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フィクションとノンフィクション٩( ᐛ )و

おおーーー!ちゃんと更新してます(=゚ω゚)ノ笑でも話まとまってないので書きながら考えてます(=゚ω゚)ノ笑タイトルカタカナかっこいいですね٩( ᐛ )و←生きてる世界がもちろん現実なんですけど、アニメやドラマって架空の設定で世界が生まれますよね〜架空の世界なんですけど、やはり描写がリアルじゃないと共感できなくて理解されなかったり、話が入ってこなかったりしますから、いかにそこに寄り添えるかって大事ですよね〜_(┐「ε:)_逆に別世界に誘って非日常性を楽しませるか一方で、エンタメの世界ではドキュメントもありますよね。密着取材みたいなもの٩( ᐛ )وあれはまさに素の状態(だとは思いたい)ですけど、そこにもドラマがあります。見てると一気に見入ってしまうです・・・。っていうか、究極生きてるひとりひとりにドラマがあって、だからこそ人生って楽しいのかなーなんて思ったりします_(┐「ε:)_なんの話やねんって自分でなってきましたが、えーーっとこれはまたリアルですね٩( ᐛ )و笑ちゃんと考えて、目次とかつけて綺麗な見せ方をしてるブログを投稿されてる方を見るとおーーーすげーーー!ってなります_:(´ཀ`」 ∠):まあ、過去の私のブログを見てもらうとわかるように私のブログはあの、その、なんというか・・・はい。そんな感じです_(┐「ε:)_笑いやいや、内容のリアル、非リアルはさておき見せ方ってもんはあるでしょってね٩( ᐛ )و←いや、今ですね20分チャレンジで20分でタイトル決めて書けるとこまで書こうという思い付き企画なんです、こんな思い付きブログにお付き合いくださりありがとうございます、あと
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連載「霊能者かんなぎの人生」vol.13 霊能家系に生まれても、異端である

連載「霊能者かんなぎの人生」vol.13 霊能家系に生まれても、異端であるなんとなく、人生を書き綴ろうと思った事に対した理由はない。ただ、同じような思いをしている人がいるならば、そういう人に届けば良い、そう思った。恋愛してみてもなんだかしっくりこない。結婚もなんだかどうにも上手くいかない。良い男なんてこの世にいないんじゃないか、と思うぐらいの目に遭って、普通なんて程遠い苦労をする事になって、普通に愛されて普通に幸せになって、普通に人生を送る、しかもなんとなく平穏に。そんな望みは叶うことはないまま今に至る。さて、宣言どおり恋愛や結婚話を語ろうと思ったのだが、これが結構記憶を辿るのに苦労した。人生の重きに「恋愛」がない事が原因だと思うのだが、忌々しいものだから封印しているのもあるのかもしれない。でも忌々しいかと思うと、全てが悪い事ではないし、それぞれに学びがあったのだから、そこまで忌々しいかと言うとちょっと分からない。人生、経験値が高い方が良いと思っているから、それすらも糧にしてきた。だから、全部を否定することは出来ないのだが、あくまで「事例」として書こうかと思っている。遠い砂漠にでも旅に出るような、そんなウキウキした気持ちでこれからの未来を楽しみに戻った横浜。父のところにお世話になりつつ、娘を民間の保育園に預け、仕事に出ることとなった。公営の保育園になかなか空きがなく、また、見学に行った保育園では、どうもお昼寝タイムだったようで薄暗く、そうして眠れない子供が職員室に行ったら、とてもドスの効いた声でその子を呼び捨てにし、「とっとと寝ろ」と恫喝していたのでそこはやめておく事にした。見
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新しい人生の幕開け…24

この家をどうしようか…選択肢はほぼない。引っ越すしかないのだ。不動産屋とも揉めているし、これからの家のことも考えると、この先は考えられない。そう話し合った。けれど私は「妊婦」だ。一人で荷物をどうのこうのすることには限界がある。かといって、どこに引っ越すのかもまだ決まっていない。娘が小学校に入学しているのもあって、学区を変えたくはなかった。それは、旦那にも伝えて同意してくれた。それから数日、家探しをしていた。けれどそうそう学区内にある「貸家」はなかった。アパートは子供がまだ小さいせいもあって近隣の人に迷惑をかけると思ってアパートは除外。貸家に絞っていた。子供は伸び伸び育てたい。それはやっぱり児童相談所で育ててしまった自分に責任があると思っている。保育園や学校でも子供なりにストレスを感じて過ごしてると思えば、家では「自分」をちゃんと出してほしかった。少しくらいうるさくても怒られない空間に居てほしかった。子供でも「我慢をしている」私は痛いほど知っている。「していい我慢と」「しなくてもいい我慢」子供の時しかできないことをたくさんさせてあげたい。私自身、父親に「強制的に習い事」をさせられたこと母親に「理不尽や暴力を振るわれたこと」これは、子供であっても「我慢しなくていい」し、誰かに助けてほしかった。けれど誰にも言えなかった。金銭的な贅沢はさせてあげれないけど、それでもできる限りのことはしてあげたい。私は父が亡くなってから「自分の居場所は自分で作る」ずっとそう思ってきた。なんだかんだ考えて毎日が過ぎた。本当に時間や色んなものが足りなかったと思う。そんなある日。パート先に行くと、Rさんたちが
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連載「霊能者かんなぎの人生」vol.4 霊能家系に生まれても、異端である

連載「霊能者かんなぎの人生」vol.4 霊能家系に生まれても、異端であるなんとなく、人生を書き綴ろうと思った事に対した理由はない。 ただ、同じような思いをしている人がいるならば、そういう人に届けば良い、そう思った。 そうして、「誘拐作戦」が失敗した後の日々もさして変化はなく、教会に通ったり、変わらず誰に言う事もなく見えないモノたちと会話したり遊んだりする日々の中で、ある日、「お父さんに会いにいくわよ」と母に連れ出されれた事があった。「お父さんに会いにいくわよ」と言うが、父とは同居していた。 ただ、よく出張に出ていたので、多分出張先に会いに行く、という意味だろうと解釈し、なんとなくついていった。阪急電鉄に乗り、そこからバスに乗ったと思う。 どんどん変わる風景は、どんどん重く、暗くなって行き、 なんとなく重くてジメジメとした空気を感じながら、バスを降りて母と弟と歩いた。 バスを降りてから、ずっと人が誰も居なかった事を記憶している。 風景は山と川と、古い家がたまにぽつぽつとあるぐらいで、寂しい場所だなと感じた。 そうして、薄暗い川沿いの道を歩いていくと、二階建てのアパートのような所があり、その二階の窓から、父が笑顔で手を振っていた。「こんなボロボロの古い所に泊まっているんだ」 そう思いながらも、まあ、こんなに山の中だし、そんなもんなのかな、と思い、父の待つ部屋へ上がった。やっぱり部屋の中もなんだか薄暗いし、ジメジメとしているし、居心地の悪さばかりが募り、早くここから帰りたいなとずっと考えていた。そうしたら母が嬉しそうに言ったんだ。 「ここに引っ越そうと思うんだけどどう思う?」と。 母
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連載「霊能者かんなぎの人生」vol.2 霊能家系に生まれても、異端である

連載「霊能者かんなぎの人生」vol.2 霊能家系に生まれても、異端であるなんとなく、人生を書き綴ろうと思った事に対した理由はない。 ただ、同じような思いをしている人がいるならば、そういう人に届けば良い、そう思った。 私はカトリックの幼稚園に通っていた。 どうもそこは入るのが難しい幼稚園らしく、見栄えを気にする母はいつも鼻高々だった。 もちろん私はそんな事はどうでも良く、ただ、そこにいるシスターや神父様たちが大好きで、毎日楽しく幼稚園に通い、帰りは必ず教会に立ち寄っていた。「赤チンキちゃん」 私の事をなぜかそう呼ぶ神父様は、アメリカ人だった。 多分、赤ずきんちゃんをもじった駄洒落だったのだと思うのだが、私は怪我をしまくって赤チンキを付けているような子ではなかったので、なぜ神父様の呼び名がそうだったのかは今でもわからない。何よりも教会という空間が大好きで、ステンドグラスやオルガン、綺麗に並ぶ長椅子が好きで、意味もなくその長椅子に一人座っている事が多かった。なんで皆、こんなに美しい教会に来ないのだろう、と思ったが、まあ、幼稚園だもの。皆、目の前の公園で遊ぶほうが楽しいよね。その公園もまた、ちょっと変わった作りで楽しい場所だったし。ああ、でも、懺悔室はちょっと怖かったな。 ここは自分の悔いを改めて、許しをもらう場所だよ、と言われたが、私は、「自分は常に悪い子」だと思っていたものだから、その懺悔室で何を悔いたら良いのかもわからないのだが、きっと裁かれるんだ、とそう思っていた。懺悔室の前にはちょっと錆びた銀色の四角い箱があり、それには常に小さい赤いランプがついていた。ボタンも何もなく、ただ
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母子家庭の始まり

まず私はテルのお母さんに電話をした。 お金を勝手に持ってきてしまったのだから… 家を出た事には、やはりびっくりしていたが、シゲを連れて出たと聞いてホッとしていた。 「お金は必要だろうから気にしないで…」 と言ってくれた。 そして 「いつか必ず返します。ごめんなさい」 と言って電話を切った。 居場所は伝えなかった。 次に電話をしたのは実母である。 言ったら大変そうな父や継母には黙って出て来たので捜索願い…なんて事にならない為に実母には家出の件を知らせておいた。 そして早速ポケベルを買った。 寮には電話は無い… バタバタとするうち夜になり 「お父さんはどうしたの?」 シゲが言い出し言葉に詰まる。 こうして私達母子の生活は始まった。 これからは私が一人でシゲを食べさせて行く。 21歳の母親に出来る事は何か… 考えながら眠った…
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家出の計画

連れて行かれたのは、わりとソフトサービスだというピンクサロンだった。 ソフトと言っても水商売の経験すら無い私にとって怯えるには充分な場所である。 そこで新たに面接をした。 事情を話すと親切に対応してくれ寮の手配だけでなく引っ越しも手伝ってくれると言う。 出て行くまでテルには絶対バレたらいけない。 バレたら計画が台無しになる。 また実家に連絡されて監禁されるに決まっているのだ。 極秘で家出をする為の計画を面接で立て、私はシゲと家へ帰った。 何も知らないテルは、その日も私に嫌がらせをした。 毎週欠かさず楽しみにして見ていたドラマの最終回をわざと私を部屋から閉め出し見せなかった。 【あと一週間…一週間ガマンしたらコイツとサヨナラだ】 家出に対する不安よりテルに対する嫌悪感の方が上回っていたのが救いだ。
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ターゲット

今思えば面接に行ったのは「面接屋」 みたいなとこだったのではないだろうか。 面接をしてあっちこっちの店に女の子を手配してお店からお金をもらう…みたいな。 そして私の様な離婚したがっている無知な若い母親は良いターゲットだったんだと思う。 面接をしたオジサンは言った。 「託児所は12時までなんです。でもお店は2時まで…お子さん2時間寮で1人にさせときますか?」 「心配なら12時で終わるお店を紹介しますよ」 …安心したのも束の間… 12時で終わる店… それはつまり風俗… ピンクサロンだった。 確かに給料は飲み屋より全然良い。 しかしお金の問題では無かった。 「2時にお店が終わったってね、水商売はアフターがあるからねぇ…その点風俗はお店の外での付き合いは絶対無いからお子さんを1人にしないですみますよ」 若い無知なターゲットは悩みながらも分かっていた。 4歳になるかならないかの子供を夜中に1人で部屋に置いて仕事をするなど自分には出来ない事を…
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面接

仕事と言っても住むところがセットで付いていないと生活は出来ない。 いわゆる寮がある仕事だ。 こんな時の為にコツコツ貯めていた定期貯金も知らないうちにテルが解約して使ってしまった。 私は高額アルバイトの求人雑誌を買い、寮のある飲み屋で水商売をしようとアレコレ探してみた。 東京に出れば条件の良い店は沢山ある。 まずは面接だ。 シゲを面接中見ててもらう為、おかちゃんに来てもらった。 おかちゃんは都内に住んでいるので相談相手としても心強かった。 誰も知り合いがいない所へ小さな子供を連れて家出するのは怖すぎる… しかも水商売の経験も無し。 おかちゃんは私の人生の中でピンチな時、必ず現れて支えてくれていた。 しかし… 面接の結果、究極の選択に迫られてしまった。 こればっかりは、おかちゃんも 「決めるのはアンタだよ…」 と。 その究極の選択とは…
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クズ中のクズ

テルがお金を返すと両親に約束していた日がやって来た。 しかし返しに行く風でも電話をする風でも無い。 気になったので聞いてみた。 「お金返す日じゃないの?」 するとテルは 「ちょっと遅れる」 と普通に言ってのけた。 あんなに威張って借りたのに… 約束の日に返さない… そんな感覚が理解出来なかった。 「だったらせめて電話して謝りなよ」 そんな私をテルもまた理解出来ない様で 「うるせ~な。オマエには関係無い金なんだから口出すなよ!」 【うわぁーやっぱりコイツとは無理だ!】 結局テルはそのまま両親に連絡も入れず、返すはずのお金はそれから一週間後に深田さんから返済された。 そしてあろう事か、そのお金を少しずつパチンコで使い始めてしまった。 「関係無い」 と言われたから黙っていたが、それが私にある決心をさせたのだった…
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キレる音再び…

テルの元に戻ってしばらくして、心配をかけてしまったテルの両親に挨拶に行った。 そしてしばらく泊まって行く事になったのだが、そこで事件は起こった。 仕事から帰って来たテルがおかしな事を両親に言い出したのだ。 「深田さん(社長)が会社の支払いで今月大変だから20万貸してくれないかな…」 とりあえず黙って聞いてみる事にした。 「そんなお金急に言われても無いよ」 とお母さん。 しばらくそんなやりとりをしていたが思い通りに行かない事にテルがキレ始めた。 「来月返すって言ってんだからいいだろっ!無いなら銀行からでも借りろよ!」 【ぷちんっ】 また何かがキレる音がした。 黙って聞いているのが無理になってしまい、テルの両親の前で素で怒り始めた私をテルもテルの両親もポカンと見ているしかなかった…
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両方は手に入らなかった

結局シゲを手放せない私の気持ちをシュウはお見通しで… 私は、可愛い息子シゲと暮らす為にテルの元へ帰った。 でもシュウの事は忘れられない… テルと居れば尚更だった。 どうしても比較してしまう。 シュウと電話で話す事も無くなってしまったけれど偶然会いやすい場所に買い物に行ったりしていた。 会ったところで 「元気か?」 「うん…」 だけなのだが… こうして私の心の支えは前の様にシゲだけになった。 ただ、まだ自分を好きになってくれる人がいるって事実と自信をシュウが残してくれた。 シュウと出会う前は 【私は終わった…】 と思っていたし、テルからもそう扱われていた。 そんなテルと果たしてうまくやっていけるのか… 結果はすぐ分かる事になる…
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我が子との再会

シュウと別れた事でシゲと離れている事が完全に無理になった。 そしてシゲの面倒を見てくれていたテルのお母さんも孫に手を焼き、やはり無理になっていた。 ある日、電話にたまたま私が出た。 「ハイ。もしもし…」 電話の向うで喋っているのはシゲだった… 涙が止まらない。 会いたくて会いたくて我慢し続けた。 「お母さん…会いたいよ…」 迷わず迎えに行く事にした。 声を聞いたら悩む余地も無い。 そして数か月ぶりにシゲに会いに行った。 「マユちゃん…シゲが精神的に不安定になってるの。全く言う事も聞かないし泣いてばかり…やっぱりマユちゃんじゃないと無理なのよ」 とテルのお母さんは疲れ果てた様子で私に話をしてきた。 さぁどうする!? いや、どうしょうもない… シゲを手元に置くにはテルとやり直すしか無いのだ。 シュウは、私がシゲと居られる様に私を振った… その時に気付いた。 そして、その気持ちを無駄にしない為にも私は大嫌いなテルの元へと帰る事に決めたのだった…
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別れ

しかしそんな悩める日々にも終わりが来た。 突然シュウにフラれたのだ! あまりのショックから何て言われてフラれたのか全く記憶が無い… とにかく 「これ以上は無理だ…」 みたいな結論になった。 悲しくて悲しくて… 男と別れてあんなに辛かった事は無い。ご飯も食べられず睡眠も取れなかった。 そしてなぜシュウが別れを選んだのかが分かる。「これ以上無理」 だったのは私がシゲと離れているのが…って事。 だからシュウは危険な事ばかりに手を出し、わざと私を不安にさせた。 テルの元に帰った方が幸せだと私が思う様に… シゲにとって一番いいのは元のサヤに納まる事だと。 私がもっと強ければ違っていただろう。 しかし精神的に弱い私では、待つ事も耐える事も無理だとシュウは思っていたに違いない。 シュウはそういう男だ。 別れてから気付いた事が多すぎた。 別れなければ気付かないからフラれたのだ。 そしてしばらくは深い悲しみの中でじっと耐える日々を過ごしたのだった…
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道は閉ざされた

「はぁ!?『テルくんと何とかならないの?』って?!アンタ自分の時はどうだったんだよ!『離婚しないで』って泣いて頼んだアタシに『何ともならないんだよ…』って言ったんじゃねぇの?!テメェが何ともなんなかった事を娘には何とかしろって言ってんのかよっ!ふざけんなよ!テメェだって離婚する前から今の旦那と付き合ってたんだろーが!胃潰瘍とか言って行く度に酒飲んでんじゃん! テメェの娘がそんなに迷惑なら今後一切、いい事も悪い事も報告しないから覚えとけ!ふざけんなっ!」 一気にまくしたてて電話を切ってやった。 実母は何も言い返せず…というか言い返す間さえ与えなかった。 言いたい事を言ってスッキリしたが、これでシゲとの生活に対して父方の実家にも母方の実家にも頼れない事が決定的になったのだった…
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キレる音

テルとの事やシュウとの事は、前々から実母に電話で説明してあったので状況は、ある程度把握していたと思う。 そして、自分の考えを素直に説明してシゲとの居候の件を頼んでみた。 「頑張って働くから。2ヵ月でいいから何とか協力して欲しいんだ」 と言う私に実母はこう言った。 「うちは無理だよ!旦那胃潰瘍で調子悪いんだから!テルくんと何とかうまく出来ないの?だいたい上手くいってない話聞かされる事自体迷惑だよ…」 【ぶちっ!!】 心の中で何かがキレる音が本当に聞こえた。 子供の頃からどんなにデリカシーの無い事を言われてもヘラヘラ誤魔化して来たが遂に大爆発を起こす起爆装置を実母は押してしまった! 荒れていた中学時代でさえ実母には乱暴な言葉など使った事の無い私が次の瞬間豹変し、実母もビックリしたに違いなかった。
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ある提案

そんな時、継母がある提案をしてきた。 「どうしてもシゲを手放せないと言うならママに助けてもらえば?部屋借りるお金位出してもらったってバチは当たらないでしょ」 と… 確かにそう言われれば実母に少し位頼ったっていいのでは… と思わなくも無い。 たまに会って子供服のお下がりをもらったりする位の付き合いは続いていたし… そして考えた結果、まるっきり頼るのでは無く私が水商売で部屋を借りるお金を稼ぐ数か月間だけ私とシゲを居候させてもらえないかと… 父方の実家では父も継母も仕事をしている為、シゲを連れて来てもシゲの世話は頼めない。 その点、実母はシゲと2歳違いの子を育てている専業主婦である。 経済的にも安定している。 シゲを連れて実家に帰れない以上、自分達の生活の場をまず確保しなければならない為、私は水商売をする覚悟を決め、その方向で親の離婚後はじめて実母に頼る為に電話を掛けてみる事にした…
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我が子の存在

独身の頃に戻ったかの様な生活。 給料をもらえる様になるとお洒落も出来た。 職場がアクセサリーショップという事もあり、多少は外見を気にした。 17歳で結婚し18歳で母親になった私は、自分自身のお洒落にお金をかけて来ていない。 それをする事により、少しでもシゲと会えない寂しさを紛らわそうとしていた。 そして、シゲの事を諦める様に言っている両親も私の寂しさを紛らわす為ならシュウと会う事を許す様になった。 その頃もシュウが大好きで… しかし… どんなに大好きなシュウと一緒にいても我が子であるシゲの事は忘れられないし諦める事も出来なかった。 みんなに 「堕ろせ」 と言われた中、必死で守り通した息子シゲ。 お洒落や恋愛で諦められるわけなど無いのだ。
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辛い日々

何も無い状態での里帰り。 継母や先輩であるユリちゃんに、いらない服をもらいなんとか間に合わせた。 そして実家でブラブラしているわけにもいかないので仕事を探し始めたのだった。 今回は、ただのケンカでは無いしシゲも置いて来ている。 仕事でもしなければシゲに会えない寂しさに押し潰されてしまうと思った。 今回は小さい子供を保育園に預けながらの仕事では無い為、1件目であっさり採用された。 横浜駅のデパート内のアクセサリーショップだった。 早くお金を稼ぎ、少しでも身の回りの物を揃える必要もあった。 しかし外に出てもシゲ位の子供にばかり目が行ってしまう… 【私の実母もこんな思いをしたのだろうか…娘と離れてこんなにも辛かったのだろうか…】 ふと思った。 そして風呂場で泣く日々が続くのであった。
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寂しさと罪悪感

実家に帰るのも手ぶらである。 持ち物は全てテルに捨てられた。 やはりテルとは無理だと話をすると両親は 「テルくんがシゲを育てるって言うならやっぱりアンタは諦めな…1人になって人生やり直すんだよ」 と言った。 【そんな事、本当に出来るんだろうか?シゲの事を諦める事なんて出来るのだろうか?】 そんな気持ちで別居生活は始まった。 シゲのいない空間は静かすぎた。 そしてお風呂に入っては毎日シゲを想い泣いていた。 それまで毎日シゲとお風呂に入っていたのだ。 テルがシゲをお風呂に入れたのは赤ちゃんの時に一回だけ。 そんな父親の元にシゲを置いてきた事への罪悪感にも苦しめられるのだった。 そして、寂しくて…寂しくて…
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涙の別居

私の様子がおかしい事に気が付いたテルの両親も現実に直面し言葉を失った。 私がシュウの元へ行ったのが余程悔しかったのだろう。 ただ、もうどうにもならなかった。 シュウを愛する気持ちもテルを憎む気持ちも変わらない。 テルの両親と無言でそれぞれが悩み苦しんでいる空間… そこへ遂にテルが帰って来た。 シゲもいっしょだ。 そして話し合い… 「やっぱりやり直せない。離婚してほしい」 と言うと 「ならオマエ1人で出て行け。シゲは絶対に連れて行かせない!」 その時になったらなんとテルの両親も 「そうだ!そうだ!」 と言い始めた。 そして私は1人で家を出た。 「とりあえずシゲのいない環境で1人で考えます。シゲが隣にいると冷静にじっくり考える事も難しいので…」 そう言って私は一人、泣きながら家を出た。 こうなると実家に帰るしか無く、シゲを生んでから初めてシゲのいない生活を送る事になった。 そしてたたただ泣きながら歩き続けたのである…
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ある重大な変化

家に帰る途中… 家の近くでなんとテルの両親に会ってしまった! テルから話は聞いたが(私の浮気について) その後、連絡が取れないから心配になりやって来たという… テルから逃げ出しシュウの所に泊まっての帰り道に一番会いたく無い人達だった。 それでも家にいっしょに行き、お茶位出さなければ… お湯を沸かしながら部屋を見回すと何か様子が変。 【なんだろぅ…】 お湯が沸く前に気が付いた。 その瞬間、血の気が引いた… 変化とは、その家から私の物が全て消えていたのだ! 必死に探したが何もなかった。 洋服…小物…下着…クルクルドライヤー…アルバム…小中の卒業アルバムまで… そして玄関の脇に1つだけあったゴミ袋を開けてみると、ビリビリに破られた私の写真とアドレス帳の破片が出てきた。 私はその時に身につけていた物以外の全ての物を失った。 テルの両親にお茶を出すのも忘れてただただ呆然とヤカンから出る湯気を眺めていた…
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ウジウジ悩む

逃げた先は実家では無くシュウの所だった。 実家の両親はテルに騙されているので私を助けてはくれないと思った。 久しぶりにシュウと抱き合い、久しぶりに幸せな気持ちになった。 現実から逃れてずっとこうしていたい… 私はテルとは無理だという事、離婚の際はシゲを手放せと親から言われている事などをシュウに話した。 そしてテルが危ない人間になりつつある事も… それでもシュウはテルの事を悪く言わない。 逆にウジウジ悩んでばかりの私が怒られた。 「オマエさぁ…どうしよう、どうしようばっかじゃん!自分がどうしたいかだろ!旦那や親や俺の意見にいちいち振り回されんなよ。強くなれよ」 と。 しかし、この時は、この言葉の本当の意味を理解する事は出来なかった。 そして次の日テルのいない時間に家に戻ると… 想像以上にスゴイ事になっていた。 私はますますウジウジ悩む事になるのである。
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優しさの仮面

自宅に戻ったものの監視が厳しくなってしまったのでシュウとは偶然会える様にシュウが働いている店の近くで買い物をしたりしていた。 そして電話でも連絡は取っていた。 やはりシュウが好きだった。 なのにテルと暮らすのはつらくて… テルは何とか私の気持ちを自分に向けようと必死で優しくして来たが、そんな表面上の優しさで3年間の恨みは消えるものでは無い。 手遅れなのだ。 そして私の気持ちが思い通りに自分に向かない事にイラつき、優しさの仮面はすぐに剥がれた。 毎日毎晩私を責め始めた。 寝かせてももらえず、ひたすら今後についての答えを求められ責められ続けた。 いよいよ肉体的にも精神的にも限界になり私はテルから逃げ出した。 うるさく喋りつづけるシゲもまた私の考える時間の邪魔をしており私は1人、キチガイに近いテルの手を振り切って家を飛び出したのだ…
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葛藤

テルは私の両親と急激に親密になって行った。 「浮気は許します。原因を作ったのは自分ですから…これからは心を入れ替えてやり直したいと思っています…」 この言葉に私の両親は完全に騙されてしまった。 浮気をしたダメな娘を広い心で許す… なんてありがたい… みたいな空気になってしまった。 こうなったら私とシュウは、ただのろくでなしである。 両親からの必死の説得地獄。 私がシゲを手放せない事をテルも私の両親も分かっていた。 その上での説得。 しかし私は、一旦嫌いになったら再び好きになるなんて無理な性格。 その代わり嫌いになるまでは、とことん我慢する。 テルに対しては愛情も憎しみも全部燃えつきてしまっていたのだ。 灰しか残っていない心で又やり直すなんて… 葛藤の日々が続いた。 それは、シゲを手放す事も離婚して育てて行く事も出来ないからであった。 そして年が明け、いつまでも保育園を休ませるわけにもいかないので仕方なく自宅に戻る事になった。 自宅に戻っても葛藤する毎日。 愛する息子… 愛するシュウ… そして二度と愛せないテル… 迷路に迷い込んだ様な日々がひたすら続くのであった。
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第三者を入れての話し合い

久しぶりに自宅に戻ってみると思い出すのはシュウとの事ばかり… テルとの楽しい思い出など何も無かった。 そんな家での話合い。 テルの親友の尾崎さんは、とにかくビックリしていた。 「マユ…どうしちゃったんだよぉ。テルの事は、どう思ってるのさ?」 「テルに対しての愛情はもう無いよ…テルだって私の事なんて大嫌いでしょ?」 逆に聞き返した私にテルは、意外な返事をした。 「嫌いじゃない」 【は!?ありえないっ!!】 「えっ!!そんなわけ無いよ!嫌いじゃなきゃ出来ない事を沢山したはずだよ。私はテルが少しでも私に対して愛情を見せてくれてたら他の人を好きになんてならなかったよ!でも嫌われ続けたんだしこれ以上は無理だよ…」 それでもテルは 「ずっと好きだった」 と言い張った。 そんなの今さら信じられるはずも無く私はシュウとの事は浮気では無く本気だとハッキリと伝えた。 結局、尾崎さんは何も言えなくなり肩を落として帰って行った。 テルが今までどれだけ家庭を粗末にして来たかを知っているだけに… そして自分もそんなテルと遊んだりしていただけに何も言えなくなってしまったのだ。 しかしテルの次なる弁護人はあろう事か私の両親だった。 尾崎さんと違いこれはとても強敵であった。
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恐ろしい言葉

継母に言われた恐ろしい事とは… 離婚するならシゲをテルの所に置いて来い。というものだった。 まだまだやり直しがきく歳。 なにも子連れで苦労しなくても…と。 実際、私がシゲを連れて離婚し実家に帰れる状況では無かった。 親は自分達の生活を守るのもやっと。 金銭的にも相当キツイ状態。 とは言えシゲを手放すなんて!! 「それが出来ないならテルくんとやってくしか無いよ」 と言われた。 何日か泣いて過ごした。 シュウには隙をみて公衆電話から電話をかけていた。 そんな時テルから呼び出された。 会社の友達に間に入ってもらって話がしたいと… 会社の友達とは私も知っている人で結婚前には、よくみんなで遊んだ。 テルにとっては親友だった。 そんな訳で私はいったん自宅へ帰る事になったのだった。
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責められる私…

実家では継母が嘆いていた… 「アンタ一体何してんの!?男とは別れてここで反省しなさい!」 しかし親も友達もみんな分かっていたはず… テルとは幸せな家庭など築けない事を… 私は親に本当の気持ちを打ち明けた。 ただの浮気なんかじゃなく真剣にシュウを愛している事を。 私の気持ちは多少は理解してくれたがシュウに対しては 『パチンコ屋の若造』 としか思ってもらえなかった。 継母にとってはパチンコ屋の若造=チンピラでしか無い。 その勝手な偏見が許せなかったが私が何を言っても説得力が無かった。 そして 「テルと離婚したい」 と言う私に継母は恐ろしい事を言ってきた。 なぜ私が求める理想の生活はこんなにも手に入らないのか… 幸せを手に入れる事とは何故こんなに難しいのか… 継母の言葉に泣き崩れる私がそこに居た。
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引き離される禁断の恋

シュウに電話をして状況を全部話した。 「実家になんか帰りたくない」 と泣く私にシュウは 「帰らなきゃダメだ。オマエの親が『帰って来なさい』って言ってるんだろ。オマエの事を心配してんだよ。しばらく会えないのなんて長い一生を考えたら一瞬みたいなもんだろ。今は親の言う通りにするんだ…オマエが1人で責められてツライ事になったら俺いつでも行っていっしょに頭下げるから!会えなくなるのは我慢しよう…」 と… 私は泣く泣く実家に帰る事にした。 そしてその夜テルは予想に反して機嫌良く帰って来た。 私の両親を初めて味方に付けた事でかなり気を良くしていた。 「オマエの親はいい人達だよなぁ」 と手の平をかえした意見。 今までは 「あんなオヤジに、とやかく言われたくない!」 など悪口ばかり言っていたのに… そんなテルを見ていて 【この人を好きになる事は二度と無い…】 と改めて思った。 テルの方は 【ただの浮気】 と軽く見ていたようだ。 そして翌日… シュウに会えなくなるつらさを胸に私はシゲを連れて実家へと帰ったのだった。
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旦那の作戦

渡さなかったシュウへの手紙とは… シュウが婚約していた彼女との別れ話でもめていて落ち込んでいた時に書いた物だった。 『元気出して。どんな事があっても私はシュウの事が大好きだよ…』 という内容。 テルにこれを読まれたとなるともぅごまかしようが無い。 【よしっ!バレたならバレたで仕方無い。テルとは別れよう!】 私はこれをテルと別れる良いキッカケだと思う事にした。 しかしテルは私が思っていた以上にしたたかな男だった。 私には無関心なギャンブルバカだとばかり思っていたのだが、そんなテルは私を責めるより前に私の両親を味方に付ける作戦に出た。 あんなに嫌っていた私の両親を… 正月すら顔を出したがらずにいた私の実家にテルはその日のうちに1人で出向き 「マユが浮気をしています」 とわざわざ報告したらしい。 すぐに継母から電話があり 「帰って来なさい!!」 と命令された。 次の日も私は仕事があり、それを告げたのだが、もともとパチンコ屋の仕事を認めていなかった継母は聞く耳を持たず 「そんな仕事は今すぐ辞めて明日には帰って来なさい!」 と大怒りであった。 実家になど帰りたくなかった。 シュウと会えなくなってしまう。 しかしそれがテルと私の両親の狙いだ。 ここに来て私は自分の 【テルにバレるわけが無い】 という勝手な思い込みを心底後悔した。 もっと気を付けていればこんな事にはならなかったはず… 気を付けるべき部分は沢山あったのだから… しかしいくら後悔してももぅ手遅れだった。
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不倫がバレた

クリスマスから何日か経ったある日… 夜テルとケンカになった。 この頃には会話も無くお互いに別の世界に生きている様だったが、ケンカだけは激しさを増していた。 また家からつまみ出される予感がしていたのでパジャマには着替えないでいた。 外のメーターボックスにもお金を多少隠してあり、その時に備えていた。 そして予感は的中。 暮れの寒空に私は上着も財布も置いたまま力ずくで外に出された。 しかし今までの様にテルがドアを開けてくれるのを待つ事は無く、私は初めてシュウの部屋に泊まった。 翌朝テルが会社に行く前に戻らなければシゲが1人になってしまうので朝早くに家に戻ると鍵は開いていたがテルは居なかった。 そして私の荷物をあさった形跡… テーブルの上には私が以前シュウに書いたが渡さなかった手紙と、財布に入れていたシュウの写真が置いてあった。 あれほど私に無関心だったテルが私のカバンをあさり手帳の中や財布の中を調べたのだ。 とても信じられなかった。 遂に私とシュウの事がテルにバレた。 そして夫婦間の悪者がテルから私へと立場が逆転してしまっ
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禁断のクリスマス

冷えきった家庭にクリスマスなどあるはずも無く私は、当然の様にクリスマスはシュウと約束をしていた。 プレゼントを何時間もかけて選びその日はシゲのお迎えの前に待ち合わせした。 そしてプレゼントを渡した。 シュウからもプレゼントをもらった。 しかし… 【!?】 お互いに渡したプレゼントの箱がまるで同じ… 同じ包装紙に包まれた同じ大きさの箱… 開けてみると… ( ̄□ ̄;)!! デザインこそ違うが同じブランドのライターだった。 お互いに同じ物をプレゼントしていた。 「ありがとう」 と言いながら2人で笑ってしまった。 それからシゲを迎えに行って何年かぶりに幸せなクリスマスを過ごした。 しかしそんな幸せは長く続くはずは無かった。 家に帰れば現実に引き戻される。 そしてその現実に私とシュウは引き離される事になるのだった…
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恐ろしい生活

シュウと会うと、ついついテルの愚痴ばかり言ってしまう。 そんな時シュウは1度もテルを悪く言った事は無かった。 そして 「離婚したいよ」 と嘆く私に 「今は我慢の時だよ。物事には順番があるんだ。階段を抜かして上がってもいつか絶対そのツケは回ってくんだよ。ちゃんと俺がオマエを幸せにしてやるから今は我慢して待ってろ」 とシュウは言った。 そんなシュウをどんどん好きになって… そしてある日シュウと会っている時にシゲの具合が悪くなってしまいデートを中断して家に帰る事にした。 シュウは心配して家まで送ってくれたのだがシゲは吐き続けた。 結局そんなシゲの面倒をシュウは夜中にシゲが寝付くまでしてくれた。 そしてその日からシュウはテルが居ない日は泊まったりする様になった。 テルがいつも 「俺の家だ!!」 と威張り散らしているその家へ… 今思えばスゴイと思う。 恐ろしく恐いもの知らずで常識外れな行為だ。 しかし家にほとんど寄り付かないテルを近所の人達もほとんど知らず、そのうち周りの人達は私とシュウが夫婦なのだと思い普通に挨拶されたりパチンコ屋のお客さんにも 「旦那が迎えに来たよ」 などと言われる様になっていた。 【みんなが思ってる様に本当に夫婦だったらどんなに幸せか…】 そんな風に思いながらシュウとテルと二重生活みたいな日々を送っていたのだった。 そしてやって来たクリスマス…
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愛する男と憎い男

シュウと付き合い始めた私と、何も知らずに私をゴミの様に扱うテル。 この頃のテルは、ケンカになると暴力をふるう様になっていた。 夜中にパジャマのまま家の外に無理矢理出される。 「ここは俺の家だ!出ていけ!」 と… では、私の家は一体どこにあるというのか。 テルの親が借りてくれた家がテルの家だと言うのならその中の家財道具はほとんど私の両親やその友人が買ってくれた物… 空っぽな家で 「俺の家だ!」 と威張っていればいい。 しかし実際力では勝てるわけも無く… 寒い中パジャマ姿で立ち尽くしているのだ。 たとえ家の中に居たとしても寒い事には変わりはないが… テルの事が心底憎かった。 なぜ心から愛する男がいながら心から憎い男と暮らさなければならないのか… 自分が選び歩んできた人生だが、やるせない気持ちでいいっぱいだった。
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禁断の初デート

数日後… テルのいない日の夜… いよいよシュウと初デート。 シゲを保育園に迎えに行ってからの待ち合わせだった。 【本当に来るかなぁ…】 ワクワクしすぎてそんな心配までしていた。 約束の時間… シュウはニッコリスマイルで現われた。 「おすっ!メシ食いにいくぞ!」 とシゲに話掛けている。 そして近くの居酒屋へ… シュウは彼女と別れる事に決めたと言う。 「好きな女がいる…って言ったんだ。アイツも男遊びしてるから何も言えないけどね…」 【好きな女?!え~?!それってもしや私かぁ?!】 もぅドキドキしちゃって倒れそうだった。 「俺みたいな男嫌い?」 と聞かれてドキドキしてるわりには 「ううん…大好きっ」 と正直に答えた。 シュウ23歳… 私21歳… お互いに婚約者と旦那がいる、まさに禁断の恋だった。 そしてシュウの実家はヤクザやさんの一家だった。 お姉さんの旦那さんがアニキ分だったらしいのだがシュウは何かやらかして顔を出せない状況だと… どうりでただのパチンコ屋の店員にしては身につけている物が高価すぎる… しかしどんな話を聞かされても私のシュウに対する気持ちは変わる事は無かった。 テルと夫婦でいる事が苦痛で仕方なくなってしまった。 そして会いたい時に会えない恋愛を初めて経験する事になったのだった…
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彼女の視線

シュウに彼女がいると聞かされてからは、しばらくシュウの店には行かなかった。 なにしろシュウの彼女はシュウと同じパチンコ屋で働いているというのだから… でも色々考えた結果、やっぱりシュウの事が好きだった。 そして一週間位経ち、恐る恐るシュウのいる店に行ってみた。 店は凄い混んでいて私は沢山のお客に紛れてひっそりとパチンコを打っていた。 【どれがシュウの彼女だろう…】 するとシュウがやって来て私の手に何やら紙キレを渡して去っていった。 開いてみると 『この前は色々と話を聞いてくれてありがとう。お礼にメシおごらせて。】 と書いてあった。 そしてシュウが住んでいる寮の電話番号が書いてあった。 【わ~い!シュウから食事に誘われた~】 また何もかも忘れ浮かれモードに戻ってしまった。 そして帰り際… 視線を感じる… ふと見ると数人の従業員! しかも女!! 真ん中にいるのがシュウの彼女だと直感で分かった。 なんとも言えない表情でその子は私を見つめていた… 私の存在を知っている… シュウは彼女に何を話したのだろうか…
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好きな人に彼女が

その日はなぜかシュウの居る店では無く、めったに行かない別のパチンコ屋で打っていた。 しかし! なぜかそこにシュウが!! お互いにビックリしてしまった。 シュウは仕事中で、ライバル店のお客の人数をチェックしに来ていたのだ。 そんな仕事中のシュウだったが私の隣に座って 「相談がある…」 と語り始めた。 「旦那とうまくいって無いって言ってたじゃんかぁ…俺も婚約してる彼女いるんだけどうまくいってなくてさぁ…結婚すんのやめようかなって思ってんのよ」 【ええーーっ!!婚約者ーー!?】 自分は結婚しているクセにショックを受けた。 冷静に考えれば彼女いそうだよ… そんな事も考え付かない程に私は浮かれていたのだ。 そして、シュウの事、彼女の事、色々話してくれた。 これでただのパチンコ屋の素敵なお兄さんじゃなくなった。 私も家庭の話をしたし、お互いの事が少し分かった気がした。 そして嬉しさとショックの交ざった複雑な気持ちでその日は家に帰った。 私が遊ぶ日はテルがいない日。 テルがいない家の中で一晩中シュウとシュウの彼女と自分の事を考えていた。 私の頭の中にもぅテルの存在は無かった…
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人を好きになれた事が嬉しい

その日もニコニコしながら仕事をしていた。 すると店内にシュウが!! こちらに向かって歩いて来る。 「本当にここで働いてたんだ(笑)」 またまたニッコリ素敵スマイルを私の脳裏に焼き付けシュウは自分の店へと出勤して行った。 私は家に帰ってからも先輩であり友達のオカちゃんやユリちゃんに電話をしては自分が恋をしている話を喋りまくった。 テルから気持ちが解放された様で本当に嬉しかった。 しかし… いくらお互いに気持ちが離れていても私は所詮は人妻… いつまでも浮かれてはいられないのだが、この時はまだそこまで考えていなかった。 ただ自分がシュウを大好きになれた事が嬉しくて… もぅ何年もテルとの憎しみの中で生活して来た私には愛情は新鮮すぎて周りが何も見えなくなってしまったのだ。
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パチ屋の恋の始まり

「旦那とは打ちに来ないの?」 と聞くシュウに 「うん。仲悪いからね」 と笑って答えた。 そして次の日は店でファン感謝デーのクジ引きがあるからと誘われたのだった。 「これ以上負けられないし」 と言う私にシュウは 「クジだけ引いて帰ればいいよ(笑)」 とクジ引きの時間を教えてくれた。 次の日… 結局はクジだけに留まらず、懲りずに又打ったが今度は勝てた。 クジでも5000円相当の工具セットを当てて 【やっぱり来て良かった】 とつくづく思った。 何よりシュウと仲良くなれた事が嬉しかった。 自分も近くのパチンコ屋で働いている事を告げるとシュウは 「え!マジで?辞めてここで働けばいいじゃん!」 と言ってくれた。 ま、人の紹介だからそれは無理な話なのだが… 私は自分の仕事中シュウの事ばかり考える様になりいつもニコニコしていた。 私に意地悪を仕掛けてくる従業員のおばさんが居たのだが、どんな嫌がらせをされてもニコニコ… シュウに出会ってすっかりフヌケになってしまったのだった。
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忘れていた感情

よく行くパチンコ屋でその日も又負けていた。 隣でシゲは玉で遊んでいたが 「もっと!もっと!」 とぐずり始めた。 すると店員のお兄さんが玉を持って来て 「はいよ」 と言ってシゲにくれた。 そのお兄さんはメチャメチャ私の好みのタイプで(といってもテルとは全然違うタイプ…) 【あのお兄さんカッコイイなぁ】 といつも思っていた人だった。 「ありがとうございます」 お礼を言うとお兄さんはニッコリ笑って仕事へ戻って行った。 なんだか久しぶりにときめいた。 そして次の日… またまた負けてる私の所にお兄さんはやって来て 「また負けてんなぁ~旦那に怒られない?」 とニッコリ素敵スマイル。 もぅマイッタ!! そんな出会いで始まった。 カッコイイお兄さん、シュウとの切ない恋愛が… 本当に久しぶりに暖かい気持ちになれた。 忘れていた感情を思い出したのだった…
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何も報告し合わない夫婦

結局、妻である私に一言も無いままテルは会社を辞めた… そして 【私も今後テルには何も報告しないよ…】 と思っていた頃、報告しないチャンスが訪れた。 やっと仕事が見つかったのだ。 シゲの保育園のお友達のお母さんが行きつけのパチンコ屋に頼んでくれた。 本当にやっとだった。 私は仕事が決まった事だけをテルに知らせたが場所などは言わなかった。 そしてテルも聞いてこない。 改めて自分の存在を疑問に思ったが、テルにとっては、自分を無理矢理父親にさせた憎い女だったのかも知れない。 【私の事大嫌いなんだろな…】 いつもそう思っていた。 嫌いじゃなきゃ出来ない事をあまりにもされて来たから。 そんな中、テルは会社を辞め、深田さんという人の元で… 私はパチンコ屋の店員として働き始めた。 私21歳。 シゲ3歳の夏の事である…
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離婚を考えるが…

これまでに何回か離婚を考えた事もあった。 ラチがあかず実家に帰った事もある。 テルとは話し合いで解決するのは無理だから… 自分が遊ぶ事以外には興味が無いのだから… 自分の息子より自分自身の方が可愛いのだから… しかし私の判断でシゲから父親を奪ってしまっていいものか。たとえ名ばかりの父親でも… しかし以前里帰りした時に1度は離婚を決心しシゲを連れてキャバクラの面接に行った事がある。 近くに24時間の保育所があった。 早くお金を作り自立して親に頼らずにシゲを育てて行ける様にと思ったのだが父に 「この家から水商売に通う事は絶対に許さんっ!」 と言われてしまった。 その頃は、まだ昼間の保育園にも入園出来て無かったので諦めるしか無かった。 そしてテルの元に戻ったが夫婦としてやって行ける状態では無かった。 一人で子供を育てて行く為の準備金を貯める事も許されず、ただ生活能力が無いという理由だけでテルと暮らす様になっていたのだ…
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私は透明人間??

確かに 「会社を辞めて独立した人の所で働きたい」 みたいな事は言っていた。 しかし!妻に一言も無く会社を辞めるなんて! そしてそんな事をこの場で話せば平井さん夫妻を間違いなく主旨の違う話に巻き込む事になるだろう。 仕方なく私は何も聞かされて無い事実をその場だけ封印する事にした。 「あなたはどぅ考えているの?」 いよいよ話が私へと振られた。 【どぅもこぅも無いよ!今すぐ離婚したいわ!】 と思いながらも 「実際に働くのはテルですから…私はテルの決断に従うまでです…」 などと心にも無い事を言った。 しかしそんな中でも 【もしかしたら話しづらかったのかなぁ…きっと平井さん一家が帰ってから『実は…』って話してくるかも…】 なんて考える自分もいた。 そして遂に平井さん一家帰宅… 「車まで送ってくるね」 テルの態度は明らかに普段と違って明るく感じが良かった。 【テルの奴…二人になったら何て言ってくるんだ?】 ソワソワ待っていると… テルは家に入ると私の前を黙って素通りして寝室へと入りそのまま寝てしまった。 一言も話さずに… この瞬間に過去の優しかったテルの思い出が私の心から全て消えたのだった…
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旦那が会社を辞める??

その日もテルの帰りは遅く、私とシゲはご飯もお風呂も済ませていた。 10時すぎにテル帰宅。 「ただいまぁ。今日は平井さんに送ってもらったんだ。お茶の用意して。」 【はぁ?いきなり何?】 平井さんというのは会社の取引先の人だ。 私も事務所で会った事は何回もあったが直接話した事は無かった。 そんな間柄の平井さんだがパジャマ姿でうろたえる私をよそに 「おじゃましま~す」 とズカズカ上がり込んできた。 しかも奥さんと2人の小学生の息子という私には全くもって関係の無いファミリー全員集合で! とりあえずテルを送ってもらったお礼を言い、慌ててお茶を出したのだが何やら話がおかしい… 「社長も社長だよなぁ~辞めるって言われて引き止めもしないなんて!」 …と平井さん。 黙って聞いていると会社に 「今月いっぱいで辞めさせて下さい」 と言ったのはテルの様だ。 【は?何事?】 チンプンカンプンな私。 「でも、いずれは独立考えてるなら奥さんの協力無しでは無理だよ~。ちゃんとに話し合ったの?」 と平井さんの奥さん。 【は?初耳だが…】ところがこの質問にテルは 「はい。話し合いました」 と答えた。 私は心底ギョッとしたが動揺を隠す為にうつむいて話を聞いていたのだった…
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夫婦に対する認識

ある夏の日… 公園で仲良くなったお友達に海へ誘われた。 シゲを海に連れて行ってあげたくて喜んでお誘いにのったのだが、行きの車の中でさっそくある事にビックリしてしまった。 お友達夫婦が仲良く会話をしている。 ただそれだけの事にビックリしてしまったのだ。 【結婚してもこんな仲良しな夫婦っているんだぁ…】 ほとんど家族で出掛ける事も無く、たまに行ったとしても必ずケンカして別々に帰ってくるような私達夫婦からは想像も出来ない。 仲良く車の中で笑い合っているなんて… 夫婦なんてつまらないものだと思い込んでいた。 お互い愛し合っているのなんて恋人の時だけだって… だから、すごくショックで… 海に行っても楽しいどころか淋しい気持ちでいっぱいになった。 【こういう所は家族で来る所だよね…よその家族にくっついて来るなんて違うよね…】 としみじみ感じてしまった。 しかしその後そんな事をしみじみ感じている場合では無いような大事件が起こる… 改めて妻の立場を無視される大事件が… 家族で海なんて夢は所詮叶わぬ夢。 車の中で笑い合うなんてやっぱりありえない事なのだった…
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保育園に入れたが…

シゲが3歳になる年の春… ようやく保育園に入園出来た。 第一希望が叶えられず遠くの保育園になったが 【これでやっと仕事が出来る。貧乏とはサヨナラだ】 と思い、浮かれた。 しかし現実は思っいてた程甘くは無く小さな子供のいる若い母親を雇ってくれる所はなかなか無い… その頃テルは会社の休みの日に会社から独立した人の元でバイトをしていた。 休みの日にバイトしているんだからそのバイト料はテルのおこづかいで良い事にしていた。 しかしこれも又甘かった。 そのうちテルは会社の休みを沢山とってバイトばかりに行く様になってしまった。 さすがに生活も回らず 「税金とかも払わなければいけないし少し考えてほしい」 とテルに言ってみた… すると 「働いてもいないくせにエラそうに金の事言ってんじゃねぇよ!」 と。 【どんな風に言ったって家族の生活のお金の話になんて耳を貸してくれないじゃん…】 こうなってくると優しかった頃の記憶も薄れて来て憎しみさえ覚えた。 自分が憧れていたものすら分からなくなる位、結婚生活に良いところは無かった。 子育てと仕事探しと生活費の心配や工面に明け暮れる日々が続いたのだった…
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車の免許

シゲが2歳になった頃、私は車の免許を取る事を決心した。 本当は18歳になったらすぐに取ろうと決めていて貯金もしていた。 しかしその貯金は全てシゲの出産費用に消えたのだった。 まぁそんな事は自分が望んだ事だから良かったのだが、テルの変貌は予想外だった。 17歳だった私にテルは 「教習所に行く様になったら俺が運転教えてあげるよ」 と言っていた。 教習所の教官の仕事をやりたがっていた位運転には自信があるテルだった。 しかし結婚後のテルは車の中でこう言った。 「乗せてもらってるくせにエラそうにするな!」 エラそうにしているつもりなど無かったが喧嘩になれば口では私の方が強かったせいもあってそんな風にとられていたのかも知れない。 しかし極力電車で移動していたにもかかわらずそんな事を言われるとさすがにカチンと来た。 テルばかりが好き勝手にやっていて… 【私が教習所に通う位いいじゃんか】 と思った。 そして 「教習所に通いたい」 とテルに話すと 「オマエみたいなバカには無理だよ」 と言われた。 【アンタに出来て私に出来ないわけ無いよ!】 と思ったが口には出さず黙ってマルイでローンを組み入校を決めた。 そして教習所の教官になる為に大型の免許まで取ったテルは1度も何かアドバイスさえもしてはくれなかった。(教官になるには大学を出ていないとダメだって調べもせずに大型免許をとった方がバカだと思う) 私は意地でマニュアル車のコースでなんとか自力で免許を取った。 シゲを教習所内の託児所に預け必至に頑張ったのだ…
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義理姉の結納

シゲが1歳になった頃テルのお姉ちゃんの結婚が決まった。 テルの実家で結納が行なわれるので私達夫婦も行く事になったのだが前日の晩… テルが帰って来ない。 朝方やっと帰って来たと思ったら出掛ける時間になっても起きない。 お姉ちゃんの大切な日… 行ってちゃんとに手伝いをしなければならない私の立場をテルは理解していないらしい。 どんなに起こしても起きないし、しまいには逆ギレし始めたので仕方なくシゲと二人で電車で行く事にした。 私達の家は神奈川県… テルの実家は千葉県だった。 そしてその日テルが現われたのは夜になってからだった。 当然全て終了した後だ。 そしてそれが許される家で育ったのがのが私の旦那だった。この日を境に私はテルの実家への行き帰りはシゲと電車でに決めた。 テルが運転する車の中では私は、なぜか悪者になる。 渋滞しているのも私のせいにされる。 多少大変でも電車の方がどれ程気がラクか… こんな風にどんどんテルとの距離は離れていき、そして経済的にも限界にきていた。 私も仕事をしなければ… そんな状況になっていた…
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母子家庭同然

憧れていた暖かい家庭になるはずだった場所は蓋を開ければ母子家庭同然だった。 テルは、やはり家庭には寄り付かず会社の仲間と遊び回る日々… たしかに遊びたくなる環境ではあった。 周りはみんな独身で好きな事をやっているのだ。 ましてテルは自ら望んで父親になったわけでは無い。 だからだろうか… 付き合っていた頃とは別人の様な冷たさであった。 私は私でテルに理想を求めるのはやめた。 シゲさえいればそれでよかった。 晩ご飯もシゲと2人なら美味しく食べられた。 しかし毎月の生活費を確保するのは大変だった。 給料が手渡しだったのだ。 給料日ともなるとテルは張り切ってお金を使いまくる。 テルは働き者… 休まずよく働く。 しかしそれは家族の為では無く自分が遊ぶお金が欲しいからだった。 遊ぶ為のお金を確保する為なら私や会社にどんなウソでもつく。 そんな中で夫婦の愛はもぅ…存在しなくなっていた。 ただ私は前の優しかったテルが忘れられずにいた。 ひどい事を言われたりされたりすればする程に優しかったテルを思い出して悲しくなった。 そして私のそんな気持ちはテルには届かずテルはどんどん意地悪で陰険な男になっていくのだった。 お金は人を変える… 悲しい現実を私は知ったのだった…
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産後旦那の実家にて

テルの実家に着くとテルの両親の昔からの友人の人が来ていてシゲを囲んでワイワイやり始めた。 以前一度会った事がある人で簡単に挨拶を済ませると私は荷物を片付けにテルの部屋へと引っ込んだのだがしばらくするとお義母さんが部屋に来て 「マユちゃん…〇〇さんからお祝い頂いたんだからちゃんとにお礼言わないと…」 と… 【???】 何の事やらさっぱり分からない。 「…お祝いですか?」 とりあえず慌ててお礼を言いに居間に戻ったが 《常識の無い嫁だ》 と思われただろう… そして身に覚えの無いお祝い金はテルの道楽へと消えていた。 頂いた事さえ知らずにどうやってお礼が言えよう… 当然テルを責め立てた。 お金にだらしないテルを私が責める… これが私たち夫婦のパターンになっていた。 私はお金に対してはキッチリしていないと気が済まない性格で形として残らない事にお金を使いまくるテルがどうしても許せなかった。 そんな中でテルの両親はシゲが生まれた途端に態度が一変し、中絶を勧めたり同居を恥じたりした事実など無かったかの様にシゲを近所中に見せに回って行った。 そして1ヵ月テルの実家に拘束される事となり出産前から3ヵ月経ちやっと自分の家に帰る事が出来た。 決して暖かいとは言えない自分の家庭がある我が家へ…
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金使いの荒すぎる旦那

退院後も1ヵ月は実家で過ごした。 シゲは手のかからない赤ちゃんで夜も良く寝てくれた。 ある日テルから電話が来て 「お金が無い…」 と言う。 必要な分のお金は渡してあったしボーナスが出てるはずだった。 「え?ボーナスもらったんじゃないの?」 「もらったよ」 「じゃあ、それで生活出来るでしょ?」 「…もぅ無いよ…使っちゃったから…」 あまりの事にめまいがした。 テルはボーナスをもらって1週間位の間に全部飲み食いやギャンブルで使ってしまったという… 息子が生まれた直後にもらったボーナスを… どんな言葉を返したのか全く思い出せない位に動揺した。 自分なら我が子の為に少しでも貯金するところだ。 自分の気持ちや考えとテルの気持ちや考えとの違いの隙間を埋める方法を私は知らなかった。 知ってたとしても埋められたかどうか… テルは私に 【子供を産ませてあげたんだから俺の役目は終わったよ】 的な態度だった。 そして出産後1ヵ月が過ぎ今度はそのままテルの実家でしばらくお世話になる事になった。 シゲの誕生を恥じていた人達のいる家へと向かったのである…
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18歳一人ぼっちの出産

その日、家族は継母の実家に出掛けていて私は一人で留守番をしていた。 陣痛の痛みを知らない私は朝からのお腹の張りが陣痛であるとも思わずにレンタルビデオ屋やらコンビニやらに行き呑気に過ごしていた。 夕方、継母からの電話に 「お腹の張りが治まらないよ」 と説明すると 「それはアンタ陣痛だよ!」 と言ってすっとんで帰って来てくれた。 今になり思えば予定日を過ぎた18歳の娘を一人置いて家族全員で出かけるも、病院で陣痛に苦しむ初産の娘が一人ぼっちだった事も決して普通では無い。 しかし当時の私は我が子に会いたい一心で、一人ぼっちに何も疑問を抱かなかった。 そして泣くでも叫ぶでも無くひたすら頑張る私は助産師さんに凄く褒められた。 そんな中、想像を絶する痛みの後にやっと会えた… みんなの反対から守りぬいた我が子。 息子シゲは障害児では無かった。 18歳になったばかりの母親の元にやって来た可愛いシゲ… この子を囲んで幸せな家庭を築くはずだったのだがそれが無理な事を私は退院後すぐに知る事になる。 今まで感じていたテルに対する不信感はシゲの誕生で全て解決すると思っていたのだがそんなに甘くは無かった。 『結婚は人生の墓場』…まさにそんな言葉が当てはまる結婚生活の始まりであった…
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理想とかけ離れた新婚生活

やっと手に入れた自分の家庭… そこが私の全てになっていた。 学校も仕事も辞めてしまえば当然の事。 学校の先生には休学を勧められたが子育て以上に意味があるとは思えずスッパリ辞めた。 まだ1年生だった。 妊娠8ヵ月までは会社に行ったが、後は家事と出産の準備だけが私の仕事になった。 テルは私と結婚した事でこれ以上私の気を引く必要が無くなり、優しくする必要がなくなった。 と判断するしか無い位、家にいない。 毎日会社の仲間と花札やパチンコをして楽しんでいた。 いくら赤ちゃんを産めるにしても黙ってはいられない。あまりにも思い描いていた生活と違いすぎる… しかし文句を言っても、お願いしてみてもテルの生活態度は変わる事は無かった。 そしていよいよ臨月に入り私は出産の為に実家に帰った。 だが、そこにもテルはほとんど顔を出す事は無かった…
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18歳結婚

部屋探し… なかなか良い部屋が見つからない。 どんどんお腹は大きくなるし焦った。 テルの休みが少ないし不動産屋を回る時間もあまり無かった。 最後は 【貸してくれるなら何でもいいよ!】 的になり、えらい山奥の最悪の物件に新居は決まった。 買い揃える物も沢山あり、ある日テルと待ち合わせをして電気屋に行く約束をしていた。 しかしテルが来ない。 携帯なんて無い時代だし、いちかばちか会社の事務所に行ってみた。 なんとテルはそこで花札をやっていた。 バタンっとドアを閉め走って帰った。 泣きながら… 少しずつテルは変わっていった。 いや、変わったのでは無く本来の姿を出し始めたのであった。 そんなテルに不信感を抱きながらも見て見ぬふりをしたまま私とテルは入籍した。 【子供が生まれればテルは優しいパパになる。私に優しくしてくれたみたいに夢中で我が子を可愛がるに決まっている】 そんな風に勝手に思い込んで… そしてなんとか出産前に引っ越しも終わった。 私は遂に憧れていた自分の家庭を手に入れたのだ。 ワクワクしながら料理の本を見て晩ご飯を作る。 しかしテルは仕事が終わってもすぐには家に帰って来なかった。 暖かく食卓を囲む夢はなぜか叶わなかった…
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居場所

結婚式はやらない事になった。 私は親しい人だけを集めて小さな結婚式をやりたかったのだが、テルは 「盛大にやりたいからお金を貯めて子供もいっしょの結婚式をあげる」 と譲らなかった。 【赤ちゃん産めるしその部分はテルの意見を尊重するか…】 実際問題、金銭的に式どころでは無かった。 まず新居を借りるお金も無いのだから… その頃、祖母の家に引っ越した私の両親は又マンションに戻る事になっていた。 叔父との暮らしを邪魔された祖母の怒りの矛先は父に向けられたのだ。 その結果ほんの数か月でリタイア。 そんな祖母の家に私は5年間も預けられていたなんて… 溺愛しすぎてる叔父との暮らしに割って入れば例え孫であろうが容赦無かった。 そりゃあ何としても自分の本当の居場所を求めるというものだ。 しかし新居を構えられなきゃ居場所もクソもない。 仕方無くテルの両親に頭を下げた。 「2人で頑張ってお金貯めて部屋を借りるので、それまで置いて下さい」 と。 それに対する返事はこうだった。 「近所の目があるからここに住まれちゃ困る…お金は出すから部屋を借りて2人で住みなさい」 【ええーーっ?私がテルの子を産む事をこの両親は恥ているのーー?】 かなりビックリしたが子供さえ産めれば他は我慢出来た。 17歳の私は『結婚・出産』の決定で幸せを手に入れたと思い込んでいた。 ひたすら浮かれていたのだ。 そして幸せへの準備に取り掛かったのだが… 何か… 何かが違っていた…
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17歳での妊娠はそんなに悪い事なのか

「シンナーをやめてから1年も経っていれば問題無いです」 病院の先生は私の希望通りに答えてくれた。 先生のおかげで私の両親は結婚を認めた。 そして… テルの両親は… テルは私と違って家庭環境に恵まれていた。 ごく普通の家庭に超未熟児で生まれたテルは、かなり甘やかされて育っていた。 成人した息子が17歳の子を妊娠させた。 当然、産む事にも堕ろす事にも強く意見を言える立場では無かった。 そんなテルの両親の元にテルと2人であいさつに行った時、話は何でもなく終わりテルの両親も結婚を認めてくれたんだと思った。 しかし、テルが私を残し外出した途端に本音をもらした… テルの両親は私を居間に呼び、こう言った。 「マユちゃん。今回は赤ちゃん諦めてもらえないかしら…」 正直むかついた。 確かに予定外の妊娠だ。 それにしても、みんながみんな中絶しろと言う。 しかもテルの両親は私が1人の時を狙っての話である。 私は黙って話を聞いていたが最後に一言… 「もぅ決めた事です。赤ちゃんは産みます」 それだけ言ってテルの部屋へと戻った。 こうして私とテルは結婚する事になった。 私の長年の夢… 暖かい家庭を作る為、そんな理想に向かって進み始めたのである…
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敵が多すぎる赤ちゃん

「結婚して2人で子供を育てたいと思います」 そう言ったテルに父は… 「悪いが今回は諦めてくれ」 と… 【は!?話が違う!!】 真剣にビックリした。 「なんでよ~!?」 と聞く私に 「オマエ、シンナー吸ってたんだよ。障害持った子供が生まれたらどうする?もっと年数たってからにしろ」 なんでも、父の友達がボランティアで薬物依存の子の何かをしているらしく、どうやらその人に吹き込まれたらしい。 私は又も泣きだした。 そんな、私にとっては見ず知らずのオヤジの話で我が子を殺せと? 冗談じゃない! もぅイヤになる位みんなに反対された。 叔父には 「そんな若さで子供なんて産んだら後悔するぞ」 と言われた。 「堕ろしたら後悔するけど、生まれた子を前にして後悔なんてするわけが無い!」 と言い放ってやった。 そして私が障害児を産むと洗脳された両親には 「医者でも無い人の意見で『ハイそうですか』って中絶なんて出来ないよ!まずは医者の意見を聞いてから考えるよ」 と言ってひとまず帰った。 そして継母と2人で又病院に行くまでの間、毎日泣いて暮らした… 会社ではオカちゃんが上司から 「友達ならマユの為にも今回は諦めさせろ」 と言われていた。 お腹の赤ちゃんには敵が多い。 そして、いよいよ病院へ… シンナーの件を相談した私たち親子に先生は…
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強引な17歳妊婦

妊娠して情緒不安定になってしまった私の八つ当りをオカちゃんは受け止めてくれていた。 先輩なのに私にイライラされても我慢していた。 そして応援してくれていた。 親の方は、これ以上父に内緒にしておくわけにもいかないので妊娠を伝えた。 「参ったな…」 とは言っていたがテルさえ結婚する気があるならオッケーみたいな感じだった。 肝心なテルは… 相変わらず遠回しに中絶を勧めていた。 そして私は赤ちゃんを守る為とはいえ、してはならない事をした。 テルを脅したのだ。 「産めないなら別れる!」 と… そしてテルは仕方無く結婚に同意した。 仕方なく… とは認めたくなかったからその部分からは目をそらした。 【赤ちゃんさえ産ませてもらえるなら多少の事は我慢だよ】 そう思って私は納得した。 そして2人で私の親に報告しに行った。 私はものすごく浮かれていた。 親は 「テル次第…」 と言っていたし、そのテルが産む事に同意してくれたんだからそりゃあ浮かれる。 しかし父はそんな私が唖然とする様な事を言ってのけた…
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17歳の母性

本音を言えば妊娠をテルには喜んでもらいたかった。 せめて、お腹の子の父親にだけは… でもそんな願いは叶いそうにないので諦めた。 しかし赤ちゃんを諦める事だけは出来ない。 なぜか…それは、もちろん早く自分の家庭が欲しいというのもそうだが妹や弟があまりにも可愛かったから… 子供の可愛さを知ってしまった以上、中絶なんて無理だ。 さっきまでお腹の中にいたのに、目が覚めたら居なくなってるなんて想像しただけでも耐えられない。 【なんとしても赤ちゃんは私が守る!!】 心に誓ったのである。 【テルさえ納得させれば親も納得する…】 しかし、こんな大切な事そう簡単に納得させられない。 本気で 【死にたい…】 と思ったのはこの時が初めてだ。 しかし、自分が死んだらお腹の子も…そう考えると何も出来ない。 むしろ体に良い物を意識して食べる。 このつらい状況の中、1人だけ私の応援団がいた。 それは先輩のオカちゃんだ。 彼女だけは 「頑張って産みな!」 と言ってくれた。 だから私は頑張れたのかも知れない…
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妊娠に対する思い

その日のテルの顔には 「ついてねぇ…」 と書いてある様だった。 【どうやら妊娠を喜んでいるのは私だけらしい…】 とようやく気が付いた。 たしかに17歳での妊娠は早すぎる。 でも私は早く自分の本当の家族が… 本当の居場所が欲しかった。 テルの事は大好きだし大好きな人とその子供との家庭こそ私が長年憧れていた理想なのだ。 多少の不安など吹き飛んでしまう位、喜びの方が大きかった。 しかし… それは私の一方的な思いでしか無かった。 テルはハッキリとは言わないまでも、今はまだその時(親になる時)では無い… みたいな事を言っていた。 私はそんな言葉は全て聞こえない様に耳を塞ぎ、大騒ぎして大暴れしてテルを困らせた…
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