18歳一人ぼっちの出産

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その日、家族は継母の実家に出掛けていて私は一人で留守番をしていた。
陣痛の痛みを知らない私は朝からのお腹の張りが陣痛であるとも思わずにレンタルビデオ屋やらコンビニやらに行き呑気に過ごしていた。
夕方、継母からの電話に
「お腹の張りが治まらないよ」
と説明すると
「それはアンタ陣痛だよ!」
と言ってすっとんで帰って来てくれた。
今になり思えば予定日を過ぎた18歳の娘を一人置いて家族全員で出かけるも、病院で陣痛に苦しむ初産の娘が一人ぼっちだった事も決して普通では無い。
しかし当時の私は我が子に会いたい一心で、一人ぼっちに何も疑問を抱かなかった。
そして泣くでも叫ぶでも無くひたすら頑張る私は助産師さんに凄く褒められた。
そんな中、想像を絶する痛みの後にやっと会えた…
みんなの反対から守りぬいた我が子。
息子シゲは障害児では無かった。
18歳になったばかりの母親の元にやって来た可愛いシゲ…
この子を囲んで幸せな家庭を築くはずだったのだがそれが無理な事を私は退院後すぐに知る事になる。
今まで感じていたテルに対する不信感はシゲの誕生で全て解決すると思っていたのだがそんなに甘くは無かった。
『結婚は人生の墓場』…まさにそんな言葉が当てはまる結婚生活の始まりであった…
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