不安を克服するための心理学⑤:「最も失敗した人」が「最も成功する人」

記事
学び
 徳洲会の徳田虎雄理事長は医療と政治の分野であくなきバイタリティを発揮していますが、その努力家ぶりは有名です。例えば、口ベタで人前に立つのが苦手で仕方がないので、人前で200回しゃべってやっと苦手ではなくなったというのです。これは「逆療法」とも「逆転の発想」とも言えますが、ここで知っておくべきは「最も失敗した人」が「最も成功する人」となるということです。例えば、「名医」として知られる人ほど、たくさんの失敗を繰り返してきています。恐らく専門によっては死人も少なくないでしょう。ここで重要なことは、挫折し、メゲるような失敗の数々、連続の中で、「やっぱり自分にはムリだ」「自分にはこの道は向いていないんだ」と投げてしまえば、失敗は失敗のままで終わってしまうだけですが、「それでも、それでも」といって止めてしまわず、「こうすればいいんだ」という所まで到達すると、「失敗は失敗でなくなり、成功のための肥料、かけがえのない貴重な財産となる」ということです。さらに言えば、苦しみ、もがき、そしてそこから這い上がった人は、自分が苦しんだレベルにいる人までは「道」を教えてあげることができるようになります(自分よりもっと大変なレベル人に対しては何もしてあげることはできません)。カウンセラーや教育関係者はたいていこうした「原点」「原体験」を持っているものなのです。したがって、ある程度の精神的強さを持っている人へのアドバイスは「もっと失敗しろ、もっと苦しめ、もっともがけ、もっと悩め、そして何とかそこから這い上がれ、それが後々貴重な財産となる」ということになるのです。
 こうしてみると、「敗北」と「成功」の分かれ目は「忍耐力」にあるということになるでしょう。頭を急激に良くする、運動能力をプロ並みにするなんていうことは誰にでもできるわけではありませんが、「忍耐すること」なら誰にでもできます。発明王エジソンは電球を作る時、電流が流れるフィラメントの材質に悩み、6,000種以上の材料を試した結果、ついに完成することができたといいます(日本の京都府八幡村の竹も実験に用いられて、好結果を生んでいます)。エジソンは「天才とは1%の霊感と99%の汗である」とも言いましたが、「99%の汗」の部分は凡人でも真似ができる所です。
したがって、「1日でも早く成功したければ、たくさん失敗することだ」ということになるでしょう(セオドア・ルーズヴェルトも「1度も失敗しないというのは、何もしないということだ」と言っています)。よく、勉強するにも「これだけやればいいという本はないですか」「英単語はどれだけ覚えたらいいんですか」と言って、ムダを無くして効率よくやることばかり考え、結果的に参考書や単語集をしょっ中買って「積ん読」になっているだけの人がいますが、逆に「たくさんムダをした人ほど最も効率的にできる」ということを知っておくとよいでしょう。もっと言えば、「すべきムダ(試行錯誤)」と「してはならないムダ(完全主義・完璧主義)」があるといういことです。勉強でもよく「自分は英語と数学は基礎の基礎からやらないとダメなんです、それこそ中学校と言わず、小学校まで立ち返らないと」(英語は小学校まで立ち返ることはできません)と悩む人がいますが、行き過ぎると一生「自分は基礎ができていない、基礎からやり直さないとダメ」という強迫観念に追われて終わることになりかねません。基礎どころか、英語学者、数学者並の細かさを自分に要求していることがあるので、注意を要します。

【コラム】
ある車のセールスマンが駆け出しの頃、全然車を売ることができず、絶望の余り、自殺まで考えたほどですが、大体「150回に1回」の割合で車が売れることに気づきました。それで、それまでは「どうして売れないんだろう、あ、また売れなかった、また今度もだ」とばかり思っていたのが、逆に「早く149回断られないかな」と「ノー」を待ち遠しく思うようになったというのです。こうして「149回のノーを通じて、1回のイエスが現れる」ことに気づいてからは、「失敗を恐れる気持ち」が無くなり、むしろ「失敗を喜んで受け入れる気持ち」に変わって、ベスト・セールスマン、スーパー・セールスマンとして知られるようになったのです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す