終わっていたのに、続いていた恋の話
日常から始まった出会い彼とは、ネット上のチャットで知り合った。最初は他愛もない話をして、やがて時間を決めて待ち合わせるようになり、気づけば毎晩のように言葉を交わしていた。そのうち、悩みも打ち明けるようになって、私たちは少しずつ、距離を縮めていった。やがてLINEを交換し、日常の出来事を報告し合うようになった頃には、彼はもう、私にとって特別な存在になっていた。それから一年が過ぎて、「会ってみたいね」という話になった。私は、片道4時間かけて、彼のいる東京へ向かった。初めて会った彼は、正直に言うと予想外だった。特別かっこいいわけでもなく、むしろどこにでもいそうな、少し気のいいおじさん。でも、「よく来たねぇ」と笑いながら、当たり前のように荷物を持ってくれたその姿は、画面越しで知っていた彼、そのままだった。始まった恋それから、片道4時間かけて彼に会いに行く日々が始まった。仕事が終わると、急いで都会へ向かう。そんな生活は、思っていた以上に重たかった。デートらしいデートは、ほとんどなかった。スカイツリーに行ったのは一度だけ。あとは競馬場や、近所の店、駅ビルをぶらぶらするくらい。そのうち、彼がパチンコをしている間、私は一人で時間を潰すようになっていった。気づけば、「私は、何のためにここに来ているんだろう」そう思う時間が増えていた。それでも別れなかったのは、彼の言葉があったからだと思う。どんな悩みも、豪快に笑いながら「気にすんなぁ」と言ってくれる。その一言を聞きたくて、私は彼のもとへ通っていたのかもしれない。彼の本当の姿やがて彼は、自分の過去や生活の話をするようになった。経済的な問題、離婚、そし
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