母子家庭同然

記事
小説
憧れていた暖かい家庭になるはずだった場所は蓋を開ければ母子家庭同然だった。
テルは、やはり家庭には寄り付かず会社の仲間と遊び回る日々…
たしかに遊びたくなる環境ではあった。
周りはみんな独身で好きな事をやっているのだ。
ましてテルは自ら望んで父親になったわけでは無い。
だからだろうか…
付き合っていた頃とは別人の様な冷たさであった。
私は私でテルに理想を求めるのはやめた。
シゲさえいればそれでよかった。
晩ご飯もシゲと2人なら美味しく食べられた。
しかし毎月の生活費を確保するのは大変だった。
給料が手渡しだったのだ。
給料日ともなるとテルは張り切ってお金を使いまくる。
テルは働き者…
休まずよく働く。
しかしそれは家族の為では無く自分が遊ぶお金が欲しいからだった。
遊ぶ為のお金を確保する為なら私や会社にどんなウソでもつく。
そんな中で夫婦の愛はもぅ…存在しなくなっていた。
ただ私は前の優しかったテルが忘れられずにいた。
ひどい事を言われたりされたりすればする程に優しかったテルを思い出して悲しくなった。
そして私のそんな気持ちはテルには届かずテルはどんどん意地悪で陰険な男になっていくのだった。
お金は人を変える…
悲しい現実を私は知ったのだった…

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す