本日は、都内の訪問看護ステーションにおける経営支援の『成功事例』をご紹介したいと思います。
今回は東京都内における10名程度規模の訪問看護ステーションにおいて、人材支援、営業線、組織支援の3つを中心に行いました。
結果的には、それぞれの支援は目標達成し組織が向かうべき方向を明確に、かつそれぞれの職員が自立的に行動できるようになりましたので、ご説明いたします。
初期支援
1)現状調査/分析(定性的・定量的)
・・・コンサルタントが支援する場合、基本的に『課題の本質』について見極めようとします。そのため過去の実績、事例を元にヒアリングを行い採用、問合せ、契約、解約等、できる限りの数値をまとめます。
2)職員インタビュー
・・・インタビューでは、数値分析に合わせて経営者や看護師、末端の職員までインタビューを行い「生の声」に耳を傾けます。
3)目標達成に向けた提案書作成
・・・すべての調査を行った結果、今、やるべき事柄についてまとめた短期的・長期的な提案書を作成いたします。
Ⅰ 人材支援
1)採用代行支援
・・・看護師、理学療法士を採用するためにインターネット求人媒体を整備、管理、運用し必要な人材を確保。また、地域広報紙などの活用等を提案いたします。
2)採用活動の仕組み化
・・・採用代行支援を通じて、採用ノウハウと方法、採用管理について制度化し、組織に残します。
3)教育制度の構築
・・・離職率を低下させるため、また入社後に採用した看護師・理学療法士が適切に仕事を行えるようにするために試用期間中における『教育プログラム』を作成します。
4)職員面談
・・・新入社員、既存社員の状況を把握し、また適切に仕事を行えるようにするため一人ひとり、職員面談を行います。
Ⅱ 営業支援
1)地域連携フローの作成
・・・地域連携活動から問合せ増加、そして契約獲得に至るまでの一連の流れを「地域連携フロー」として作成します。
2)目標設定と数値化
・・・地域連携活動における「行動量の目標設定「結果に対する目標設定」を適切に設定いたします。
3)地域連携同行訪問
・・・病院、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所に対する営業活動に同行し、時には主体となって地域連携の基本的な方法を実践形式でお伝えします。
4)営業管理表の作成
・・・地域連携の活動、結果を適切に管理し戦略を立案・振り返りを行えるように管理表を作成し運用方法についてお伝えします。
5)地域連携研修
・・・地域連携活動を実施する看護師、理学療法士に対して「地域連携の本質」を理解し、学び、明日から実行に移せるようするためプログラム形式で研修を行います。
Ⅲ 組織支援
1)役割分担と明確化
・・・メンバーが自分の役割を理解していないため、グループワークを行いそれぞれの役割について言語化・明確化し、全員が理解できるようにします。
2)職種別業務一覧表の作成
・・・看護師、理学療法士、事務員などそれぞれ職種別に業務を洗い出し、誰がみても理解できるよう一覧表を作成します。
3)給与改定
・・・他社比較、相場比較の上で予算策定し、職種別・役割別に適切に給与改定を行います。
4)人材育成研修
・・・職員の仕事に対する意識改革や専門職としてのスキルアップ、最終的には組織が目的を達成するために毎月研修を実施します。
5)環境整備の提案
・・・看護師、理学療法士、事務員が仕事において能力を発揮できるような環境整備について提案いたします。
私共コンサルタントは、今回の訪問看護ステーションの支援について、まずは『課題の本質』の見極めを行い、解決するための施策を立案し共に実践することを理念として掲げています。
今回は"たまたま"結果的に成功しましたが、コンサルタントが支援すれば必ず目標達成ができるとは限りません。
成功させるためには、地道に戦略的に、何度も失敗を繰り返しながら、比較的中期的な時間をかける必要があります。
そして、最も重要なのはクライアントである訪問看護ステーションの職員が経営者含めて、全員が同じ意識レベルで取り組む必要があります。
つまり、コンサルタント一人では経営改善は成功しないということです。
コンサルタントは、あまりにも非力なのですね。残念ながら。
ただ、訪問看護ステーションの経営者や職員の主観的な視点とは異なり、120%客観的視点であるということ、また論理的思考を用いながら、物事を上手に説明し職員全員に理解を促す説明力を備えているということが、コンサルタントの能力だと考えています。
ポジショントークではありませんが、コンサルタントは一つの役割として組織に必要な人材です。唯一、経営者と対等な立場である存在です。
もちろん、そういった立場を嫌う経営者もおります。
さて、このような成功事例をみて、皆様はどう感じましたか?
様々な意見があると思いますが、もし気になることがあればご相談ください。