旦那の作戦

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小説
渡さなかったシュウへの手紙とは…
シュウが婚約していた彼女との別れ話でもめていて落ち込んでいた時に書いた物だった。
『元気出して。どんな事があっても私はシュウの事が大好きだよ…』
という内容。
テルにこれを読まれたとなるともぅごまかしようが無い。
【よしっ!バレたならバレたで仕方無い。テルとは別れよう!】
私はこれをテルと別れる良いキッカケだと思う事にした。
しかしテルは私が思っていた以上にしたたかな男だった。
私には無関心なギャンブルバカだとばかり思っていたのだが、そんなテルは私を責めるより前に私の両親を味方に付ける作戦に出た。
あんなに嫌っていた私の両親を…
正月すら顔を出したがらずにいた私の実家にテルはその日のうちに1人で出向き
「マユが浮気をしています」
とわざわざ報告したらしい。
すぐに継母から電話があり
「帰って来なさい!!」
と命令された。
次の日も私は仕事があり、それを告げたのだが、もともとパチンコ屋の仕事を認めていなかった継母は聞く耳を持たず
「そんな仕事は今すぐ辞めて明日には帰って来なさい!」
と大怒りであった。
実家になど帰りたくなかった。
シュウと会えなくなってしまう。
しかしそれがテルと私の両親の狙いだ。
ここに来て私は自分の
【テルにバレるわけが無い】
という勝手な思い込みを心底後悔した。
もっと気を付けていればこんな事にはならなかったはず…
気を付けるべき部分は沢山あったのだから…
しかしいくら後悔してももぅ手遅れだった。

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