不安を克服するための心理学③:「自信」がなくとも「確信」は持てる

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 実は自分に「自信」があるという人はそういません。例えば、相当美人の女性でも顔、髪、身長、スタイル、体重に至るまで不満だらけで、「自分に自身満々」という人はなかなかいないものです(女性誌の3分の1の記事が整形とダイエットの広告で埋まっているのは、この心理を突いています)。男性でも顔、身長、体重、運動能力、学力、対人関係といったところでなかなか自信が持てないものです。そこで自分に無いものを持っている人に対して非常に執着したり(同一視)、こじつけで無理やり自分を納得させようとしたり(合理化、イソップ物語の「すっぱいぶどう」が有名ですね)、余りに自信を失った場合には「逃避」といったことも起こってきます。
 ところが、「自信」を持つことはなかなか難しくても、「確信」を持つことは誰にでもできるのです。「確信」には「知的確信(頭で納得する)」「意的確信(実際にやってみて納得する)」「情的確信(心の底から納得する)」の3段階がありますが、どの分野でも「知的確信」からなら入っていけます。「いろいろ情報を集め、考え、検討してみたけれど、やはりこの結論しかない」と判断することは特定の優秀な人にしかできないことではなく、誰にでもできる(というより普通に行なっている)ことなのです。主婦の値引きに対するあくなき執念(時として100円安い品物を求めて、200円の電車代を余分にかけて買いに行くという非合理的行動もあったりしますが)、バーゲンセールに対する限りない情熱も、この「知的確信」に基づく行動なのです。「知的確信(いろいろチラシを見た結果、このお店のこのセール期間中が一番安い!)」→「意的確信(実際に買ってみてやっぱり良かった、満足!)」→「情的確信(使ってみてますます納得、このモノにこの値段は絶対安い、やっぱり自分の判断に間違いはない!)」という「確信のプロセス」は誰にも経験があることでしょう。「世界で最も優秀なコンピュータ」とされる自分の頭を使って、まずは考えてみることから始めましょう。「合理的判断力」(その一番シンプルなものは「損得計算」「損得勘定」です)は誰でも身につけられます。

【コラム】
吉田松陰が松下村塾でのわずか1年半の教育で、国家有為の人材を多数育てることができた理由の1つに、全国から最新情勢が集まり、「飛耳長目」と呼ばれるノートに記されて、誰もが閲覧できたことが挙げられます(松陰も日本全国を歩いていますが、高弟の高杉晋作は上海へ、久坂玄瑞は江戸へ、伊藤博文はロンドンへ行っています)。
 また、神戸の砂糖商から始まってまたたく間に日本最大級の商社・企業集団にのし上がった鈴木商店(番頭金子直吉がその中心人物です)も、その大発展の理由の1つが金に糸目をつけず、海外情報を収集したことにありました。実際、小さな個人商店が「三井、三菱を圧倒するか、しからざるも彼らと並んで天下を三分するか」を理想としたのですから、驚きです。1919年頃の全盛期には商取引高は16億円で、三井物産の最高値12億6000万円(1928年)を大きく引き離し、スエズ運河を通過する船の一割は「ニッポンのスズキのもの」と言われるほどだったのです。ここから神戸製鋼、帝人、日商岩井などが誕生しています。
 さらに「清平(平和時)の姦賊、乱世の英雄」と評された三国時代の魏の曹操も、いつも慎重な武将が率いる斥候軍と積極果敢な武将が率いる斥候軍を共に派遣し、2種類の情報を得て冷静な判断をしていたと言います。
 クリエイティブな才能を持つことは難しいことですが、情報収集は誰にでもできるのです。
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