アンリセット#38 数字と現実を訊く勇気
(前回のあらすじ)キャッチフレーズはいいよ。口下手をコミュ充に変える力を持ってる――入力したこの言葉でAIが物語を展開。
翔太の言葉に、一莉は名刺の文字が行動を変える力を秘めていると実感した。
(本編)交流会のざわめきの中、一莉は名刺を握り直し、翔太に向き合った。
「実際に動く前に知っておきたいんです。補助金とか、空き家の家賃とか…」と、まずは**事実を求める質問**を選ぶ。
続けて「自分一人で調べても不安で…」と**感情を添える**。
最後に「もしよければ、翔太さんの経験を教えていただけませんか?」と**提案を加えて結ぶ**。
仁科のセミナーで学んだ順序を意識しながら、声のトーンも少し柔らかくして、問いかけが一方通行にならないよう気を配る。
翔太がどう答えるか、息をのんで待つ。
「聞く姿勢に共感できるから、教えてあげる」
翔太は軽く頷き、テーブルの上に置いたペンで空中に数字を書き出すように指を動かした。
「補助金はね、まず市の小規模事業者向けがスタートライン。条件さえ揃えば数十万円単位が出る。ただし書類の準備が大変で、提出の時期を逃すと一年待ちになる」
一莉は深く頷き、メモに走り書きをしながら聞き入る。翔太はさらに続けた。
「空き家の家賃はピンキリだよ。古いところだと月1万円台もあるけど、使える状態に直す費用は別。結局、表の数字より改修費の方が重い。だから『ただ安い』に飛びつくと、後で苦労する」
その声は、経験の重みを伴っていた。
「要するにね、数字を額面どおりに受け止めないこと。『ここなら自分のプランに合う』って場所を探すほうが、補助金より大事かもしれない」
そう締めくくら
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