ツイノベ 061-065

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どんなに頼まれたって、私は解決しないよ。どんなに願われたって、私は去ってしまうよ。どんな祈られたって、私は過ぎてしまうよ。どんなに恨まれたって、私は知らないよ。どんなに待たれたって、私は迎えないよ。どんなに望まれたって、私は止まらないよ。私は止まれないよ/№061 時間と少女の白昼夢
この世界のどこかで、言葉は生まれて。この世界のどこかで、言葉は買われて。この世界のどこかで、言葉は失って。この世界のどこかで、言葉は捨てられて。この世界のどこかで、言葉は死んで。この世界のどこかで、言葉は売られて。この世界のどこかで、言葉は弱くて。言葉は。言葉は/№062 この世界のどこかで

「雨だ」と彼は言って、傘を私に差す。「いいよ。私まで変な目で見られちゃう」「でも、雨が降っているから」と。そうは言うが雨は降っていなかった。「雨なんか降ってないよ」と、私は彼に何度言っただろうか。雨なんか降ってないよ。雨なんか降ってないよ。雨なんか降っていないのに/№063 雨降り
壁に太陽の光が反射していた。右手をゆっくりと壁に当てる。空中にさまよった左手をあなたの右手に繋ぐ。「この街でも散歩してみようか」「うん」あなたに惹かれて、あなたの右手に引かれて、私は立ち上がる。錆びて重くなった扉をあなたの右手が開けて、私の左手が扉の鍵を閉めた/№064 あなたのいない街
妻は半年前から病院に入院していた。いわゆる植物状態というやつだ。「お母さんは今、枯れ木なんだよ」「かれき?」それ以来、娘は「かれきにはなをーさかせましょー」とやたら繰り返す。「かれきにはなをーさかせましょー」 娘の声が、妻に再び花を咲かす養分となる事を、私は祈った/№065 花の祈り



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