こんにちは。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表社員の工藤でございます。今日のテーマは、「今の就活」、実は私たちの頃と全然違います。保護者が知っておきたいこと
「大学まで出させて、うちの子はどんな会社に入るのだろう」
お子様の就職活動が始まると、そんな気持ちになるのは、親として自然なことだと思います。
ただ一つ、心に留めておいていただきたいことがあります。今の就職活動は、私たち親世代が経験したものとは、かなり違う形になっているということです。実は45歳の私自身でさえ、10歳年上の世代と比べると、就活のやり方はもう別物だったと感じるくらい、この数十年で就職活動は大きく変化し続けています。
30年前の就活は、こんな形でした
今の40代・50代の保護者世代が就活をしていた頃(1990年代前後)は、今とは仕組みそのものが違いました。
・就職を希望する年の解禁日が「就職協定」という取り決めで厳格に決められており、企業も足並みを揃えて動いていた
・会社案内は大学ごとに送られ、大学の格によって届く企業が変わるという、今では考えられない選別があった
・就職を希望する企業へ自由に応募するという形が一般化したのも、実はそれほど昔からではなく、1960年代後半から徐々に広がっていった
・情報収集は大学の就職部や先輩からの口コミが中心で、今のようにインターネットで一括検索するような手段はまだありませんでした
今の就活は、ここまで変わっている
今の就活は、この30年ほどでまったく違う形になりました。
・1996年頃から「リクナビ」のような就職情報サイトが登場し、学生が自分で自由に多くの企業へ応募できる仕組みが定着した
・1997年に就職協定が廃止されて以降、解禁日という縛りが緩やかになり、企業ごとに採用のタイミングがバラバラになった
・インターンシップが、単なる会社見学ではなく、そのまま採用選考につながる重要な機会になっている
・「通年採用」、つまり1年を通じて必要な人材を採用する企業が増え、決まった時期だけ動けばよいという時代ではなくなった
・選考自体もオンライン面接が当たり前になり、対面だけを想定した就活マナーとは違う準備が必要になっている
つまり、今の学生は、私たちの頃よりもずっと早く、ずっと長い期間、自分で情報を集めながら動き続けなければならない環境に置かれているのです。
だからこそ、保護者ができることは「代わりにやること」ではない
これだけ仕組みが変わっている以上、正直なところ、私たち親世代が「自分の経験」だけをもとにアドバイスをするのは、少し危険です。「私たちの頃はこうだった」という話が、そのまま今の学生には当てはまらないことも多いからです。
私の息子はまだ中学3年生で、大学生の就活とは違う世界にいますが、それでも「受験勉強」という意味では、通じるところがあると感じています。私は息子に、ある程度のプレッシャーは与えるようにしています。ただし、それによって自己効力感を下げるようなことは、言わないようにしています。
「気にしない!」より先に、「そうだったんだね」を
これは受験に限らず、就活において悩む子どもと関わるときにも、とても大事な視点だと思っています。
子どもが「なかなかうまく言えなかった」と落ち込んで帰ってきたとき、つい「大丈夫だよ」「心配しすぎだよ」「気にしすぎだよ」と、励ますつもりで言ってしまうことはないでしょうか。
けれど、これは本人の「できなかった」という気持ちを、置き去りにしてしまう言葉でもあります。
まず大切なのは、その「できなかった」を、いったんそのまま受け止めることです。
「そうだったんだね。難しかったんだね」
この一言だけで、子どもは「分かってもらえた」と感じます。励ましやアドバイスは、その後で十分です。順番を間違えると、良かれと思った言葉が、かえって子どもを孤独にしてしまうこともあります。
これは、私がキャリアコンサルタントとして約3年間学んできた中で、繰り返し教わってきた基本でもあります。相手の話を聞くとき、まず評価や助言をせずに、相手の気持ちをそのまま受け止める——これは「受容」と呼ばれる、カウンセリングの土台となる関わり方です。アドバイスが的確かどうかよりも先に、「受け止めてもらえた」という実感があるかどうかが、その後の相手の話しやすさを大きく左右します。就活の場面でも、この順番は変わりません。
まとめ
▶今の就活は、就職協定・ナビサイト・インターンシップ・通年採用・オンライン面接と、30年前とはまったく違う仕組みになっている
▶親世代の「自分の経験」だけをそのままアドバイスするのは、時にリスクがある
▶適度なプレッシャーは悪いことではないが、自己効力感を下げる言葉だけは避けたい
▶子どもが「できなかった」と伝えてきたときは、励ます前に、まず「そうだったんだね」と受け止める
今の就活の仕組みを正しく理解した上で、子どもの「できなかった」にまず寄り添う。それだけで、子どもにとっての就活は、孤独な戦いから、支えのある挑戦に変わっていくはずです。