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怖い夢と消えた絆創膏の話

今年に入ってからわりと面白い夢を見ることが多いのですが、15日は地味に怖い夢を見ました。 恰幅のいいお地蔵さんみたいな優しい顔をしたオジサンが出てきまして、こう言うんですよ。 「これから大きな出来事が10ある。そのうちの1つが今日ある」 でもね、15日って本当に何にもなかったんですよ。 逆に怖くない……? 自分の知らないところで実は何か起こってるんじゃまいかと……。 あとね、もうひとつ地味に怖いのが絆創膏が消えた件ですよ。 久々に絆創膏を使ったんですけど、肌が尋常じゃなく弱いので絆創膏でかゆくなってしまって、寝ている間に剥がしたんですよね。 寝ぼけてはいたんですが、確実に剥がした感覚はあったし、朝起きて絆創膏はなくなってたんですよ。 でも、肝心の絆創膏が見つからない。 いつもはぐちゃっとした状態で布団の中から見つかるんですが、今回は本当にどこを探しても見つからない。 何日か経ったら出てくるだろと思ってたのに見つからない。 まさか……とうとう……食べてしまったんか……? 食べると言えば、身内が知久屋さんが好きで、オンラインでたまにお世話になっています。 2月5日の発送分から「ちハンカチ」というものが同梱されているらしくて、そのハンカチをいただきましてね。 すごい可愛いんですよ。 でもね、どうしても脳裏に「ぬのハンカチ」がちらつきましてね……。 「ボボボーボ・ボーボボ」はいまだに時代が追い付かないところも含めて素晴らしいですね。 ちなみに、知久屋さんのお惣菜、どれもめちゃうまなのでおすすめです。 さて、そんな本日の1曲はゴスペラーズで「ひとり」です。 学生時代、好きな子にCDを貸し
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実話怪談『地元の公園』

 地元に、とある公園がある。  仮に、S公園とする。  その公園の奥には神社があり、昼間でも、人気が無く不気味な印象を覚える。  公園の神社に行く為には、途中、緩やかな坂道や階段を何段も登る必要がある。その坂道の途中に、奇妙な人影が見えたと聞かされた事は何度もある。深夜に公園内のトイレの中に入ると、首をくくった女の人の霊が見えるとか、奇妙な人物が奇声を上げ続けているなど、地元ではいわく付きの公園だった。  私は大学時代の夏休みに、なんとなく一人でその公園の奥へと散策に行った事がある。友人の少なかった私は免許を取得して以来、遠くの本屋を探すドライブに行くのが趣味だった。また、地元の各地の小道などを車で回るのが好きだった。  その公園の駐車場に車を停めて、公園の奥へと入り込んだ事を記憶している。  財布を手提げバッグの中に入れて、公園内の自動販売機で購入した缶ジュースを片手に、公園の中を散策した。  神社に着くまでの坂道は、何か不気味な感覚があった。  神社が見えてくると、気のせいか、人の気配のようなものを感じる。  私はその神社に礼拝をして、当時、安物のデジタルカメラを使い、神社内で撮影した事を記憶している。写真内に心霊的な何かが映っているわけではなかったが、何処か遠くで、奇妙な人の声のようなものが聞こえた事を覚えている。  帰り道、沢山の人物達に睨まれたような感覚を覚えた。  帰った後も、何かに見られている気配を感じた。  デジタルカメラで撮影した写真には、霊感のある人間が調べたところ、首吊り死体が映っていると言われた。出来るだけ早く、データを処分した方が良いとも。  二年程、
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怖い話『霊感が移る』

 専門学校時代の女友達の何名かは、よく幽霊を見たと話をしていた。  彼女達が話す興味深い事は“霊感は移る”という話だった。  つまり、霊感というものは、風邪のウイルスか何かみたいに他人に感染するものなのだと。  当時、私は地元にある、幾つかの心霊スポットに、車好きの友人達に誘われて、連れて行かされていた。  女子数名、私も含めた男子数名の組み合わせだったと思う。  その中の女子グループの二人には、霊感があった。  元々、霊感の強い女の子は一人だけだったそうなのだが、どうも、もう一人の方は、“霊感を移された”らしいのだ。  友人グループで遊びに行く時間帯は、真夜中が多かった。  深夜ドライブしながら、みなで色々な場所へと訪れた。  心霊スポットに行く度に、女子達は何かが見えるとはしゃいでいた。骸骨が見えるだの、不気味な女の人が見えるだの。霊感がある事を楽しんでいるように思えた。  それから、奇妙な事が立て続けに起こった。  その友人達と行動をしていると、私も少しずつ“気配を感じる”ようになったのだ。それは、心霊スポットと言われるような場所だったり、普通の周辺の公園だったりした。女の子達は、自身の霊感に関しては、楽しんでいるみたいだった。  ある時、その友人達と、地元のなんでもない公園の茂みの辺りを夜に歩いていると、ブツブツと念仏を唱えて座っている謎に男性が、はっきりと私にも“視えた”。そう、私にも視えたのだ。  少し目を離した隙に、その人物は何処かへと消えていた。  どうやら、私にも“霊感”は“移ってしまったらしい”。  それ以来、私は視える事は少ないものの“気配だけは感じる”よ
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怖い話(あまてらす鉄道のトロッコ)

以前、宮崎県の高千穂に旅行に行った時に天安河原にも寄ったのですが、そこはGoogle先生によると「天安河原(あまのやすかわら)」は、天照大御神が岩戸に隠れ、暗黒の世界となってしまったことに困った八百万の神々が集まって相談したと伝わる場所だ。だそうなんですが、私としてはなんだか気持ち悪かったです。なぜかと言うと、石がいたるところに積まれていて、なんだか賽の河原みたいだったんです。神様が集まった神聖な場所なのかもしれないんですけれど、石をそこに積んだのは人間だと思うので、人の情念みたいなものを感じて怖いなと思いました。神社を4つくらい回って、あまてらす鉄道のトロッコにも乗りました。普段はこういう怖い場所には立ち寄らないのですが、私の趣味であちこち神社に連れて行くだけでは、かわいそうなので乗りたいと言われたら付き合うことはします。めちゃくちゃ怖かったです。皆さんは高い場所や駅のホームに吸い込まれるような感覚はあるでしょうか。私は、全員そう思うと思っていたのですが、そうではないみたいですね。フェリーに乗った時に、海に飛び降りたくなります。駅にいると線路に吸い込まれる気持ちになります。高い所にいると飛び降りたくなります。自分の意志とは関係がなくです。(この心理をボイドの声というそうです)こういう心理になる人とならない人に分かれ、後者の人はトロッコから下を覗くことが出来るんですね。トロッコに乗っている人たちは、興味深そうに高い場所から下を覗き込んでいたんですけど、私にはとても無理です。トロッコの乗務員さんとトロッコ自体はとっても可愛いく、過ぎ去って見れば楽しい思い出でした。ただし、二度と乗
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怖い話(この手は誰の手)

私は、以前ブログ記事で、子供の頃から金縛りや幽体離脱人の声が聞こえる等の目に遭っていることを書きましたが私がある時に連日に渡ってそういう目に遭っていて、もしもこれが心霊現象だったとしたら、腹が立つと思って、霊能者の方に見て貰ったんですね。で、一時的に私にはそういうことが起きなくなったんです。そうしたら、ある時に主人の方が早く寝ますから、寝室から「う~う~」って苦しそうな声が聞こえてきたんです。でも、私は放っておいてもいいだろうなって思って、放っておいたら、しばらくして、主人が起きてきて、よくよく話を聞いてみたら、女性が主人の手を引っ張ってきたらしいんです。金縛りになっていて、それで助けて欲しくて出しうる声で、う~って言ってたと。で、主人は最初私が手を引っ張ったと思った(私は怖い目にあったら手を引っ張って助けて貰おうとするので)らしいのですがその方向は、本当に少しの隙間しかないですし、私が寝ている場所とは反対方向、しかも私は起きているので、途中で「誰だ、こいつは」となったそうです。私の主人はこういう現象にあったことがあまりありませんでした。(一度はありますが、それはまた別の機会にお話しします。)私が連日苦しめられている現象について、主人は、肯定も否定もしなかったのですが、その日怖い目にあったので、少しはそういうこともあるんだと思ったかもしれません。それで時がたって今度は私がまた苦しんでいる時に、声も出せないので息を荒くして気が付いて貰おうとした時があったんですね。でも、助けてくれず、夫に聞いたら苦しそうにしていたけど大丈夫かと思ったと言われて、やっぱり私が放っておいたから、自分も
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【 秋夜のもっと涼しくなる話・5th 】nonfiction

あれは、とてもリアルな体験ですね。 今、思い出しても何かいたんでしょうね。それはそれは、若かれしころ。 まだ、自分の車がなくて、親父のワンボックスカーを借りて よく遊びに行ってました。 自宅の駐車場は、親父の仕事用トラックが停めてあるので 歩いて7、8分の所に駐車場を借りていました。 借りてる駐車場、遠いですよね。 今の実家の前に住んでいたところが、その駐車場の直ぐ近くだったので、 引っ越ししてからもしばらく借りていたということです。 遊びから帰ってきて、夜中の2時ごろ、ワンボックスカーを駐車場に停めて、 真っ暗な道を家に向かって歩き始める。 駐車場から、前の家、小学校の裏手を周り今の実家。 この7、8分の間、真夜中ということもあるけど そもそも、車も通らない狭い道。誰とも会わない。 小学校の裏手に差し掛かり、小学校沿いを歩いていると なんか違和感がある。小学校側から目線を感じるというか 何かに見られているような感じ。 少し嫌だなぁと思いはありながらも、走ることもなくゆっくり帰宅した。 2階の自分の部屋へ入り、布団を敷いて寝る。 寝て直ぐだと思う。強い金縛りにあった。 頭は起きている、目は開かない。 あっ…っと思った瞬間。 おなかの上に人の小さい足が片方だけ乗っている。 次の瞬間、もう片方の足が顔に向かって一歩前に置いてくる。本当に小さい足。新生児くらいの大きさ。 4~5cmってほどかな。 おなかの凹む感じが間違いなく体重がかかっている。 凄く怖いとは思わなかったが、顔に向かって歩いてくる感じが 何をされるのだろうという思いだった。 数歩あるいて、あ~と思っていた瞬間。 小さい
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【 秋夜のもっと涼しくなる話・4th 】nonfiction

学生時代、ギターを上手に引いてみたくなり、安いエレキギターを購入し、 また、友人の兄からアコースティックギターをもらいました。 そんなに早く上手くなる訳でもなく、 誰か上手な奴に教えてもらうかぁ…と考えていた最中。ギターが上手いという友人を見つけ教えてもらうことに。 驚いたことに家も近く、すぐ行ける距離だ。 ちょっと覇気がなくて、小柄で細身のいかにも楽器やってますって感じの友人。 当日昼頃、友人宅にお邪魔することになり、友人宅の近くに車を駐車。 玄関で友人が待っていて同時にお母さんが出てくる。 挨拶を交わして、友人の2階の部屋へ階段を登っている途中で…。 「ちょっと暗いけど気にしないで」と言われる。 友人の部屋に入ると…真っ暗。 「なんでこんなに暗い?」そう尋ねても、答えにくそう。 目が慣れてボンヤリ明るい中で、「何が得意?」そう尋ねると、 「GLAYかなぁ」と答えながら、アンプに電源を入れて ギターを調整し始める。 もう一度聞いてみる「明るくしないか」 何も言わず照明を点けた。 殺風景な部屋に昼間なのに雨戸が全部閉められている。 「あんまり明るくすると来るんだよね」 「えっなにが来るの?」  「…」言いたそうだけど言えない何か。 困りながらギターの準備完了。 GLAYの誘惑…オープニングを弾き始める。 アンプから伝わる生の音源に興奮。 「うまいなぁ」を連呼し、何度も弾かせる。 教えてもらうというより弾いてもらっただけ。 そんなに長い時間は居なかった。 というより、今、考えると居れなかった。 卒業して、だいぶ長い月日が流れ、久しぶりに会った別の友人から、 その友人が行方不明にな
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【 秋夜のもっと涼しくなる話・2nd 】nonfiction

怖い話を沢山経験しているので、ここでいくつ書けるかなぁ なんて日々考えておりますが、幼少の頃まで遡って思い出します。 はっきり覚えてます、それは小学校2年生の時のこと。 1、2階共に4世帯、計8世帯の1階端のアパートに住んでいました。 長屋になっていて、玄関入ると、キッチン。周辺にトイレ、浴室がある。 その奥に一部屋、またその奥にベランダに出られる一部屋。 長屋の2K仕様です。 その日が学校から帰ってからなのか、休みだったのかは覚えてませんが 親父が休みで、お袋と妹が外出している恐らく昼過ぎの出来事。 親父は中央の部屋に布団を敷いて、普段の疲れからぐっすり睡眠。 私は、ベランダに出られる部屋で学校の図工で習ったばかりの凧作りを再現。親父の寝ている部屋と私のいる部屋は、襖で部屋を区切れるようになっており その日は、親父が疲れて寝ていることもあり、襖は閉めたままで、 襖を正面に見るかっこうで音を立てず遊んでいました。 竹ひごを丁度いい長さに切ります。竹ひごをクロスさせて 凧の幌に合うようにセロテープで張り付けていきます。 ただ張るだけではありません、凧がきれいに飛ぶために 竹ひごが湾曲を描くように上手に張らないとなりません。 とても楽しかったことを思い出します。 その時…。 襖が何一つ音を立てず全開に開いた。 音は出ていないが「スー」っと。 それが、一瞬で誰かがやったことではないと察知し、 身体が硬直して、尋常じゃないと目が見開いて異常サインを出す。 そして、開いた時と同じ速度で、何一つ音を立てずに閉まった。もう、怖いなんてもんじゃない。 無意識に襖を開けて、ぐっすり寝ている親父の
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怖い話『青い蝶の標本』。

大学生二年の夏。 私は標本屋に行った。 そこで一匹の青い蝶の標本を買った。 † 大学の夏休みも中盤に差し掛かり、その日はアルバイトも無かったので、去年から借りた自宅の周辺の散策でもしようとネットの地図を見ながら自宅周辺を調べていた。 すると近場で奇妙な場所があった。 『標本店』。 これは一体、なんなのだろう? 興味が湧いたので地図を頼りに、その店へと向かった。 標本屋は私のアパートから二駅離れた場所にあるみたいだった。 二駅分、歩いた後、うだるような暑い中、自販機で飲み物を買いながら路地の坂道を登り続けた。蝉の鳴き声が多く聞こえる森の多い場所だった。 なにやら昭和の古びた外装のようなお店があった。 そこには『標本屋』と看板が書かれていた。色褪せた蝶の絵が店の壁には描かれていた。 私は店の中に入る。 綺麗な青い蝶の標本が店に入った、すぐの場所に飾られていた。 店内には様々な昆虫の標本が飾られている。 値段を見て、手頃なものがないか探す。 木箱込みで一万円を超えるものが多い。 クワガタなどがまとめられた標本は十万円を軽く超えていた。 何か安そうなものは無いかと探す。 「紙箱だったら、もう少し安くなるよ」 店主は還暦を過ぎた、おじいさんだった。おじいさんから声を掛けられる。 「あ。そうなんですね。蝶とか欲しいんですが」 「ああ。そうだ。廃棄用の箱があった。お嬢ちゃん、よければそちらの蝶が安いよ。特別な蝶だ」 私は蝶の標本がある場所を見ていった。 ひときわ目立つ蝶があった。 翅は青に少し虹色がかっている蝶だ。 珍しい色をしている。 「この蝶は?」 「実は、まだ発見されていない蝶だよ。特
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【 真夏のひんやりする話・6th 】 nonfiction

むかしよく、千葉の南部へ波乗りに行きました。 都心から木更津までは、比較的にぎやかな国道で 複数車線、しかも街灯もたくさんついて安心できる道のり。 木更津からの国道は、片側1車線の静かな道のり。 街灯も少なく、道幅も狭い。 宅地もだいぶ減って、自然が多くなってくる。 海沿いになるので、港町の風情も出てくる。 深夜に走行するので、車の数もほとんどない。 というか、全然ない。 その日は、単独で海へ行くことに。 カーステレオに好きなCDを入れて 好きな曲を好きな順番で我がままに聞き入る。 上機嫌で、ノリノリ。 誰にも見せられないほど恥ずかしいバカッぷり。 (周りには迷惑かけてないと思います(*ノωノ)) 幾つかあるトンネルの1つを通過する前に…突然…空気が重たくなる。 体に何倍もの重力がかかって 空の雲が、車内の天井まで落ちてきて、どんよりしている感じ。 とにかく、空気が重たい。そして、誰かに見られている感じ。 視線を感じる。 体が緊張している。 ボリュームの高い音楽が全く耳に入ってこない。 そっと、音楽を消した。 緊張したまま、原因はわからない。 そのまま、数十キロ走行しいつものコンビニへ すっかりテンションは落ちて、抜け殻のまま。 食事をとって、目的地へ到着。 着替えもして、きちんと準備運動もする。 静かな海で、特に危険な感じもしない。 いつも通り、海には入るが、気分が乗れず。 1時間ほどで、海を上がる。 何の収穫もなく帰宅。 それから調子が悪かったり、特別なことは無かったが あれは、何だったのか? とても不思議な経験でした。 ※カバー画像はすべて、私の撮影したものです。他の画像
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【 真夏のひんやりする話・5th 】 nonfiction

よく波乗りに行きましたね。懐かしい。 地元の友人とよく行きました。 楽しかったな~。でも1度だけ不思議なことがありました。 毎週、車を出す方が、待っている方の家に12時に迎えに行く。 埼玉南部から県道で千葉県に入り、さらに県道を国道357号線へ向かう。 357号線にぶつかったら南下する。木更津から国道127号線でさらに下り、目的地へ。金欠学生だったので、高速道路は使わない。 目的地まで4時間ほど。 運転を交代し、少しづつ朝焼けになってくる。 日が昇る前に、食事と着替えを済ませて、準備運動。 誰もいない海に、一番乗りで入る。これほど楽しいことはない。 そんなある日、いつも通り、いつもの時間に待ち合わせ。私が車を出し、友人の家に12時に迎えに行く約束。 いつも通りアラームを掛けて、早めに寝る。 携帯電話が鳴って目が覚める。 電話に出る「ん~」 友人が出て「今日中止か?」 「ん~」ゆっくり目を開けて、時間を確認。 「あっ悪りぃ今すぐ行く」 時間は12時5分ほど過ぎていた。 なぜかアラームは鳴っていない。 すぐに急いで支度をする。 友人に会うなり。「めずらしいね。遅刻だ!」って笑ってる。 前もってほとんど用意はしていたが、それでも30分ほどはかかって 友人宅を出たのは1時ごろだった。 埼玉南部から県道で千葉県に入り、さらに県道を国道357へ向かう。 途中でいつもの道に警官が数名立っている。 赤く光った誘導警棒が右から左へ誘導する。 いつもの道が通行止めになってる。 減速をして警官に近寄る。 車を止めて窓を開ける。 質問を投げかける。 「何があったんですか?通れませんか?」 警官:「結構
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【 真夏のひんやりする話・3rd 】 nonfiction

むかし、むかしの話 自宅から友人と2人で、レンタルビデオを借りに車で移動。 (DVDの無い時代は、ビデオ屋しかなかった) 運転は、わたし。ビデオ屋までは、2km弱。 ビデオ屋の少し手前に、片側2車線の太い幹線道路がある。その太い幹線道路をしばらく走り、交差点に差し掛かる。 交差点の手前の横断歩道を・通・過… 交差点の中央から、奥の横断歩道に差し・か・か ・ る ・ 前… ブレーキを強く踏んだ! 「おっ?どうした?」 友人の声が聞こえた。 アクセルを踏みなおし、事情を話す。 一瞬、同じ景色なのに周りは真っ暗。その目の前の横断歩道を、1匹の猫がこちらを向いて横断している。轢いてしまうと思い、強くブレーキを踏んだと…伝えた。 そう驚く様子もなく、「大丈夫かぁ?」と一蹴された。ビデオ鑑賞し解散。 昼の出来事をすっかり忘れて、 暗い道のり、一人、車でビデオを返却しに行く。 例の場所で、猫がこちらを向いて横断している。 そう、同じシチュエーションで。 分かっていたことなので、ブレーキはそれほど掛けず。 慌てることは無かったが… 心臓は、高く鼓動していた。
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【 真夏のひんやりする話・2nd 】 nonfiction

実家に暮らしていた、ずいぶん昔の話実家は、玄関に入ってホール正面にキッチン・リビングダイニング、 左手に浴室、右手に階段。ダイニング奥に、親父とお袋の寝室。 もちろん、トイレ、洗面所がある。 2階には、1階から階段をらせん状に上がって正面に妹の部屋。 左手にトイレ、右手に私の部屋。 その日は、遅く帰宅。確か2時ごろだったと。 静かに玄関を開け、両親を起こさないように、 右手の階段をループ状にゆっくり上がる。 階段の途中で気づく、 すでに就寝中のはずの妹の部屋が、閉まったドアから光が漏れている。 こんな時間まで、起きているはずがない。 何か気になって、ドアをノックする。 妹:「なに?」 ゆっくり扉を開けると、テレビと照明が日中のように明るく点いている。 私:「まだ寝ないの?」 妹:「寝たいけど、明かりを消すと入ってくるから」 なに?なに?なにが? 私:「えっ?なにが?」 妹:「そこにいる。ベランダに…」「髪の長い女性がいる」 私:「はぁ?何ってんだ!早く寝ろ」 翌朝、妹に尋ねるが、「何とか寝れたよ」と、だけの軽い返事。私の妹は、よくこういうことがあります。当たり前のように。 妹が嫁いだ後、がらんどうになったその部屋は、私が帰省するときに使う部屋…。 寝る前に、必ず雨戸を閉めます。
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【 真夏のひんやりする話 後編 】nonfiction

前編よりOP:「先ほど、対応させていただきました〇〇と申します。    その後、いかがされましたか?」 お客様:「やっぱり今日は、無理そうなんです。」 家にいることが難しいと分かったOPは、提案をする。 OP:「本日だけでしたら、お近くのホテルへ宿泊されては、    いかがでしょうか。ホテル代の補助は出ませんが、    ご自宅に居られない状況なら、仕方ないですね。」なんだか、違和感があり、おかしい。ん~? OP:「お近くに、どなたかいらっしゃいますか?」 お客様:「教会の神父様が…。」 ん?この時、OPは、”いま近くにいるのか”という質問に対し、お客様は、”近くに住んでいる”という意味で答えているのか、わからない状態だった。OP:「…いま、お一人ですか?」 お客様:「いまは、一人です。」 OP:「教会に行かれるのですね。」 お客様:「最近は行ってませんが、時々行きます。」 どうも、5年前、この住居へ入る際に、神父も一緒に来て内覧したとか。 OP:「申し訳ございません、今すぐ対処する方法が御座いません、やはり、    ホテルを取っていただくしかありません。あとは、教会に行かれるの    であれば、教会へも相談されては、いかがでしょうか。」やはり、いま時点では、どうにも出来ないと感じたのか。諦めていただくことに。 お客様:「はい…。わかりました…。」 先ほどと、同じように終話となる。 コールセンターは、色々な方が、電話をしてきます。 お酒を飲んで、延々とからんでくる方。 上機嫌だったのに、急に切れてくる方もおります。 ん?なぜ?OPは、「お近くに、どなたかいらっしゃいますか?」こん
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【 真夏のひんやりする話・前編 】nonfiction

2日前に、知人から受けた相談話。  コールセンターの片隅、遅い時間に入電のコールが鳴り響く。 ゆっくりとした、弱々しい口調で、お客様が住所と名乗りを申し出る。 オペレーター:「本日は、いかがされましたか?」 (以後、OP) お客様:「とても、居づらいんです。」 近所の騒音など、よくある質問を投げかけても 「よく、わからないです。居づらいんです。」としか、答えない。 OP:「では、お客様の情報を確認いたします。頂いている番号が、    050から始まる番号ですが、お間違いないですか?」お客様:「えっ?050の番号?、050の番号から掛かってますか?      登録した番号ではないですね。050の番号?」 OP:「それでは、ご登録の番号をお聞かせいただけますか?」 お客様:「090…」 OP:「確認が取れました。ありがとうございます。」 結果、050の番号は、昼間受けるはずの営業所からの転送だと分かった。 OP:「よく、給湯器など微弱な電波により体調を崩される方がいらっしゃい    ますが、心当たりはありませんか?」お客様:「言いづらいのですが…そういうことでは、ないです。」 何を、どうして対処して良いか、わからなくなっているOP。 OP:「いつごろからですか?」 お客様:「3日くらい前からです。」 OP:「住まわれて、どれくらい経ちますか?」 お客様:「5年くらいです。」 OP:「…住み慣れている場所ですね。夜中だけですか?」 お客様:「いえ、ずっとです。日中もです。居づらいんです。」 OP:「なんでも結構です。感じること、霊的なもの、    教えていただけますか?」 お客様:「
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ライター時代に職場が崩壊したときのお話

皆さんこんにちは!路上で100人の悩みを聞いたアラサー男子のコウヘイです。皆さんは職場が崩壊していく様を見たことはあるでしょうか?今回は私がライター時代に実際に体験した職場の崩壊を話していこうと思います。あれは3年くらい前の出来事です。当時の私は某Webメディアの記事を書くライターとして勤務していました。当時の私の書く記事は部署内で閲覧数一位を獲得していて少し、いやかなり調子に乗っていたことを記憶しています。そんなノリに乗っている時期でしたが、一つだけ問題がありました。私のチーム内に極度のメンヘラちゃんが居たのです。そのメンヘラちゃんは業務中に急に泣き出したり、デスクを急に殴り始めたりととにかく情緒が安定しませんでした。そんなメンヘラちゃんの対応に私の上長も段々気を病んでいき、トイレにこもって怨み言をブツブツ呟くようになっていったのです。指示や助言を仰ごうにも上司は引きこもり状態だし、メンヘラちゃんは突然暴れだすしで私たちの部署はどんどん消耗していきました。ちょうど私も調子に乗っている時期だったので周りに気を使えなかったこともあり、チームは最終的に分解状態になったのです。そして私は最終的にライターとしての契約を切られてしまい路頭に迷うことになります。しかしあの刺激とスリルに満ちた時期を私は一生忘れることはないでしょう。
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4年前の…

今日は、夏なので!少し怖い話をしようと思います♡これは~、4年前、下の子を出産した時のお話しです。---4年前---私は、血小板が少なかったので、産婦人科ではなく、総合病院で出産したのですが、出産後もそのまま、総合病院に入院することになりました。赤ちゃんを産んだばかりなので、ここは奮発して!と、シャワー室も付いてる、個室に入りました。昼間は、看護師さんや、患者さんの声などが聞こえて寂しいという事はありませんでしたが、夜になると、みなが寝静まるので、やはり、寂しい感じになるんですよね。それでも、病室などは綺麗ですから、怖いという印象は全然ありませんでした。が、4日目の夜。いつも通りに寝ていると、金縛りにあったんです。私、よく金縛りにあうので「あぁーやっぱり、きたか」というくらいでした。いつも、金縛りにあっても、特に怖い事など起こらないので、余裕だったのですが、、、この日は違いました。病室のドアがゆっくりと開く音がしたので「あれ?看護師さんの見回りかな?」と、一瞬思ったのですが、何かが違う。近づいてくる何かが居るのは、分かるのに、音が全くしないんです。体は動かないし、目も開かない状況で、しかも、ベッドの隣に置いてあるベビーベッドには生まれたばかりの子ども。「どうしよう…どうしよう…」と、思っていると、今度は赤ちゃんの泣き声が、部屋中に響き渡ったんです。でも、よくよく聞くと…その赤ちゃんの泣き声は、私の耳元で聞こえているようでした。私の子どもはベビーベッドに居るはず、じゃーこの泣き声は…誰?数分すると、金縛りがとけ、慌てて起き上がり子どもを見ると子どもはスヤスヤと寝ていました。変なも
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路上で知り合った星を掴みたいおじさんのお話

こんにちは!路上で100人の悩みを聞いた男のコウヘイです。皆さんは日常生活で愉快な出来事に遭遇していますか?私は普段から路上で多様な方のお悩みを聞いているので、ユニークな人材と喋る機会が多々あります。今回はそんな路上で知り合った愉快なお客様との話しを書いていこうと思います。あれは3月頃の出来事です。いつものように路上で待機をしている私の前に佐野史郎によく似た中年男性が現れました。その方は私に1円を渡してこう言いました「私、ときどき人生で虚しさを感じることあるのです」私自身急な独白に戸惑いましたが、彼はそのまま空に手を伸ばします「夜空にある星を掴んでも手には何も残らない、それってとても虚しくないですか?」私はこの予想の斜め上をいく相談に言葉を失ってしまいましたが、彼は自称ロマンチストでこのような非生産的な悩みを年中無休で考えているようです。そして私は助言として「お金を貯めて惑星の権利を買うのはいかがでしょうか?」という前澤社長もビックリの無謀な提案をしてしまいました。しかしこの無謀な提案に彼も割と乗り気で満足されたようです。そんな浮かれ気分の彼に私はとある質問をしました「ちなみにお客様はどんな仕事をされているのですか?」先ほどまで満面の笑みで浮かれていた彼は急に真顔になりこう言いました。「無職です」彼は星を掴む前に職を掴む必要があったのでした...
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路上で知り合った彼氏との子供を妊娠したい女性のお話

皆さんこんにちは!路上で100人の話を聞いた男のコウヘイです。 私が普段立っている路上は人通りが多く、特に下校時間になるとたくさんの学生さんが道を賑わせています。 そんな学生さんの中で印象に残っている悩み相談を書いていこうと思うので、お付き合いいただけたら幸いです。 あれは四月頃だったと思われます。 いつものように繫華街の路上で待機をしている私の前にパンクロック風に恰好をした女性が現れました。 「財布の小銭全部あげるので悩みを聞いてくれない?」 話を聞いてみると彼女は美容学校の専門学生で最近彼氏から価値観が合わないので別れたいと言われているらしい。 しかし彼女は彼氏とは別れたくないようで、破局を避けるために恐るべき作戦を練っていました。 「彼氏との子供を妊娠してやろうと思う、そうしたら別れられなくなるから」 私はこの無謀な作戦に驚愕し、言葉を失ってしまいました。そして彼女は続けます。 「最近は避妊もしていない、子供できると思う?」 「できると思いますよ...」と私は返答することしかできませんでした。 私の回答に彼女は結構満足されたらしく、お互いに談笑して悩み相談は終了。 最後に私はスクールデイズというアニメを彼女に勧めました。 このアニメは伊藤誠という主人公がヒロインの西園寺世界という女性を妊娠させてしまい泥沼の修羅場の中、殺し合いにまで発展してしまう凄惨な物語です。 この物語を見ることで彼女自身のやろうとしていることがいかに恐ろしく、凄惨な結末に至る可能性を秘めているか気づいてくれればと思いました。
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今、日本で一番読まれている怖い話(900万回表示)

  とあるマンションの注意書きが、怖すぎるとSNS(世界バズリズム)で900万回以上表示されている投稿があります。   夜間外出の注意   平素より当マンションの運営にご理解、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。  早速ですが先日より発生している不審者の目撃に伴い午前1時から3時の不要不急の外出を控えるようお願い申し上げます。  当該時間帯に外出が必要な場合は決して一人では行動せず、視線を下げて移動するようお願い申し上げます。  また、「タチバナ」と名乗る女性に声をかけられた場合は決してその顔を見ず急いで構外に出るか、近くの部屋に助けを求めるようよろしくお願い申し上げます。  その際、404号室には入室なさらぬようご注意ください。 以上、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。    404号室では一体何があったのでしょうか。めちゃ怖いですね!  https://coconala.com/services/983852 (左下のハートを押して下さると嬉しいです)
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イラスト『澱み』。※ホラーイラスト描いています。

ホラー、怪談系のイラストを描いています。ホラーの執筆もしています。よければご依頼くださいませ。
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ホラー小説『遊漁奇譚』

「ああ。辞める予定なんですよね。欲しいアクセサリーの代金が貯まったら」    私の眼の前に座っているのは、四十路の中年男性だった。  大学二年生の夏休み。手っ取り早く、稼げるバイトは無いかと、私は夜職の求人情報誌を手にして、余り人がこなそうなキャバクラの面接を受けて採用された。キャバ嬢デビューだ。店から私に見合った服を借りた。 「今時の若い子は奨学金とか、大変なんだろう?」 「いえ。私は本当に欲しいアクセサリーのお金が欲しくて。昼のアルバイトだと余り稼げないじゃないですか。だから、手っ取り早く、夏休みの期間だけ稼げるバイト無いかな、って。基本、怠け者ですし」 「そうかなあぁ」 「私、同性に嫌われるんですよねぇー。ファッションなのかなー? 性格もかも。だから、年上男性の人が好きなんです」 「ふうん。本当は格好いいホストとか好きなんじゃないのかい?」 「いや、全然? 私、恋愛とか怖いんですよねー。実は処女なんですよ。……本当ですってば、私、性格悪いから男出来ないんですよねぇー」 「性格悪い子は好きだなあ。君みたいに可愛い子なら」  その中年男性は高い酒。それもアルコール度数の高い酒を注文してくれた。  私はまだ実は未成年だと、こっそり言ったら、私の分のジュースを注文してくれた。 「ありがとう。それで、私、この仕事は辞めるんですけど。実はユーチューバーやっているんですよね、怖いお話を語る系の。チャンネルは言えないんですけど…………」 「まあ、そうだよね」 「で。お兄さんの体験した怖いお話、聞かせてくれませんか? ぶっちゃけ、此処のお仕事よりも重要なんで。あ、これ、他の子や黒服とかに内
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ライター時代の怪談 その3ー完結編

🌛護摩祈祷で祓っていただくここのお坊様がとても気さくな方で、取材ついでに、最近こんなことがあって‥‥、と事の次第を説明しましたら、じゃあ、お祓いしましょう、ということになったのです。真っ暗な洞窟の中で、護摩を焚いて、燃え盛る火にお札をくべる。お坊様が祈祷を捧げてくださる。その様子をカメラマンが撮影します。奇妙なこともなく、無事、全ての段取りが終わり、スタッフ一同、帰路に着きました。私は心なしか体が軽くなったようで、取材後は打ち上げに出てカラオケまでたしなみました。こうして度々あった霊障のようなものは祓われた!と思っていたんです。が、帰ってから2、3日して、カメラマンから連絡が来ました。護摩焚き上げの写真に狐が写ってる!と。見てみると、確かに燃え上がる炎が狐の顔に見えなくもない。でも信じたくない私は、いやいやいや‥‥またまたまた‥‥、と受け流していました。🌛耳が聞こえなくなるその頃には、島取材の時、痛かった喉やカスッカスだった声はすっかりよくなっていましたが、今度は少し左耳が聞こえにくくなっていました。風邪を引いた後、鼻をかみすぎたりして、ちょっと耳に違和感があるときのように。12月で忙しかったのもあり、さほど気にせずにそのままにしていたのです。しかし、いよいよ不快感が募り、時間ができた時に耳鼻科に行ってみたら、突発性難聴と診断されてしまいました。すぐに薬を飲めば治る可能性もあったようですが、違和感を感じてからもう2週間以上過ぎていましたから、おそらく治らないだろうと言われました。これも霊障だったのでしょうか。ライターの仕事は、人の話を聞くことばかりなのに、耳が聞こえない、なんて
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ライター時代の怪談 その2

🌛iPadが騒がしくなる原稿を書き上げたその夜は、夜中2時頃に枕元に置いてあったiPadが急に煌々と立ち上がり、動画の再生が始まりました。動画は寝入る直前まで見ていたHuluのものだったので、まあ、そんな誤動作もあるのかなと思い、なんだよー!とぼやいて、iPadを消してまた寝ます。が、またしばらくすると、今度は音楽が鳴る。次は目覚まし。3回、起こされました。元来、自分に霊感があるとは思っていないし、心霊現象は信じるけれど自分に起こるとは思っていないタイプなので、とにかく眠い!と寝るのですが、朝起きてやっぱり変だなと考える。いくら寝返りを打った拍子に画面に触れたとしても、アプリが起動することってないはずなのに。と。そんな夜から2、3日経って、旅記事の取材でとある島に行くことになりました。🌛島に着いてきたおばちゃんたち午後2時くらいに島のホテルに着いて、あてがわれていた1人部屋で一休みしました。1人では広すぎるくらいのダブルルーム。部屋のドアを入ると上がりかまちがあり、ちょっとした廊下がある。右に靴箱、左にトイレと内風呂。開戸を開け、和洋折衷の部屋に入ると、右の壁を頭にしてベッド、左壁には小さめの座卓、突き当たりに窓、といった部屋でした。特に嫌な感じはありません。私は荷物を座卓の辺りに置き、楽な格好に着替える等してから、打ち合わせのため、スタッフ集合場所のロビーに行こうと部屋のドアのほうへ向かいました。すると、どこからともなく、ガヤガヤっと結構な人数の話し声が聞こえるのです。あれ?隣かな?と思ったのですが、隣はおそらく空き部屋。少なくとも、一緒に来た他のスタッフは別の階でしたし、シ
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ライター時代の怪談

ライター時代、たくさんの著名人にインタビューをさせて頂きましたが、その時の不思議な体験をひとつ。🌛日が差しているのに薄暗いスタジオある俳優さんにインタビューしました。誌面に載せる写真撮影も兼ねていたので、インタビュー場所は、とある撮影スタジオ。俳優やタレントさんの取材でよく使う馴染みのスタジオではなく、普段使ったことのない、日は差しているのにちょっと薄暗く感じる場所でした。今思えば。しかしながら、俳優さんの対応も和やかに、何の問題もなく、撮影もインタビューも終わりました。さて、その夜、私は観劇の予定があり劇場へ行ったのですが、なぜか寝違えた時のように右肩から首が痛く、芝居を見ている間じゅう、肩が痛いな、とモゾモゾしていました。そのことは同行したカメラマンの友人も覚えているそうです。朝起きた時には違和感などなく、取材に行き、お昼ご飯を外で食べて、劇場へ行っただけで、途中、肩が痛くなるような動きをしたとは思えなかった。でも、私は特に気にしていませんでした。翌日には治ったような気がします。🌛音声が聞こえないほどの激しいノイズそれから10日くらい経った頃でしょうか。インタビュー原稿の締切が近付いてきました。原稿を書くために、ICレコーダーで録音した音声データを再生したところ、ガガーーーッ!というノイズでインタビューの声が聞こえないのです。ラジオのチューニング中のようなノイズです。あ、またか。と私は思いました。この経験は私にとって初めてのものではありませんでした。以前、別の俳優さんを取材した時にも、同じような不可解なノイズで音声が聞き取れないという事故がありました。その時も、今回インタビ
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小説『奇妙なお城の怖くて不思議な話』

 男は門の前に立つ少女を眼にして、胸が躍っていた。  少女は五、六歳くらいだっただろうか。  桃色の髪をしていた。自毛だろうか。  少女の名前はイリーザと言うらしい。大きなヌイグルミを大切そうに抱えている少女だった。  両親、祖父母の四人を皆殺しにした。  彼女には兄弟もいたが、彼らも殺した。 男は殺人犯だった。  元々は裏社会の用心棒だったのだが、そんな裏社会からも逃亡した。元々は傭兵として訓練を受けていた事もある。男は貧困の中、育ち、親からの愛は無かった。  男の顔は醜く、表情も邪悪に満ちていた。  彼は殺人鬼だった。  死臭が彼にはこびり付いて、それはシャワーで幾ら洗っても落とせないものだった。 「おじちゃん。何者?」  幼少期の少女は、その男を見て、無感情な瞳で見ていた。  彼女は大きなクマのヌイグルミを手にしていた。 「君のお父さんもお母さんも、もう、このお城の中にはいないよ…………」  男は少女を散々、なぶってから殺す事に決めた。手したナイフに舌を垂らす。 「ああ。私、殺されるんだ?」  少女は浮かない顔をしていた。 「お嬢ちゃんは死ぬのが怖くないのかい?」  男は何気なく訊ねる。 「いや別に…………。私、その、生まれ付き、頭がおかしいんだって……」  少女は言い淀んでいた。 「恐怖を感じるとか、そういう心が無くて、お医者さんに見せられて……」  少女の顔は少し曇る。だが、それだけだった。  彼女の表情にも、心にも、恐怖による動揺は微塵も無い。自身の死すべき運命を受け入れている、というよりは、まるで死や暴力が何かを理解していないみたいだった。あるいは、自身の家族の死
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ガラガラガッシャン。物音がする家

 こんにちは。これはパートナーと初めに一番最初に住み始めたおうちのお話です。 結婚前なので20年以上前に住んでいた家の話なんですけど・・・。 パートナーが決めてくれた家に引っ越した私。 別に事故物件と言うわけでもないと思います。 だって入った時何もいませんでしたし。。。 間取りはこんな感じ。リビングの隣の和室でパソコンをしていると、リビングダイニングで、積み重ねた鍋が崩れるようなガラガラガラガッシャンという音がよくしていました。 和室とリビングダイニングの間の扉はすりガラスの引き戸。 不思議とこの引き戸を閉めている時しかしないんですよね。 この家に住んでいた頃、パートナーは出張が多くほとんど家にいませんでした。 で私一人の時にガラガラガッシャンですよ。 でもダイニングを見ても何も変わったことがありません。 二人暮らしなので、鍋もそんなにないですし、重ねてないんです。 重ねた鍋が崩れているのなら理解できるのですが、鍋は洗ってコンロの上。 鍋2つとフライパン一つ。 鍋一つは洗うところに水につけていることが多かったです。 鍋重ねてないのに、なぜ鍋をいくつも重ねて崩れたような音がするのか。 そんな音ならまだしも、たくさん重ねた鍋を10センチぐらいの高さから一度に落としたみたいな派手な音も。 でもダイニングでは変わったことなし。鍋も全く動いてない。 それ以上のことは起きませんでしたが、うるさい家でした。 今もまだあのアパートはありますが、たぶん何も起こってないんだろうなあ。 私が住んでいた実家も色々ありましたが、実家は土地が悪いと思っていました。 もしかしたら私が住んだところがお化け屋敷
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もうすぐハロウィンですね。ハロウィンの怖い話でも。

もうすぐハロウィンですね。日本だと怪談話は七月、八月の暑い季節に語られるものらしいのですが。外国だとハロウィンの時期に語られるとも聞きます。日本と欧米の文化の違いかな、と思います。当方、ホラー小説を執筆するお仕事をしているのですが。ハロウィンに関して、怖い話は無いかと調べていた処。ハロウィンの起源は諸説あるのですが、ハロウィンは光と闇の時期が朧げになる日、あの世とこの世の境界が境目になる日みたいです。夏を光の時期、冬を闇の時期として、冬に差し掛かる10月31日を闇が始まる日としたそうです。ですから、生命力の弱い子ども達に仮装をさせてあの世の住民に連れて行かれないようにする為の儀式なのだとか。ちなみに古代ケルト民族の祭りなのだそうです。昔の人々の考えに触れると、とても面白いなあと思います。さて、皆様もHAPPYHallowe'en。もしよければ、ホラー小説執筆のご依頼、宜しくお願いします。
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【祖父母の実話怪談】電線にぶら下がるもの

 前世占い師の立花です。今日は祖父母に聞いた話です。 私の実家の土地は非常によくありません。  そんな土地を買って移ってきた祖父母。祖父母がまだ若いころ、こんなものを視たそうです。【実話怪談】夜中に目が覚めて・・・ 祖母が部屋から出て、外にトイレに行くことにしました。 その家は今もですが、トイレが外にあるんですよね。 家の裏手に回り込んで、蔵の中にあるトイレを思い引き戸を開けて入る。 ややこしい構造になっています 祖母が外に出て裏手に回ろうとしました。 そこには線路に沿って電線があるのですが。 そこの電線にびっしりと・・・・ 人魂。 人魂が無数にぶら下がってフワフワと揺れていたそうです。 ばあちゃん絶句。我に返って慌てて祖父を呼びに行きました  祖父がやってきても人魂は消えず、ふわふわと揺れていたとか。 それは幻想的だけれど、めちゃくちゃ怖かったそうです。 祖父が「もう寝ようか」と言うので、そこにいてもらってトイレに慌てて行って布団をかぶって寝たとか。 朝には何もなくなっていたそうですが・・・。 その電線の下には線路があります。 そこは狭い道になっていて、遮断機も何もないですが地元の人が線路を横切る道になっています。 自○か事故かはわかりませんが、定期的にそこで電車に轢かれて亡くなる人が出ます。  その人たちが人魂に? と祖母に聴くと「いや。そんな数じゃなかったが」と。 結局正体はわかりませんが、その土地は昔戦場だったとか。 戦場だった時に亡くなった人たちなのでしょうか・・・。 見たくないなあ。電線一杯の人魂なんて・・・
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今日起きた不思議な出来事

こんばんは!ここらぎです✨本日は「今日起きた不思議な出来事」についてお伝えいたします。是非お付き合いくださいませ♪※怖い話という程でもありませんが、苦手な方は注意です(❁´◡`❁)黒い影最近は暗くなる時間が早くなりましたよね ╯︿╰我が家は午後6時を過ぎると廊下が真っ暗になります>﹏<本日の午後7時くらいのことです。家には私と父のみがいました。夕飯を食べ終えた父は洗面所で歯を磨いていたそうです。洗面所からは廊下が見え、廊下の先には和室があります。父が歯を磨きながら廊下の方をふと見てみると何やら黒い人影が見えたそうです(ʘ ͟ʖ ʘ)「あれ?お母さん帰ってきたのかな?」父がそう思いながら見ていると、その人影は激しい勢いで和室に入っていきました。「不審者かもしれない」焦った父は人影の後を追い和室に入ったそうです。ですが和室は真っ暗で誰もおらず、物音すらしなかったみたいですよ *_*わたしですか?その時間帯はのんきにお風呂に入っていましたよ(❁´◡`❁)それにしても母は全然黒くないのに、どうして父は黒い影を母だと勘違いしたのでしょうか?父の頭は本当に不思議です!宣伝不思議な話を聞いたついでにこちらのサービスいかがですか?本日もお読みいただきありがとうございました(*^-^*)
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【体験怖い話】4人の闇の使者

 今日は私が体験した怖い話をしたいと思います。 これは茨城と栃木の県境のお話です 当時、私は彼と同棲中。で、夜よくドライブをしていました。 この当時はよく不思議なものを見たのですが、その中で私が一番怖かったお話です 茨城と栃木の県境の旧道を順調に走っていました。 夏の夜中に田舎道をドライブ。 片側1車線の田舎道で今は新道ができているようですが、田んぼや旧家の間を通るような道でした。 運転席には彼で、私は助手席。楽しくドライブをしていました。 (と言っても結構いろいろ見るんですけどね) とある場所を通った時、前方に黒い影が4つ見えました。  私は子どもだと思って、彼がブレーキを踏むと思っていたのに全く踏まない。  彼の方を見た時に、黒い子供がちょうど運転席の窓に見えました。  フードを目深にかぶっていて、その中は何の感情もない虚無に見えて震えました 車の前に二人いて、子供を轢いてしまうと慌てて踏ん張って衝撃に備えました。 あれ? 衝撃がない。 混乱している目の中に昔ながらの葬式提灯を二つぶら下げたそこだけ明るい旧家が見えたんです。【体験怖い話】4人の闇の使者の正体考察 今思えば、あの四人の子供は死神だったのではないかと思うわけです。 4=死 が連想されますし、そんな時間に子供が田舎道にいるはずもありません。 お葬式が近くで行われていましたしね。  死神と言えば骸骨で鎌を持っているイメージですが、色々な体験談で聞く死神は一定の姿を持っていないようです。 1秒にも満たない一瞬の中で、フードの中を覗いてしまった時虚無を感じたのは「魂を刈り取る者に魂や感情はいらない」からだったのかもしれ
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【実話怖い話】生霊って信じますか?

 電話で占いをしている時に、相談者さんに“良くない者”いわゆる霊が憑いている時は私の場合は鳥肌が立ちます。 遠隔で占いをしている時は、ノイズに見えることもありますしはっきり見えることもあります。 その中でも、生霊と言うものは非常に強く、祓っても祓っても何度も来るので始末が悪いんですよね。 占っている時に生霊を感じて、「失礼ですが」と生霊の話をしたところ、思い当たられる節があってそのご相談もいただいたことがあります。生霊に憑かれた幼少時代 私の幼馴染に生霊になりやすい体質の子がいました。 私が体調が悪くなると、祖母が太夫さん(高知の民間信仰イザナギ流の神官さん)に電話してくれました。 すると「生霊が来てるねぇ」と言われることが圧倒的に多かったです。 私の場合は亡くなった方より、その子の生霊が圧倒的に多かったです。 憑かれると、ウツのようになって無気力になってしまったり何もイヤなことがないのに気分が落ちてしまったりするんですよね。生霊は古来から確認されている世の中には「生霊になりやすい人」と言うのがいるようです。『源氏物語』には、光源氏を愛するあまり、彼の妻や恋人を呪い殺してしまった女性がいました。その名は「六条御息所」と言う話は有名ですよね。『源氏物語』では嫉妬のあまり生霊になると言うお話でありましたが、嫉妬と言うのは何も恋の物だけではありません。「あの人の方が恵まれてる」「あの人の方がいい思いをしている」 その裏に努力があったり、実際にはそうでなかったとしても、生霊を飛ばす人にとっては関係ありません。 生霊になるほど嫉妬するくらいなら、努力すればいいのに。は禁句なんです。 生霊
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【実話怖い話】自宅が必ずお化け屋敷になる話-声・音-

 こんにちは。今日は私の怖い?話です。もう慣れちゃって怖いも何もないんですけどね。【実話怖い話】必ず自宅がお化け屋敷になる 私が住むとどんなに霊的に“綺麗”な場所でも、お化け屋敷になります。 解呪巫女(呪物の呪を解除する神社の巫女)として働いている我が子に「破月の存在が呼ぶんだよね」と言われてしまいました。・・・実害は・・・たまにあります(笑) 今日はそんな色々な実害の中から、「声」にまつわるお話を厳選してお届けしたいと思います。 私は引っ越しがとても多かったのですが、これは大阪のマンションに住んでいた時の話です。  この場所の怪異は声によるものが多かったんですよね。【実話怖い話】誰の声でもない「ありがとう」 子供たちと話をしていると、とてもかわいい女の子が耳元ではっきりと「ありがとう」というのが聞こえました。 我が子たちの声ではありませんし、ものすごくはっきりしていて子役の声のようでした。「ありがとう」の意味は分かりませんが・・・。この時、私が飼っていた鳥が死んだばかりでした。「鳥がお礼を?」と考えるといい話になるのですが・・・。鳥を死の世界に連れて行った者のお礼の言葉だったら・・・嫌だなあ・・・。【実話怖い話】「帰ったよ」 同じ家での話です。うちの夫は仕事から帰ると玄関で必ず家に声を掛けます。で、私が出迎えるというのが日課になっていました。 玄関は壁の向こうでリビングからは見えません。 その玄関で男の声で「帰ったよ」と聞こえました。で、出迎える私。誰もいない。 同じ日に騙されること3回。本当に帰ってきた夫にその話をしたら「俺、『帰ったよ』なんて言わないよ。『ただいま』ってい
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【火災経験者が語る②】人の心理の恐怖と火事の実話

【火災経験者が語る②】人の心理の恐怖と火事の実話――怖い。助けて。誰か、お願い。 だけど、怖いって思ったり、泣くのは後でいい。 今は冷静でいないと。自分も、他の住民の命も危ないかもしれない。 窓を開けた後、私は大通りの人達に向かって叫びました。 私「火事が起こっているんです!2階では煙が充満していて、火災の状況が分かりません。外から見た状況を教えてください。それと、消防署に連絡をお願いします!!」 男性「さっき消防署に連絡しました!あと…外側の階段が燃えていますが、その階段から降りてきてください」 …ん?うん。 爆発したばかりの ” 燃えている階段 ” から脱出…ということですね。 私(ちょっと待ってよ…めっちゃ怖いじゃないですか…) 私「分かりました!ありがとうございます。助かります!」 男性「頑張ってください!」 あぁ…はい。そうですよね。頑張るしかないですよね…。 おまけに、なぜか10人以上いる野次馬達。彼らは無言で見ているのみ。 …火を見ると安心する方々なのかもしれませんね。 そこで、私の脳内に6つの選択肢が出ます。 1. 爆発したばかりの階段を全力で駆け下りる。2. 布団を窓の外に投げて、窓から飛び降りる。 3. 窓から思い切り飛び降りて、外車をクッションにする。 4. カーテンかタオルを濡らして強度を上げて、簡易ロープを作る。 5. 何もしない/他の策を考える(死因の46%程は逃げ遅れです…)。 6. 階段を使って上の階に逃げる(これも微妙ですね…)。 ※また、窓から飛び降りる場合、物理法則/飛距離的に70%程フェンス・塀にぶつかるアパートの設計です。運が良くて骨折
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【火災経験者が語る①】火事の実話と生存本能の重要性

【火災経験者が語る①】火事の実話と生存本能の重要性こんばんは。ご閲覧ありがとうございます! 実際にアパート火災を経験した真島です。 今回は、番外編として火災の実話を語ります…。 ※本記事はかなりヘビーな実話のため「火災はちょっと…」という方はそっとページを閉じて頂けると幸いです( ;∀;) また、火災が題材のため少し不謹慎な内容となり、不快に感じることがあるかもしれません。その点はご了承願います。 【自分で脱出する!】アパート火災の恐怖「救助は期待できない」当時の私は、某県のアパートで一人暮らしをしており、2階に住んでいました。格安アパートに住んでいたため、隣人は外国人。共通言語は英語。 もちろん、居住者の中には日本人もいますよ! でも、アパートの住人とお話する機会は殆どありませんでした"(-""-)" 実は、そのアパート。 エレベーターの扉が勝手に閉まったり、動かなくなったりしていました。 おまけに、エレベーターの段差に「ズレ」があったんです。 【エレベーターに問題か!?】格安アパートの驚愕する事実なぜエレベーターにそんな不調が起こるか。 正直に申し上げると「近いうちに落下する」という予兆なんですね。 あるいは、人が乗ったまま急停止する予兆。 冒頭で、私は「格安マンションに住んでいた」とお話しました。 実は、この格安アパート。昔のエレベーターを採用していたんです。 ざっくり説明すると「パーツの取り換えが効かない・丸ごと取り換えるしかないエレベーター」です。だから私は、普段から階段を使用していました。 そして、某日。2階の自室で休日を謳歌していた時。 「ドーーーーーン!!!」と
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怖い話『真夜中の水族館』

 私の通っている大学の近くには、深夜二時まで営業しているBARのような雰囲気の喫茶店がある。学校帰りに何度か寄ってみたが、どうもお酒は出さないらしい。  BARの中は水槽が並んでおり、熱帯魚やらなにやらが飼育されている。亀やエビなど、も飼育している。さながら小さなアクアリウムといった感じだ。  そこで出されるカレーライスやパスタ、ハンバーグ定食などはとにかく絶品だった。飲み物やケーキ類もボリュームがあってお得感がある。店内には本棚が多く、漫画なども置かれている為に居心地の良い空間として私はその喫茶店でレポートやレジュメなどを書いていた。 「貴方、そこの大学に通っている子?」  五十は過ぎている、優しげな表情の女性が私に訊ねる。 「はい。そうですけど」 「そうなのね。大学生なら話してもいいわね。このお店、深夜0時を過ぎたら、特別なメニューが出されるの。もし、終電を逃したりしたら、よければいらしてね」 「そうなんですね。覚えておきます!」  私はボリュームのあるカルボナーラのパスタを口にしながら、アイスティーを口にした。パスタとドリンクがセットで800円。パスタにはサラダとデザートも付いてくる。中々に安い。 「じゃあ、もし、夜中に立ち寄ったら、特別メニューを注文しますね!」 「あいよ。若い女の子がレジをしていると思うけど、よろしくねっ!」  おばちゃんは、とても元気な笑顔をしていた。    それから、一か月くらいした頃だった。  私はサークルの仲間達と飲んでいた。 「サキ、終電逃しちゃったね……」  マリサはぐでん、ぐでんに酔っぱらっていた。  例の小さな水族館をモチーフにした喫茶
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『怖い話』アプリ『怪談』

 私は今年、二十一歳になる女子大生だ。  とある、出会いの場があるアプリに友人に誘われて登録する事になった。  そのアプリ内では恋愛や結婚などの出会い目的の場所だ。登録してみると、男からのメッセージが本当に多い。私はそのメッセージがうざくなったら、性別の欄を男にしてみたら、ぴったりとメッセージが止んだりした。アプリ内では年齢や顔を偽っている者もいたり、性別を偽っている者も多い。「遊果(ゆか)に付き合うのは、今回だけだからね」  私が元々、このアプリを使い始めたのは、高校からの友人である遊果に半ば強引に誘われてからだった。遊果は高校時代から彼氏が二人いたり、大学に入ってからも、関係を持っている男が複数名いた。そして彼女は夜の仕事を始めてから、恋愛依存、性依存が加速していった。遊果は元々、精神的に不安定な人間で、誘われたら誰とでも関係性を持つような傾向があった為に、よくおかしい男と関わっていた。  ……そして、大抵の場合、その愚痴を聞かされるのは私だったのだが……。 「砂織(さおり)ちゃん。今度の男はね。四十代で、ホストをやっている人なんだよ! 来週までに二十万は貸して欲しいって言われているんだけど、どうしよう……?」 「そんなの無視しなよ。っていうか、何なのよ、四十代のホストって…………」  この前は、39歳の元アイドル事務所に所属していた男と交際していた。その男とはアプリで知り合ったのだが、アイコンにしている顔写真は昔のイケメン男性芸能人に似ていたらしい。だが実際に会ってみると、かなり加工した顔で、貧相な親父だったのだと聞く。 「ホント、遊果は地雷男ばっかり引き当てるんだから、
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菊の花。僕の家は菊屋敷だった。姉は家を葬式の場に変える。

 僕の部屋の中には、よく菊の花が飾り付けられていた。  姉の趣味で、家の中には、色取り取りの菊が飾っていた。  僕の両親は、僕が中学生の時に、姉が高校生の時に離婚しており、姉と僕は父親に引き取られた。母親は離婚調停が終わった後、音信不通になったと父から聞かされた。元々、母親はキャバクラで働いていたのを客であった大手企業に勤めていた父と恋仲になった為に、そのまま結婚に至ったのだそうだ。  姉と僕を産んだ後も、母は父に黙って男と遊び歩いていたらしい。  いわゆる、不倫という奴なのだが、特定の男性と不倫していたというわけではなく、何名もの男達と交際していたらしい。  父はそれに長い間、我慢していたらしいが、姉と僕がある程度の年齢になってから、ついに母とは離婚する事になった。父はそれから、僕と姉に対して“大学まで行かせられる学費は出してやれない。もしどうしても行きたいなら、奨学金を借りて行ってくれ。高校を卒業したら働いてくれるのが一番嬉しい”。そう憔悴した顔で言った。  家はそれなりに広かったので、僕と姉、それぞれに部屋が割り与えられた。  ある時から、姉は菊の花をよく家の中に飾るようになった。  菊の花を飾るようになってから、姉が少しずつ、けれども確実に心を病み始めたのは分かった。 「佳一(けいいち)。花を絶やさないようにね」  姉はいつも、そう言うのだった。  そして、菊の香りのするポプリをいつも持ち歩いていた。  ポプリをカバンの中に入れて、学校に行っているみたいだった。  枯れた菊は、ゴミ箱ではなく、裏庭に捨てられる。  朽ち枯れた菊の堆積物が、裏庭のコンクリートの地面に積み上
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空き家のアオリさん。

「ありがとうよ。この時期の冷たい麦茶に焼肉弁当。本当に助かる。わしらは路上生活を続けているが、飯にありつけるのは、あんたらのような心の優しい人間と配給所だけだ」 そう言うと、この辺りの区画を縄張りにして路上生活を続けているホームレスである吉田さんはうやうやしく俺に感謝する。 俺は実は財布の中には、数千円しかなく、全財産の五分の一くらいを吉田さんの為に使ってあげた事は口にしなかった。 「いえ。単に気まぐれですよ、たまたま、時間を潰そうとこの辺りに寄ったら、貴方がいたもので…………その……」 吉田さんは片足が義足だった。 彼の身の上話は聞きづらいが、どうしてもまともな職にはありつけないそうだ。一時期は国から生活保護を貰って暮らしていたが、貧困ビジネスという奴にあたって、生活費の殆どを施設に徴収され、毎日、数百円ばかりで生活していたそうだ。それで嫌になって、施設を抜け出して路上生活に戻ったそうだ。 吉田さんは百円ショップで買ってきたものと思わしきプラスチックの皿を置いていた。皿の上には一円玉から百円玉硬貨が数枚入れられている。寄ってきた人間に対しては、リクエストがあれば下手なりに歌などを歌ったりするのだと言う。 俺は半年近く家賃を滞納していたアパートから追い出された為に、リックサックに背負えるもの以外の殆どのものを処分する事になった。これから、俺も路上生活者という名のホームレスだ。先輩である吉田さんからは、それとなく、情報を聞いておかなければならない。 しばらくの間、俺と吉田さんは取り留めのない会話をしていた。 「そういえば、アンタ、××区の××駅近くにある、青色の壁をした廃墟の事を
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台風の思い出話Part3

沖縄での修学旅行1日目のスケジュール沖縄到着・ガマ洞窟体験・ひめゆりの塔ホテルへ1日目の予定としては上記の予定となっていて、この日は台風の中でも特にスケジュールの変更はなく、那覇空港からガマ洞窟までバスで向かったそうです。那覇空港からすぐ近くに基地があってオスプレイや輸送車が見れてたり、訓練をしている姿が外からでも見ることができました。そのような風景を見る機会がなかったので、貴重な体験でもありました。空港からガマ洞窟までは約1時間近くだったと思います。空港から離れていくにつれて周りの景色も変わっていたような記憶があったとZは語っていました。クラスによって行ったガマ洞窟は異なっていて、Zが行ったガマ洞窟は特に斜面が厳しく天井も低かったので、奥に行くまでにとても苦労したそうです。地元のガイドの人はカッパと長靴で台風の対策には万全な姿でした。相変わらず台風の影響で雨も激しく傘もさせる状態ではなくずぶぬれになりながら懐中電灯を片手にいざ、洞窟に入っていきます。ガイドの人を先頭に急斜面な階段を下りました。洞窟に入る直前に鶏がそこら辺を歩き回っていたのが鮮明に記憶に残っていたそうです。さて、洞窟の中はどうなっているかというと、天井が非常に低く人ひとりがくぐれるのがやっとというレベルの道があったり、雨の影響で足場が滑っていたりなど油断すれば転んだりして怪我をする場合も十分にあり得たので慎重に進んでいました。戦時中は命に係わる事なので、そんな転ぶとか軽い傷で済むレベルではなくひたすら奥に進まなければ死んでしまうと考えたり、当時の状況を想像しながら進むと一歩前に進むのに足が重くなりました。奥に進
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『足売りばあさん』※無料ホラーテキスト。

 手足を買わなければ、買わなかった手足を失う事になる…………。  夕闇の峠。  そこには神社があった。名前の分からない、何を祀っているのか分からない神社だ。そこには、人形の手足を売っている、おばあさんがいた。    私は今年、大学生になったばかりだった。  所謂、サークルの友人達と一緒に、ドライブに出かけるのが日課になっていた。  そのドライブの途中、峠の途中に公園らしき場所があって、車を停める事になった。すると。神社のような場所が見つかった。神社の文字はかすれており見えなかったが、ありがたいものだと考えて、みなで拝殿に手を合わせた。……ただ、一体、何を祀っているのか、まるで分からなかった。  帰りに、何か露天商みたいな人間を見つけた。  果物でも売っているのか、あるいは神社だから、御札でも売っているのかと、みなでその人間に近寄った。老婆だった。陰気な雰囲気を醸し出している。  みなで、その老婆が何を売っているのか見てみた。  みると、何か粘土……あるいは、陶器のようなものを売っている。  どうも、それは、人形の手足みたいだった。 「いりますかねえ? お安くしておきますよ?」  老婆はなんとも言えない笑い声をあげていた。 「この辺りで売られている、お守りなんです」 「効果はなんですか?」  ミカは首を傾げる。 「交通安全ですよぉ。買っておいて、損は何もありません」  老婆は言う。  極めて、不気味だ。  この老婆も一体、何者なのか分からない。  しかし、何故か、この人形の手足は魅力的に映った。 絶対に買わなければならないんじゃないかと私達は考え始めた。よくよく見てみると、人形の
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想いの強さ

最近母から聞いた話。怖い話になるのかはちょっとわかりませんが。昔の話になるので、今だったら簡単じゃんと思うことも難しい時代の話です。A子さんの旦那さんに愛人がいまして、何年間も同じ人をかこっているようなのですが、A子さんはそれがつらく離婚のため家を出ようとしたそうです。一回目は息子さんが足を骨折する事故が起こり、うやむやになってしまいました。二回目がありその時は妹のB子さんが「お姉ちゃんそれならうちの二階に部屋作ってあげるからうちおいで」と、二階の部屋を掃除したそう。よし、移ろうとしていたら、なんとその家の二階で火事が起きA子さんの移る場所がなくなったそう。母にとってA子さんは叔母にあたるため「おばちゃん、もしかして誰かに○○と離婚したら○○が笑われるから、勘弁しちゃってん、お金は何とかしちゃるから。みたいなこと言われてない?」と、気軽に聞いたそう。そしたら母が生まれる前に死んでいるA子さんの姑さんから全く同じことを言われたそう。姑さんがなくなってから旦那さんが立ち上げた会社もうまくいきその地域では割と大きな会社になりました。確かにお金にも困っていないそうです。結局その時もうやむやになり、今だになんだかんだ仲のいい夫婦でいます。(ちなみに愛人はまだいます)私は疑問に思い母に「生きている人間のほうが強いっていうから変だね」というと母は「思いが強いと亡くなっている人の力も強くなるんだよ」とのこと。追記A子さんには私もかわいがってもらっていたのですが愛人の話は知らず、知ってからはおじさんくずだなー。もう逆に家に帰ってこないでお金だけ入れてくれたらよかったのにと思いました。
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太刀風居合の理不尽バドミントンを投稿しました!

『理不尽バドミントン』を完成させてUnityroomへ投稿しました。まあ、バドミントンにしては、アウトの概念がありませんし、二回以上羽根に触れますし、プレイヤーのラケットが相手陣地まで移動できますし、エネミーが強すぎますし、羽根が消えたり増えたりするバグが発生しますけど……でも中々に面白いゲームが出来たかな!そのうち知り合いに実況して貰います。まだ3作目が出てないんですけどね。はい。というわけで、怖い話をします。もう夏も終わるので、今日しないと……タイミングを逃すということで……。と、言っても私に怖い話(オリジナル)などありません。ないです!元々、怖い話が苦手で心霊スポットなど絶対に行かないし、怖いテレビとか見ません。「世にも奇妙な物語」は好きだから、怖くても見ちゃうんですけどね。実は昔はホラー(っぽい)小説を書いていたのに、そんな自分が全くホラーが駄目なんです。小説を書け!と、自分に言いたくなるのですが、まあ最近の怖い体験としましては、前社から退職を告げられる一週間前から悪夢を見続けたくらいですかね。本当に……怖かった。人生で1度だけ車に轢かれたことがあるんですけど、その前に車に轢かれるイメージが自分の中に浮かんだことがあるんです。予知夢の才能があるような気がします。いえ、私は寝ている時など全く夢を見ませんし、覚えてもいません。二度寝をすると夢が記憶に残る場合があるのですが……。夢って自分の経験を元に構成されるってデータがあるので、予知夢というよりは、自分の繰り返している行動からパターンが決まっていて……その方向へ動いているの……かもしれない。予知夢じゃなくて……夢からの警告
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アニマルコミュニケーションの話#4

こんにちは。おとふです。 また暑さが戻ってきましたね。 そうだ 怖い話 しよう ほん怖は今年放送してくれるのでしょうか。 去年の開かずの間のお話は良い怖さでした。動物さんとお話しをさせてもらうと、時々幽霊を見せてもらうことがあります。 私に霊感は無く、自力で幽霊を見たことはありません。 全てお話し相手の動物さんが見たものを見せて頂いています。 たまに、猫さんが何もないところをじっと見ているという話がありますよね。 ライトカバーに写る自分達を見ていた、なんて話もありましたが、本当にいるかもしれません。 幽霊を見せてもらったことは数回あるのですが、今のところ全て猫さんから見せてもらっています。 犬さんも見えているのでは? と思うのですが、話に上がるのは今のところ猫さんだけです。 あれは、若い猫さんとお話しさせて頂いたときのことでした。 猫さんが部屋にいて、なにかしら落ち着かない様子と、その部屋の半分が暗い様子を見せてもらいました。 あまり積極的にお喋りをしてくれる猫さんではなかったので、とにかくこちらが気になったことを聞きまくります。 Q部屋の明るいところが嫌なのか? A外に出られる窓の前で座っている映像(嫌ではない。むしろ好き)Q部屋の暗いところが嫌なのか? A部屋の暗い場所の棚に自由に乗る映像(そんなことはない)はて? では何が気になるというのでしょう。 Q何が気になっている? A部屋の中から見た廊下に続くドアの映像 とにかくドアをじっと見ていました。 ドアはガラス張りで、廊下が真っ暗なことがわかります。 その廊下は、真っ暗というより真っ黒でした。 その廊下が気になるのかと問え
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ほんとうにあったかもしれない怖い話『証明写真』

女『いつも送ってくれてありがとう仕事行って来るねー』男『行ってらっしゃい』女『時間があったら洗濯物たたんでおいてね〜』男『うんやっておくよ』女『本当に時間があったらでいいんだよ無理しないでね』男『大丈夫やっておくから』悩ましい顔をしてから履歴書を書く男夜ジャージ姿からスーツに着替える男ワイシャツを着てネクタイをしめる男『下は写らないからこれでいいか』下はジャージのままサンダルで歩いて出かける証明写真機のある場所へ着く早速撮ろうと近づくがカーテンが閉まっていて女性らしき足元が見える男『こんな時間に撮りに来る人いるんだな…』『…いやまあ自分も人のこと言えないか』スマホを触りながら待つ男男『あれ?』気がつくとカーテンが開いている男『いつのまに…』不思議だったが早く撮って帰りたいため証明写真機へ入りカーテンを閉めお金を入れる音声に従って操作しているとカーテンの下の隙間から見える道路に足が見える男『…』先程写真機の中にいた女性と同じであろう足元だった寒気がしたがとりあえず写真を撮ってしまわなければいけないので気持ちを落ち着かせ撮影ボタンを押す写真が撮り終わり恐る恐るカーテンの下を見るするともうそこには足元は見えなかったカーテンを開けるのは怖かったがいつまでもここにいるわけにもいかないので少しずつ開けるしかし外には誰もいなかった男『…』安心したが周りを気にしながら写真が出て来るのを待つ写真が取り出し口にストンと落ちて来る写りを確認してすぐ帰ろうとさっと取る男『ひっ』写真を落とす落とした写真には男の顔の前に女性の足が一緒に写っていた
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本当にあったiPhoneのウザい話

愛機iPhoneXRの液晶が死んだ。夜中の突然死。終電に向かって急いでる真っ最中にタッチパネルが効かなくなった。たしかに画面は落として割ってた。もうバッキバキに割ってた。でも1年前だったし、それからも何度も落とした。私も落としたし、なんなら猫だって負けじと前足で机からはたき落としたりしてた。でも、おまえ何度落としてもピンピンしてたじゃんよ。なんで予兆もなく今逝くんだ。ちなみにタッチパネルが死んで、中身が生きてる状態で最も大変なこと、何かご存知でしょうか。それはですね、延々とアラームが止められないことです。うん。私も今まで知らなかった。・ホームボタンがない・Siriの設定はOFFってた・アラームは音量OFFでも鳴る設定・たまたま5時から30分おきにアラーム設定・強制シャットダウンしても勝手に再起動・バッテリーの持ちがウリのXRがフル充電状態何より情弱すぎてどう対処したら電源が普通に落とせるか?がわからないという神がかった状況も整い延々とアラーム→止められないからスヌーズになる→数分後また鳴り出す→スヌーズ設定が切れた頃次のアラームが鳴り、、というスペシャルコンボが3時間ほど続く貴重な体験をしました。最後は布団にくるんでクローゼットに突っ込んでた。それでも聞こえるんだよな。アラームってすげえ。そいでその後SoftBankに駆け込んだんだけど、契約しながらアラームがまた鳴りだすのねー。数日前の俺、どうした。どうしてそんなわけわかんない時間にアラーム設定したんだ。周りに白い目で見られつつ、やっとこさ新しい携帯を手に入れて(思い切って機種変した)解放されたのが3日後。もう二度と人にも猫に
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怖い話公開 題名:熱

これは小学4年生、夏休みの出来事。 お盆を過ぎた、ある日のことだった。 朝起きると体が重い。熱を測ると38度。 病院で診てもらったところ、夏バテで風邪を併発したのだろうということだった。 暫くは処方箋の薬を飲んで様子を見ることに。 しかし。 二日、三日経っても熱は下がらず、治る気配を見せなかった。 むしろ、ますます容体は悪化していく。 今考えれば、あの時はかなり不自然な容体だったと思う。 とにかく両方の意味であつ(暑・熱)かった。 クーラーを十分すぎるほどに利かせているにも拘らず、なぜか部屋が物凄く暑く感じられたのだ。まるで炎天下のなかにいるかのように。 そして体があまりにも熱い。とにかく熱い。炎で焼き尽くされるかのような感覚だった。 結局、熱が収まらないまま時間だけが過ぎていく。 夏休み最終日。 熱が下がることはなく、布団に横になりながら天井を見つめる俺。 すると父が部屋に入ってきた。 父:「熱のとこ悪いが、少し話がある。」 そう言って話始める父。 父:「おまえ、カブトムシの世話はしっかりやってたのか?」 父は、俺が当時飼っていたカブトムシのことを言及し始めた。 俺:「そういえば・・・」 俺は思い出す。 夏休み始め、何匹か捕まえてケースに入れたっきり世話をしていなかったことを。 父曰く、玄関脇に放置されたケースの中、カブトムシは無残にも全て死んでいたそうだ。俺を訪ねる前、父がそれを発見。死骸を庭に埋めてきたのだという。 もちろんこの後、父にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。 そうして翌日。俺の体は完全に回復した。 原因不明の熱は、虫篭の中、熱
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怖い話公開 題名 「白銀」

私が制作した怖い話を公開します!!ーあらすじースキーで遭難したAさんはとある男性に救われる。しかし、その男性には秘密が隠されていた・・・ある冬のこと。 スキーが趣味のAさんは関東近郊のとあるスキー場を訪れた。 体力的にも技術的にも自信のあったAさん。 リフトを降りると、ゲレンデの外、自然の世界に足を踏み入れる。 しかし。 山の天候は急変しやすい。 先ほどの晴天とは打って変わり、空は曇天に。大雪に見舞われる。 Aさん:「やばい、何も見えない。」 気づけば辺り一面が真っ白だ。俗に言うホワイトアウトである。 携帯を取り出すも、ゲレンデの外とあって圏外。 Aさん:「ああ。どうしよう。」 焦り始めるAさん。 すると、 ザクッ、ザクッ 降りしきる雪の中、近づいてくるスキーブーツの足音。 そうして一人の男性が現れる。 男性:「大丈夫ですか?私と一緒に避難しましょう。」 男性に連れられ、雪穴に身を隠す。 男性は島田さん(仮名)といった。 Aさんと同じ経緯で遭難し、雪穴を掘って避難していたという。 島田さん:「絶対に生きて帰りましょう。」 Aさん:「はい。」 島田さんに励まされるAさん。 そうして時間が過ぎていく。 目が覚めると、Aさんは病院にいた。 ギリギリのところでレスキュー隊に救助されたのだ。 Aさんは医師に聞く。 Aさん:「あの、島田さんは?」 すると少しの間沈黙が流れ、医師から伝えられる。島田さんが亡くなったことを。同じ穴の中、低体温症で命を落としていたそうだ。 医師:「ただ...」 医師は述べる。一つの奇妙な事実を。 調査の結果、島田さんが死亡したのは一週間前だという。
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会話形式の怖い話 公開します!! 題名「年老いた男」

会話形式の怖い話を公開いたします。すべて自分が制作しました。Youtube怖い話の原案として使ってもOKです!!ーあらすじー レイナとハルトは恋人同士。ある時、山奥の別荘へと向かう。別荘での楽しい生活にワクワクする二人。しかしその夜、まさかあのようなことになるとは、二人には予想できなかった... 〈会話〉 レイナ:「うわあ、すんごい山の中だね。」    :「ここが別荘?」 ハルト:「そう。」    :「俺達、付き合ってからそろそろ二年じゃん?記念にいいかなと思って。」 レイナ:「ハルト。ありがとう。」 ハルト:「どういたしまして。さあ、入ろう。」 数時間後 レイナ:「あれ?」    :「雨降ってきた?」 ハルト:「ほんとだ」    :「うわ、まじかよ」(スマホを見ながら) レイナ:「どした?」 ハルト:「天気予報チェックしたんだけどさ、」    :「台風が近づいてるらしくて、今日の夜、雷雨だって」 夜 ー寝室ー ビュウウウウウ ゴロゴロゴロ レイナ:「凄い雨だね。」 ハルト:「まあ、明日にはきっと止んでいるさ。」 レイナ:「うん。」 その時、 レイナ:「ねえ、今何か聞こえなかった?」 ハルト:「え?」 レイナ:「しーっ。」 ペタッ、ペタッ、ペタッ ハルト:「なんだ?」    :「まさか、足音?」 レイナ:「でも、この家、私たちしかいないよね?」    :「それじゃあ、一体...」 ペタッ、ペタッ、ペタッ ハルト:「ち、近づいてる」 レイナ:「怖いよ」 ペタッ、ペタッ、ペタ ハルト:「部屋の前に来た?」 レイナ:「何なのこれ」 ハルト:「俺、見てくる」 レイナ:「うん。」
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ホラー作品を楽しもう 自粛中に見てはいかが??

こんにちは怖い話の制作をしております、heavenly bodiesです。自粛中の方が多いかと思いますので、今回は、私が普段から見ている・見てきた作品でオススメをご紹介します!!オススメホラー作品➀本当にあった呪いのビデオこの作品は20年にわたって、DVDとして制作されてきました。投稿者から寄せられた心霊動画を紹介するという内容です。この作品の良いところ、それは何と言っても信ぴょう性の高さです。他の心霊系DVDコンテンツでは、明らかにフェイク(作り物)という動画が多くありますがこちらに関しては信ぴょう性の高い動画が非常に多いです。ですので、「この映像 絶対作り物だ!」というものは殆どないでしょう。(正直なところ、極まれに明らかな作り物っぽい作品もあります(笑))アマゾンプライムでも楽しめるのでぜひ見てみてください!②本当にあった怖い話このシリーズも長くやってますね。ご存じの方も多いのではないでしょうか?最近は年一回、夏の終わりにスペシャルで放送してますね。この作品の良いところは、ドラマならではの臨場感になります。皆さんご存じのように、この作品は視聴者からの投稿をドラマ化したものです。従って、映像・音・役者の演技を通して、投稿者の心霊体験を追体験できるのです!➂最恐映像ノンストップこれは、毎年夏にテレビ東京で放送されている心霊特番です。中山秀さんを中心としたメンバーがバスに乗り、心霊映像・再現ドラマを見たり、実際に心霊スポットに行ったりします。作品の良いところは、総合性の高さ。最恐映像ノンストップでは、心霊映像だけでなく心霊スポットでのロケ、体験者をお招きしてのインタビュー、心霊
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怖い話公開します!! 題名「夏祭りの少年」

これはとある夏の出来事。 大学二年生だった俺、トウヤは当時付き合っていたユミと夏祭りに出掛けた。 会場の河原は屋台と大勢の客でにぎわっていた。 トウヤ:「おお、人がいっぱい」 ユミ:「花火って、始まるの何時だっけ?」 トウヤ:「8時から。あと二時間もあるし、とりま、屋台めぐってみようか。」 ユミ:「うん。」 屋台を楽しむ俺たち。一時間が経過した。 ユミ:「ねえ、少し疲れた。休憩しよう。」 ユミの提案で土手に座る。 暫くボーっとしていると、 ユミ:「ねえ、トウヤ。」 トウヤ:「どした?」 ユミ:「あの子見て。」 ユミが指さした先には、辺りを見回す子供が一人。 トウヤ:「もしかして、迷子かな。」 ユミ:「心配だし、ちょっと声かけてみようよ。」 俺たちは子供に近づく。 トウヤ:「君、大丈夫?」 ユミ:「お父さんとお母さんは?」 すると子供は、 「どっか行っちゃった。」 と寂しげに言う。 やはり迷子だったのだ。 俺たちは子供を土手に連れていき、話を聞いた。 子供の名前はレンといった。 トウヤ:「レン君は、どこで一人になっちゃったの?」 レン:「あの川。」 川を指差すレン。 レン:「あの川で泳いでたんだけど。その途中でお父さんとお母さんから逸れちゃった。」 この言葉を聞いて、俺もユミも納得した。というのも、レン君の体は全身びしょ濡れだったのだ。 ユミ:「レン君、だからそんなにびしょ濡れだったんだね。」 そう言いながらユミはタオルでレン君の体をふく。 ユミ:「なんか、肌、凄く冷たいけど。大丈夫?寒くない?」 レン:「うん。大丈夫。」 元気にそう答えるレン。 暫くすると、花火が始
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ホラー話Ⅱ(実際に体験した話)

私が幼いとき、家の外で家族といとこと一緒に、バーベキューをしていました。私はおなかいっぱいになったので、椅子に座って、姉と雑談していたんです。近くに車庫があって、少し開けてあったんです。私はその時、その少し開いたところが、気になってしまい、見たんです。そうすると、左右に少しだけ揺れていたんですよ。私は、怖くなって、横にいた姉に「なんかそこ揺れてない?」と聞いてみました。姉は、「え、だよね。私もさっき気づいたんだよね」と言ってきたんです。二人とも怖くなって、いとこにも言ったんです。そのいとこは、一発芸などしてくれて二人を元気づけてくれました。車庫のところには、誰がいたのでしょうか。この文を打っている今も、少し怖くなってきたので、今日はこの辺で。
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怖い話が好きになった訳

怖い話を一番最初に見たのは小学校1年生の時。「本当にあった怖い話」でした。今に比べて昔の本怖はかなり怖かったです。なので、かなりトラウマになっているのを覚えています。特に、伊藤淳史さんの「断崖の下にて」は未だに記憶に焼き付いています。それからもトラウマなのに、気になって、本怖のみならず色々な心霊番組(世界の怖い夜、ビートたけしの超常現象Xファイル)を見ていきました。また、図書館で「怪談レストラン」「都市伝説シリーズ」「百物語シリーズ」を読み漁るようになります。今振り返ると小学校の中学年までは、映像としての怖い話よりも、むしろ文章としての怖い話のほうが好きだったかと思います。(映像のようにワッとびっくりするようなことがないから)そうして小学五年生になると、だんだん怖い話が好きになり、映像のほうを好むようになります。なので、びっくりするのに慣れてきたってことですかね。むしろ、びっくりするのが好きになってきている部分もあります。(笑)それ以来、心霊特番は欠かさずにチェックしています。以上、私が怖い話を好きになった訳でした。「トラウマ→気になって見続ける→好きになる」以上の流れになります。
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怪談マンスリーコンテストの結果発表、まだかな

今日は怪談マンスリーコンテスト(4月分)の結果発表です。テーマは「植物」で、これに沿った作品を投稿するものでした。私の書いた作品は、「おじいちゃんの桜」という題名です。ーあらすじーAさんには仲のいい親戚のお爺さんがいました。お爺さんには、長く大切に育ててきた桜の木が一本あったのです。お爺さんの死後、桜の木を撤去しようとしますが、不思議な現象が起こります。一体、桜にはどんな秘密が隠されているのでしょうか?といったものです。ちなみに、三月は、「卒業」というテーマに沿って「靄(もや)」という作品を制作・投稿しました。これは最終選考まで残ったのですが、惜しくも選ばれませんでした...(;´д`)トホホ。果たして今月はどうなのでしょうか?もう朝から緊張が収まりません。せっかく投稿したのですから、やっぱり賞を取りたいですよね。結果が分かり次第、またお知らせします。
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【私のスピリチュアル体験】感情が高ぶると機械がおかしくなる現象について

感情が高ぶると、周りにある機械がおかしくなる現象が起こることがあります。私は、子供の頃は特にそんなことは、なかったのですが大人になってから、職場や家でこの体験を何度かしており、大事な場面で、パソコンがおかしくなったり、電話機が急につかえなくなったり、急にラジオが付いたり…とかなり青ざめてました。当初は、まさか自分のせい…?まさかね…と、自責の念にかられても気のせいだと思うようにしていましたが、ある時、あーこれは、確実に私のせいだと確信に変わる時があり、悲しいやら、びっくりやら、その時は、もう仕事どころではなく、自分という存在そのものが恐ろしくなり、(ちゃんとみたことはないのですが、自分というやつは、映画「キャリー」の女の子みたいな人間なんだと思いました。)すぐさま会社を早退して、家に帰ってから本気で泣きました(笑)もし同じような経験をしている方で、本気で怖がっている方、いらっしゃれば大丈夫。私も仲間です(笑)といいたいです。あと、安心してください。あなたは、夢を叶えやすい体質です。特にスピリチュアルなお仕事も向いてるといえます。
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寝る前のあなたに怖い話をひとつ

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寝る前のあなたに怖い話をひとつ

【お知らせ】プライベートで撮った写真が素敵だったので、誰かに見ていただきたいのですが、ただ普通に写真張り付けても面白くないので、怖い話の挿絵として貼り付けます。これから読んでいただく怖い話は作り話です。写真は私がプライベートで取ったものです。話ではなく写真に注目して読んでください。それではどうぞ。
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【 真夏のひんやりする話・4th 】nonfiction

お袋から食事に行った話を聞いたんです。 「いらっしゃいませ、3名様ですね。お席をご案内します。」 ファミレスファストフードラーメン屋に定食屋回転ずしも お袋曰く。 「ちがうのよ、〇〇と2人なのよ」 妹と2人で行くと時々言われるそうです。
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ホラー話Ⅲ(実際に経験した話)

約6,7年前のある日、私の祖父が亡くなりました。葬式が終わった、数日後の夜私は、家族とご飯を食べていました。そうすると、祖父が使っていた部屋の方から、「おーい。おーい」と声が聞こえたんです。その声は、私と姉にしか聞こえていませんでした。祖父が私たちに何かを伝えようとしていたのでしょうか。それでは、今日は、この辺で。
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