彼のために肉じゃがをつくったはずなのに、、、いたずらAIが起こしたキュンとする物語
彼のための肉じゃが彼氏が彼女に作ってもらいたい料理No. 1とは、
いつの時代も肉じゃがではないだろうか?
ひとり暮らしのワンルーム。
とても料理をつくることに向いているとはいえないキッチン。
ということを言い訳にして、自炊することはあまりない。
だから比較的きれいにはなっている。
彼氏ができて3ヶ月。
今まで彼に手料理を振る舞ったことはない。
デートの中で食事を済ますことが多かったからだ。
しかし、そろそろ逃げられる状況じゃなくなった。
「菜穂ちゃんのつくった料理たべたいなー。」
なんて言われたら、覚悟を決めるしかない。
スーパーで買ってきた材料を袋から取り出し、
スマホのアプリを開いた。
「私はAIサポートシェフのサリーよ。
よろしくね。」
今ちまたでは"AIO"というアプリが流行っている。
AIOとは、『AIお袋の味』の略らしい。
このアプリは失敗なく料理を作れると話題になっている。
カメラ越しに
「この材料はもっと大きく切って」とか、
「強火から中火にして」とか、
「今醤油を入れて」などと、
まるで隣にいるお母さんが指示をくれているかのように、
リアルタイムで教えてくれる。
お袋の味を歌ってる割には妙にかわいい女の子の声で挨拶をされた。
「私は菜穂よ。よろしくね。」
「オッケー、菜穂。今日は何を作りたいの?」
「彼氏のために美味しい肉じゃがを作りたいの」
「オッケー。じゃあ先に聞きたいんだけど、
彼氏の好きな料理を3つ教えてちょうだい。
その傾向から味付けを調整するわ。」
へー、そんなこともできるんだ。
ちょっと待ってね。
彼は何が好きだったろう?
「ハンバーグでしょ。
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