連載「霊能者かんなぎの人生」vol.13 霊能家系に生まれても、異端である

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連載「霊能者かんなぎの人生」vol.13 霊能家系に生まれても、異端である

なんとなく、人生を書き綴ろうと思った事に対した理由はない。

ただ、同じような思いをしている人がいるならば、そういう人に届けば良い、そう思った。

恋愛してみてもなんだかしっくりこない。
結婚もなんだかどうにも上手くいかない。

良い男なんてこの世にいないんじゃないか、と思うぐらいの目に遭って、普通なんて程遠い苦労をする事になって、
普通に愛されて普通に幸せになって、普通に人生を送る、しかもなんとなく平穏に。

そんな望みは叶うことはないまま今に至る。
さて、宣言どおり恋愛や結婚話を語ろうと思ったのだが、これが結構記憶を辿るのに苦労した。

人生の重きに「恋愛」がない事が原因だと思うのだが、忌々しいものだから封印しているのもあるのかもしれない。
でも忌々しいかと思うと、全てが悪い事ではないし、
それぞれに学びがあったのだから、そこまで忌々しいかと言うとちょっと分からない。

人生、経験値が高い方が良いと思っているから、それすらも糧にしてきた。
だから、全部を否定することは出来ないのだが、あくまで「事例」として書こうかと思っている。


遠い砂漠にでも旅に出るような、そんなウキウキした気持ちでこれからの未来を楽しみに戻った横浜。
父のところにお世話になりつつ、娘を民間の保育園に預け、仕事に出ることとなった。

公営の保育園になかなか空きがなく、また、見学に行った保育園では、
どうもお昼寝タイムだったようで薄暗く、
そうして眠れない子供が職員室に行ったら、とてもドスの効いた声でその子を呼び捨てにし、
「とっとと寝ろ」と恫喝していたのでそこはやめておく事にした。
見学に来ている保護者がいるのにこれができるという事は、
普段の状況はもっと悲惨に決まっている。
かわいい我が子をこんなところに預けられるか、と思ったので、
だいぶ費用はかさむものの、民間の保育園を選択した。

職場はだいぶつまらないところだった。
みんなそろってお昼ごはんを食べないといけない。
女性はその時までに男性陣のために味噌汁を手作りして提供しないといけない。
寮母かよ。

社長が飼っていたアロワナに餌となる魚を飼ってきてあげる事は楽しかったが、
なんで成人男性の世話をしなければならないのだ。

こういう昭和気質どころじゃない職場が当たり前にあって、
そうしてセクハラも容認されていて、
そうして誰でも良いからと女性陣全員を口説くのが日課の上司がいて、
そういう事がまかり通る環境に耐えられるような性格ではない。

毎晩のように電話してきては、飲みに出てくるように強要する上司。
もちろん行く気もないので適当にあしらい続けたが、
それすらも面倒だった。

「転職するかなあ」
そう考えてある日保育園に迎えに行ったら、保育士さんが言ってのけた。

「おたくの子の方言が強すぎて何言ってるかわからないんですよね」

いやいや、北九州あたりの言葉なんて、私だって分かる。
通じない言葉なんてそうそうなかった。
娘の方言なんて大したことはなく、語尾がちょっと違うとかそれぐらいのレベル。
私だってこの横浜から福岡に行った身だから、
この方言が通じないなんて言い訳は通用しないんだけど。
あのさ、地方差別したいのか何なのか知らないけど、
分からないんじゃなくて分かる努力をしてないだけなんじゃないの?
こんな風だから、横浜っていうのは気取ってるだなんだって言われるんだけどね。
横浜が嫌いなわけじゃないんで偏見を増長させるような言動はやめて欲しいんだが。

色々考えつつ一週間ぐらい過ぎた頃に、娘が全身に蕁麻疹が出た。
そうして、保育園に行きたくない、と言った。

ちょうどいろいろ面倒になっていたし、孫がそばにいて嬉しそうな父には申し訳ないと思ったが、
二ヶ月たたずに私は再度福岡に戻る事をその場で決めた。

ずいぶん長く住んでいた横浜だったのに、
戻ってみればクソッタレな出来事の連続で、
もはやこれは福岡に帰ってこいという事だったのだろうと今は思う。

ちょうど、不動産屋をやっている友人から、
名義変更だけで今住んでいる家を貸してやる、という話も入ってきたので、
渡りに船だと思いその提案に乗る事にして、早々に福岡に戻った。

戻った後に、職場の人から年賀状が来たので、
その御礼に社内のセクハラ事情を全て書き連ねた返信を書いて送っておいた。
それで変わるのか変わらないのかは知った事ではない。


そんな私の人生を語る事に意味があるのかはわからない。
ただ、自分がもし、異端だと思っている人がいれば、
また、これから先の話を通して、苦しい人生を歩んでいる人に「ひとりじゃない」と思って貰えれば、と思い、
不定期ながら人生を語らせていただこうと思う。
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