こんにちは。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表社員の工藤でございます。
今日のテーマは、「聴く力」を武器に。面接官が変わると採用が変わる
「面接官によって、合否の判断基準がバラバラ」
「面接をした学生から、正直あまり良い反応が返ってこない」
採用に関わる立場の方なら、一度はこうした課題に心当たりがあるのではないでしょうか。でも、安心してください。これは面接官の資質の問題ではなく、「聴く力」という学べるスキルを身につけていないだけです。ここが変われば、採用そのものが大きく変わっていきます。
面接は、企業が「選ぶ」だけの場ではない
多くの企業が見落としがちなことがあります。それは、面接は企業が候補者を選ぶ場であると同時に、候補者から「選ばれる」場でもある、ということです。
今は、就活生・転職者による口コミサイトやSNSが当たり前に存在する時代です。「あの会社の面接官、高圧的だった」「話をまったく聞いてもらえなかった」という声は、良くも悪くも簡単に広がります。面接官一人ひとりの対応が、そのまま御社の採用ブランディングに直結しているのです。
よくある面接官の課題
採用の現場では、こんな場面が少なくありません。
👉現場の管理職が急きょ面接官を任され、これといったトレーニングを受けないまま本番に臨んでいる
👉「良い人材を見抜く」ことに意識が向きすぎて、候補者の話を最後まで聞かずに評価してしまっている
👉圧迫気味な質問を「候補者のストレス耐性を見るため」と正当化してしまい、優秀な人材を逃している
👉面接官によって評価の視点がバラバラで、選考の一貫性が保てていない
👉相手をすぐに分かったつもり、知ったつもりでいる
こうした課題は、面接官個人の資質の問題というより、適切なトレーニングを受ける機会がなかっただけ、というケースがほとんどです。
傾聴力こそ、面接官に一番必要なスキル
私はこれまで、採用担当として15年以上、数えきれないほどの面接に携わってきました。その経験から断言できるのは、**優れた面接官に共通しているのは、質問のうまさよりも「聴く力」**だということです。
候補者の話を、評価をいったん脇に置いて丁寧に聴くこと。そこから見えてくる情報の量と質は、一方的に質問を重ねるだけの面接とはまったく違います。この「聴く力」は、才能ではなく、正しい型を学べば誰でも身につけられるスキルです。
面接官に求められる、具体的な「構え」
優れた面接官には、共通した「構え」があります。
まず一つは、候補者に対して好意的な関心を持ち、その人を肯定的に捉えようとする姿勢です。「この人のどこが物足りないか」を探すのではなく、「この人のどこが優れているか」を見つけようとする視点を持つだけで、場の空気は大きく変わります。緊張した候補者は、面接官のわずかな表情や態度から、「評価されている」のか「見てもらえている」のかを、驚くほど敏感に感じ取っているものです。
もう一つは、あえて具体的な誘導をしない、抽象的なオープンクエスチョンを投げかけることです。例えば「学生時代に力を入れたことは?」という質問に対し、候補者が言葉に詰まったとき、多くの面接官はつい助け舟を出したくなります。しかし、ここで焦ってヒントを与えてしまうと、候補者本来の思考のプロセスを見る機会を、面接官自身が奪ってしまうことになります。
黙って、しばらく待つ。この「待つ」という行為こそ、実は高度なスキルです。沈黙の間にこそ、候補者がどう考え、どう言葉を紡ごうとしているのかという、その人の内面が現れます。面接官は、その沈黙を怖がらず、候補者が自分の力で言葉を見つけるまで、静かに見守る姿勢が求められます。
そして、その沈黙の先に出てきた言葉、あるいは候補者がふと見せた表情や態度の変化——そうした小さなサインを丁寧に拾い上げていくことで、候補者の資質や内面的な側面が、少しずつ浮かび上がってきます。評価は、それからでも遅くはありません。
もう一つ、気をつけたいのが「早合点」です。1回のやり取りだけで、「この人はこういう人だ」と分かったつもりになってしまう面接官は少なくありません。たとえその捉え方が的確だったとしても、できれば2〜3回は「それはどういうことですか?」「もう少し詳しく教えていただけますか?」と、もうひと段階、深める関わりを続けてみてください。
そして、深掘りの後は「分かりました」で終わらせず、要約という形で、面接官自身の理解を候補者にすり合わせることが大切です。例えば、こんな具合です。
「〇〇さんは過去にこのような実績があったのですね。それは、△△のようなことを意識されて営業活動をされたからなのですね。」
このように、面接官が受け取った理解を言葉にして返すことで、候補者は「正しく伝わっているか」を確認できますし、もしズレがあれば、その場で修正することもできます。この一手間が、面接官の「思い込みによる評価」を防ぎ、より正確な人物理解につながります。
中小企業の管理職向け、面接官トレーニングプログラム
そこで私は、中小企業の管理職の方々に向けて、「傾聴力」を軸にした面接官トレーニングプログラムを提供しています。
具体的には、OARSフレームワーク(開かれた質問・是認・聞き返し・要約)と呼ばれる、対人支援の分野で使われる対話技法をベースに、候補者の話を的確に引き出す聴き方を学んでいただきます。また、面接後のフィードバックについても、SBIフィードバックモデル(状況・行動・影響)という手法を用いて、候補者への評価やフィードバックを、感覚ではなく構造化された形で行えるようにトレーニングします。
大企業のように専門の採用担当部署を持たない中小企業だからこそ、現場の管理職一人ひとりが、質の高い面接官であることが、採用の成否を大きく左右します。
この傾聴力は、採用の場だけでは終わらない
ここで、ぜひお伝えしておきたいことがあります。
面接官を担う方の多くは、社内では部下を持つ管理職でもあります。つまり、このトレーニングで身につく傾聴力は、外部との採用面接だけでなく、社内メンバーとの1on1やフォローアップ面談、日々の育成の場面でもそのまま活かせるということです。
部下の話を評価から入らず、まず丁寧に聴くこと。抽象的な問いを投げかけ、相手が自分の言葉で考えをまとめるまで、焦らず待つこと。こうした関わり方は、面接という特別な場面に限らず、部下の本音や潜在的な力を引き出す、日常的なマネジメントの土台になります。
つまりこのトレーニングは、「採用力の強化」と「社内のマネジメント力の強化」を同時に実現する、一石二鳥の投資なのです。
こんな企業様におすすめです
👉現場の管理職が兼任で面接官を担当している企業様
👉面接官によって評価にばらつきがあると感じている企業様
👉採用した人材の早期離職に悩んでいる企業様
👉「選ばれる面接」を意識した採用ブランディングを行いたい企業様
面接官の質は、面接を受ける一人ひとりに伝わり、それが積み重なって、御社の採用力そのものになっていきます。プログラムの詳細については、サービスページよりお気軽にお問い合わせください。