アンリセット#8 まだ、声を出してない

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(前回のあらすじ)
一莉は自分に合わないと思いながらも、「とにかく入ってしまえ」とワークショップに参加。別班の
「空き家、ぶち抜いてカラオケにします」
のアイディアに会場がざわついた。

(本編)
笑いも意見も飛び交う中、ふと気づく。
一莉は、まだ何も言っていなかった。
誰かの想像を聞くだけで、今日が終わりそうだった。
発表のたびに「すごいな」と思って終わる。
すごい、で終わるのは、自分にアイデアがないから?
それとも、ただ怖いだけ?
誰かの発言を真っ先に否定する人はここにはいない。
なのに、自分の中の“想像”だけが、
一莉の言葉を止めていた。
秋山が笑いながら「意見ある人?」と呼びかける。
一莉の手は、膝の上で少し動いた。
でも声にはならなかった。
そのとき「じゃあ、うち行きます」と手を上げた班がいた。
近所の人になりきって、空き家を見てきたという。
場の空気が少し、変わり始めた。

「空き巣役の人、住まわせます」

堂々と放たれたその一言に、空気が止まった。
聞き間違いではなかった。
「防犯って、“起きたあと”に強くなるから。
“起きる前”にリアルを見せたくて」
賛否も笑いも、ぐるぐる回る中、一莉は黙って聞いていた。
「防犯を“見える化”する場所。
あえて、不安のモデルルームを」
そう結ばれた言葉に、ざわめきはまだ消えていなかった。
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