これは阪神時代の星野監督が広島の金本選手を説得した際の決めゼリフです。広島に未練を残す金本選手に、「オレはこうやって来た」と言ってプッシュしたわけです。結果として阪神は18年ぶりの優勝を達成しました。「阪神は20年に1度優勝する」と言われていましたので、これが2年後に優勝したのであれば、「やはりジンクス通り」「運命のなせる業」で片付けられてしまったことでしょう。そうした運命の力を超えて優勝を引き寄せた理由の1つが、他ならぬ「迷ったら前に出る」という決断にあったということです。
実際、「やったことのないこと」「まだ見ぬ世界」に対して迷いが出るのは当然で、全てを予測し尽くすことなど不可能です。人の心を読むサトリという化け物が、先んじて村人の心を言い当てますが、村人がさとられまいとする努力を止めて、ただ無心に斧をふるっていると、サトリは何も心を読むことができず、柄から外れて飛んできた斧の刃に当たってとうとう死んでしまったという昔話が思い出されます。物理学の世界でも「決定論」に基づく「ラプラスの悪魔」(あらゆる条件を知っていて、未来の完全予測ができる)というたとえ話が出てきます。
ここで重要なのは「考えるべきこと」と「考えてもムダなこと」の2つがあるということです。「事前に徹底的に考えなければならないこと」があるのは当然ですが、「やってみるまでは分からないこと」があるのもまた事実です。金本選手だって、阪神に行って成功するかどうかなど、実際に行ってやってみるまでは分からなかったでしょう。こんな時、移籍して成功したケースは○%などというデータがあっても、余り役に立ちません。「やってみて初めて確定すること」なのです。
【コラム】
もちろん、タイプによって、「迷い方」「失敗しやすいパターン」もその理由・経緯も様々です。ここでは「血液型人間学」の洞察によって、分析してみましょう。まず、基本的理解の枠組みは次のようになります。
①主体的B族と対象的非B族~「世界の主体」AB型と「自分の主体」B型、「内的協調」志向のA型と「外的協調」志向O型
②原因的A族と結果的非A族~「正義を与える」AB型と「正義を守る」A型、「内的現実」志向のB型と「外的現実」志向のO型
③目的達成志向と過程評価志向~「目的を与える」AB型と「目的を果たす」O型、「自分が頑張る」B型と「皆で頑張る」A型
ここから、次のようにタイプ分析が導き出されます。
【AB型のパターン】
「目的原理」の人。良く言えば神の立場に立つ「正義の人」、悪く言えば平気で人を批判する「イヤミの天才」。その秘密は「絶対主義」(自分が正義と思った以上、それは自分だけの正義ではなく、全ての人が受け容れなければならない絶対的正義である)と「理想主義」(高い理想を持つが、汚れた現実の中でそれを実現する人は自分自身ではあり得ない)の矛盾にある。適性は「頭脳」になることで、手足になることではなく、参謀に向く。
【B型のパターン】
「自由原理」の人。主な関心が自分に向かっている「我が道を行く」人。内向する場合、A型のように本当はかまってもらいたいのにいじけているのではなく、ただ自分の内面に興味が集中しているから内向しているのに過ぎない。外向する場合、O型のように周囲の和を保つためにあたふたしているのではなく、ただ自分を表現したいから外向しているのに過ぎない。良く言えば、何者も頼りとせずに自分自身で決定していく強い主体的自発性、ある目標に向かって何もかも忘れて没頭するプロセスという「自由」の本質に生きる人、悪く言えば「夢多くしてどの夢も実現しない」、自分勝手で無責任なエゴイスト。
【A型のパターン】
「平等原理」の人。他人が自分をどう感じているのかということに極めて敏感で、全てに根拠を求める原因志向性は、何事にも「こうであるべし」という規則を制定しようとする規範性につながる。全体が一致団結することを願い、その和を乱す人間(B型が多い)を最も嫌い、和が乱れた原因を追究する。A型の特質は家族的集団の中でしか生かされないので、そうした環境がかなわないと、抑圧された情念が蓄積されて「キレる」ことも起こるが(他人の怨念に無神経なB型に対して爆発する可能性がある)、いつかどこかに必ず存在するであろう、真の理解者のために完璧な仕事を残しておこうとする職人気質(仕事の達成よりも仕事の完全性を重視するA型の完全主義)が現われることもある(O型なら60点主義で満足する)。
【O型のパターン】
「幸福原理」の人。AB型の求める喜びは理念的・抽象的、B型の求める喜びは観念的・独善的、A型の求める喜びは感情的・内面的であるが、O型の求める喜びは具体的・現実的であり、なおかつ自分一人のものではなく、皆に広がっていくものでなければならない。AB型の志向する目的は抽象的な誰か(必ずしも自分ではない)の果たすべき理念であるが、O型の志向する目的はあくまで自分が果たさなければ意味がない具体的任務であり、失敗した場合も、A型なら失敗した原因をあれこれと分析して自分以外の原因に責任を転嫁することができるが、O型はそのような細かい分析はできず、くよくよと自分を責めて内向してしまう(この違いは「キレた」時に明瞭になり、A型が爆発して人を殺すのに対し、O型はつぶれて自殺する傾向が強い)。O型の意識は目的の達成(ある意味では目的の内容はどうでもいい)とその手段としての人の和に向かっており(A型なら人の和そのものが自己目的化する)、現実的結果を求めるので「妥協」がうまい(AB型の理想は高いが、高すぎて現実が見えず、B型の凝り性やA型の完全主義に付き合っていたら、仕事の納期に間に合わないので、ここから60点主義が生まれてくる)。