ツイノベ 101-105

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小説
私と似てる人を見かけた。なんだか気になり、後を追うと工場に行き着く。そこには沢山の私が保管されていた。「私製造機を見てしまったのですね」と、私そっくりな人から話しかけられる。途端に意識がぐにゃりとした。女性の声が最後に聞こえる。「私73号。生活の準備をしなさい」/№101 私製造工場
「本日は左利きの日です。日付が変わるまで、全ての道具や機械は左利き用になります」とアナウンスが流れる。ハサミ。改札口。受話器。蛍光ペン。大勢の人々が戸惑う。「いつもと逆だと大変だね」と、右側にいる彼氏が困った顔で笑う。少しは左利きの苦労もわかったかと、私も笑った/№102 左利きの日
昔、亀を助けたことがある。十年ほど経った今日、女性が「助けていただいた亀です」とやってきた。「絶対に襖を開けないでください」と部屋に消えていく。ガタガタとする音が気になり、思わず襖を開けてしまう。すると、女性が裏返しになって動けずにいた。「あの、助けてください」/№103 亀の恩返し
夏休みが始まると、従妹のちーちゃんが私の家に遊びにくる。そうしたら縁側の柱で背くらべをしたり、底の深い川で遊ぶのが恒例だった。私が大人になった今、柱に記された、低いままのちーちゃんの身長を眺める。ごめんね、ちーちゃん。あのとき、大きい方のスイカを渡せばよかったね/№104 ちーちゃん
深夜の道を歩いているとすごく不安になる。誰かに付き纏われている感じがして後ろを振り向く。すると、自分の影だった。馬鹿だなと落胆すると、電柱の添えられている花束が目に入った。そこで思い出す。あぁ、私、車に轢かれて死んじゃったんだ。そっか。幽霊にも足や影ってあるんだ/№105 私の影


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