【 真夏のひんやりする話・5th 】 nonfiction

記事
コラム
よく波乗りに行きましたね。懐かしい。
地元の友人とよく行きました。

楽しかったな~。でも1度だけ不思議なことがありました。

毎週、車を出す方が、待っている方の家に12時に迎えに行く。
埼玉南部から県道で千葉県に入り、さらに県道を国道357号線へ向かう。
357号線にぶつかったら南下する。
木更津から国道127号線でさらに下り、目的地へ。

金欠学生だったので、高速道路は使わない。
目的地まで4時間ほど。

運転を交代し、少しづつ朝焼けになってくる。
日が昇る前に、食事と着替えを済ませて、準備運動。

誰もいない海に、一番乗りで入る。これほど楽しいことはない。

そんなある日、いつも通り、いつもの時間に待ち合わせ。
私が車を出し、友人の家に12時に迎えに行く約束。

いつも通りアラームを掛けて、早めに寝る。

携帯電話が鳴って目が覚める。
電話に出る「ん~」
友人が出て「今日中止か?」
「ん~」ゆっくり目を開けて、時間を確認。
「あっ悪りぃ今すぐ行く」

時間は12時5分ほど過ぎていた。
なぜかアラームは鳴っていない。

すぐに急いで支度をする。
友人に会うなり。「めずらしいね。遅刻だ!」って笑ってる。

前もってほとんど用意はしていたが、それでも30分ほどはかかって
友人宅を出たのは1時ごろだった。

埼玉南部から県道で千葉県に入り、さらに県道を国道357へ向かう。

途中でいつもの道に警官が数名立っている。
赤く光った誘導警棒が右から左へ誘導する。
いつもの道が通行止めになってる。
減速をして警官に近寄る。
車を止めて窓を開ける。
質問を投げかける。

「何があったんですか?通れませんか?」

警官:「結構大きな事故でね。ここは通れないから、回り道してください」

仕方なしに、回り道をする。
国道357号線へでて、いつも通り南下する。

1時間は遅れたが、いつもより少し明るい海に入る。
いつも通り、いつも通り。
波乗りを楽しんで、帰って解散。


次の日に、友人からメールが届く。


新聞見たか?
あの時の事故、ニュースになってる。

ニュース記事を確認すると。
乗用車に乗った3人の若者が暴走運転を行い
停車していた大型のトレーラーの荷台に激突。
3名とも●亡したという悲劇のニュース。

若者も確か二十歳前の3人で
そして、時刻は1時ごろだったと。

その後、友人と会話し、二人で大変驚いたことを思い出す。

私たちがいつも通り、12時に出発していれば
事故現場には、1時ごろ着いていた。

間違いない。毎週、毎週、4時間かかる道のりを、
「いつもよりペース遅いね」「いいペースだね」と
どこで、何時になるかは、寝ていてもお互い知り尽くしていた。

遅刻したのは、それ一回だけ。
それ以前にも、それ以後にもない。


きっと、何かに守られていたんだと、
思い出すたびに、感謝しています。

何年たっても。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す