ツイノベ 011-015

記事
小説
私が幼い頃、母が警察に連行された。それと同時に、私も知らない人の家に連れて行かれて、なぜかその家の人は泣いたり、喜んだりしていた。それからはずっとその家で暮らしている。今でもたまに、私と似ていない母の顔を思い出す。あの時、警察が来た意味を、私はまだ聞けずにいた/№011 翳りゆく部屋
今日で私は23才の誕生日を迎えた。しかしどうにも生きにくい日々で、相変わらず後ろを振り返るばかりだ。するとどうだろう。私を構築してきたものが見えてきた。音楽。言葉。ギター。嘘。繊細。写真。落花。白。違う光でも、私は今日まで生きてきた。ちゃんと見ててね、明日の私も/№012 違う光
夜に浮かぶ観覧車が綺麗で、私は思わず足を止めた。網目状に広がる鉄格子がまるで蜘蛛の巣のように思え、私はこの美しい光景に絡め取られた蝶にも似ていた。そういえば彼の好きだった曲に、観覧車をイメージしたものがある。今にして思えば、あれは失恋の曲だったのかもしれない/№013 夜行観覧車
おかーさんやせんせいから「かなしいときこそわらいなさい」といわれてた。だから、ほいくえんのおともだちはみんなかなしいんだとおもった。おねーちゃんがしんだとき、みんなわらってなかった。おねーちゃんがしんだことは、かなしくないんだとおもった。かわいそうだとおもった/№014 曖昧領域
私には幼い頃から、落書きを実体化させる不思議な力があった。娘の為に沢山の絵を描いていたある日、娘も私と同じように落書きを実体化させた。あぁ、やはり私の子だと愛おしく思い、娘を強く抱きしめる。涙がポロポロと落ちた。触れた先から娘が滲んでいき、やがて一枚の絵に戻った/№015 にじいろパレット



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