何も報告し合わない夫婦

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結局、妻である私に一言も無いままテルは会社を辞めた…
そして
【私も今後テルには何も報告しないよ…】
と思っていた頃、報告しないチャンスが訪れた。
やっと仕事が見つかったのだ。
シゲの保育園のお友達のお母さんが行きつけのパチンコ屋に頼んでくれた。
本当にやっとだった。
私は仕事が決まった事だけをテルに知らせたが場所などは言わなかった。
そしてテルも聞いてこない。
改めて自分の存在を疑問に思ったが、テルにとっては、自分を無理矢理
父親にさせた憎い女だったのかも知れない。
【私の事大嫌いなんだろな…】
いつもそう思っていた。
嫌いじゃなきゃ出来ない事をあまりにもされて来たから。
そんな中、テルは会社を辞め、深田さんという人の元で…
私はパチンコ屋の店員として働き始めた。
私21歳。
シゲ3歳の夏の事である…

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