優柔不断を克服するための心理学③:「いろいろ考えてしまって・・・」という人は実は全然考えていない

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 よく「いろいろ考えてしまってなかなか結論が出ないんです」という人がいますが、実はこういう人は「考えていないに等しい」と言っても過言ではありません。「考える」ということは、ただ「思いに浸る」のではなく、「考え抜く、もうこれ以上考えても他に結論が出ないところまで検討し抜く」時に始めて現実的建設的意味を持つのです。同じところばかり堂々巡りして、そこから先に一向に進まないのは、「下手な考え、休むに似たり」という状況そのものです。つまり、あらゆる角度から考え、あらゆる選択肢を比較検討し、「現時点でのベストの選択はこれだ」「これ以上考えてもこれ以外の結論は出てこない、これ以上考えても時間のムダ、後は行動あるのみ」という所まで、考え詰めるべきなのです。そこまでしないで、「いろいろ考えてしまって・・・」と言うのは、明らかに言いすぎです。
 よく座禅や剣道で「無念無想」ということが言われますが(例えば、柳生新陰流の奥義は「無想剣」です)、これは「何も考えない境地」ということではなくて、「あれこれ考え抜いた結果、考える必要が無くなった境地」のことです。ある僧侶が座禅に取り組んだ時、過去の出来事や気にかかること、今晩の食事のことまでいろいろ浮んできて、なかなか「無念無想」になれないと悩んだそうですが、それが毎日毎日繰り返されていくと、さすがに3時間も頭をよぎっていたことが、20分くらいでよぎるようになり、そのうちよぎることもなくなったというのです。何度も何度も徹底的にあらゆる角度から考え、それを繰り返していくと、本当に考える必要がなくなっていくのです。詠春拳から截拳道(せっけんどう、ジークンドー)という武術を創始したブルース・リーも、「初めてパンチを見た時は本当にすごいと思った。それからありとあらゆることを試してみて、もう1度パンチを見たら、それはただのパンチだった」と言っていますが、「徹底的追求」を経て「大いなる平凡」に至ることはどの世界でもあると言えるでしょう。

【コラム】
 「幸運の神には前髪しかない」ということわざがあります。チャンスがやってきたら、その前髪をその場でしっかりとつかんでいないと、通り過ぎた後に手を伸ばしても後ろに髪が無いので、もはや手遅れだというわけです。やはり、即断即決即行動、「チャンスはその場でモノにしろ」ということですね。ちなみに成功者と言われる人にアンケートを送ると、速攻で回答が返ってくるケースが多いそうです。同じ決断をするなら、1週間かけて決断するのと1時間で決断するのとどちらがいいかと言えば、どっちにしろ考えるべき、検討すべき内容は同じであるとすれば、早ければ早いほど「時間のムダ」がなくていいわけです。「考え抜く」作業と「情報処理時間の短縮化」は両立できることであり、「即断即決即行動」ができなくて成功者になった人はいないとも言えるのです。
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