こんにちは。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。
本日のテーマは、転職を考える前に、「学ぶ人」に戻ってみる
仕事をしていれば、誰にでも「もう無理かもしれない」と感じる瞬間が、幾度となく訪れます。
成長が行き詰まっていると感じる時。なんとなく職場の人間関係がギクシャクしている時。営業成績が上がらず、居心地が悪いと感じる時。評価に納得がいかない時。私自身も、そういう瞬間を何度も経験してきました。
転職を考える前に、まずは自分自身に聞いてみてほしいこと
こうした場面で、多くの人がまず思い浮かべるのが「転職」という選択肢です。転職サイトに登録してみる、エージェントに相談してみる——それ自体は、決して悪いことではありません。
ただ、その前に一度、自分自身にこんな問いを投げかけてみてほしいのです。
□転職することで、自分の次の成長・ステップを決定してもいいのか
□成長って、本当に仕事だけに求めるものなのか
□会社からの評価って、自分の人生においてどこまで影響を及ぼすのだろうか
□人に巻き込まれてしまっている自分は、本来の自分なんだろうか
□こういうことって、他の職場へ行けば改善されることなのだろうか
□自分に足りない点は、どんなことがあるのだろうか
□キャリアの選択って、転職だけがすべてなんだろうか。他に何かできることはないか
□この状況を打開するために、他の手段はどんなことがあるんだろうか
答えはすぐに出なくて構いません。こうしたひとつひとつの問いかけを、自分の中に一度置いてみるだけで、「転職」という一つの選択肢に飛びつく前に、視野を広げることができます。
「学ぶ人」という役割に立ち返る
そこで次に、キャリア理論の中に、ドナルド・スーパーが提唱した「ライフ・キャリアレインボー」の下図を思い浮かべてみましょう。
これは、人は、子ども・学ぶ人・余暇人・市民・職業人・配偶者やパートナー・家庭人・親といった、複数の役割を同時に生きているという考え方です。
あなたは、この役割をそれぞれ満遍なく過ごすことができていますか。
社会人にとって、しんどさの多くは、「職業人」としての役割の中で生まれます。だからこそ、私は、そこであえてもう一つの役割である**「学ぶ人」**に、意識的に立ち返ってみることをおすすめしたいのです。
もし成長に行き詰まりを感じたら、まずは自分が携わっている業務範囲の資格の勉強を始めてみる。営業職であれば、お客様対応に関わる資格の勉強でもいいと思います。なによりも「学ぶ人」を持つ、深めることで、他者や周りの環境ではなく、自分自身だけと向き合う時間を確保できるようになれます。それが、「学ぶ人」としての自分を取り戻す、小さな一歩になります。
「資格」という、揺るがない証明
また、社会人になると、評価や人間関係など、周りのなんとなくの指標に振り回されがちです。でも、だからこそ伝えたいことがあります。
「資格」という公的な証明でもって、自分自身を試し表し続けるということです。
資格は、誰かの主観に左右されない、客観的な事実です。職場での評価がどうであれ、人間関係がどうであれ、「自分はこれを学び、このスキルを体得したという証明を得た」という事実だけは、誰にも揺るがされません。それは、しんどい時期を「学ぶ人」として乗り越えた、確かな軌跡でもあります。
大切なのは、「続ける」こと
社会人ともなると、生活リズムが崩れて恒常的に学習時間を確保することが厳しくなってくることもあると思います。
ただし、結局のところ、一番大切なのは「続ける」ことなのだと思います。
一度や二度の学びで、すぐに何かが劇的に変わるわけではありません。それでも、しんどい時期に「学ぶ人」としての自分を手放さず、コツコツと持続していくことで、数年後、十年後、自分の変化を体感することができるでしょう。
乗り越えた先にしか、自信は生まれない
しんどい時、苦しい時に、そこから逃げずに一つずつ乗り越えていく。実は、この経験こそが、何よりも確かな自信につながっていきます。
「あの辛くてしんどい時期を、自分は乗り越えられた」という事実。これは、誰かに褒められて得られる自信とは違う、自分自身だけが知っている、揺るがない自信です。だからこそ、しんどい場面に直面したときほど、簡単に諦めず、辛抱して乗り越えてほしいと思っています。
転職という選択肢は、いつでも取れます。でもその前に、「ライフ・キャリアレインボー」で示した「学ぶ人」としての自分に一度立ち返ってみる。キャリアにおいて、その選択肢も、ぜひキャリアをステップアップさせるうえで、有効活用してみていただけたらと思います。さらに、乗り越えた先には、必ず、確かな自信が待っていると思います。