【 秋夜のもっと涼しくなる話・4th 】nonfiction

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コラム
学生時代、ギターを上手に引いてみたくなり、安いエレキギターを購入し、
また、友人の兄からアコースティックギターをもらいました。

そんなに早く上手くなる訳でもなく、
誰か上手な奴に教えてもらうかぁ…と考えていた最中。
ギターが上手いという友人を見つけ教えてもらうことに。

驚いたことに家も近く、すぐ行ける距離だ。
ちょっと覇気がなくて、小柄で細身のいかにも楽器やってますって
感じの友人。

当日昼頃、友人宅にお邪魔することになり、友人宅の近くに車を駐車。
玄関で友人が待っていて同時にお母さんが出てくる。
挨拶を交わして、友人の2階の部屋へ階段を登っている途中で…。

「ちょっと暗いけど気にしないで」と言われる。

友人の部屋に入ると…真っ暗。
「なんでこんなに暗い?」そう尋ねても、答えにくそう。

目が慣れてボンヤリ明るい中で、「何が得意?」そう尋ねると、
「GLAYかなぁ」と答えながら、アンプに電源を入れて
ギターを調整し始める。


もう一度聞いてみる「明るくしないか」
何も言わず照明を点けた。


殺風景な部屋に昼間なのに雨戸が全部閉められている。


「あんまり明るくすると来るんだよね」
「えっなにが来るの?」 
「…」言いたそうだけど言えない何か。


困りながらギターの準備完了。
GLAYの誘惑…オープニングを弾き始める。
アンプから伝わる生の音源に興奮。

「うまいなぁ」を連呼し、何度も弾かせる。
教えてもらうというより弾いてもらっただけ。

そんなに長い時間は居なかった。
というより、今、考えると居れなかった。

卒業して、だいぶ長い月日が流れ、久しぶりに会った別の友人から、
その友人が行方不明になっていると聞いた。

久しぶりにその友人宅へ行ってみる。
誰も居ない、もぬけの殻となっていた。

何処へ行ったのだろうか?
そして、あの部屋とは関係しているのだろうか?


※カバー画像はすべて、私の撮影したものです。
他の画像も見て頂ければ、幸いで御座います。
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