絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

30 件中 1 - 30 件表示
カバー画像

優柔不断を克服するための心理学⑤:「全力は美なり」よりも「継続は力なり」

 「全力は美なり、そして継続は力なり」とはよく言われますが、どちらを取るかと言えば、当然、「継続は力なり」になります。大体、人間の集中時間は幼児なら15分(だから幼児番組の組み立ては短いものの組み合わせになっています)、大人でも1~2時間集中を続けることは決して簡単なことではありません。ましてやそれが毎日となればなおのことです。例えば、英語を勉強しようと思った人が、「よし、じゃタイムを買って読むぞ」と決意したとします。ところが、800円出して1冊買ってきたはいいものの、1ページ目から悪戦苦闘、辞書を引き引き、どうにか最初の記事は読み終えたものの、すぐには次の記事に移れず、2~3日遠ざかっているともう次の号が店頭に並んでいるということになります。こうして何百人、何千人(ひょっとしたら何万人?)という人がタイムに挫折し、屍体累々といった状況です。真面目な人、完全主義の人ほどあっという間にこうなります。どうしてこうなるのでしょうか?それは「いい加減に」「適当に」読むことができないからです。1冊、2冊、徹底的に精読してそれで終わりになるより、3年、5年といい加減に適当に読んでいる人の方が力がつくのは目に見えているでしょう(ちなみにタイムやニューズウィークを正規教材として導入する大学受験予備校が出てきましたが、「人集めの企画」としてはいいアイデアであるものの、「英語力・情報力を現実的に伸ばすための方策」としては、初学者なら英字新聞、コンテンツ重視ならタイムとニューズウィーク英語・日本語版の3冊併読、英語のセンス・アップならエコノミストとなります。高校生・浪人生でここまで知っている人はほと
0
カバー画像

不安を克服するための心理学⑥:失敗したら何度でも戻ってやり直す

 「失敗に対する恐れ、不安」は誰にでもありますが、肝心なことは「失敗すること」にあるのではなく、「失敗した後の対処の仕方」にあります。失敗したことによって、このやり方ではダメだということが分かっただけでも良しとし、前の選択肢に戻って別な道を行けばいいということです。10の選択肢があるとして、2~3つ試してみてダメだった場合、「やっぱりダメだ」と簡単に結論づけるのではなく、10の選択肢全てを試してみた上でやっぱりダメだった時に、「本当にダメだ」と結論づけるべきです。これが「絶対的確信的ダメ出し」です。社会生活やビジネスでも失敗はつきものですので、「失敗しないことがいい」のではなくて、「失敗した時にちゃんと責任を取ればいい」ということを知っておくべきでしょう。  よく「昔に帰れるとしたら、いつの頃に帰りたいですか」という質問がありますが、これに対して「小学校の頃」「中学校の頃」といった答えが返ってきます。そうすると、その時代が一番幸福で、それ以降、今に至るまで不本意な状況が続いていることになり、ある意味では悲しい話です。「生きていればリセットは何時でも何度でも可能」なのですが、「失敗したらやり直せばいいんだ」という基本姿勢が身についてくるようになると、次第に「今が一番いい」と思えるようになってきます。 ただ、自分にとってネックになっている原因・体験・事件は大体1~2個であるのが普通ですが(それが何であるかは自分の心が一番良く知っています、「内なる声」に耳を傾けてみましょう)、その中には自分の決断と行動ですぐにでもリセットに向けて対処できるものもあれば、自分以外の原因で不本意な状況に
0
カバー画像

挫折感を克服するための心理学⑥:「内なる声」は実は何でも知っている

 これは心理学的には「直観」、哲学的には「良心」、神学的には「内なる神」と言う所でしょう。不思議なもので、何でも「最初に心で思ったこと」「心の第一声」が意外に自分にとって必要なものを突いている場合が多いのです。「学校に通って勉強すべきだ」「英字新聞を読んでみよう」「思い切ってバイトをやめて大学を目指そう」などと、ある情報に触れた時、パッと思ったりするのですが、時間と共に理性が働いてあれこれ「言い訳」をこねくり始め、最初に浮かんだことをすぐに実行に移さない理由を「正当化」していくことが始まります。「別に今じゃなくてもいいじゃないか、もう少し考えてからにしたら」「いきなり英字新聞なんか読めるわけがないじゃない」「バイト先に迷惑もかかるし、しばらく仕事は続けながら、受験勉強もやったらいいんじゃない」などと、次々に最初の決意(アイデア)を骨抜きにかかってきます。なぜかというと、人間はついつい「昨日と同じ今日、今日と同じ明日」を望む存在で、新たな決断をしてそれまでの生活の流れを変え、新しい生活を出発させていくことをなるべく先送りにしたい心理が働きやすいからです。ところが、答えはすでに出ているのです。先入観や偏見、浅知恵など抜きに、真っ先に心が反応したのは「やってみよう、踏み切ってみよう」という答えだったはずです。「自分に正直に生きる」ということは実はこの「直観的感性」「良心の声」「内なる啓示」に従うということで、その障害は外にあるのではなく、本当は内にあるのです。だから、「自分にウソをつかない」ということが大変なことだということがよく分かりますね。しかしながら、「自分に正直に生きる道」「
0
カバー画像

挫折感を克服するための心理学④:ワンランクアップの逆攻略作戦

 「挫折感」を助長するものとして、「現実的不可能性の自覚」(第1章④で述べているように、「現実的可能性の自覚」が「希望」の出発点としたら、これは「絶望」の出発点となります)があります。これは取り組む前から「挫折」を招くものでもありますから、何らかの「予防措置」が必要になってくるでしょう。例えば、「私は英語が苦手だ」→「英文をスラスラ読めないどころか、文法の知識も怪しい」→「英語をイチから始めるとしたら単語だ」→「まず3000語覚えればいいのか」→「1日10個ずつ覚えていこう」→(このままやり続ければ100日後に3000語を一巡しますが、その頃には最初に覚えた単語のほとんどは忘れているでしょう)→「10日ぐらい続けたが、なかなか苦しいな。ちょっとひと休みしよう」。ハイ、これで「挫折のサイクル」完了です。英語の勉強に挫折した哀れな屍がまた1つ増えました。時を経て、再び「やっぱり英語をやらなくちゃ」と思い立った時、やはり同じような思考のサイクルを経て、再び屍を1つ増やすことでしょう。これを何回か重ねていくと、「挫折感」が定着し、場合によっては「恐怖感」にすらなってしまいかねません。「ボクは英語はキライだ。フランス語なら興味がある」とうそぶく人もいますが、それはこの「挫折感」「恐怖感」が攻撃に転じたに過ぎません。では、どうしたらいいのでしょうか。この場合、今の自分の現実から出発して英語を「見上げて」いる限りは、「自分に英語ができるようになるんだろうか」という先取り的な挫折感、恐怖感から永遠に逃れることはできません。実は英語を「見下ろさなければ解決はできない」のです。このために必要な「逆
0
カバー画像

挫折感を克服するための心理学③:人間関係で傷ついた人は人間関係によってしか癒されない

 これは「性格改造法」における「元返し」「やり直し」と呼ばれる方法です。「逃避」や「代償」では受けた傷(精神的外傷、トラウマ)を完治することができないとすれば、同じ立場を再現し、かつて失敗したのとは逆の道を行って引っくり返していくというわけです。心理療法でも催眠術を使って記憶を逆行させ、とうの昔に忘れ去って潜在意識の奥底に潜んでいるような所までさかのぼって、かつて満たされなかった思いを遂げさせる(幼少期に親に十分甘えられず過ごした人を催眠療法でさかのぼらせ、思いっきり甘えさせるというのもこうした手法です)という方法論があります。  これは心理学的に「運命の反復」と呼ばれる現象を断ち切るためにも必要な手法です。児童虐待に走ってしまう親は、幼児期に児童虐待を受けていたことが多いことが知られています(元被害者が加害者に転化するわけです)。また、よく「ガンの家系」と言われたりもしますが、特定の病気に結びつきやすい生活習慣があり、その元になっている性格傾向は多分に遺伝されやすいということでもあります。あるいは両親が離婚を経験していると、子どもも離婚を経験する可能性が高くなるということや、離婚率が50%にも及ぶアメリカでも、現実には1度離婚した人が2度、3度離婚するケースが多いのであり、結婚したカップルの中では、終生添い遂げる比率の方が高いということなども「運命の反復」を物語っています。  実際、完全に同じ状況を再現することは不可能ですが、意味的に同じ状況であることは可能です。試験で挫折した人は試験で成功すればリセットされます。例えば、高校入試で失敗した人も、大学入試で成功すれば問題はなく
0
カバー画像

挫折感を克服するための心理学②:自分よりもっと悲惨な立場から這い上がってきた人がメンターとなる

 では、挫折感の克服はどうしたらなされるのでしょうか。ここでヒントになるのは、自分よりももっと大変な立場にありながら、それでも試行錯誤して這い上がってきた人の実体験です。例えば元々語学に関心があって、高校時代から英語のみならずフランス語・ドイツ語をかじり始め、大学時代にギリシア語・ラテン語を学んできたような人(こういうマルチリンガルはヨーロッパではゴロゴロいます)が、「いやー中国語は難しいね、最初はちんぷんかんぷんだったけど、半年くらいあれこれやっていたら大分分かるようになったよ」と言われても、全く参考にはならないでしょう。恐らく、「自分とは住んでる世界が違う人だ」と思うのが関の山でしょう。  ところが、中学校の英語もままならない人が「よし、医者になるんだ」と決意し、一生懸命辞書を引き引き勉強を始め、三浪してやっと国立大学医学部に合格したとしたら、「自分よりもできないような立場からよくそこまで行ったものだ」と感心し、「自分でもその人のやり方を真似すれば、そこまでは行けるんじゃないか」と自然に考えることでしょう。  実はいつまでもどん底でもがき苦しんでいるだけではダメですが、試行錯誤の末、困難や課題を一つ一つ克服していって目標を達成・勝利していくと、自分がもがいていたレベルまでの人に対しては、共感をもって「うん、分かる、分かる、苦しいよね、大変だよね。でもそこでこうしてこうしてやっていけば、ここまでやっていけるんだよ」と教えてあげることができるわけです。したがって、自分と同じような課題、境遇、苦しみを抱えながら、そこから這い上がって克服、成功した人、これがメンター(指導教師)とし
0
カバー画像

挫折感を克服するための心理学①:挫折感は「逃避」「代償」によっては癒せない

 いわゆる「挫折体験」は、無数の人生経験の中でも性格形成に影を落とすような「原体験」になりやすいものです。しかし、小さな子どもは無数の「失敗体験」を重ねながらも、それが必ずしも「挫折体験」となっていないことは注目に値するでしょう。初めての経験なら失敗することの方が自然で、子どもはその繰り返しの中からやがて「成功体験」をつかみ、今度は自信を重ねていくのです。つまり、「失敗」が「挫折」となるのは、ひとえにその人のとらえ方にかかってくるのだということです。  しかし、ひとたび「失敗」が「挫折」としてとらえられるようになると、それは心の奥深くに根深く巣食うようになってしまい、再び挑戦することにためらいを感じさせたり、「また失敗するんじゃないか、また挫折するんじゃないか」というストレスからより安易な方向へ「逃避」したり、何かそれに代わるはけ口を求めて「代償」で満足を得ようとするような行動が生まれてきます。ここではっきり知らなければならないことは、「逃避」や「代償」ではいつまでたっても本質的な解決はなされないということです。 【コラム】  マリリン・モンローと言えばどんなイメージを持つでしょうか。「セックス・シンボル」「白痴美」などとさんざん陰口を叩かれ、実際に男性遍歴も激しかったわけですが、彼女の伝記を見てみると、実にかわいそうな女性であったことが分かります。実は彼女が本当に求めていたのは「男性」ではなく、「父親」だったと言われています。自分の全てを受け止め、理解し、励まし、保護してくれる、そういう「父親」を知らず知らずにうちにパートナーに要求してしまっていたことに彼女の悲劇はありました
0
カバー画像

劣等感を克服するための心理学⑤:「向上心」は自己変革の最大の原動力

 では、現時点では特にこれといった「取り柄」を持っていない、むしろ、これからそういう「取り柄」を持っていきたいという人は何を目指せばいいのかというと、誰でも持つことができて、きわめて有益なものが「向上心」です。能力は自分のモノにするにも時間がかかるでしょうが、「向上心」だけはゼロからスタートしても(元手ゼロでも)誰でも持つことができるものです。これは「より良い自分になりたい」という願望でもあり、これに「忍耐力」と「吸収力」が加われば、「発展型の性格」を作っていくことができるようになります。実は「こんな自分じゃダメだ!」という気持ちがある人(誰にでもあります)なら、そこから一歩踏み出して、「何とかしたい!」と思う気持ちがそのまま「向上心」なのです。これは最初は「小さい火」ですから、風雨の中でもそれを消さないように気をつけつつ(忍耐力)、時に燃料を注いでいけば(吸収力)、必ず火力が大きくなってくるのです(発展型の性格)。 【コラム】  知情意という人間の精神の3つの主要機能の統合体が「人格(personality)」であり、それぞれの特徴や配分・組み合わせの傾向が「性格(character)」(したがって、個人個人におけるその違いは「個性(individuality)」と呼ばれることになります)ですので、「性格を変える方法」は大きく分けて「知的アプローチ」「情的アプローチ」「意的アプローチ」の3つがあることになります(巷にあふれる性格関連本はこれらがごっちゃになっているのです)。  「知的アプローチ」のキーワードは「意識」にありますが、第3章③で述べた内容がその基本原理です。  「
0
カバー画像

劣等感を克服するための心理学③:自分を大切にする人は他人も大切にする

 では、一体、自分の何を知ればいいのでしょうか。それは「自分の良さ」です。あまり、コンプレックスの固まりになってしまうと、「自分にいい所なんか1つもない!」などと悪い意味で開き直ってしまったりしますが、決してそんなことはありません。「どんな人にも必ず1つは取り柄がある」ものです。この延長上に「個性の発揮」「自己実現」というテーマが出てくるのですが、「自分の良さ」を見つけることは、第3章⑤で言う「物事のプラス面を見つける努力」を自分自身に向けるということに他なりません。なぜ、これが大事であるかというと、「自分の良さ」を発見しにくい人は、「他人の良さ」もまた発見しにくい人であるからです。逆に「自分の良さ」を見つける努力をしていくと、「他人の良さ」も見出せるようになり、そうすると「自分を大切にする人」となって、同時に「他人も大切にする人」となっていくことができるのです。  ここで大切なことは、「自分を大切にする」ということは、「自分のやりたいようにやる」ということではないということです。この点で鋭い洞察を示したのが心理学者のエーリッヒ・フロムです。彼はナチスを受け入れていったドイツ民族の集団心理の分析でも卓抜したものを示しましたが、その一方で酒や麻薬、異性関係に溺れる人の心理構造に関して、彼らには「自分がかわいい」「自分の欲望のままに好きなように生きている」といった「自己愛の心理」どころか、その根底に「自己憎悪の心理」があることを見抜いて、世の人々をアッと言わせました。実際、こういう人々は、「分かっちゃいるけど止められない」(これこそ顕在意識・表層意識・理性では理解していても、潜在意
0
カバー画像

劣等感を克服するための心理学①:コンプレックスは人間関係の中で生まれる

 「コンプレックス(complex)」という言葉は「劣等感(インフィリアリティ・コンプレックス)」だけを指しているのではなく、「優越感(シュピリアリティ・コンプレックス)」「エディプス・コンプレックス(娘の父親に対する思慕・愛着)」「エレクトラ・コンプレックス(息子の母親に対する思慕・愛着)」なども全て「コンプレックス」であるように、元々「潜在的な複合観念」を指しています(第3章③で言う情念のルートの「定着」は「潜在化」に他なりません)が、やはり問題となるのは「劣等感」でしょう。「自分は周りの人と比べて頭が悪い」「自分は中卒だから、高校中退だからダメなんだ」といった「学力コンプレックス」「学歴コンプレックス」はよく見られるところです。  しかしながら、「いいな、鳥は空を飛べて」「岩がうらやましい」などとは普通の人はまず思わないように(詩人ならあるかもしれませんが)、コンプレックスは「対物関係」ではなく、あくまで「対人関係」の中で生じてくるものだということが分かります。つまり、「人間関係」の中で「比較」の結果、生じてくるものであり(例えば、「学力評価」の無い幼稚園・保育園ではそういう「比較」はなく、「学力コンプレックス」は生じようがないでしょう)、それが負けず嫌いに火をつけて「成功動機」となることもありますが、たいていはそのままにしておくと精神的成長の阻害要因となりかねないものなのです。  したがって、「コンプレックスの悩み」というのは「人間関係の悩み」に他ならず、その克服は「人間関係上の工夫」にかかってきます。「人間」は「人の間」と書くように、人間にとって人間関係は本質に関わる
0
カバー画像

マイナス思考を克服するための心理学⑥:「自分はダメだ」から「ダメな自分をどうするか」

 逆境の中で「自分はダメだ」と落ち込むことは自然な感情ですが、その感情に埋没して這い上がれないままずっとそこにとどまるか、「現実の直視」から始まって、「思考力」をめぐらせて、「ダメな自分をどうするか」考えるかで、その後が大きく分かれてきます(はたから見ればどちらも一緒の状況に見えますので、この違いは「心理」の違いです)。つまり、「逆境」が問題なのではなく、もっと言えば「環境」が最終的に問題になるのではなく、それに臨む自分の「心理構造」で幸福にも不幸にもなるということです。  例えば、「お金さえあればなあ」と嘆いていた人が、ある日、突然、宝くじに当たって大金を手にしたところ、1年も経たないうちに皆使ってしまった(つまり、元に戻ってしまった)ということはよく起きています(遺産相続などでもよく見られます)。これは「お金がない」という「貧乏な環境」が問題なのではなく、「お金を作る力がない」という「貧弱な能力」の問題だったわけです。  大学受験でも本番が近づく12月くらいになると、「今から頑張っても行ける大学はたかが知れているから、もう1年頑張って、もっといい大学を目指そう」と思い始める人が出てきますが、これも同じです。「今、最善の努力を尽くせない人」は、1年経ったら別人のごとく変わるのかというと、そんなことはありません。バイトをしたり、友達と遊びに行ったり、あれこれ本を読んだりしているうち、あっという間に来年の12月になり、「1年前と同じ自分」がそこにいるのを発見します。結局、「心理構造」が変わらなければ、単に「時間」が増えても、本質的には同じ結果を生んでしまうということです。そのうち
0
カバー画像

マイナス思考を克服するための心理学④:マイナス言葉を絶対に口にしない

 では、「言葉のコントロール」はどうすればいいのかという問題になりますが、これには大原則があって、「マイナス言葉は絶対に口にしない」ということが重要です(瞑想の本や成功術の本にはたいてい書いてあります)。なぜなら、マイナス言葉にはマイナス思考・マイナス情念が背景に必ずくっついているからで、本人にそのつもりが無くても、マイナス言葉を発することで、知らず知らずのうちにマイナス思考・マイナス情念が表面に引きずり出され、反復・強化・定着の作用をしてしまうからです。  例えば、儒教倫理が非常に厳しい(最近はそうでもないようですが)韓国の教育学者によれば、子供の教育で「親に対する敬語」を絶対にしつけると言います。また、「昔は夫婦の間でも敬語を使っていた」とも言います。確かに「敬語」の背景には「敬意・尊敬心」という思考・情念がありますので、それが定着していると、家庭内暴力なども起きにくいというわけです。  無意識的にマイナス言葉を発していると、「自分で自分をダメにする」という現実を知らなければならないわけですが、逆に意識的にプラス言葉を使っていると、そのプラス言葉が背景に持っているプラス思考・プラス情念が次第に啓発の役目を果たしてくれるのです。しかし、ここで気をつけなければならないのは、「メゲない」「落ち込まない」「負けない」といった言葉は自分に対する励ましどころか、逆にマイナス思考・情念を刷り込んでしまう危険性があるということです。これらは一見するとプラス言葉のようですが、実は「否定言語」であり、「メゲる+いや、そうしない」「落ち込む+いや、そうしない」「負ける+いや、そうしない」という言
0
カバー画像

マイナス思考を克服するための心理学①:子供はマイナス思考をしない

 子供、特に幼児は不思議なもので、大胆で向こう見ずな子もいれば、慎重で冒険はしない子、のんびりゆっくりの子など、早くも個性が現われていますが、いわゆる「後ろ向きの発想」「マイナス思考」をする子は不思議といないものです。「恥ずかしいからイヤだ」「できないからやらない」といったことはありますが、「自分は何をやってもダメな人間だ」「自分はいてもいなくても関係ない存在だ」といったことはまず考えません。したがって、「マイナス思考」「後ろ向きの発想」「くよくよ、ぐちぐちの言動」「心配を数えて生きる生活」といったものは生まれつきのものではなくて、いつの間にか「自分固有のパターン」として根を下ろしていったものであることが分かります。こうなると、マイナス思考人になっていった「原因」と「経緯」があり、それが「反復」によって強化・定着していったことがはっきりしてきます。 【コラム】  楽天的な政治家(えてして「大ボラ吹き」と言われることになります)はいるものですが、中でも筆頭格は池田勇人元首相でしょう。彼が「所得倍増論」を打ち上げた時、誰も信じる者がいなかったと言います。それはそうでしょう、敗戦国家で焼け野原から出発した日本がいくら戦後復興の波に乗っているとはいえ、そこまでハイレベルな「高度経済成長」を実現できるとは誰も考えられなかったのです。ところが、池田の経済ブレーン「木曜会」に集まるメンバーはそうそうたるもので、在野の経済評論家として名高い高橋亀吉、「下村理論」で有名な下村治ら「七人の侍」がおり、その叡智を結集した政策を実行に移したのが池田だったのです。  ところで、実はこの池田の人生はとても
0
カバー画像

優柔不断を克服するための心理学⑥:「いい加減に」「適当に」やる

 勉強はやらないと意味がありませんが、追い詰められたようにやっても逆に心身を損なうことがあります。やり過ぎず、やらなさ過ぎず、「良い加減で」「適当なあんばいで」やることを心がけましょう。完全主義、完璧主義もよくありません。いわゆる「試験・資格の達人」と呼ばれる人達は「満点狙い」「高得点狙い」など考えていません。「合格ラインを少し超える位狙い」で行くのです。「要は合格すればいいんだ、取れりゃいいんだ」という発想です。そうすれば、努力は最小限で済み、気負いも減り、必要以上に自分を追い詰めることも無くなってきます。 【コラム】  「心構え変革プログラム」を20年以上かけて開発し、全世界で400万人以上の人を教育したロバート・コンクリン氏は名著『100人に1人も実行していない「成功地図」の読み方』の中で、成績でも運動能力でも落ちこぼれで、皆からバカにされていたジョンが如何に立ち直っていったかというケースを紹介しています(このケースだけでも読む価値があります)。  それによると、彼を預かった伯父さんはジョンにまず「規則正しい生活」をさせ、勉強の習慣を作ることから始めました。そして、ジョンは特に数学を苦手にしていたので、小学校の教科書を全部そろえさせ、小学校3年から復習をさせたのです。さすがに3年、4年の内容は理解していたそうですが、5年、6年の内容となると3分の1も理解しておらず、伯父さんは「何となく分かる」というレベルの理解を許さないで、徹底的に理解することを要求したため、小学校の算数を終えるのに1年かかったそうです。ところが、その後は理解のスピードが急激に早まり、中学1年の数学は3カ
0
カバー画像

優柔不断を克服するための心理学④:要は「現時点でのベストの選択」の連続なのです

 結局、自らの知識、思考力を駆使して出せる限界は「現時点でのベストの選択」です。これ以上はやってもムダですから、後は考えません。ひたすら行動あるのみです。ところが、行動し、また新たな情報が入ってくると判断材料が変わってきて、別の結論が出ることもあります。時として正反対の結論になることもあるでしょう。それはそれでいいのです。あくまで「現時点での状況、情報に基づき、自らの知識、経験、思考力を駆使して出せる最大限ベストの結論」をその都度出していくわけです。経済学ではこれを消費者なら「効用最大化」、企業なら「利潤最大化」を目指すと表現しますが、日常的には誰もそんなことを考えたりはしません。そこまで「完全合理性」を持った人や企業が一体どこにいるのでしょう。ここは複雑系で言われているように「限定合理性」で考えるべきです。また、最大の社会学者マックス・ヴェーバーなら、その「エートス論」で「主観」における「形式合理性」「目的合理性」「価値合理性」(簡単に言えば、「主観における合理的判断」というところですな)を説くところです。「その時点、その時点でベストだと判断できる選択」(主観的にベストであっても、客観的にはベストではないことは当然しばしばあるでしょう。しかし、その時点では知り得ないのですから、仕方のないことです)を追求するのが、現時的な取り組み方ということになります。 【コラム】 「碁からは『都合の悪いことを運のせいにしない』ことも学んだ。麻雀では、偶然がかなり勝負を左右し、負けても、『今日はついていない』という理由で片づく。また、四人もいるので、勝者と敗者が必ずしもはっきりしない。碁では、
0
カバー画像

優柔不断を克服するための心理学③:「いろいろ考えてしまって・・・」という人は実は全然考えていない

 よく「いろいろ考えてしまってなかなか結論が出ないんです」という人がいますが、実はこういう人は「考えていないに等しい」と言っても過言ではありません。「考える」ということは、ただ「思いに浸る」のではなく、「考え抜く、もうこれ以上考えても他に結論が出ないところまで検討し抜く」時に始めて現実的建設的意味を持つのです。同じところばかり堂々巡りして、そこから先に一向に進まないのは、「下手な考え、休むに似たり」という状況そのものです。つまり、あらゆる角度から考え、あらゆる選択肢を比較検討し、「現時点でのベストの選択はこれだ」「これ以上考えてもこれ以外の結論は出てこない、これ以上考えても時間のムダ、後は行動あるのみ」という所まで、考え詰めるべきなのです。そこまでしないで、「いろいろ考えてしまって・・・」と言うのは、明らかに言いすぎです。  よく座禅や剣道で「無念無想」ということが言われますが(例えば、柳生新陰流の奥義は「無想剣」です)、これは「何も考えない境地」ということではなくて、「あれこれ考え抜いた結果、考える必要が無くなった境地」のことです。ある僧侶が座禅に取り組んだ時、過去の出来事や気にかかること、今晩の食事のことまでいろいろ浮んできて、なかなか「無念無想」になれないと悩んだそうですが、それが毎日毎日繰り返されていくと、さすがに3時間も頭をよぎっていたことが、20分くらいでよぎるようになり、そのうちよぎることもなくなったというのです。何度も何度も徹底的にあらゆる角度から考え、それを繰り返していくと、本当に考える必要がなくなっていくのです。詠春拳から截拳道(せっけんどう、ジークンドー)
0
カバー画像

優柔不断を克服するための心理学②:自転車も水泳も始めない限り永遠にできない

 「何事もとりあえず始めてみないと何も始まらない」ということは、水泳や自転車を考えればよく分かります。本を読んだり、人に話を聞いたりして、「水の中で手と足をこういう感じで動かすのか」「○回に1回の割合で息継ぎをすればいいのか」「自転車に乗る時は体でバランスを取るのか、ふんふん」などといくら繰り返しても、知識が豊富になりこそすれ、一向にできるようにはならないのです。泳げるようになりたければまずプールに入ること、自転車に乗れるようになりたければまず補助輪付きでも自転車に実際に乗ってみることです。  徹底的に考えているにもかかわらず、迷いがふっきれないというのは、もう頭で考えるだけではダメで、行動して新しい条件・状況を加えてみないと新しい結論は出ないという段階に来ていることを意味します。こんな時は失敗してもいいから、お金を捨てる結果になってもいいから、行動を起こしてみるべきです。それが結果としてダメだった場合でも、「これはダメだということが分かった」というだけでも収穫だと言えるのです。 【コラム】 「決心する前に完全に見通しをつけようとする者は決心することはできない。」(アミエル) 「最高に真実なる知恵は、毅然とした決断である。」(ナポレオンが好んだ格言) 「一瞬の機を逃すと、それが不幸な敗北につながる。オーストリア軍は時間の価値を知らなかった。奴らはいつまでもぐずぐずと攻撃をためらっていたから、我が軍に打ちのめされてしまったのだ。」(ナポレオン) 「たとえば、結婚生活はどんなものであるかを、結婚して二週間目に下りてしまって、それで本当のことがわかったであろうか。何事も、辛抱強さが必
0
カバー画像

不安を克服するための心理学②:「成功者の体験談」にのみ耳を傾けましょう

 友達と群れることはそれなりの安心感を与えてくれますが、下手をすると「なあなあのぬるま湯」「傷のなめあい」「仲間内からの飛躍・離脱に対する足の引っ張り合い」といったことも起こってきます。「類は友を呼ぶ」「朱に交われば赤くなる」と言いますが、友達も1つの人的環境なので、当然、自分にとっていい環境もあれば悪い環境もあるわけです。特に大学受験予備校や司法試験予備校は未合格者や不合格者であるにもかかわらず、耳学問だけは豊富で、物知り顔にいろいろ話してくる人がいっぱいいます。これは全て聞き流す、最初から相手にしない、仲間に入らないのが「鉄則」とされます。なぜなら、自分の貴重な時間を確実にムダと分かっていることのために費やされてしまうからです(話が始まったら、途中で切るわけにもいかないでしょう)。  よく「金持ちになりたければ金持ちの中に入れ」と言いますが、自分の交友関係を見渡してみて、金持ちが1人もいないようなら、その交友関係の中だけにいる限り、金持ちにはなりそうもないということです。金持ちには金持ちの発想、ものの見方・考え方、行動があり、それらを身につけないことには何も始まらないからです。よく「金持ちはケチだ」と言いますが、これは反対で、「ケチだから金持ちになった」と言うべきです。成功者には「成功者の発想、行動、生活」があり、「結果としての成功」というわけです。 【コラム】  ケンタッキー・フライドチキンの入り口に必ず立っている「ケンタッキーおじさん」(昔は酔っ払いがよく延髄切りをしていたものです)がいますが、この人は創始者のカーネル・サンダースです。サンダースがケンタッキー・フライド
0
カバー画像

挫折感を克服するための心理学⑤:「してもらってうれしかったことは+αして人にもしてあげる」+「されて悲しかったこと、してもらえなくて悲しかったことは絶対に人にしない」の2原則が人間関係を劇的に変えていく

 実際に人間関係でひどい目に会い、傷つき、挫折した人は多くいますが、どんな大変な立場を通過した人でも、必ずといっていいほど人間関係を劇的に変えていく方法が「してもらってうれしかったことは+αして人にもしてあげる」+「されて悲しかったこと、してもらえなくて悲しかったことは絶対に人にしない」という2大原則です。傷ついた経験がある人ほど、人の優しさに敏感ですが、「あの時、自分の話をうんうんと聞いてくれてすごくうれしかった」とか、「この人だけが自分の良さを認めてくれた」といった体験を少なからず持っているものです。これは宝物と言ってもいいものですが、これをそのままにしていてはいけません。そうしてもらったうれしさ、ありがたさを分かっているわけですから、自分も他の人に対して同じようにしてあげるのです。しかも、自分なりの工夫として「+α」を加えていった上です。そして、逆に「あの時、こんなことをされて自分は本当に傷ついた」「こうして欲しかったのに誰もそうしてくれなかった」といった体験もたくさんあることでしょうが、これを絶対に人に向けてはいけません。「自分もこんな目にあったんだから、人にも」という発想は「復讐の心理」であり、復讐が復讐を呼んで繁殖していくことになります。ここで重要なことは「私が味わったような思いは私の所で終わらせる」「自分の所で悪い流れは断ち切る」という強い決意なのです。家族関係で悲惨な思いを味わった人も、友人関係で裏切られた人も、恋人関係で傷ついた人も、「この私(他の誰かではありません)を人間関係の転換点とする」と思い切れた時から、人間関係は変わり始めるのです。具体的にこの2原則
0
カバー画像

劣等感を克服するための心理学⑥:「人から学ぶ」気持ちがあれば誰とでも合う

 人間関係においても、どんな人ともうまくやっていくコツというものがあります。それは「人から学ぶ」気持ちを持つことです。相手の話に関心を持ち、そこから何がしか学び取ろうとする時、相手はどんな人でも自分に好感を持ってくれるでしょう。別に話題が豊富でなくても、話すことが上手でなくても、「聞く」ことだけは誰でもできます。しかも、場合によっては30年かけて得たものを3時間で全てしゃべってくれることもあるでしょう。そうすると、自分が30年かけても決して経験できないような世界を、圧縮して吸収することができてしまうのです。「話し上手」よりも「聞き上手」の方が最後は絶対に発展していくのです(実はどんなに「しゃべり好き」の人でも自分の持っているものを吐き出しきってしまうと、カラになってしまいます)。「聞き上手」の人は一見すると目立たないし、派手でもないので、注目を浴びたい人、話を聞いてもらいたい人には物足りないかもしれませんが、実は末恐ろしい人なのです。「話し上手」になることは訓練も時間も必要で、簡単ではありませんが、「聞き上手」には誰でも今すぐにでもなれます。「人から学ぶ」気持ちを持てばいいのです。勉強でもゴルフでも自分なりにやる人はまず大成しません。最初は謙虚に人の言うことに耳を傾け、ひたすら学ぶことが一番の早道でしょう。 【コラム】  新フロイト学派の才女カレン・ホーナイは、対人関係の特徴に関して次の3パターンに分類しています。 ①自己否定・他者肯定型(対象志向)~追従型、他人中心的、依存、受容性、マゾ ②自己肯定・他者否定型(主体志向)~攻撃型、自己中心的、積極性、サド ③自他否定型(独立
0
カバー画像

劣等感を克服するための心理学④:「取り柄を伸ばすこと」と「苦手をつぶすこと」の両立が肝心

 自分の良さ・取り柄・得手を見出し、それを伸ばしていくことは、コンプレックスの克服上、欠くことができませんが、ここで気をつけなければならないのは、それだけだといびつな性格になりかねないということです。マニアックな人に接した時に感じる異常感はこのために生じます(「天才と狂人は紙一重」というのはこの最極端形です)。取り柄を伸ばしていくことは個性の伸長でもありますが、同時に「苦手なこと」「やったことのないこと」にも取り組んでいくことが、性格のバランスを取る上で大切な要素となります。  勉強で言えば、好きな科目にはけっこう時間もかけますが、苦手な科目はついつい遠ざかってしまいがちで、その偏りはますます助長されていってしまいます。本当は苦手な科目ほど時間をかけなければならないのです。例えば、英語はすごく好きだけど、数学は全然ダメだという人は、将来、英語を生かした仕事につくことも考えるでしょうが、数学にも苦手なりに取り組まないと、ただの「英語バカ」になりかねません。「専門家」(特定の分野において優れた技量・力量・識見を発揮する人)になることは重要ですが、「専門バカ」(特定の分野しか通用せず、それ以外の分野に関しては常識的理解も乏しい)はコミュニケーションにも支障を来たします。  試験のテクニックとしては、最後の最後に苦手科目を「切る」ということは当然ありますが、勉強の基本としては苦手科目から目をそらさないことも重要なのです。 【コラム】  例えば、血液型によるタイプ別に英語の勉強法、あるいは強みの伸ばし方について論じた人に「英語界のご意見番」松本道弘氏(英語に真剣に取り組んだ人で、この人の
0
カバー画像

劣等感を克服するための心理学②:「自分を知ること」から全ては始まる

 生まれてからずっと「対人関係」は発達していきますが、「第2の誕生」とされる思春期においては、とりわけ自我意識が発達して、他人との「比較」も活発になり、自意識過剰・過敏にすらなっていきます。これ自体は正常なプロセスですが、ここで「自分」との折り合い(対自関係)をつけていかないと、「他人」との関係(対人関係)にも支障が出てきます。これは「他人の目で自分を見る」視点(相対的自己認識)から、「自分の目で自分を見る」視点(絶対的自己認識)への転換が必要だということです。これは第1章①の「現実を直視すること」を自分自身に向けるということであり、「自分を知ること」から全ては始まると言ってもよいでしょう。端的に言えば、「人は人、自分は自分だ」と言い切れるようにならないと、いつまでも周りの人間関係に左右され、振り回されてしまう自分から脱却できないということです。「自分を理解して欲しい、分かって欲しい、受け止めて欲しい」という強い欲求は、時として自他共に傷つける結果を生んでしまいますが、自分の最初の理解者、受け止め手に自分自身がならないといけないのです。 【コラム】 <オーケストラ楽器別人間学:管楽器編>  あなたはどんな楽器が性に合いますか?知的な関心と違い、「何が好きか」はその人の性格傾向を端的に物語ると言います。世にもユニークな茂木大輔氏の「楽器」に注目した人間観察に耳を傾けてみましょう。 ①フルート~冷たさも軽みも備えた貴族的エリート。人当たりがよく、やや優柔不断。冷静で客観性を伴った学者肌の性格。ストレスが少なく、開放的で大変に口舌の達者な、頭の回転の速い人物を作り出す。忍耐強さ、長期
0
カバー画像

マイナス思考を克服するための心理学⑤:物事のプラス面を見つけ出す訓練をする

 どんな物事にも必ずプラス面とマイナス面の二重性があります。例えば、人が亡くなることは誰がどう見てもマイナスのようですが、葬儀屋さんにとってはプラスです。また、その悲しみを乗り越えて一人立ちし、精神的に強く深くなることができたとしたら、残された遺族にとってもプラスの面が出てきたと言えます。また、人に裏切られて傷ついた人は、人間関係に対する怯えや人間不信が芽生えてきますが、そういう人間の醜い部分に触れたという点では貴重な勉強をしたとも言えます。ここで重要なのは、こうした「物事のプラス面を見つけ出すこと」は自然にはできないということです。これは意識的に訓練しないとできないことで、自然な感情に任せていたら、当然、マイナス情念、マイナス思考のとりことなってしまいます。 【コラム】 「自分を信じて、他人の否定的な言葉に絶対迷わされることが無かった。」(「成功の秘訣」を聞かれた自動車王フォードの答え) 「どんなことがあっても人生にイエスと言う。」(映画監督レニ・リーフェンシュタール、内戦が続くスーダンからの帰路でヘリコプターが撃墜され、重傷を負った病床で口にした言葉)
0
カバー画像

マイナス思考を克服するための心理学③:「発想の転換」→「意識の転換」が一番現実的な方法

 情念の分野に属する「意識の転換」と思考の分野に属する「発想の転換」はどちらがより根元的かというと、当然、「意識の転換」の方になります(人間はやはり根本的には「知的存在」というより、「情的存在」なんですね)。したがって、いきなり「意識の転換」にアプローチするというよりも、「発想の転換」からアプローチしていって、「意識の転換」に至るといった順序の方が現実的で、困難がより少なくなります。深層心理学で言えば、「発想の転換」は「顕在意識(表層意識)の活用」、「意識の転換」は「潜在意識の活用」ということに相当します(深層心理学ではさらに「深層意識」、トランスパーソナル心理学などでは「宇宙意識」まで説いたりしますが、ここまで来ると、個人が日常的に工夫できる範囲を超えます)。  では、「発想の転換」のカギは何にあるかというと、これは意外なようですが、「言葉のコントロール」にあるのです。ポイントは「遠隔操作」「間接操作」にあります。例えば、マラソンで坂道やラスト・スパートの時に「もっと足を上げろ」「もっと足を前に出せ」と言われても、疲れ切ってパンパンの足は思い通りに動くものではありません。こんな時、ランナーはどうしているのかというと、腕に意識を集中しているのです。腕を振ると、それに連動して足は動かざるを得ません。疲れ切った足を動かすには大変なエネルギーを要しますが、腕を振ることに集中することは疲れ切った中でも簡単にできます。あるいは、武道の基本である蹴りでは、よく「腰を入れよ」と注意されます。腰を入れないと蹴りに体重が乗らないため、スピードは速くても衝撃力が小さくなってしまうからですが、実際に
0
カバー画像

マイナス思考を克服するための心理学②:「意識→発想→言動→生活」というパターンが人を作る

 医学でも「病因論」研究で、遺伝的要素に加えて、「生活パターン」が重視されるようになりました。例えば、がん患者なら、家系の中でがんにかかった人がいるかどうかも重視されますが、肺がんなら当然、喫煙の有無が問題となります。これがさらに拡大されていって、ある病気を引き起こす原因として、特有の生活パターンがあることが明らかになり、「生活習慣病」の概念が出てきたのです。  ところが、東洋では古来、「運命学」(元々、兵法学の頂点に位置付けられ、帝王が必ず学ぶべき「帝王学」とされていたもので、その末端に位置する技術的側面が「占い」です。「占い」は心理学の「タイプ論=性格類型学」から見てもおもしろいものがあり、深層心理学の大家ユングも東洋の易や西洋占星術に着目して「共時性(シンクロニシティ)」の理論を作り上げています)では、「運命が性格を作る」「性格が運命を作る」という考え方をしており、運命と性格との相関関係に注目していました。これを参考にすると、「成功者には成功者のパターンがある」「失敗者には失敗者のパターンがある」(成功・失敗、健康・病気、恋愛・失恋などといったものは、占いでは必ず出てくる「運命の要素」の一部ですね)ということになり、「性格」がその人の「言動」(言葉と行動)に「特有の傾向」を与え、言動がその人の「生活」の主要素を形作ることから、「性格→言動→生活」というパターンに注目すべし、という観点が出てきます。  それで「要は性格を変えればいいんだよ」ということになるのですが、10年、20年、30年と歳月を重ねて出来上がった性格なので、「自分固有のパターン」の反復・強化・定着は並々なら
0
カバー画像

優柔不断を克服するための心理学①:迷ったら前に出る

 これは阪神時代の星野監督が広島の金本選手を説得した際の決めゼリフです。広島に未練を残す金本選手に、「オレはこうやって来た」と言ってプッシュしたわけです。結果として阪神は18年ぶりの優勝を達成しました。「阪神は20年に1度優勝する」と言われていましたので、これが2年後に優勝したのであれば、「やはりジンクス通り」「運命のなせる業」で片付けられてしまったことでしょう。そうした運命の力を超えて優勝を引き寄せた理由の1つが、他ならぬ「迷ったら前に出る」という決断にあったということです。  実際、「やったことのないこと」「まだ見ぬ世界」に対して迷いが出るのは当然で、全てを予測し尽くすことなど不可能です。人の心を読むサトリという化け物が、先んじて村人の心を言い当てますが、村人がさとられまいとする努力を止めて、ただ無心に斧をふるっていると、サトリは何も心を読むことができず、柄から外れて飛んできた斧の刃に当たってとうとう死んでしまったという昔話が思い出されます。物理学の世界でも「決定論」に基づく「ラプラスの悪魔」(あらゆる条件を知っていて、未来の完全予測ができる)というたとえ話が出てきます。  ここで重要なのは「考えるべきこと」と「考えてもムダなこと」の2つがあるということです。「事前に徹底的に考えなければならないこと」があるのは当然ですが、「やってみるまでは分からないこと」があるのもまた事実です。金本選手だって、阪神に行って成功するかどうかなど、実際に行ってやってみるまでは分からなかったでしょう。こんな時、移籍して成功したケースは○%などというデータがあっても、余り役に立ちません。「やってみ
0
カバー画像

不安を克服するための心理学⑤:「最も失敗した人」が「最も成功する人」

 徳洲会の徳田虎雄理事長は医療と政治の分野であくなきバイタリティを発揮していますが、その努力家ぶりは有名です。例えば、口ベタで人前に立つのが苦手で仕方がないので、人前で200回しゃべってやっと苦手ではなくなったというのです。これは「逆療法」とも「逆転の発想」とも言えますが、ここで知っておくべきは「最も失敗した人」が「最も成功する人」となるということです。例えば、「名医」として知られる人ほど、たくさんの失敗を繰り返してきています。恐らく専門によっては死人も少なくないでしょう。ここで重要なことは、挫折し、メゲるような失敗の数々、連続の中で、「やっぱり自分にはムリだ」「自分にはこの道は向いていないんだ」と投げてしまえば、失敗は失敗のままで終わってしまうだけですが、「それでも、それでも」といって止めてしまわず、「こうすればいいんだ」という所まで到達すると、「失敗は失敗でなくなり、成功のための肥料、かけがえのない貴重な財産となる」ということです。さらに言えば、苦しみ、もがき、そしてそこから這い上がった人は、自分が苦しんだレベルにいる人までは「道」を教えてあげることができるようになります(自分よりもっと大変なレベル人に対しては何もしてあげることはできません)。カウンセラーや教育関係者はたいていこうした「原点」「原体験」を持っているものなのです。したがって、ある程度の精神的強さを持っている人へのアドバイスは「もっと失敗しろ、もっと苦しめ、もっともがけ、もっと悩め、そして何とかそこから這い上がれ、それが後々貴重な財産となる」ということになるのです。  こうしてみると、「敗北」と「成功」の分かれ
0
カバー画像

不安を克服するための心理学④:「希望」は現実的可能性から生まれてくる

 「大丈夫、大丈夫」「何とかなると思うんですよ」と意味も根拠もなく言っている人がいますが、これはただの「カラ元気」で、余り繰り返し続けると気力そのものが失われてきます。「自分を無理にでも奮い立たせないともたないんです」と弁明したりしますが、これは岩を坂の上に押し上げては転がり落ちるという「シーシュポスの神話」(ギリシア神話に出てきます)のような悲劇です。実はやる気、気力といったものを支えるのは「希望」(ギリシア神話では「パンドラの箱」から多くの災いが世界に飛び散った後、最後に残ったものが「希望」であったとされ、だからいろいろ悪いことがあっても、人間には「希望」が残されているのだと言っています)なのです。では、「希望」と「カラ元気」はどこが違うのかというと、「希望」は「現実的可能性」から生まれてくるという点です(カラ元気は根拠もなく、無理やり思い込もうとしているだけです)。「現実的可能性」とは「こんな自分でもできるかもしれないな」と思えることです。「こんな自分でも」「こうすれば」「もしかしたら」「できるかも」というのが心理上のポイントです。  では、こうした「現実的可能性」はどうしたら感じられるようになるかというと、それは②の「成功者の体験談」と③の「知的確信」から生まれてくるのです。 【コラム】 「私が小学校六年の昭和三七年、母は夏休みを利用して自動車学校に通った。当時、商業車は別として、自家用車は十分に普及していなかった。まして女性で四九歳の人は、その学校にもいなかったらしい。  知人のK先生が、同じ自動車学校に通っており、そのご主人が商業車を持っていた。そこで、授業の時間帯
0
カバー画像

不安を克服するための心理学③:「自信」がなくとも「確信」は持てる

 実は自分に「自信」があるという人はそういません。例えば、相当美人の女性でも顔、髪、身長、スタイル、体重に至るまで不満だらけで、「自分に自身満々」という人はなかなかいないものです(女性誌の3分の1の記事が整形とダイエットの広告で埋まっているのは、この心理を突いています)。男性でも顔、身長、体重、運動能力、学力、対人関係といったところでなかなか自信が持てないものです。そこで自分に無いものを持っている人に対して非常に執着したり(同一視)、こじつけで無理やり自分を納得させようとしたり(合理化、イソップ物語の「すっぱいぶどう」が有名ですね)、余りに自信を失った場合には「逃避」といったことも起こってきます。  ところが、「自信」を持つことはなかなか難しくても、「確信」を持つことは誰にでもできるのです。「確信」には「知的確信(頭で納得する)」「意的確信(実際にやってみて納得する)」「情的確信(心の底から納得する)」の3段階がありますが、どの分野でも「知的確信」からなら入っていけます。「いろいろ情報を集め、考え、検討してみたけれど、やはりこの結論しかない」と判断することは特定の優秀な人にしかできないことではなく、誰にでもできる(というより普通に行なっている)ことなのです。主婦の値引きに対するあくなき執念(時として100円安い品物を求めて、200円の電車代を余分にかけて買いに行くという非合理的行動もあったりしますが)、バーゲンセールに対する限りない情熱も、この「知的確信」に基づく行動なのです。「知的確信(いろいろチラシを見た結果、このお店のこのセール期間中が一番安い!)」→「意的確信(実際に買
0
カバー画像

不安を克服するための心理学①:まずは「あきらめ」が肝心です

 「あきらめること」は途中で断念すること、努力を中断することの意味で使われていますが、元々仏教では「四諦」(4つの真理=苦諦・集諦・滅諦・道諦、ここから一切皆苦・諸法無我・諸行無常・涅槃寂静という「四法印」も出てきます。まあ、シャカの「さとりの中心」ということですね)という言葉があるように、「諦め」とは「真実を明らめること」を指しています。中国の兵法家孫子なら「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」と言いますし、ギリシアの哲人ソクラテスなら「汝自身を知れ」というデルフォイ神殿のメッセージから出発しました。近代科学の原点にいるイギリスのベーコンなら「知は力なり」と言うところでしょう。まずは「現実を直視すること」です。  「何が分からないのかが分からない」「何に不安なのかも分からない」という混沌とした状態によくなるものですが、迷っている時、やる気が出ない時は誰しもこんなものです。まずは問題点をはっきりさせることです。不思議なもので、問題点がはっきりすると解決の道は自動的に出てくることがほとんどです。あとは実行あるのみといったところですが、現実を直視し、問題を明確にすることで、問題の半分は解決したも同じと言えるでしょう。例えば、「高校を中退してバイトを始めたれど、将来が不安だ」「勉強しなくちゃとは思うけど、何からどう手をつけたらいいのか分からない、時間だけ過ぎていくので時々不安にかられる」「人間関係で傷ついてきたので、新しい環境の中で友達ができるかどうか不安だ」といった状況の場合、まずこの現実に向き合い、目をそむけないで、問題点をはっきりさせることから全ては始まるのだ、ということです
0
30 件中 1 - 30