こんにちは。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表社員の工藤でございます。
今日のテーマは、「とりあえず大手」でインターンを選ぶのは、悪いことなのか
そもそも、「大手企業」とはなんでしょうか。
実は、「大手企業」という言葉に、明確な法律上の定義は存在しません。中小企業には「中小企業基本法」という法律で、業種ごとに資本金や従業員数の基準がきちんと定められています。ところが、それ以外の企業を指す「大企業」や「大手企業」には、そうした厳密な線引きがないのです。一般的には、知名度や業界内でのシェアの高さで、なんとなく「大手」と呼ばれているにすぎません。
つまり、私たちが「大手」という言葉を使うとき、実はかなり曖昧なイメージで語っていることになります。この前提を踏まえた上で、今日は「とりあえず大手」というインターン選びについて、少し考えてみたいと思います。
インターンの応募先を考えるとき、こんな迷いを抱く人は多いと思います。
「なんとなく大手ばかり選んでしまっている。これって、浅い選び方なのだろうか」
結論から言うと、私は大手志向そのものは、あながち間違っていないと思っています。今日は、その理由を少し丁寧にお話ししたいと思います。
大手には、大手なりの「理由」がある
大手企業は、私には巨木のように見えます。
巨木が大きく育つまでには、長い年月がかかります。その間、穏やかな日ばかりではありません。強い雨風にさらされ、時に厳しい日差しを浴びながら、それでも根を張り、幹を太くし、成長を続けてきたはずです。決して、順風満帆な道のりではなかったでしょう。
大手企業も同じです。移り変わる時代の中で、絶えず変化を求められながら、それでも事業を存続させ、成長し続けてきた結果として、今の大きさがあります。そうした組織に実際に身を置いて、体感してみることには、大きな意味があると思います。
そして、その歴史の中で、企業文化や仕事の進め方、社会人としての「型」のようなものが、時間をかけて根付いています。新卒でそうした企業に入るということは、「どうして今の姿があるのか」という歴史そのものを学べる、貴重な機会でもあるのです。
「40年間」という長さで、キャリアを考えてみる
20代前半で社会人になったとして、そこから定年まで、実に40年近くの社会人人生があります。
この長さで考えたとき、入社してすぐに大きな裁量を求めることだけが、正解とは限りません。まずは一般的な社会人としてのマナーや仕事の作法、基礎的な考え方をしっかり身につけた上で、「自分は今後どうしていきたいか」をあらためて考えてみても、決して遅くはないはずです。
歴史ある大手企業で、なぜその企業がこれほど長く続いているのかを、身をもって体感してみる。40年という時間軸の中で、そのタイミングを一度持ってみることは、十分に意味のある選択だと思います。
ただし、「大手=正解」でもない
一方で、誤解してほしくないこともあります。
全員が大手企業に入れるわけではありませんし、「大手だから良い」と一概に言えるものでもありません。
冒頭でお伝えした通り、そもそも「大手」という言葉自体、知名度やイメージによる曖昧な括りです。中小企業や、いわゆる零細企業と呼ばれる規模の会社の中にも、何十年と事業を続けてきた企業はたくさんあります。大手企業の関連会社もあれば、大手から分社化されて独立した企業もあります。歴史や安定性は、決して「大手」というラベルだけの専売特許ではないのです。
本当に大事なのは、「なぜその業界か」を語れること
ここまでの話を整理すると、行き着くのはこういうことです。
企業を選ぶうえで本当に大事なのは、会社の規模や知名度そのものではなく、「自分がなぜその業界で働きたいのか」を、自分の言葉で意味づけできているかどうかです。
そこに根拠を持てているなら、その先に大手企業を選ぶのも、老舗の中小企業を選ぶのも、どちらも立派な戦略です。逆に、業界への意味づけがないまま「とりあえず大手」だけで選んでしまうと、選考が進むにつれて、志望動機の説得力が弱くなっていきます。
まとめ
▶大手志向そのものは、悪いことではない。歴史や文化を学べる、社会人としての基礎を身につけられるという意味がある
▶40年という長いキャリアの中で、まず基礎を固める期間を持つことも一つの戦略
▶ただし「大手=正解」ではない。歴史ある中小企業、大手の関連会社、分社化企業など、選択肢は幅広い
▶一番大事なのは、企業の規模ではなく「なぜその業界なのか」を自分の言葉で語れること
インターンに応募する今の時期こそ、一度立ち止まって、「なぜその業界を選んでいるのか」を自分自身に問いかけてみてください。その答えがあれば、大手であっても、そうでなくても、自信を持って選考に臨めるはずです。
もし「なぜその業界なのか、うまく言葉にできない」という方は、企業研究の視点を整理しながら、自分なりの意思決定基準を一緒に言語化していくセッションもご用意しています。「とりあえず大手」から一歩進んだ、根拠のある企業選びの土台づくりに、ぜひ活用してみてください。