ペットのために遺産を残してあげたいと思っている飼主のかたも多いでしょう。では、ペットのために遺産を相続させることはできるのでしょうか。ペットが多額の遺産を相続したとして時おりニュースになりますが、アメリカでは多くの州で、ペットが相続することが州法により認められているようです。
しかし残念ながら、日本の法律では動物は「物」(動産)と規定されているため、ペットのために例えば「200万円を相続させる」ことはできず、そのような遺言を残したとしても、ペットへの相続に関する箇所は無効になります。相続する主体に「物」がなることはできず、あくまでも「人」(法人も含む)でなければなりません。
そこで、ペットのために財産を残すためには、「人」に財産を相続させたうえで、その相続させた財産を用いることにより、その「人」にペットの世話をしてもらう、という方法を採ることになります。具体的には次の①~④のような方法があります。
① 負担付遺贈
② 負担付死因贈与
③ ペット信託
④ ラブポチ信託
① は、「私の死後、ペットの世話をしてくれる代わりにあなたに財産をあげます」という意思を、遺言書によって残す方法です。
② は、「私の死後、ペットの世話をしてくれる代わりにあなたに財産をあげます」という約束を、生前に契約しておく方法です。
③ は、自身の死後のペットの世話をする人(受益者)と財産を管理する人(受託者)とを分け、ペットのための財産を受託者に託すという方法です。受託者は受益者に対して、ペットの飼育費用等を定期的に送付するか手渡すことになります。
① ~③の方法の場合、ペットのために財産を残しても、その財
環境省公表の統計数字によれば、殺処分される犬猫の頭数は年々減少していて、令和2年度では23,764頭になっています。
ところで、平成25年9月に施行された改正動物愛護法により、ペットの終生飼養が義務づけられました。具体的には、主として次の①~③のように改正されました。
① 動物所有者の責務として、動物がその命を終えるまで適切に飼養すること
② 動物取扱業者の責務として、販売が困難になった動物の終生飼養を確保すること
③ 都道府県等は、終生飼養に反する理由による引き取り(例:動物取扱業者からの引き取り)を拒否することができる
上記の改正動物愛護法が施行される前は、販売困難となった動物が、動物取扱業者から保健所に持ち込まれた場合、都道府県は引き取らざるを得ないのが実情でした。年々殺処分される犬猫の頭数が減少している背景には、平成25年に施行された改正動物愛護法の存在があることは確かです。都道府県は、上記③により、動物取扱業者からの動物引き取りを拒否できるようになったためです。
行政による動物引き取り拒否の余波を受けて暗躍するようになったのが「ペット引き取り屋」です。ペットショップで売れ残った子犬等や、繁殖場で繁殖能力が衰えて使い物にならないとみなした犬猫を、1頭あたり数千円~数万円程度の費用で引き取る業者のことです。
ペット引き取り屋は、売れる犬猫は転売し、繁殖可能な犬猫は子を産ませて販売します。最終的に売れ残った犬猫や繁殖にも使えない犬猫は、ケージの中に閉じ込めたまま、ほとんど世話をしない状態で放置します。ペット引き取り屋には反社会的勢力が多く、事実上、ペットを見殺し状態にしてい