世界の公用語「英語」、その起源は?
紀元前からブリテン島(イギリスの島)にいたのはケルト人で、彼らはインド・ヨーロッパ語族に属し、ケルト語を使用していました。4~5世紀に、北アジアの遊牧民族のフン族に追われてゲルマン民族が大移動しました。その一部のアングル人やサクソン人がブリテン島に移住したときから「English」が始まりました。この「English」という言葉自体が「Angles(アングル人)」に由来しています。彼らが話した西ゲルマン語に属する言葉は、現在における英語のベースとなっており、このアングロ・サクソン時代の英語を「古英語」としています。 1066年、フランスのノルマン人ギョーム2世はイギリスを占領し、ノルマン朝を開いて現在のイギリス王室の開祖となりました。その際、イギリスの宮廷の公用語や上流階級の日常語がフランス語(厳密にはノルマン・フランス語)となりました。 一方で、英語は庶民の言葉として引き続き使われました。ノルマン朝以降の英語のことを、中世の英語という意味で「中英語」といいます。そして、母音体系の変化である大母音推移が進行し、1476年にイギリスで印刷が始まる頃から「初期近代英語」の時代となっていきます。さらに、18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命の時代の頃から、人称代名詞の二人称単数形(thou, thy, thee, thine)が、複数形と同形(ye, your, you yours)に統合され「近代英語」と呼ばれ、20世紀以降の現在の英語は「現代英語」と分類されます。 さて、英語には大きく分けて「イギリス英語」と「アメリカ英語」があります。イギリス英語は発音や文法が正しい
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