怖い話公開 題名 「白銀」

記事
小説
私が制作した怖い話を公開します!!

ーあらすじー
スキーで遭難したAさんはとある男性に救われる。
しかし、その男性には秘密が隠されていた・・・

ある冬のこと。
スキーが趣味のAさんは関東近郊のとあるスキー場を訪れた。
体力的にも技術的にも自信のあったAさん。
リフトを降りると、ゲレンデの外、自然の世界に足を踏み入れる。
しかし。
山の天候は急変しやすい。
先ほどの晴天とは打って変わり、空は曇天に。大雪に見舞われる。
Aさん:「やばい、何も見えない。」
気づけば辺り一面が真っ白だ。俗に言うホワイトアウトである。
携帯を取り出すも、ゲレンデの外とあって圏外。
Aさん:「ああ。どうしよう。」
焦り始めるAさん。
すると、
ザクッ、ザクッ
降りしきる雪の中、近づいてくるスキーブーツの足音。
そうして一人の男性が現れる。
男性:「大丈夫ですか?私と一緒に避難しましょう。」
男性に連れられ、雪穴に身を隠す。
男性は島田さん(仮名)といった。
Aさんと同じ経緯で遭難し、雪穴を掘って避難していたという。
島田さん:「絶対に生きて帰りましょう。」
Aさん:「はい。」
島田さんに励まされるAさん。
そうして時間が過ぎていく。
目が覚めると、Aさんは病院にいた。
ギリギリのところでレスキュー隊に救助されたのだ。
Aさんは医師に聞く。
Aさん:「あの、島田さんは?」
すると少しの間沈黙が流れ、医師から伝えられる。島田さんが亡くなったことを。同じ穴の中、低体温症で命を落としていたそうだ。
医師:「ただ...」
医師は述べる。一つの奇妙な事実を。
調査の結果、島田さんが死亡したのは一週間前だという。
Aさん:「それって...」
言葉を失うAさん。なぜなら、辻褄が合わないからだ。Aさんが遭難したのは病院に運ばれて意識を取り戻す前日。つまり、Aさんが遭難したときには既に島田さんは息を引き取っていたことになる。
あまりにも不可思議な現象に混乱するAさん。
しかし、ふと思い出す。
「絶対に生きて帰りましょう。」
島田さんの励ましの言葉。
このお陰で最後まで踏ん張ることができた。
それを思い返すと、Aさんは涙が止まらなくなる。
雪山という、過酷だが神秘に満ちた土地。そこでは時として、こんな奇跡が起こるのだ。Aさんはそう実感したという。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す