私は透明人間??

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確かに
「会社を辞めて独立した人の所で働きたい」
みたいな事は言っていた。
しかし!妻に一言も無く会社を辞めるなんて!
そしてそんな事をこの場で話せば平井さん夫妻を間違いなく主旨の違う話に巻き込む事になるだろう。
仕方なく私は何も聞かされて無い事実をその場だけ封印する事にした。
「あなたはどぅ考えているの?」
いよいよ話が私へと振られた。
【どぅもこぅも無いよ!今すぐ離婚したいわ!】
と思いながらも
「実際に働くのはテルですから…私はテルの決断に従うまでです…」
などと心にも無い事を言った。
しかしそんな中でも
【もしかしたら話しづらかったのかなぁ…きっと平井さん一家が帰ってから『実は…』って話してくるかも…】
なんて考える自分もいた。
そして遂に平井さん一家帰宅…
「車まで送ってくるね」
テルの態度は明らかに普段と違って明るく感じが良かった。
【テルの奴…二人になったら何て言ってくるんだ?】
ソワソワ待っていると…
テルは家に入ると私の前を黙って素通りして寝室へと入りそのまま寝てしまった。
一言も話さずに…
この瞬間に過去の優しかったテルの思い出が私の心から全て消えたのだった…

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