第127話「より大きな共同体の声を聴け」
・世界の中心に君臨していない・わたしはこの人になにを与えられるか?青年「ちょっと整理させてください。対人関係の入り口には『課題の分離』があり、ゴールには『共同体感覚』がある。そして共同体感覚とは、『他者を仲間だと見なし、そこに自分の居場所があると感じられること』である、と。ここまではわかりやすいし、納得できる話です。でも、『共同体』なるものは宇宙全体に広がるという意味がわかりません。」哲人「ここでは、共同体の範囲が無限大なのだと考えればいいでしょう。たとえば、仮にあなたが学生で『学校』という共同体を絶対視していたとします。つまり、学校こそがすべてであり、わたしは学校があるからこそ、『わたし』なのだ、それ以外の『わたし』などありえない、と。しかし、当然、その共同体のなかでなんらかのトラブルに遭遇することはあるわけです。つまり、学校という共同体に対して『ここにいてもいいんだ』という所属感を持てない可能性は。」青年「ええ、ええ。大いにありえるでしょう。」哲人「このとき、学校こそがすべてだと思っていると、あなたはどこにも所属感を持てないことになります。しかし、ここで注目してほしいのは、『もっと別の共同体があること』『もっと大きな共同体があること』なのです。学校の外には、もっと大きな世界が広がっています。ひとたび世界の大きさを知ってしまえば、自分が学校に感じていた苦しみが、『コップのなかの嵐』であったことがわかるでしょう。コップの外に出てしまえば、吹き荒れていた嵐もそよ風に変わります。」青年「引きこもったところで、コップの外にはいけない、と。」哲人「はい。そこで覚えていてほしい行動原則が
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