不安を克服するための心理学①:まずは「あきらめ」が肝心です

記事
学び
 「あきらめること」は途中で断念すること、努力を中断することの意味で使われていますが、元々仏教では「四諦」(4つの真理=苦諦・集諦・滅諦・道諦、ここから一切皆苦・諸法無我・諸行無常・涅槃寂静という「四法印」も出てきます。まあ、シャカの「さとりの中心」ということですね)という言葉があるように、「諦め」とは「真実を明らめること」を指しています。中国の兵法家孫子なら「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」と言いますし、ギリシアの哲人ソクラテスなら「汝自身を知れ」というデルフォイ神殿のメッセージから出発しました。近代科学の原点にいるイギリスのベーコンなら「知は力なり」と言うところでしょう。まずは「現実を直視すること」です。
 「何が分からないのかが分からない」「何に不安なのかも分からない」という混沌とした状態によくなるものですが、迷っている時、やる気が出ない時は誰しもこんなものです。まずは問題点をはっきりさせることです。不思議なもので、問題点がはっきりすると解決の道は自動的に出てくることがほとんどです。あとは実行あるのみといったところですが、現実を直視し、問題を明確にすることで、問題の半分は解決したも同じと言えるでしょう。例えば、「高校を中退してバイトを始めたれど、将来が不安だ」「勉強しなくちゃとは思うけど、何からどう手をつけたらいいのか分からない、時間だけ過ぎていくので時々不安にかられる」「人間関係で傷ついてきたので、新しい環境の中で友達ができるかどうか不安だ」といった状況の場合、まずこの現実に向き合い、目をそむけないで、問題点をはっきりさせることから全ては始まるのだ、ということです。つまり、「その場しのぎではなく、将来につながるようなことを今しているのかどうか(→将来性を考えれば「高卒認定試験」を受験し、大学か専門学校へ行って、学歴や専門的知識・技術を得た方いいということになります)」「勉強するに当たって必要な情報収集ができているかどうか(→どんな科目が必要で、どんな勉強の仕方で、どのレベルまで持っていけばいいかという情報が必要なので、専門予備校へ行って聞いてみようということになります)」「ある特定の人間関係で傷ついてきたのか、それとも集団や不特定多数と接触することが苦手なのか(→特定の人間関係で傷を負った場合はむしろ新しい環境、新しい人間関係の中に入った方が治りが早いということになりますし、集団や不特定多数が苦手な場合は、通信講座のように人との接触が必要最小限で済む環境を選べばいいということになります)」というように、論点が整理され、明確になってくると、解決の道もまた整理され、明確になってくるのです。

【コラム】
 アメリカの伝統ある企業GE(ジェネラル・エレクトリック、エジソンの電球から始まった会社です)で20年にわたってCEO(最高経営責任者)を務め、世界最強企業を作り上げたジャック・ウェルチ(「アメリカの経営者の見本」として実によく取り上げられます)も、この「現実を直視する」ということを非常に強く強調しています。これは全てに通じるということですね。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す