葛藤

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テルは私の両親と急激に親密になって行った。
「浮気は許します。原因を作ったのは自分ですから…これからは心を入れ替えてやり直したいと思っています…」
この言葉に私の両親は完全に騙されてしまった。
浮気をしたダメな娘を広い心で許す…
なんてありがたい…
みたいな空気になってしまった。
こうなったら私とシュウは、ただのろくでなしである。
両親からの必死の説得地獄。
私がシゲを手放せない事をテルも私の両親も分かっていた。
その上での説得。
しかし私は、一旦嫌いになったら再び好きになるなんて無理な性格。
その代わり嫌いになるまでは、とことん我慢する。
テルに対しては愛情も憎しみも全部燃えつきてしまっていたのだ。
灰しか残っていない心で又やり直すなんて…
葛藤の日々が続いた。
それは、シゲを手放す事も離婚して育てて行く事も出来ないからであった。
そして年が明け、いつまでも保育園を休ませるわけにもいかないので仕方なく自宅に戻る事になった。
自宅に戻っても葛藤する毎日。
愛する息子…
愛するシュウ…
そして二度と愛せないテル…
迷路に迷い込んだ様な日々がひたすら続くのであった。
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