険な目を向ける。誰に拾われるでもなく。誰か捨ててくれるでもなく。気付いてと言わんばかりにカラカラと音を立てて転がり回る。まるで私みたいだなと思い、空き缶をそっと拾い上げた/№073 転がる空き缶 彼女と食事に行くと、その食べる早さにいつも驚かされた。待たされるのが嫌いなのか「早く食べなよ」と催促してくる。でもたまに、僕が待つことがある。「食べ終わったら帰るよ」と言うと、彼女は小さめのチーズケーキを、何口も、何口もかけて、数分、数分と時間をかけて食べていた/№074 チーズケーキ 二十年前、私が住んでいた街に電車で向かう。特に用事はなく、なんとなく行ってみたいと思ったからだ。乗車してきた人に目を向けると、大切だった人に似ていて驚いた。現在から過去へ電車でタイムスリップした気分になる。『電車は 記憶行きです』なんて。そんな曲
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王子さまの恋みくじ♡(その6) :くまのボンザ

   ・・・ドラゴンは、ぼくたちを見据えたまま一歩下がるように見えた。  いや、違う。後ろ足の膝を緩め、力を溜めたのだ。  ごつごつした岩肌のような皮膚から、ぎりりときしむ音が聞こえるかのようだ。  来るッ!  次の瞬間、大きく口を開けたかと思うと、極大の炎が迸るッ!  閃光! うわあぁぁぁぁ~、 つい目をつぶったぼくたちは、  ぼくたちは、。。。  ぼく、あれ? あれれ?  ぼくは、揺すぶられていた。 「おいおい、ちょっと。いきなり、うたた寝なんてしないでくれよ」 と文句を言うけど、お育ちの良いせいなのか王子さまは、あくまでも優しい。   一瞬、王子さまの笑顔のアップに見とれてしまっていたぼくは、あわててよだれをぬぐって 「す、すみません」 と言って、あわてた。 「そ、そうだ。こ、コーヒーブレイクにしませんか?」 「いや、キリが悪いよ。せめて、ベスト3の手前で切ろうよ、さ、次、次!」 「は、はい、かしこまりました」 (ドラムロールを想像してね)ドゥルルルルル、ジャーン。 「そして、第6位は【社会活動】です。『杖のクィーン』のカードが逆位置で出ました」 「うわぁ、うちの母上にそっくりな絵だ。しかも逆位置じゃないか、あまり良い意味じゃないんだよね?」 「畏れ多くも宮廷人物カードですからね、悩んだのですが、6位に置きました。 『杖のクィーン』は、優しく大らかな、人気のある女王様ですよ」 「だけど、逆転してるから、がみがみ言ってきそうだよね、ひとの後ろから。  やっぱりタロットカードって正位置が良い意味、逆位置が悪い意味なんだものね?」 「そうとも限りません。絵
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ツイノベ 066-070

ジリリリ。と、地面で蝉が這い蹲っていた。「あ、タンポポだ」意識してないのか意図してなのか、花を避けた彼女は代わりに蝉を踏み付けた。鳴き声が止まる。「秋が過ぎる速さで、光は陰るの」彼女の言葉を思い出す。長い夏が終わりに差し掛かり、もうすぐそこまで、秋が迫っていた/№066 光の陰る速度 背中から羽が生えてきた。私の全てを包み込むように体は羽で覆われる。飼い猫の桔梗が爪で引っ掻き、微かな痛みが走る。なぜか涙が溢れて止まらなかった。涙で濡れた羽が希望にも似た輝きを放つ。両手を合わせて、小さく祈る。いつかこの白い羽で、羽ばたく事ができるように、祈った/№067 小さな祈り 目を覚ますと、狭い空間に閉じ込められていた。私の周囲には犬や猫などの動物が窮屈そうに詰められている。透明な壁の向こうには巨大な人間。上空からは機械の手が迫って私を掴む。穴に落とされて意識を失う瞬間、私は巨人の声を聞いた。「やった! ひよこのぬいぐるみが取れた!」/№068 謎の空間 私達、葵家は三姉妹だ。産まれた季節にあやかって姉が夏、私が秋、妹が冬と名前を付けられた。私達の暮らしは繊細で、馬鹿で、鮮やかで、面倒で、騒がしくて、大変で。世間の喧騒に負けないくらいの力強さがあった。でも名前の文字通り、私達の日々には、青い春なんて存在しなかった/№069 青い春 雨靴を履いた女の子が「る、る、る」と歌う。傘も差さずに「る、る、る」と歌う。一瞬のことだ。目の前で車に轢かれる。ウイスキーと煙草に興じる生活保護の女を思い出す。「命は平等じゃないんだって」と笑っていた。「命は不平等なんだって。だから私は生きてんの」と、笑
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ツイノベ 061-065

どんなに頼まれたって、私は解決しないよ。どんなに願われたって、私は去ってしまうよ。どんな祈られたって、私は過ぎてしまうよ。どんなに恨まれたって、私は知らないよ。どんなに待たれたって、私は迎えないよ。どんなに望まれたって、私は止まらないよ。私は止まれないよ/№061 時間と少女の白昼夢 この世界のどこかで、言葉は生まれて。この世界のどこかで、言葉は買われて。この世界のどこかで、言葉は失って。この世界のどこかで、言葉は捨てられて。この世界のどこかで、言葉は死んで。この世界のどこかで、言葉は売られて。この世界のどこかで、言葉は弱くて。言葉は。言葉は/№062 この世界のどこかで 「雨だ」と彼は言って、傘を私に差す。「いいよ。私まで変な目で見られちゃう」「でも、雨が降っているから」と。そうは言うが雨は降っていなかった。「雨なんか降ってないよ」と、私は彼に何度言っただろうか。雨なんか降ってないよ。雨なんか降ってないよ。雨なんか降っていないのに/№063 雨降り 壁に太陽の光が反射していた。右手をゆっくりと壁に当てる。空中にさまよった左手をあなたの右手に繋ぐ。「この街でも散歩してみようか」「うん」あなたに惹かれて、あなたの右手に引かれて、私は立ち上がる。錆びて重くなった扉をあなたの右手が開けて、私の左手が扉の鍵を閉めた/№064 あなたのいない街 妻は半年前から病院に入院していた。いわゆる植物状態というやつだ。「お母さんは今、枯れ木なんだよ」「かれき?」それ以来、娘は「かれきにはなをーさかせましょー」とやたら繰り返す。「かれきにはなをーさかせましょー」 娘の声が、妻に再び花を咲かす養
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ツイノベ 056-060

突っ込んできたトラックに轢かれて、彼氏はバラバラになりながら亡くなった。らしい。ショックで私は記憶喪失になったのだ。彼氏の母親からもらった遺灰を瓶に詰めて、ペンダントにする。遺灰を取り出して微量ほど舐める。なぜかそのときだけ、彼氏との記憶を思い出すことができた /№056 遺灰の苦みで覚えてる ひらがな軍とカタカナ軍が喧嘩をしていました。ひらがな軍は「『め』と『ぬ』の方がややこしい」と言い、カタカナ軍は「『シ』と『ツ』の方がややこしい」と張り合いました。そこに登場した漢字軍。「いいや。『猫』と『描』の方がややこしい」と対抗します。今日の勝負、引き分け/№057 文字戦争 飼い猫がウイスキーの入ったグラスを倒して、液体がトプトプと零れる。元々そういう色だったのか、煙草の灰で汚れてしまったのか、絨毯は鈍色になっていた。床に落ちていた糸クズをゴミ箱に入れる。書き殴られた絵が目に入った。画家になりたい。という君の夢を思い出してしまった/№058鈍色、ゴミクズ、夢の跡 彼女から別れ話を切り出された。言葉の意味が理解できなくてしばらく呆然としてしまう。あんなに楽しそうに笑っていたのに。あんなに笑顔が素敵だったのに。別れたい理由を彼女にたずねてみる。彼女が微笑む。「あなたと付き合っていたらね、私、作り笑いが上手になっちゃったんだ」/№059 笑顔 教員免許を取得して初めて、中学三年生のクラス担任となる。理想とは違い、問題児だらけの教室に僕は辟易していた。卒業式の日、生徒の代表から別れの言葉を述べられた。「これで『問題児ばかりのクラスをどうまとめるか』の実習は終わりです。また来年度から
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ツイノベ 051-055

元カノに紫色のクロッカスを送ったことを思い出す。瓶に砂と種が入ったものだ。花言葉を調べてみると『愛したことを後悔する』という意味があり、皮肉めいていて素敵だと感じた。「花が咲いたら結婚しよう」。遠い昔の約束である。あのクロッカスが今、芽さえ出ていないことを願った/№051 クロッカス 亡くなった人に繋がる電話番号があるらしい。大切だと思う人の声が聞こえると言うのだ。馬鹿げている話だけど、私は馬鹿だから試してみる。三回、コール音が響いた。繋がる。「はい」。誰の声だろうか。「久しぶり」。あぁ。当時、私が好きだった人だ。そっか。君、死んじゃったんだ/№052 夜のコール 切った指から言葉が溢れていきます。痛いでしょうか。傷は残るでしょうか。溢れた言葉が指を伝っていきます。逢いたいでしょうか。傷は塞がるでしょうか。伝った言葉が足下に落ちていきます。相対でしょうか。傷は醜いでしょうか。落ちた言葉が地面に染みていきます。傷は。傷は、/№053 擦り切れた言葉 昔々、一羽のウサギが月まで跳ぼうと、長い耳をパタパタ揺らしていました。さみしいウサギ、月まで跳んで、誰かに見ていて欲しいから。ある満月の夜、ウサギはついに月まで跳びました。力尽きたウサギは命を失いましたが、さみしくはありません。今もほら、みんなが君を見ているから/№054 月ウサギ 寝苦しい夜、窓を開けると心地良い風が流れ込んできた。遠くで鳴る踏切の音も、木々の擦れる音も、隣の家の女の子が歌う「る、る、る」というメロディーのない歌声も、いつか消えてしまうのだろうか。空を眺めると月が朧げに揺れている。秋はもうじき、終わりを向かえ
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ツイノベ 046-050

アリの大群を見つけた。踏まないように慎重に歩く。昔は沢山のアリを踏み潰したものである。子どもというのは残酷だ。しかし今、誤ってアリを踏んでしまっても気にはならないだろう。空を仰ぐ。巨大な足が僕に迫ってーー「ママー。人間踏んじゃった」「いちいち気にしなくていいの」/№046 アリの大群 私が14歳の時に買って貰った本棚は、沢山の本を詰め込んで、私が15歳の時に殺してしまった。私が16歳の時からバイトしたお金で、沢山の本を詰め込んでも大丈夫なように、私が17歳の時に自分で本棚を買った。私が84歳の時になったとしても、あの本棚を思い出していられたら/№047 本棚 夜明けの商店街を歩く。ふと、友人の「理想ばかりでは生きていけないわよ」という言葉を思い出し、心の中で「現実だらけだと死んでしまうわよ」と呟いた。店のシャッターが開いてく。なぜか店内を見てはいけない気がして、それはあの時、現実から逃げ出した私の後ろめたさと似ていた/№048 夜明けの逃避 風の強い日に傘を差すのが苦手だ。必死に傘にしがみついていると、私の軽い魂までもが吹き飛びそうで不安になる。だから私は雨が降っていても傘を差さない。いや、差せないのだ。軽い魂でも、流されるくらいなら濡れた方が楽だ。惨めだと笑われてもいい。私の軽い魂が守られるのなら/№049 軽いタマシイ とある水族館では、人魚が水槽の中を泳いでいます。「私も昔は人間だったのよ。声を出して泣かないように。好きな人の所へ行けないように。私は人魚になろうと思ったの」。そう言って笑う人魚は、今日も水槽の中で歌います。朝も夜も。明日も。百年後も。一人でずっと、
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ツイノベ 041-045

『拝啓、××様。お久しぶりです。元気ですか? あれから十年が経ちますね。僕は結婚をして、子どもが産まれました。君はまだあの街にいますか? ごめんなさい。どうか、僕以外の人と幸せになってください』。なんて、君へ手紙を出せないまま、八十円では届かない季節になっていた/№041 届かない季節 問.私と彼の適切な関係と距離を求めよ。但し、最適解はあるものとする。『愛、良い子でいる虚しい事情』なんて、理論物理学者も唱えていた。彼は授業中に関係のないことを考えてしまう、私のような悪い子は嫌いだろうか。私の方を彼が何度も振り向く。なんだ。彼も悪い子じゃないか/№042 アインシュタインの恋 私は人々の思い出をこんぺいとうに変えて、それを食べて生きています。赤や黄色。沢山の色のこんぺいとうが詰め込まれた瓶は、光に照らされて虹色の影を映し出します。口に含むと、味と共に思い出が頭に流れ込みます。私は、人々の思い出を食べています。私には思い出が作れないので/№043 記憶の粒 この耳は集音機でないので、遠くの不幸は聞こえません。この目は監視カメラでないので、多数の不幸は見えません。この口は拡声器でないので、胸の内の不幸は言えません。この手は掃除機でないので、散らばってる不幸は拾えません。この心は映写機でないので、隠した不幸は知りません/№044 この は 生きている音を探しています。街灯だってチカチカと音を立てて死んでいきます。電源スイッチだってバチバチと音を立てて死んでいきます。生きている音は、死んでいく音なのだと思います。私だって、背中のネジがジリジリと音を立てて、死んでしまいます。生き
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王子さまの恋みくじ♡(その5) :くまのボンザ

(ドラムロールを想像してね)ドゥルルルルル、ジャーン。 「そして、次こそは王子さまにふさわしいシチュエーションでございます。  第8位は! 【舞踏会で】です。『聖杯の7』が正位置で出ました」  やった~!  舞踏会と言えば、華やかなパーティ!  いよいよ、王子さまの恋みくじが正統派になってきたぞ!  そう思って、ぼくはわくわくしてきた。  だけど、王子さまは、そこまで嬉しそうじゃなかった。 「舞踏会か。嬉しいな、うん、...ちょっとだけ」  そして、そうっと小さなため息をついた。 「お客さんがたくさん来て、ごちそうがいっぱい出てきますよね?」「うん、それはそう。  でもさ、ぼくはずっと舞踏室にいなきゃいけないんだよ?  不公平ではいけないと思うからね、ほとんどすべてのお客さまにご挨拶をして、ダンスのお相手もおつとめしなくてはね。  ごちそうをのんびりと楽しむ時間はあまりないかな。ダンスがメインだからね」 「うわぁ」 「それより、このカードは面白い絵だね。  7つの聖杯に様々な物が入っているという、贅沢な絵のカードだね」 「はい、たくさんの素敵なものがあるのですが、まだまだ漠然としたものがたくさんあるという意味です。一つの夢に絞り切れないというイメージですね」 「なるほどね~、舞踏会は、まさに豪華絢爛だからね。  あ、あと、この絵の感じで思い出したんだけど。  これは、忘れ物がかりの召使いが、倉庫で物を探している絵にも見えるねぇ」 「舞踏会には、ちゃんと忘れ物がかりさんがいるんですね」 「うん、きちんとしたおもてなしのためには必要だし、せっかくいらしてくれたお客様のためにも
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ツイノベ 036-040

ポイントカードの幸福量が一万ハッピーも貯まった。小さな幸せを見つけては貯め込んで、やっとここまで増やすことができた。この幸福ポイントを使って男の子に告白してみる。「好きです」と言うと、男の子はカードを見て哀しそうに呟いた。「ごめんね。有効期限が切れてるみたいだ」/№036 ハッピーポイント 物語の泉という場所があるそうだ。その泉では水の代わりに絶えず言葉が湧き出し続けて、溢れた文字が物語になって街へと流れるらしい。また、雨となっては空から降り注ぐ。蛇口から、雲から、地面から。物語は溢れ出してくる。君が流した涙もきっと、いつかどこかで物語になるのかも/№037 物語の泉 吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間「ミケー。ごはんよー」我輩の名前はミケでした!/№038 我輩は 僕が子どもだった頃、雨の日にだけ家の中に現れる女の子がいた。一緒に絵を描いたり、歌を歌ったり。話をしたり。だから僕は雨の日が好きだった。「もうすぐ雨が止むから、そしたらさよならね」。それが女の子の最後の言葉だった。大人になった今でも、あの女の子とは会えずにいた/№039 レイニー レイニー カップの中のミルクにココアパウダーを落とす。くるくる。くるくる。掻き混ぜると色が変化していく。大切だった人との思い出も、面影も、記憶も、くるくる。くるくる。混ぜ合わせて溶かしたかった。くるくる。くるくる。あぁ、そういえば大切なあの人は、甘い飲
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ツイノベ 031-035

留守番電話に録音されていた彼の声を聞く。か細くて、少し震えているあなたの声。もう携帯でしか聞けなかった。繰り返し、繰り返し聞いて。あなたの声、忘れてしまった。『「もしもし。今日は君に大切な話があるんだ。僕さ、本当は君のこと」一件の、メッセージを、終了、します』№031 タイムレコード 飼い猫である姫百合が、水槽の中の金魚を捕食していた。それがとても美味しそうに思えて、私も姫百合を倣うように残りの金魚を口に含む。少し喉に引っかかる。それからだ。私の体が透明になり、さながら水槽のようになったのは。体の中では亀やネオンテトラが窮屈そうに泳いでいた/№032 少女水槽 今日は燃やせないゴミの日なので、今も大好きな人への恋心を袋に入れて捨てた。これで忘れることができるだろう。だけど袋はそのままだった。次の日、粗大ゴミとして恋心を捨てた。だけど袋はまた置いてあった。あぁ。私の恋心って、簡単に燃やせるし、そんなに大きくもなかったんだ/№033 可燃ゴミ 染井吉野がライトに照らされて、光を纏っていた。根元の砂を掘り、彼から貰った結婚指輪を埋める。「狂ったように咲いてるけど いずれは散りゆく運命です」と、誰かの曲にあった気がする。桜の花びらが地面を彩って、さざ波のように揺らいだ。さよなら、私の、大切になれなかった人/№034 春咲センチメンタル 今日で彼氏とお別れになる。遠い場所へいこうと決意した彼氏を見送りに、駅のホームまで付き添う。 警報が鳴る。遮断機が沈む。赤色灯が夜を淡く浮かび上がらせた。電車と共にお別れが近付く。「じゃあね」「うん」「さよなら」。不安そうな彼氏の背中を、私の左手
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太刀風居合の今日の進展

こんばんわ。太刀風居合です。小説家をしたり、シナリオライターをしたり、本業をしたりしています。とある小説家のサイトで更新を続けております。最近は一日に二回投稿することも多いのですが、今年中に完結すればいいな、と。今日は4話を漫画家さんにお願いしました。地味にテンションが上がっています。音声は手に入っているので、はやく完成させたいです。これからキャラクター増えていくのですが、ちょっとどうしようかな。また私の下手な小さい声を入れる訳にもいかないし。また声優の人に声をかけなければ……。今度は男性?まあいいや。少し時間が空いたので、またラノベの大賞にでもチャレンジしようかな。夏季休暇もうすぐ終わるんですけどね。【追伸】美容室、行きました!!!恰好良くなりましたよ!!!
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太刀風居合の漠然とした構想①

 こんにちは。太刀風居合と申します。Youtubeで以前に自分の書いていた小説を漫画化したり、自分でも小説をとある投稿サイトで投稿したり、新人賞に応募とかしています。本業もやっています。今Youtube漫画が流行っていますが、Web漫画のようにYoutubeでストーリーのある漫画を流せないかなと考えてこんなことをしています。いや、普通に「あるある」みたいなこともしたいのですけどね……。宜しくお願い致します。 
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ツイノベ 026-030

通りすがりの男から「魔法少女になってほしい」と頼まれた。あまりの馬鹿馬鹿しさに、二つ返事で「はい」と答える。するとどうだろう。本当に魔法が使えるようになってしまった。男が去る間際、私は最後に一つだけ質問をする。「三十を過ぎた私でも、魔法『少女』でいいんですか?」/№026 魔法少女 優先席に座る。老人の睨むような視線や、周囲の険悪な表情に胸が痛む。私は心が脆い。人混みの中にいると精神的に疲労してしまう。目に見える傷と、目に見えない痛みとでは、どちらが優先されるべきなのだろうか。耐えきれなくなってうずくまる。「寝たふりだ」。どこからか聞こえた/№027 優先順位 誘蛾灯を仰いで眺める。チカチカと明滅を繰り返す感覚に合わせて、羽虫達がブブブと音を立てて飛び回る。やがて、光が消えるのと同時に、一匹の我が足下に落ちた。私はそれを掬って、口の中身に含む。ゆっくりと噛むと、わずかな粘り気と苦みが広がった。また違う誘蛾灯を探さないと/№028 誘蛾灯にさよならを あなたは元気ですか? そちらは晴れていますか? 私は元気です。空からは今日も火の粉が降りかかります。大切な写真も、交換日記も、渡せなかった手紙も、全部燃えて消えてしまいました。私の街には、ガーネットで作られた避炎針があります。今日もこの街は、炎に包まれています/№029 炎の街 深く愛された人形には魂が宿ると言う。私はそんな迷信なんて信じていないけど、最近、姉が「人形が動く」と変なことを言い始める。前はあんなに私と遊んでくれたのに。昔の姉に戻ってほしい。ある日、姉が知らない男性を家に招き入れ、私を指さして言った。「この人形が
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(12)燕尾服を着た大柄の紳士が来訪され…

貴女様を連れ去って行こうとする様子に私は、動揺の極み…この世の終わり!?…を感じながらじっと物陰に隠れ、息を潜めていました。
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ツイノベ 021-025

世界全体の幸福許容量は決まっているらしい。命が生まれたり、亡くなったり、幸せになったり、不幸になったり、泣いたり、笑ったり。恋をしたり、失ったり。そうやって世界はバランスを取っている。私は今、不幸だ。誰が幸せになったのだろう。そっと、まだ知らぬ誰かの幸せを願った/№021 幸福許容量 別れた彼女が好きだった、赤い花が咲いていた。元々、心の弱い部分があったのだろう。別れた途端に、SNSで事実無根の悪口を並べ立てられたときには思わず苦笑した。ふと、赤い花が至る所で咲いていることに気付く。そうだ。君の好きな花は、どこにでも咲いているような花だったんだよ/№022 つばき 「お掛けになった心は、現在、使われておりません。相手の心を御確認の上、もう一度、心を御繋ぎ下さい。繰り返します。お掛けになった心は、現在、使われておりません。相手の心を御確認の上、もう一度、心を御繋ぎ下さい。繰り返します。お掛けになった心は、現在――」/№023 無線通心 嫌いな音楽を聴く。嫌いな人と会う。嫌いなドラマを観る。嫌いな野菜を食べる。嫌いな靴を履く。嫌いな服を着る。嫌いな道を歩く。嫌いな本を読む。嫌いな言葉を綴る。嫌いな風景を撮る。嫌いな夜を迎える。嫌いな今日を振り返る。また明日も、好き勝手に生きようと思った/№024 普通の日々 新しい手帳を買った。それだけで新しい自分になれる気がする。これからの予定と共に、私は手帳に「この日にあの人と何々がしたい」と願望も書き込むのだ。友人の誕生日や里帰りする日。沢山の予定を書き込んだ。けれど、あれから十年が経った今でも、あの人の命日は書き込めずにいた/№02
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ツイノベ 016-020

喫茶店に行った。喫煙席に座った。別れた男と同じ煙草を吸っている男がいた。不細工な顔立ちだった。嫌な臭いではなかった。電車の中で煙草の臭いがした。お気に入りの服に臭いが染み付いていた。その時だ。別れた男の事を思い出した。改めて、別れた男の事が大嫌いだと思った/№016 昔の男 SNSにアンケート機能が実装された。二択の内、どちらか一つを回答し、パーセンテージを割り出すのだ。この機能を使って、私は自殺した方が良いのか、生きていた方が良いのかを訪ねてみた。知人に、友人に、他人に。考えもなしに結果だけが送られる。でも、これが事実だ。さよなら/№017 他人事 二人で話をしているとき、彼が私の名前を呼ぼうとして、少し気まずそうに苗字で呼び直す。そういう関係じゃないよな。って、間違ったみたいな顔をして笑わないでよ。合っているから。私の名前をちゃんと呼んでよ。透明じゃない私にして。あなたの声で、私の名前を、ちゃんと呼んでよ/№018 私の名前 部屋の掃除をしていたら、古い万華鏡が出てきた。遠い昔、彼女と行った観光名所で買った代物である。そっと覗いて、静かに回す。景色がゆっくりと変わっていく。その様子を、カラカラと音を立てて揺れる、風車の写真を撮っていた彼女の姿と重ねる。季節はもう、冬になろうとしていた/№019 万華鏡 私がまだ小さい頃、知らない大人の女性と出会った。その人は私に植木鉢を与えて「二十歳になるまでに花を咲かせるのよ」と言った。続けて「赤い花は幸福の終わり。青い花は不幸の始まり」と加えて。当時はどちらも同じ事じゃないかと思った。十九歳の現在、花は未だに咲かないでいる/№0
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ツイノベ 011-015

私が幼い頃、母が警察に連行された。それと同時に、私も知らない人の家に連れて行かれて、なぜかその家の人は泣いたり、喜んだりしていた。それからはずっとその家で暮らしている。今でもたまに、私と似ていない母の顔を思い出す。あの時、警察が来た意味を、私はまだ聞けずにいた/№011 翳りゆく部屋 今日で私は23才の誕生日を迎えた。しかしどうにも生きにくい日々で、相変わらず後ろを振り返るばかりだ。するとどうだろう。私を構築してきたものが見えてきた。音楽。言葉。ギター。嘘。繊細。写真。落花。白。違う光でも、私は今日まで生きてきた。ちゃんと見ててね、明日の私も/№012 違う光 夜に浮かぶ観覧車が綺麗で、私は思わず足を止めた。網目状に広がる鉄格子がまるで蜘蛛の巣のように思え、私はこの美しい光景に絡め取られた蝶にも似ていた。そういえば彼の好きだった曲に、観覧車をイメージしたものがある。今にして思えば、あれは失恋の曲だったのかもしれない/№013 夜行観覧車 おかーさんやせんせいから「かなしいときこそわらいなさい」といわれてた。だから、ほいくえんのおともだちはみんなかなしいんだとおもった。おねーちゃんがしんだとき、みんなわらってなかった。おねーちゃんがしんだことは、かなしくないんだとおもった。かわいそうだとおもった/№014 曖昧領域 私には幼い頃から、落書きを実体化させる不思議な力があった。娘の為に沢山の絵を描いていたある日、娘も私と同じように落書きを実体化させた。あぁ、やはり私の子だと愛おしく思い、娘を強く抱きしめる。涙がポロポロと落ちた。触れた先から娘が滲んでいき、やがて一枚の絵に戻っ
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(11)クリスマスの夜を迎えても…

貴女様のお悲しみの様子は変わることなく日々、お痩せになられるお姿に胸が締め付けられる思いでした。そんな、ある日の午後…
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ツイノベ 006-010

父の日なので、二十歳になる娘からネクタイを貰った。「母さん。あいつがネクタイをくれたよ」「だいぶ悩んでましたよ」「いつか言わないとな」胸を張ってこのネクタイを付けられるように。机にある履歴書が視界に入る「そろそろ新しい仕事を見つけないと。娘に嘘を吐いてばかりだ」/№006 父の日 夕陽で滲む街を歩いていると、一年前の事を否が応でも思い出してしまう。あの日、彼は交通事故にあって死んでしまった。陽の光で視界を奪われた運転手の車が、歩いている彼の姿を捉えられず衝突した。光が人を救う事があるのと等しく、光が人を殺してしまう事だって、充分にあるのだ/№007 夕陽 落花生という響きが好きだった。漢字を分解してみると、その言葉の綺麗さに気付く。落ちる。花。生きる。生命の尊さを感じた。飛び降り自殺を図った友人は醜い姿になってしまったけれど。だけど、私は生きている。彼女の分まで、私は生きようと思った。落ちる。花。それでも、生きる/№008 落花生 「この先で検問してるんだって」助手席に座る彼女が携帯を見ながら呟く。「僕達の事、もうニュースになってるのかも」嫌でも後ろのトランクが気になった。「本道に戻った方が良いのかな?」「もう遅いよ」彼女が柔らかく笑う。「私達、正しい道なんてとっくに外れちゃったじゃない」/№009 裏通り 小学生の頃、猫の死体を触ったことがある。母に報告すると「そんな汚いものを触ったのなら手を洗いなさい」と肩を叩く。でも私にはむしろ、綺麗だと思えない母親こそが汚いのではと感じ、母に触られた肩を洗う為にお風呂に入る。何度も体を洗い、私はあの猫と同じになれた気がした/№01
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(10)貴女様が話しかけて下さった言葉は…

私には理解できませんでしたがそのようなことは、問題ではありませんでした。だから私は、ただ貴女様のお心にそっと、ずっと…寄り添わせて頂こうと決めました。
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ツイノベ 001-005

クリアできなかった古いRPGをまた始めてみた。主人公の名前が「ああああ」と付けられている辺り、自分の適当さに苦笑してしまう。せめて世界を救えていたのならば、自分と似たこの間抜けな主人公も報われていたのだろう。ごめんな「ああああ」。世界もお前も、救ってやれなくて/№001「ああああ」 この公園がまだ草原だった頃、私は男の子と約束した事がある。「十年後もここで一緒に遊ぼう」と。アカシアの花で作った冠を交換し、指切りの代わりとした。その約束が果たされる事はなかったけれど、私はここに来る度に思い出す。記憶の中の草原は、今でも鮮明に緑色の光を放っていた/№002 アカシアの花 あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、たちつてと、なにぬねの、はひふへほ、まみむめも、やゆよ、らりるれろ、わをん、ABCDEFG、HIJKLMN、OPQRSTU、VWXYZ、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9。これが私の全てです。これで私が全てです/№003 私の全て 自動販売機でアタリが出た。けれど、惜しむべきは間違えて私が苦手な緑茶を買ってしまった事だ。なので嫌いな友人に一本差し出す。「俺、お茶苦手なんだけど」「知ってる」「お前が飲めよ」「私も苦手なんだ」「知ってる」。嫌いな友人と飲む嫌いな緑茶は、ほんのりと甘い味がした/№004 自動販売機 「ワーレーワーレーハーウーチュージーンーダー」と、扇風機に向けて彼女が呟く。良い歳して何やってんだとおかしくなる。「馬鹿なことやってないで行くぞ」。「うん」と、彼女が振り返りながら微笑む。透明感のある水色の皮膚と、顔の中心に一つだけある眼がとても可愛らしかった/
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(9)でも、ふっと思い出したのでございます。

私が寒さと孤独に震え絶望しかけたあの日の、貴女様の腕の中の温もりといつまでも愛撫し続けて下さった恍惚の瞬間の奇跡を…
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(8)如何、なさいましたか?

何が貴女様を、それほど悲しませているのでしょう?私はただ、そのお背中をじっと見つめることしか出来ず、お慰めする術すら持ち合わせていない自らの非力さを嘆きました。
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(7)その日ばかりは…

ご様子が少し違っていて見上げてついて回る私にも、背を向けられた貴女様は肩を震わせながら、いつまでも泣いていらっしゃいました。
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王子さまの恋みくじ♡(その4) :くまのボンザ

 王子さまは、『聖杯の5』をじっと眺めて、小さくため息をついた。 「王子さまは、【お見合い】は、お嫌いですか?」 「いや、すごく嫌だというわけではないんだけど、ちょっとぞっとしたんだよね、」 「はあ、、、そうなんですか」  王子さまがおっしゃるのは、こういうことだった。  シャンピニオン大臣が自分の娘をお見合いさせようと画策し、そのまねをポルチーニ大臣がまねして、って、ちょっとしたブームになっていったらしい。  プラナス卿(王子さまの側近の、あの外で待たされている人の名前だそうだ、)がさばききれないくらいの書類を、それぞれの偉い方が偉そうに置いていった。  それで、お仕事が増えてしまったそうだ。  いつものお仕事だって大変なのに。  そして、それらのお見合いをもしも全部、本気でセッティングするとなると、向こう半年は、王子さまのホリディをすべてぶっつぶさねば予定が入れられないくらい、だとか。 「ホリディは、一番たいせつだから」  ですよね。  ちなみに王子さまだけでなく、もちろん側近のプラナス卿以下、何名もが休日出勤になるらしいので、ちょっとした災難かもしれない。 「ま、まぁ、ここが最下位でしたからね、そんなブラックな予定になるのなら、おすすめできませんね」 「うん、とりあえず、一人とお見合いしたら、次の人とはお見合いしないわけにはいかなさそうだし、なんとなれば、みんな自分を一番にしてくれって言ってうるさいんだよ。  だから、いっそ全然やらないってことにしておくよ。運が悪かったってことにして。  恋みくじでは、最下位で出て良かったかもしれない」 「そうですね、他
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(6)空腹も感じることなく…

寂しさと不安だけが胸いっぱいになりました。やがて、ドアの開く音がして急いで貴女様に駆け寄りましたが…
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(5)貴女様を大きな声で、何度もお呼びしましたが…

おうちの何処にもおいでにならず…外は雪。バス停の方向をずっと見つめ貴女様のお帰りをずっと、お待ちしていました。
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王子さまの恋みくじ♡(その3) :くまのボンザ

   3日後のお昼に、王子さまが今度はもっとラフな普段着でお越しになった。小さな喫茶店というのがお気に召したそうで、 「とてもくつろげるよ、ここ」  とおっしゃって、お供は全員、外で待機ということになった。  側近の人は、パネラとぼくが王子さまをたしなめてくれないかなぁ~、自分も一緒に聞きたいな~という目をしていたが、ぼくたちは知らん顔をしていた。  お昼はランチがお得なので、ランチをお出しする。  森のきのことアローザ牧場のハムを使ったクリームパスタ、サラダ(にんじんときゃべつ)、フルーツヨーグルトとミニサイズパンケーキ(チョコとオレンジと生クリーム)セットをチョイスされた。  とーくるーむの個室で、ぼくは王子さまと共に紫の宝珠を操作した。そんなことをしなくてもお店は貸し切り状態だったのだが。 これが、『お人払いをっ!』てやつだよね?  パネラはうさぎだが一応女の子なので、王子さまはぼくを指名してくれていた。それに、ぼくの方が紫の宝珠の扱いになれているのだ。 あとたぶん、ぼくの方が口がかたいと思ったのだと思う(暴露本、もとい、このにっきのことは内緒にしておこう、このにっきを読んだ人がもしもいたら、王子さまにはどうかご内密におねがいします)。 ☆ 「12の星座ホロスコープは、わかりますか?」 「うん、星占いのやつだね、とりあえず知ってる」 「1年で12の星座を太陽が巡ります。これは運命の輪の形にも通じていますので、ずらっと12枚のカードを楕円形に並べて占います。そして、真ん中に、、、、」  テーブルいっぱいに様々なカードが並ぶと、なかなか壮観なのだ。そして
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(4)ある日、貴女様のお帰りを待ちながら…

zzz… 気づくと、朝になっていて…
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(3)数日のうちに、私は貴女様が大好きになり…

朝はバス停まで見送り、貴女様のお帰りを待つ毎日はとても幸せでした。
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(2)New York の街角で…

冷たい雨に凍えていた私を、やさしく愛して下さったのは貴女様でした。傘をさしかけて下さり、びしょ濡れの私を抱き上げ…雷鳴に怯える私を、笑顔で愛撫していただき…私のカラダとココロを温めて下さいました。
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(1)あの日、決めたこと。

貴女様はもう、お忘れのことと存じます。遠い、遠い昔のことですから…しかしあの時、私は決めたのでございます。
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Boys Kissシリーズ・突然のキス

キス―された。 いきなり抱き締められ、抵抗する間も無くキスされた。 拒絶なんてしなかった。 された後だって―しなかったのに。 「…んでっ」 「えっ…」 「何で抵抗しないんだよっ! キミは!」 …と怒られてしまった。 「はあ…。すみません」 「何で謝るんだよ! オレは謝ってほしいわけじゃない…!」 そう言って、再び強く抱き締められる。 息も出来ないほどの強い抱擁は、イヤじゃない。 だから抵抗しない。 彼とは、近隣の高校の生徒会の交流会で知り合った。 彼は有名私立の生徒会長。明るく行動的で社交的。 自分とは正反対のタイプだと、一目で気付いた。 自分は生徒会書記。無口で、人付き合いがヘタなタイプだった。 人はキライじゃない。 けれど人の心は複雑過ぎて、分かりにくかった。 だから距離を置いていた。 なのに彼はどんどん自分の領域に入ってきた。 不思議とそれをイヤとは思わなかったので、そのまま受け入れていた。 だけど今日、交流会が終わった後の生徒会室で、いきなり彼に抱き締められ、キスされた。 「もしかして…他のヤツにもこういうこと、させてる?」 「する人なんて、あなたぐらいなものですよ」 そう言って、彼の背に手を回した。 熱い体―。 冷たい自分とは、何もかも正反対だ。 「じゃあ、何で抵抗しないの? イヤじゃないの?」 「イヤでは…無いですね」 イヤならとっくに張り倒している。 これでも武道有段者だ。
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電光石火…

この西園寺、常にエネルギーを蓄えております。いつ、いかなる時も、貴女様をお守り申し上げます。
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王子さまの恋みくじ♡(その2) :くまのボンザ

「花きゃべつどのが、となり村の魔女の館に囚われたまま、帰ってきていないというのは、まことなのか?」  と王子さまは開口一番、真剣におたずねになられた。  開口一番と言ってもずいぶんと経ってからだけど。  さすがは王子さま。 お行儀がいいみたいで、パンケーキ(モーニングサービス)をもぐもぐしたままの状態では何もお話にならなかったので、ぼくたちはドキドキワクワクしながら、ずっとお言葉を待っていたのだけれど。  ちなみに本日のモーニングサービスのメニューは、甘くないパンケーキとリヨネーズポテトとにんじんサラダとチーズ、それからブルーベリーソースがけのヨーグルトだった。  どれもお気に召したご様子で召し上がったので、ぼくたちはほっとして、そもそもの王子さまのご用件のことと、お師匠さんのことをすっかり忘れていた。  それで、その質問はちょっとした不意打ちになった。 「あ、ええ、まあ」 「はい、間違いなく」  ぼくたちの声は、あまりそろっていなかった、残念ながら。  実は、これにはちょっとしたお師匠さんの秘密が関係しているのだが、それはまたのちほど。 「となり村というのは、どこにあるのか?」 「この森の奥を抜けて、ドラゴンの支配する深い谷を越え、天に届くような岩山(そこには獰猛なワシがいっぱいいる)を抜けたところの先にございます」  と、ぼくは大真面目に説明をした。  王子さまは腰に細身の剣を佩いておられるが、後ろに控えた部下がドラゴンソード級の槍を持っているのを、ぼくはちゃんと見ておいた。 かっこいい! 他にどんな武器があるのかな?  この後、王子さまの冒険譚が始まる!
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悪魔のクッキング

「ああ、ホラホラ。いつまで食べているの。学校、遅刻しちゃうわよ」 「あっ、いっけなーい!」 「わっ! もうこんな時間!?」 姉と弟は慌てて朝食を口に詰め込み、ランドセルを背負った。 「それじゃあお母さん。行ってくるね! 今日の目玉焼き、スッゴク美味しかったよ」 「ボクはウインナーが美味しかった! また明日の朝も作ってね!」 「はいはい。それじゃあ、2人とも、行ってらっしゃい」 「「行ってきまーす!」」 2人の子供を見送った後、母親は再びリビングに戻り、目を吊り上げた。 「アナタ! いつまでいるんですか? 会社に遅れるわよ?」 「ん? ああ。まだ食べているんだよ」 「お皿にはもう何も残っていません! お皿まで食べる気ですか!」 テーブルをはさんで、夫婦は皿を取り合う。 「母さん、お代わり」 「遅刻します! 家計が苦しいんですから、減給だけはカンベンしてください!」 「…せめてハム一枚」 「……一枚、ですね? なら今のうちに出掛ける準備してくださいな」 「分かったよ。母さんには敵わないなぁ」 ボリボリと頭をかきながら、夫は出掛ける準備をする。 そして玄関に立った時、 「はい、アナタ。あ~ん」 妻が笑顔で一枚のハムをつまんで、口元へ持ってきたので、素直に口を開ける。 「あ~ん。…んぐんぐ。やっぱり母さんの料理は最高だな」 「褒めていただいても、今日の晩御飯は子供の好きなハンバーグですからね」 「がっくり…」 「…子供と張り合わないでくだ
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王子さまの恋みくじ♡(その1) :くまのボンザ

昨日までの雨が止み、朝からウキウキしていた。 ぼくのおしごとは、朝いちばんに、床をモップでふき掃除。 うさぎのパネラは、朝ごはんの支度。 お師匠さんは、今やとなり村に行ったっきり。 そのおかげでパンケーキにメープルシロップをかけ放題なのだ。ケチでうるさいお師匠さんがしばらくいないせいで、ぼくはいつもより太ってしまった。 パネラがにんじんサラダばかり作るのもいけないと思う。味気がないからパンケーキを余計に食べたくなってしまうのだ。 そんなパネラが、新しい情報を聞きこんできた。 立派な馬車が村の向うの山の坂を下っているのを、かっこうがさっき見たという。 もしかしたら、と僕らは察した。 お師匠さんに会いに来るのかも? お師匠さんはここいらじゃ有名、但し、町まで行くとほぼ無名に等しい、なまけ者のタロット占い師なのだ。 それでも、きれいなお姉さんが恋占いにやってくる。そして、そのきれいなお姉さんを目当てにお兄さんもコーヒーを飲みにやってくる。 ここは、森の入口にある喫茶店、名前は《花きゃべつ》だ。 お師匠さんは、自分の占いにひかれてお客が来ると思っているが、はっきり言って、ちょっと違うかもしれない。 この人、パンケーキを焼くのが上手なのだ。そして、ぼくは二番目に上手。パネラは、全般的になんでも上手でしっかり者。 だからぼくは、お師匠さんの古くさい占いよりも、パンケーキのおかげで店が繁盛していると思っている。 圧倒的に注文が多いんだもの。 僕らが期待していた通り、馬車はお店の前で止まった。 「いらっしゃいませ」×2。 パネラの高音とぼくの低音のハーモニーがきれいに揃
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怖い話公開 題名:熱

これは小学4年生、夏休みの出来事。 お盆を過ぎた、ある日のことだった。 朝起きると体が重い。熱を測ると38度。 病院で診てもらったところ、夏バテで風邪を併発したのだろうということだった。 暫くは処方箋の薬を飲んで様子を見ることに。 しかし。 二日、三日経っても熱は下がらず、治る気配を見せなかった。 むしろ、ますます容体は悪化していく。 今考えれば、あの時はかなり不自然な容体だったと思う。 とにかく両方の意味であつ(暑・熱)かった。 クーラーを十分すぎるほどに利かせているにも拘らず、なぜか部屋が物凄く暑く感じられたのだ。まるで炎天下のなかにいるかのように。 そして体があまりにも熱い。とにかく熱い。炎で焼き尽くされるかのような感覚だった。 結局、熱が収まらないまま時間だけが過ぎていく。 夏休み最終日。 熱が下がることはなく、布団に横になりながら天井を見つめる俺。 すると父が部屋に入ってきた。 父:「熱のとこ悪いが、少し話がある。」 そう言って話始める父。 父:「おまえ、カブトムシの世話はしっかりやってたのか?」 父は、俺が当時飼っていたカブトムシのことを言及し始めた。 俺:「そういえば・・・」 俺は思い出す。 夏休み始め、何匹か捕まえてケースに入れたっきり世話をしていなかったことを。 父曰く、玄関脇に放置されたケースの中、カブトムシは無残にも全て死んでいたそうだ。俺を訪ねる前、父がそれを発見。死骸を庭に埋めてきたのだという。 もちろんこの後、父にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。 そうして翌日。俺の体は完全に回復した。 原因不明の熱は、虫篭の中、熱
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人が人であるということ-2

扉を開くと暖かな風が彼女の頬をかすめ、髪を揺らす だけど、当の彼女は神経を張り詰め周りに意識を拡散しているため全くそのことに気づかない ただ、音には敏感で草の揺れる音が聞こえれば反応し 人の足跡など聞こえれば冷や汗が頬を伝う 路上で談笑している人たちを見ればそちらに意識を飛ばし 草葉で遊ぶ蝶の様子にはまるで気づいていないよう 彼女の通う学校は、畑と田んぼで囲まれたのどかな一本道の先の 歩道橋を超え、その先の路地を抜けた先にあった 風は心地よく、空は澄み渡っているけれど それに反して彼女の心は徐々に重苦しく、どんよりと曇り始めていた 負けじとさらに神経を張り詰め、目を吊り上げ いきんで一歩一歩前へと進む 歩道橋には既に人だかりができ、生徒たちで埋め尽くされている 彼女も意を決し、下腹に力を込め、その中に溶け込もうとした だけどふと彼女はあることが気になった それはほんの小さなことだった 目の前は制服の白と黒とで埋め尽くされているのだけど そのわずかな隙間から見慣れぬ姿が彼女の目に飛び込んだ それは遠目からも小さく、まるで少し大きめの風呂敷包みで何かが包まれているような そんないでたちをしていた それが生徒の流れの向こう側に見えては消え、見えては消えしていた 燈子は構わず生徒の流れに乗り、歩道橋の階段に足をかける だけど次の段に足を踏み出そうとした時だった 彼女の足はぴたりと止まり、まるで地面に張り付いたかのように動かない そんな彼女の様子を知る由もない周りの生徒は 彼女にぶつかり、けげんな顔をして過ぎ去っていく
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人が人であるということ-1

ぼうとする頭で、まだ開ききらない彼女の目に映るのは、住み慣れた部屋の様子。 隣のカーテンは中途半場にやや斜めがかって半分だけ開いており、そこから朝の光が漏れている。 その光で照らされた先には無造作に置かれた雑誌が散らかり、傍らには口を閉じることを忘れてしまったかのように半開きになった物言わぬバッグが置かれている。 それはいつか彼女が出かけた時に使っていたもので、その時に置かれ、そのままで放置されている。 彼女の名前は如月燈子。 だけど彼女はその名前が嫌いだった。 自分の名を見るだけで身震いがし、なんとも言えない感覚が彼女を襲う。 できることならその名を誰にも呼んでほしくないし、自分の記憶からも消し去ってしまいたいとさえ思っている。 自らの存在そのものと一緒に。 両親が言うにはその名はとある寺の住職に命名していただいたとか。 生まれた時に名付けていただいたことを両親は自慢げに語る。 ただ、彼女はその話を聞く度嫌気がさした。 両親が付けてくれた名前ならもう少しましだったのではないか、もし名前を付けてくれるような両親なら、 そこまで考えて、彼女は考えることをやめる。 考えても無駄なこと、過ぎ去った過去、与えられた現実はいくら考えても変わらない。 ベッドの上で、頭を巡らせ、考えに浸り、頭の中を整理する。 ただ、目覚めたばかりということもあり、その日見た夢が混じるのかうまくまとめることができず、もやもやとした気持ちになる。 仕方なく、まだけだるい体を持ち上げ、だらだらとベッドから立ち上がる。 その部屋は、本当にシンプルで
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作品サンプル

出品サービスのサンプル用に書いた1800文字程度の短編です。あたしの居ない世界今日は8月16日の金曜日。 昨日は夏らしく台風がやってきた。しかも数年に一度の大型の台風だったようで、まさに嵐がやってきたのだ。 ―――もともとここら辺りは川も近い。少し雨が降れば川は簡単に増水する。古い家の中は雨で水浸し。柱は水を吸って乾いたぞうきんのような悪臭を放つときた。代々家の者が受け継ぎ、両親と共に過ごした家であるとは言え、こんな家では虫も簡単に出てくる。苦労だったなあ? 曲げるたびミシミシと鳴く腰に苛立ちを覚えつつも、玄関と勝手口の土嚢を除け、外に水が流れていく道を作る。流れていく水は幾度となく水溜まりを作り、夏の匂いを嗅ぐわせていた。チリンチリンと、夏の鈴を鳴らす風は生暖かく、とてもではないが...とてもではないのだが、額の汗を乾かすのに不十分だ。止んだ雨が今もなお空気を飽和させているのだ。 ―――こんなに雨が降ってはしばらく乾かないな。どうしたものやら... ぞうきんの家に一日中、こんな年寄りが留まっていては腐ってしまう。外で聞こえる、近所のばあさんの声がした。それに誘われるように、あのじじいも行くのだ。 家の敷地外に出ると、ややでこぼこなアスファルトが熱を持っている。老いた目を凝らさなくてもわかる、黄色と黒の大きい甲虫。顎を弱弱しくカチ、カチ、と開閉していることから、死にはしていない。時間の問題なので、せめて一人で安らかに逝かせてやろうとこの場を立ち去った。この爺もあと何度の夏で、後を追えるのだろうか。 「お、修造さん。どうしたんだい?外に出るなんて珍しい。」 「ああ。
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怖い話公開 題名 「白銀」

私が制作した怖い話を公開します!!ーあらすじースキーで遭難したAさんはとある男性に救われる。しかし、その男性には秘密が隠されていた・・・ある冬のこと。 スキーが趣味のAさんは関東近郊のとあるスキー場を訪れた。 体力的にも技術的にも自信のあったAさん。 リフトを降りると、ゲレンデの外、自然の世界に足を踏み入れる。 しかし。 山の天候は急変しやすい。 先ほどの晴天とは打って変わり、空は曇天に。大雪に見舞われる。 Aさん:「やばい、何も見えない。」 気づけば辺り一面が真っ白だ。俗に言うホワイトアウトである。 携帯を取り出すも、ゲレンデの外とあって圏外。 Aさん:「ああ。どうしよう。」 焦り始めるAさん。 すると、 ザクッ、ザクッ 降りしきる雪の中、近づいてくるスキーブーツの足音。 そうして一人の男性が現れる。 男性:「大丈夫ですか?私と一緒に避難しましょう。」 男性に連れられ、雪穴に身を隠す。 男性は島田さん(仮名)といった。 Aさんと同じ経緯で遭難し、雪穴を掘って避難していたという。 島田さん:「絶対に生きて帰りましょう。」 Aさん:「はい。」 島田さんに励まされるAさん。 そうして時間が過ぎていく。 目が覚めると、Aさんは病院にいた。 ギリギリのところでレスキュー隊に救助されたのだ。 Aさんは医師に聞く。 Aさん:「あの、島田さんは?」 すると少しの間沈黙が流れ、医師から伝えられる。島田さんが亡くなったことを。同じ穴の中、低体温症で命を落としていたそうだ。 医師:「ただ...」 医師は述べる。一つの奇妙な事実を。 調査の結果、島田さんが死亡したのは一週間前だという。
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文字を書くこと

私がココナラで作文や小論文のお仕事を頂くようになってから早いもので一年が経とうとしています。今まで、塾講師として沢山の小論文や作文の添削を行ってきましたが実のところ私自身は理系なんです...笑勿論、文章を上手に書くトレーニングは行ってきましたし、学生としての成績も満足が行くレベルを維持してきました。私の家系はどうやら文字を書くことからは逃げられないようで、父は父で専門家としてライティングをしているようですし、母方の祖父は名こそ知れていませんが全国紙に紹介される程度には腕のいい作家です。そんな環境で育ったものですから私自身、昔から文字に埋もれながら生活してきました。一時期は作家になってみたいなどと感じたこともありますが、縁があって某国立大の理系に入れていただいたわけですが、やっぱり文字を表現する作業が堪らなく楽しくて、気付いたらこんなことをお仕事にしていました。ここで自分のサービスを紹介するのが多くの出店者様なんでしょうしそうしたほうが営業効果も見込めますが、のんびりとお仕事したいのでこのあたりで切り上げようかと思います。何かご縁があればよろしくお願いします。Kedamame
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なんだかスタートです。

オンラインでこんにちわ!連休中ですが、今日からお仕事をスタートさせたいと思います。と言っても午前中は好きにしてまして、お昼から作業に入ったよ、みたいなゆるいルーチンワークなのです。でも、夜も遅くまで作業する時もありますので、そんなに遊んでいる訳でもないですよ。仕事は短く、テキパキ完了が理想目標としては1日3時間でその日の仕事を完了したいですが、納期や締め切りがありますから、結構普通に仕事に時間を使っています。やっぱり時間は意義のある使い方をすべきかと思います。気がついたら仕事仕事の毎日でおじいさん、おばあさんになっていましたというケースも多くあるのではないでしょうか。良いアイディアを実現させる私は1日の仕事は短時間で終わらせるところに意義をみつけます。それでこそ、充実した生活を送ることができるものだと思います。特にこれからはそういう姿勢が良いと思われる時代になるのでは、と期待をしています。
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会話形式の怖い話 公開します!! 題名「年老いた男」

会話形式の怖い話を公開いたします。すべて自分が制作しました。Youtube怖い話の原案として使ってもOKです!!ーあらすじー レイナとハルトは恋人同士。ある時、山奥の別荘へと向かう。別荘での楽しい生活にワクワクする二人。しかしその夜、まさかあのようなことになるとは、二人には予想できなかった... 〈会話〉 レイナ:「うわあ、すんごい山の中だね。」    :「ここが別荘?」 ハルト:「そう。」    :「俺達、付き合ってからそろそろ二年じゃん?記念にいいかなと思って。」 レイナ:「ハルト。ありがとう。」 ハルト:「どういたしまして。さあ、入ろう。」 数時間後 レイナ:「あれ?」    :「雨降ってきた?」 ハルト:「ほんとだ」    :「うわ、まじかよ」(スマホを見ながら) レイナ:「どした?」 ハルト:「天気予報チェックしたんだけどさ、」    :「台風が近づいてるらしくて、今日の夜、雷雨だって」 夜 ー寝室ー ビュウウウウウ ゴロゴロゴロ レイナ:「凄い雨だね。」 ハルト:「まあ、明日にはきっと止んでいるさ。」 レイナ:「うん。」 その時、 レイナ:「ねえ、今何か聞こえなかった?」 ハルト:「え?」 レイナ:「しーっ。」 ペタッ、ペタッ、ペタッ ハルト:「なんだ?」    :「まさか、足音?」 レイナ:「でも、この家、私たちしかいないよね?」    :「それじゃあ、一体...」 ペタッ、ペタッ、ペタッ ハルト:「ち、近づいてる」 レイナ:「怖いよ」 ペタッ、ペタッ、ペタ ハルト:「部屋の前に来た?」 レイナ:「何なのこれ」 ハルト:「俺、見てくる」 レイナ:「うん。」
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怖い話が好きになった訳

怖い話を一番最初に見たのは小学校1年生の時。「本当にあった怖い話」でした。今に比べて昔の本怖はかなり怖かったです。なので、かなりトラウマになっているのを覚えています。特に、伊藤淳史さんの「断崖の下にて」は未だに記憶に焼き付いています。それからもトラウマなのに、気になって、本怖のみならず色々な心霊番組(世界の怖い夜、ビートたけしの超常現象Xファイル)を見ていきました。また、図書館で「怪談レストラン」「都市伝説シリーズ」「百物語シリーズ」を読み漁るようになります。今振り返ると小学校の中学年までは、映像としての怖い話よりも、むしろ文章としての怖い話のほうが好きだったかと思います。(映像のようにワッとびっくりするようなことがないから)そうして小学五年生になると、だんだん怖い話が好きになり、映像のほうを好むようになります。なので、びっくりするのに慣れてきたってことですかね。むしろ、びっくりするのが好きになってきている部分もあります。(笑)それ以来、心霊特番は欠かさずにチェックしています。以上、私が怖い話を好きになった訳でした。「トラウマ→気になって見続ける→好きになる」以上の流れになります。
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怖い話公開します!! 題名「夏祭りの少年」

これはとある夏の出来事。 大学二年生だった俺、トウヤは当時付き合っていたユミと夏祭りに出掛けた。 会場の河原は屋台と大勢の客でにぎわっていた。 トウヤ:「おお、人がいっぱい」 ユミ:「花火って、始まるの何時だっけ?」 トウヤ:「8時から。あと二時間もあるし、とりま、屋台めぐってみようか。」 ユミ:「うん。」 屋台を楽しむ俺たち。一時間が経過した。 ユミ:「ねえ、少し疲れた。休憩しよう。」 ユミの提案で土手に座る。 暫くボーっとしていると、 ユミ:「ねえ、トウヤ。」 トウヤ:「どした?」 ユミ:「あの子見て。」 ユミが指さした先には、辺りを見回す子供が一人。 トウヤ:「もしかして、迷子かな。」 ユミ:「心配だし、ちょっと声かけてみようよ。」 俺たちは子供に近づく。 トウヤ:「君、大丈夫?」 ユミ:「お父さんとお母さんは?」 すると子供は、 「どっか行っちゃった。」 と寂しげに言う。 やはり迷子だったのだ。 俺たちは子供を土手に連れていき、話を聞いた。 子供の名前はレンといった。 トウヤ:「レン君は、どこで一人になっちゃったの?」 レン:「あの川。」 川を指差すレン。 レン:「あの川で泳いでたんだけど。その途中でお父さんとお母さんから逸れちゃった。」 この言葉を聞いて、俺もユミも納得した。というのも、レン君の体は全身びしょ濡れだったのだ。 ユミ:「レン君、だからそんなにびしょ濡れだったんだね。」 そう言いながらユミはタオルでレン君の体をふく。 ユミ:「なんか、肌、凄く冷たいけど。大丈夫?寒くない?」 レン:「うん。大丈夫。」 元気にそう答えるレン。 暫くすると、花火が始
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